2017年 01月 09日
あれっ、「君の名は。」の映画と主題歌の関係?
「小説 君の名は。」
昨年、映画「君の名は。」を見た。
興味を持ったので、「小説 君の名は。」の電子書籍を読んでみた。
また、2017/1/8の「題名のない音楽会」(http://www.tv-asahi.co.jp/daimei_2015/contents/Broadcast/bn-cur/)に、新海誠監督が映画のテーマ曲に込められた思いを語っていた。
「小説 君の名は。」(新海誠著、角川e文庫、H28/6/18発行。角川文庫「小説 君の名は。H28/6/25初版発行にもどついて制作)の解説で、川村元気さんが主題歌との関係について以下のように述べている。
『 解説 川村元気
新海誠が僕に解説を頼んだ理由が分かった気がした。
彼は「解説」して欲しかったのではない。この小説が生まれた経緯を、身内から「暴露」して欲しかったのだと、僕は理解した。
2年前、新海誠と長編映画をつくることが決まった。
その日の夜、僕は新海誠と有楽町のガード下にある安い居酒屋で酒を飲んでいた。
ぼくはハイボールを、彼は生ビールを片手に語り合った。
新海誠をまだ知らない人たちがかれの世界に触れ、驚いて欲しかった(ぼくが14年前『ほしのこえ』を観てぶったまげたように)。そして、新海作品を見続けてきた人たちには、あらためて新海誠という才能がなにを成し遂げたのかを目撃して欲しかった。
加えて、新作は限りになく音楽的であって欲しいと、僕は言った(いつだって新海誠の作品は素晴らしい音楽とともにある)。好きなミュージシャンはいるのか? と訊ねた。すると彼はあるバンドの名前を挙げた。以前から親しくしているそのバンドのフロントマンに、僕は酔った勢いでメールを打った。
「君の前前前世から、僕は君を探し始めたよ」
それから半年後、RADWIMPSの野田洋次郎から主題歌『前前前世』のデモが届いた。
すれちがうふたりの物語を、どこまでも大きな世界で描く。新海誠と野田洋次郎。
ふたりは運命に導かれるように出会い、奇跡的なコラボレーションが生まれた(きっかけはガード下の居酒屋だったけど)。
「今回、小説は書きません」
そう宣言していた新海誠が、野田洋次郎の音楽によって書かされた。
小説に音は鳴らせない。でもRADWIMPSの曲がここから聴こえてくる。
運命的な出会いがもたらした、希有な小説だと思う。
本作のなかで瀧は自問している。
人は不思議な生き物だ。大切なことを忘れ、どうでもいいことばかり覚えている。メモリーカードのように、必要なものを残し、不必要なものだけを消すようにはできていない。それはなぜだろう、と考え続けてきた。
でもこの小説を読んで、少しだけ、わかった気がする。
ひとは大切なことを忘れていく。
けれども、そこに抗(あらが)おうともがくことで生を獲得するのだ。
(映画プロデューサー・小説家) 』
有楽町のガード下から生まれた、映画と音楽の奇跡的なコラボレーション。
世の傑作が、どこから誕生するか分からないところがまた面白い。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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