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あれっ、ロヒンギャ問題の根底にイギリスの植民地支配あり?


【 ミャンマーのロヒンギャ問題 】



 2017/9/14に、有本香さんが、虎ノ門ニュース(https://www.youtube.com/watch?v=tJTXQttUkNg)や「ザ・ボイスそこまで言うか!」(http://www.1242.com/program/voice/)でロヒンギャ問題について「日本のメディアは、イギリスBBC放送の尻馬に乗るな!」的な発言をしていた。

 以下は、ネットサーフィンして、有本さんの主張と似た「ミャンマーのロヒンギャ族・イギリスの植民地支配」と題する記事(
http://kasataro.sakura.ne.jp/archives/295)からの要約。


・ミャンマーにおける国籍付与者:1823年(第一次英緬戦争の前年)以前からミャンマーにいた人達(=正式な国民)
⇒ ロヒンギャ族はそれに該当していない(ミャンマー政府の主張)ため、無国籍


・ロヒンギャ族:第1次英緬戦争(1824-26)の結果、現在ロヒンギャ族が多く住むラカイン州が英国の植民地(その後、英領インドの一部)となり、イギリスの植民地支配の一環として連れてこられた外部の民族の位置付け
⇒ ビルマ人はロヒンギャ族のことをベンガル人と言っている


・イギリス:植民地支配の過程で、ビルマの人々を言語や外見で分類し、統治に活用したり、植民地の経験豊富なインド人を多数連れてきて植民地経営に利用
⇒ これらイギリスの植民地支配は、ビルマ人の民族意識を覚醒させた


・BBC/欧米メディア:ミャンマー政府を激しく非難しているが、イギリスの植民地政策のことについては黙殺。仏教とイスラム教の対立という形で報じる事が多い
⇒ ビルマ族とロヒンギャ族では外見が異なり「東南アジア」と「南アジア」の違いが明白で、宗教対立というよりは民族的な対立であるが、仏教徒がイスラム教徒を弾圧しているという形にしたい欧米メディアの意向が反映されているのであろう


・アウンサン・スーチー:この問題に対して沈黙
⇒ ロヒンギャ族の立場に立てばミャンマー族の反発を受けるし、ミャンマー政府と同じ主張をすればこれまでの※イメージが崩壊するから(※これまで、イギリスはじめ欧米各国が民主化の象徴として持ち上げてきた)


・多くの記事:第二次世界大戦中に日本軍がビルマに進駐した事が今日の民族問題の遠因であると指摘。ビルマ族が日本軍に、ロヒンギャ族が英軍について戦闘したことが民族対立の原因なのだから、日本にも責任がある、という論理
⇒ しかし、これでは、同じくビルマ族と戦闘した民族(カレン族など)がロヒンギャ族とは扱いが違っている事を説明できない


・ロヒンギャ問題:イギリスによる植民地経営の結果として生じた民族問題である
⇒ イギリスはミャンマー政府を非難するだけでなく、旧宗主国としてロヒンギャ難民を受け入れるべき


・日本:ミャンマーとバングラデシュ両国の債権を放棄したうえで、さらなる援助と続けている
⇒ 今後はロヒンギャ族の問題を抜きにして援助を続けることは困難となるだろう(日本はミャンマーからの難民を多く受け入れていきているが、難民を生みだしている国に援助を続けているのも変な話)



<感想>
 オスマン帝国領土の分割を定めたサイクス・ピコ協定(1916年)後、ファイサルをイラク王に据えたり、ファイサルの兄をトランスヨルダン(現ヨルダン)の首長に据えたのもイギリスで、(80年後の)今日のISを生んだ一因にもなった。ロヒンギャ問題もこれ以上大きくなる前に、批判を繰り返す旧宗主国イギリスを含めて確りと対応して行く必要があろう。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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by tsuruichi1024 | 2017-09-20 08:00 | ロヒンギャ問題 | Comments(0)