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あれっ、組織縦割りって、日本の悪しき伝統?


「青山繁晴の逆転ガイド その1ハワイ真珠湾の巻」(青山繁晴著、ワニ・プラス)より


『 この陸軍博物館は、「ハワイのアメリカ陸軍の守りは非常に手薄で、強力な日本陸軍が上陸していればあっという間にハワイを占領されていた恐れがあった」ということを自ら認める展示をしているのです。

 実際、ぼくがワシントンDCで現役の陸軍当局者と議論すると、「その場合、日本としては日露戦争と同じように、もしも戦争を続ければ負けるけれども、その時点では日本が優勢な講話を持ちかけることはできたはずだ。不思議なことに、日本はそれを一度も考えた節がなく、敗戦後も一度も語られたり研究されたことがない。なぜなんだ。空から海から攻撃しておきながら、あとから陸軍が来るということが考えられもしなかったのは分からないね」という話が出るのです。

 アメリカからすれば日本陸軍の攻撃に備えようと思っていたのが、ミッドウェーでミラクルをお越したおかげでHAWAII WAS SAFE、ハワイが占領されることがなくなったということを、ここに簡潔に記してあるのです。


 この場所は、ぼくが唯一、アメリカ陸軍博物館で「おかしな展示だ」とワシントンDCの国防総省で当局者に批判したところです。

 この展示には「圧倒的な力」と書いてあります。何のことかというと原爆のことを言っているのです。


 「原子爆弾が日本に戦争を止めさせ、無益な犠牲者を出すのを防いだのではない。真相は逆ですね。戦争が終わりかけていて、早く原爆を使わないと人体実験ができなくなるから投下した」

 「その証拠に、もし戦争を終わらせるためなら広島への一発で済むはずで、長崎にもう一発落としたのは、ひとつには科学実験は一度ではなく最低二度実施して結果を付き合わせる必要があること、もうひとつには、広島に落としたのはウラン型、長崎落としたのはプルトニウム型でそれぞれの効果を調べる必要があったのでしょう」――ということをアメリカ側に問題提起しています。

 さらに、この展示にUNCONDITIONAL SURRENDERとありますね。

 これをぼくも学校で「無条件降伏を受け入れた」と教わりました。みなさんもそう教わっているでしょうし、いまの子供たちもそう教わっています。しかし違います。

 UNCONDITIONAL、無条件というのは、無条件の武装解除に応じたことを指すのであって、降伏そのものについては条件がちゃんと付きました。それは天皇陛下のご存在、日本の国体を護るという条件を付けて降伏したのであって、UNCONDITIONALではなくCONDITIONAL、条件付きです。

 だからそこを混同している展示だということもアメリカ側に申しています。実はアメリカの国務省、あるいは国防総省でも当局者によっては「その通りだ。確かにUNCONDITIONAL SURRENDERとは違うよね」と言います。

 これはむしろ日本の政府からきちんと発信すべきことです。』



 陸海空軍が真に一体となって戦うことが出来なかったことに、今日の組織縦割りの弊害が重なる


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by tsuruichi1024 | 2016-12-14 08:00 | 青山繁晴 | Comments(0)