2017年 06月 14日
あれっ、取締役の解任、解職、退任?
【 代表取締役の解任、解職、退任 】
2017/6/13の日経朝刊1面に、『富士ゼロックス会長ら解任 不適切会計375億円 上層部が隠蔽 富士フイルム古森氏 会長を兼務』とする記事があった。
記事からは、(また不適切会計かという思いと)
1.わざわざ株主総会(富士ゼロックスの出資比率:富士フイルムHD75%、ゼロックス・リミテッド25%)を開いて、
2.総会決議で(代表取締役)会長を解任するんだ、
と思ったが、そんな手続きを踏まなければいけないほど、「富士ゼロックス会長が辞職に抵抗してるのだろうか?」との疑問からプレスリリース等を追ってみた。
まず、代表取締役の解職・解任については、添付HPが分かり易いので、こちらを参考に会社法を確認してみる。http://www.business-finance-lawyers.com/knowledge/company_affairs/dismissal_of_president.html
『 代表取締役の「解任」と「解職」は、法的に意味が異なります。解職とは、代表取締役を代表権のない取締役にすることです。解任とは、代表取締役を取締役の地位から退かせることです。(以下略) 』
<会社法>
1.代表取締役の解任
(解任)
第三百三十九条 役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。
2.代表取締役の解職
(取締役会の権限等)
第三百六十二条 略
2 取締役会は、次に掲げる職務を行う。
略
三 代表取締役の選定及び解職
⇒ 代表取締役の解職(代表権のない「ひら」取締役への降格)は取締役会で、解任(取締役の地位も剥奪)は株主総会(より重い対応)で決定
なお、富士フイルムホールディングス(4901)の添付プレスリリース※(P4)では、(法的な)「解任」や「解職」ではなく、(自ら職を辞する)「退任」となっている。
※http://www.fujifilmholdings.com/ja/investors/pdf/other/ff_irnews_20170612_003j.pdf
<感想>
新聞記事は、「法的な正確性」よりも、読者にとっての「分かり易さ」を求める傾向があるのだろう。(が、個人的には、正確な表記の方が好ましいように思う。)
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら http://tsuru1.blog.fc2.com/
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