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あれっ、IPOの初値時点で受渡株式の大半が約定?


【 みらいワークスのIPO 】


 2017/12/19、みらいワークス(6563)が東証マザーズに上場し、初日は取引が成立せず、翌日にIPO価格の3.3倍で初値が付いた。
http://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS08217/8525ea93/81e8/4cd2/a90d/fd4ea21f2ed8/140120171219438204.pdf


1.IPO概要

・IPO価格:1,840円
・引受価額:1,692.8円(引受手数料8%)

(1)公募増資:170千株

(2)OA:25.6千株(GSO:第三者割当増資)

(3)売出し:44千株(個人等3名)

⇒上記(1)~(3)計:239.6千株(発行済株式数(下記3(b))の20%)


2.ビジネスモデル等

(1)ビジネスモデル
・5,700人を超える独立プロフェッショナルの中から、最適なメンバーを選定してプロジェクト・チームを組成し、クライアントの業務、IT、組織などの経営課題を解決する

(2)経営理念
・日本の未来の為に挑戦する人を増やす

(3)ビジョン
・プロフェッショナル人材が挑戦するエコシステムを創造する


3.各種指標等(IPO後)

・当期利益:98百万円(18/9期予想)(a)
・発行済株式数:1,195.6千株(前提:シンジケートカバー取引なし)(b)
・純資産:526.9百万円(17/9末+上記1(1)+(2))(c)

(1)EPS:82.0円(d=a÷b)
(2)PER 1:22.4倍(IPO価格÷d)
   PER 2:74.2倍(12/20初値6,080円÷d)
   PER 3:80.5倍(同終値6,600円÷d)
(3)ROE:18.6%(a÷c)


4.上場初日の初値決定前の気配運用について
http://www.jpx.co.jp/news/1031/20171218-01.html

⇒ 上場初日は取引成立せず(買い気配:4,325円)


5.規制措置(初値決定日まで)
http://www.jpx.co.jp/news/1030/20171219-01.html


6.上場翌日(12/20)の株価

(1)初値(10:23)時点のスクリーンショット
・初値:6,080円(IPO価格の3.3倍)
・高値:6,080円
・安値:5,870円
出来高:222,500株(上記1の239,600株の92.9%)

(2)全日
・高値:6,700円
・安値:5,420円
・終値:6,600円
出来高:585,500株(同2.4倍)


7.IPOの売出しでなく市場内で売却した事例
(ロックアップの対象外)
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120171220439148.pdf


<感想>
 初値時点(10:23)の出来高はIPO株式数に近いため、受渡株式の大半が約定されたもとの思われる。
 初値はIPO価格(今期の予想PER の22倍)の3.3倍(同74倍)だったため、会社・売出人にとってはIPO株数を抑えた方が良かったかもしれないが、流動性(上記1:流通株20%)的には、止むを得なかったように思われる。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
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by tsuruichi1024 | 2017-12-21 08:00 | IPO | Comments(0)