【 自己株処分による資本剰余金増加 】

 2017/10/16、ネクステージ(3186)が公募増資と自己株式処分(野村證券主幹事)を公表した。
http://contents.xj-storage.jp/xcontents/31860/2d5922c8/9c89/4e4d/8c94/3bd13a648165/140120171016491205.pdf

 今日は、自己株式を処分した場合のバランスシート(BS)の変化を考えてみる。なお、資本取引なので、損益計算書(PL)上の利益への影響はない。


[ 自己株式処分時のBSへの影響 ]

1.自己株式
(1)BS上の記載(17/8第3Q決算短信)
 
http://contents.xj-storage.jp/xcontents/31860/afb352bd/894e/4807/88ed/b7fe13880255/140120171007486985.pdf
 自己株式数:1,097,074株(a)
 BS計上額:△397,405千円(b)
 簿価:362円/株(c= b÷a)

(2)売出価格例(引受手数料差引後ネット):2,500円(10/15終値2,651 (前日比▲337)円×94.3%)(d)(一般的な条件決定例:条件決定日終値の①ディスカウント率3%、②引受手数料4%)
 自己株式処分差益:2,138円/株(e=d-c)
 自己株式処分株数:1,097,000株(f)
 同総額:2,345百万円(g= e×f)
 ⇒ その他資本剰余金へ計上

(3)株主資本
・自己株式処分前:7,127百万円(h)
 ⇒ 同処分後:9,870百万(i=h+g-b×f÷a)へ増加

3.参考記事
「自社株売り -損益計算書には反映されない処分差益」
 
http://president.jp/articles/-/12778?page=2&dt=2050/12/31%2023%3A59&pskinset=asari


[ネクステージの事例]

1.公募増資の概要
(1)普通株式:1,503,000株(発行済株式の7.2%)
(2)条件(ディスカウント率)決定日:10/23~26(通常は初日に決定)

2.自己株式処分の概要
(1)普通株式:1,097,000株(発行済株式の5.2%)
(2)条件(ディスカウント率)決定日:10/23~26

3.オーバーアロットメント*に伴う株式売出しの概要
(1)普通株式:390,000株
(2)発行金額(株数)決定日:上記1・2の条件決定日と同日
(3)株式(=主幹事証券が株主から借株)の返済方法:第三者割当増資 or 市場調達(シンジケートカバー取引時)

*https://www.nomura.co.jp/terms/japan/o/overallotment.html


4.上記資金使途

・最大67億円:設備投資(42億円)、運転資金(25億円)等

5.2017/10/17のニュース
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL17HLM_X11C17A0000000/


<感想>
 インサイダー情報が発生していない段階で、(1)株価低迷時に自己株式を取得し、(2)株価上昇後に処分(売出し)することにより、株主資本の増強(←自己株式処分差益)を図ることができる。しかし、投資家から見れば、配当原資となる一方、希薄化(自己株消却対比)やROEの悪化にも繋がる。資本政策としての自己株式や増資は、調達資金の使い途を含めたエクイティ・ストーリーが描けない限り、実施すべきではないだろう。


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by tsuruichi1024 | 2017-10-18 08:00 | Comments(0)


「日本人なら知っておきたい 皇室のしくみ」 (著/五味洋治ほか、宝島社)


 以下は掲題書(第七章「時代をつくった天皇」)からの一部抜粋。(その3)


  明治以降  明治天皇、大正天皇、昭和天皇
  日本の近代化とともに生きた天皇


 明治以降の日本の近代化の歴史は、天皇の歴史でもあった。江戸時代までは、政治の舞台に天皇が登場することはほとんどなく、伝統と文化を引き継ぐ存在でしかなかった。

 明治天皇は嘉永五年(1852)に生まれている。行為についたのは慶応三年(1867)である。この年、徳川慶喜が大政奉還し、翌年1月には王政復古の大号令があり、新政府が誕生。4月には明治がスタートしている。

 明治天皇の若い頃の逸話として、禁門の変の号砲を聞いて、肝をつぶし失神したというものがある。明治以降の「御真影」の勇猛さを、より強調するために若かりし頃のひ弱さを強調したものだろう。実際、明治になって、天皇の役割は大きく変わった。大日本帝国憲法では、国家元首となり、統治権を総攬する、行政、立法、司法を掌握した全権の君主となったのだ。もちろん、そうはいっても天皇の統治権は内閣などの補佐が必要であり、全農の統治者ではなかった。

 さらに、明治政府は、中央集権化をはかるため「御真影」などを通して、天皇の神格化に力を注いだ。

 天皇は神になった。そして日本は天皇を中心にしてひとつにまとまっていく。


  激動の時代を生きた昭和天皇

 それを引き継いだのが大正天皇である。しかし、若い頃から病弱で、学校に通い続けることができず、個人教授によって帝王学を学んだ。

 大正天皇は結婚されて、皇太子妃の献身もあり、健康状況は改善に向かった。そして、裕仁親王が誕生し、明治45年(1912)、明治天皇が崩御されると、皇位継承し大正に改元した。

 しかし、天皇の激務には耐えられなかった。対象10年から皇太子の裕仁親王(昭和天皇)が摂政となる。そして、大正15年、大正天皇は心臓麻痺で崩じた。

 大正天皇が崩御すると、皇太子裕仁親王は、ただちに践祚し皇位を継承、昭和が始まった。昭和天皇ほど激動の歴史を生きた方はいない。「現人神」として祀られたが、実際は軍部に力を握られた。戦争への否定の思いも強く、張作霖事件では田中儀一首相を厳しく叱責し、226事件では青年将校を批判した。

 しかし、軍部の暴走を止めることはできなかった。そして、太平洋戦争が始まり、敗色が濃厚となり、自ら玉音放送で敗戦を受け入れた。戦後は人間宣言をし、昭和64年(1989)に崩御。
が激動の近現代史を生きた稀有の存在だったのだ。


<感想>
 後醍醐天皇以来の明治天皇による中央集権化が進展し、昭和天皇の太平洋戦争後に天皇中心の時代が終焉。象徴天皇の世の中の方がベターなように思われる。

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by tsuruichi1024 | 2017-08-27 08:00 | Comments(0)



安倍首相の真珠湾往訪の意義


 2016/12/27の「ザ・ボイス そこまで言うか!Podcast」に、経済学者の高橋洋一さんがゲストで出演され、大要以下のような内容をご指摘されていた。

 意義 : 戦争責任・謝罪なし、ともに追悼するという「*ドレスデン(ヨーロッパ)型和解」
      (戦後レジームからの脱却) 
 
 順番が大事:
  2016年5月 オバマ大統領、伊勢志摩サミット後に広島訪問
     12月 プーチン大統領、山口を訪問
        安倍首相、ハワイ・真珠湾を訪問

  ⇒ **非民主国の中国を巡る、米国・ロシア(・インドも含めて)の外交的バランスを重視した戦略

* アメリカは第2次大戦中のドレスデン爆撃についてドイツに謝罪した事実はない。ドイツはアメリカに謝罪は求めていない。アメリカとドイツの間では、ドレスデンの問題は、謝罪の問題ではなく、和解の問題として考えられている。

 アジアでは、中国と韓国のように、日本に対して戦争責任を主張し、まず謝罪せよとの、古いタイプの言い方が今でもまかり通っている。それが、今(2016)年は、日本だけがいち早くヨーロッパ型の和解(戦争責任・謝罪なしで、ともに追悼)を取り入れた記念すべき年になるだろう。(出所:http://www.j-cast.com/2016/12/08285632.html?p=all

** 詳細は『中国の海洋進出阻止のために描くべき、「日米露印包囲網」という戦略』ご参照(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50576


 高橋洋一さんは、2007年、官邸参事官として安倍第1次政権で働いていたときに、ドレスデン型和解を安倍首相にレクチャーされていたそうだ。

 これまでのアジア型からヨーロッパ型の和解への変化。

 第1次政権からの9年越しの真珠湾訪問は、意義深いものになりそうだ。


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by tsuruichi1024 | 2016-12-30 08:00 | Comments(0)