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あれっ、自衛隊が拉致被害者救出のための訓練を開始?


【 危機にこそぼくらは甦る 】


 以下は、「危機にこそぼくらは甦る」(青山繁晴著、扶桑社)(六の扉 危機を生きる)からの一部抜粋。


『1
 危機とはそもそも何だろう。
 やられることか、やられそうになることか。
 それとも、やられていることにすら気づかないことか。



 にんげんには、受け身という生き方もあります。

 しかしその生き方では、平時には綻(ほころ)びをみせずとも、ひとたび本物の危機が向こうからやってくると、おのれだけではなく愛する人々、護るべき人々をも喪うことになりかねません。

 危機に立ち向かうには、どこかで必ず前に出る、攻めに転ずることが欠かせない。


 西暦2017年5月2日にハワイ真珠湾のアメリカ太平洋司令部(PACOM/ペイコム)を訪ねて、ハリー・B・ハリス司令官と通訳を入れずに眼と眼をみて、この半島危機について議論しました。

 司令官の言葉は一切、永遠に公開できません。

 けれども、僕の言葉は一部、公開できます。ひとつには、もしもアメリカ軍が北朝鮮攻撃の作戦を立てている途中なら、そこに必ず日本の拉致被害者の全員救出を組み込んでほしいということです。「これは救出をアメリカ軍にお願いするということではありません。自衛隊と連携してくださいという意味です」と申しました。

 ぼくは2017年3月2日、参議院の予算委員会で質問に立ち、「半島危機に直面していく今、自衛官と警察官、消防官、そして医師、看護師、保健師、さらに方言もこなせる朝鮮語の通訳で構成する包括的な拉致被害者救出部隊を編成し、北朝鮮と日本国民の眼に見える訓練も、水面下での立案・協議も早く開始してください」という趣旨を述べました。

 これに対し若宮健嗣防衛副大臣は「自衛隊は(拉致被害者救出のための)訓練を開始しています」という予想外なほど重要な答弁をなさいました。

 しかし多くの国民に知られることがありませんでした。NHKのテレビ中継はなく、新聞も通信社もテレビ・ラジオのニュース番組もすべてマスメディアはこの質疑を一切、無視したからです。それは、ぼくの質疑が拉致事件に触れると委員会室を出て行った福島瑞穂・社民党副党首ら一部野党の姿勢とそっくりです。傍聴の国民多数がこれを目撃なさいました。

 ハリス司令官に申したもうひとつは、こうです。

「かつてのオバマ政権がイランと結んだ核合意は、イランに核開発をあきらめさせることに成功したのではない。逆ですね。イランが十年間は大人しくして質も量も落とす核開発に留めるのなら、それを黙認するという合意でした。

 北朝鮮に対してもアメリカがそれをやるなら、日本は容認しません。それはアメリカに届く核ミサイルは駄目だけれど、日本をすでに射程内に収めている中距離弾は許すということだからです。ぼくも、おそらくは安倍総理も日本の核武装に反対ですが、そうなれば次世代の日本は核武装せざるを得ないでしょう。北朝鮮のボロ核で慌てるアメリカは、高度な技術で造る日本の核に、一体どれくらい慌てるのでしょうね」

 
 ハリス司令官が仰ったというのではありませんが、ぼくはこのときのアメリカ太平洋軍司令部の全体、それからハワイの太平洋軍司令部を訪ねる前夜にワシントンDCで話した軍人たちの様子から、次の本音を感じました。

「北朝鮮が制裁に苦しんで核ミサイルの開発を本当に放棄するということが起きれば別だが・・・・・・それはおそらくは起きないので、アメリカ軍が北朝鮮の核とミサイル、司令部、ソウルを狙っている長射程砲の群れ、特殊部隊などなど、そして独裁者そのものまで全面攻撃する、少なくとも準備は整え完成させていく。そのうえで判断するときが、いずれやってくる」

 これは、アメリカ合衆国が史上初めて、核保有国と戦争をする可能性が生じているのがたった今の現実だということを意味します。

 広島、長崎への原爆投下をほんとうは人体実験として行ったアメリカは、被爆国のわたしたち日本国民よりはるかに正確に核の底無しの恐ろしさを知っています。イラクもフセイン大統領が核開発を諦めていたから攻撃してフセイン大統領を死刑に処したし、リビアのカダフィ大佐も「核を断念したら援助してやる」と騙してから攻撃し、民兵の少年に殺されるという惨めな死へと導きました。

 北朝鮮の金一族は、その中東で核やミサイルの技術を売る商売をして生き延びてきたから、この現実をよく知り尽くしています。だからアメリカのクリントン大統領やブッシュ大統領を騙しながら、そして中国が何を言おうとも、核開発を続けてきたのです。

 ところが、その核開発に成功したがために金一族は人類史上最初の核保有国同士の戦争の恐れを今、膨らませているのです。』


<感想>
 1)拉致被害者救出のための自衛隊の訓練開始の答弁や、2)青山議員がハリス司令官に拉致被害者救出のための自衛隊との連携の申し出、があったことは知らなかった。対北朝鮮対策を考える上で、拉致被害者救出が大事な論点であることを忘れてはならない。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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by tsuruichi1024 | 2017-09-21 08:00 | 青山繁晴 | Comments(0)