カテゴリ:コンプライアンス( 1 )


【 神戸製鋼所の適時開示 】


 神戸製鋼所(5406)のデータ改ざんに関する一連の報道は以下の通り。


1.会社関連

(1)2017/10/8(8:30)のプレスリリース
http://www.kobelco.co.jp/releases/1197805_15541.html

「当社が製造したアルミ・銅製品の一部に関する不適切な行為について」

 主な製品:アルミ板、アルミ押出品、銅板条、銅管及びアルミ鋳鍛造品
 出荷期間:2016年9月1日~2017年8月31日
 数量等  :アルミ製品(板、押出品)約19,300t
      銅製品(板条、管)    約 2,200t
      アルミ鋳鍛造品     約19,400個


22017/10/8の梅原尚人副社長の記者会見


http://www.asahi.com/articles/ASKB85GB7KB8ULFA004.html



 ──いつ報告があったのか。

 「アルミ銅部門が自主的に点検して発覚した。われわれが知ったのが8月30日。アルミ銅部門の管理職が幹部に言い、それが取締役レベルに上がってきた。調査中だが、現場の管理職にはすでに知っていたという人たちがいる。わけがあって言い出せなかった、という」

 ──なぜ公表まで1カ月超もかかったのか。

 「まず事態がどんなものか、われわれが把握しないといけない。お客様にも一報をしないといけない。これだけ重大なことなので、何らかの形で早く公表しようと考えていた。ただ、お客様がいろいろな動きをされたので、中途半端だが、今日緊急に発表した」

 ──国への報告は。

 「経済産業省に報告し、いくつか指摘をいただいた。法令違反や安全性の事実関係の究明、お客様への丁寧な誠意ある対応、こういう形でのみなさまへのお知らせ、可能な限り原因究明と再発防止策を、と」


(3)2017/10/10(15:30)の経済産業省の会見
 
http://blogos.com/article/251396/

 2017/9/28:経済産業省へ報告があった日

 神戸製鋼への要請*
1)違法性の有無や、安全性上問題がないかを含めて事実関係を明らかにする
2)顧客に情報提供し、適切に対応する
3)今回の事案を公表する
4)できるだけ早く原因究明と再発防止策を講じる
*
http://www.asahi.com/business/reuters/CRBKBN1CF0G1.html


[データ改ざん:まとめ]

2017/8/30 報告:アルミ銅部門の管理職⇒幹部⇒取締役レベルに(現場の管理職はそれ以前からすでに知っていた模様)

2017/9/28 会社⇒経済産業省へ報告

2017/10/8 会社プレスリリース、記者会見



4) 適時開示に係る社内体制

http://www.kobelco.co.jp/about_kobelco/kobesteel/governance/__icsFiles/afieldfile/2017/06/21/170621_cgreport.pdf


(最終ページ)
 法務部において適時開示が必要と判断した場合、「決定事実に関する情報」、「決算に関する情報」等については、本社および各事業部門の決裁がなされた時点において、また、「発生事実に関する情報」については、その発生を認識した時点において、法務部が速やかに開示手続き(TD net)を行ないます。


2.東京証券取引所の規則

(1)会社情報の適時開示が求められる会社情報
 
http://www.jpx.co.jp/equities/listing/disclosure/01.html

[上場会社の発生事実]
 27.その他上場会社の運営、業務若しくは財産又は当該上場株券等に関する重要な事実

(2)罰則規定(実効性の確保手段):適時開示違反の公表措置や上場契約違約金
 
http://www.jpx.co.jp/equities/listing/measure/02.html


3.会社の株価(終値)推移
 
 2017/8/30 @1,286 ⇒ 9/28 @1,285 ⇒ 10/6 @1,368 
 10/10 @1,068(ストップ安)⇒ 10/11 @878(年初来安値)


4.ご参考


「企業不祥事が生じた場合の適時開示について」**からの一部抜粋
 **
https://www.pwc.com/jp/ja/japan-knowledge/pwcs-view/pdf/pwcs-view201609-13.pdf

『 適時開示が求められる会社情報は、1)上場会社に関する情報、2)子会社に関する情報、3)非上場の親会社に関する情報の、各決定事実、発生事実、決算情報です。これらの情報を「適時に」開示するとは、会社が当該事実を認識した 時点で「直ちに」開示することです。

 また、「適切に」開示するとは、1)開示する情報の内容が虚偽でないこと、2)開示する情報に投資判断上重要と認められる情報が欠けていないこと、3)開示する情報が投資判断上誤解を生ぜしめるものでないこと、4)開示の適正性に欠けていないことです。』


<感想>
 本件は、
上記21)の「[上場会社の発生事実]27.その他上場会社の運営、業務若しくは財産又は当該上場株券等に関する重要な事実」に該当する事案であろう。

 個人的には、上記1(4)にもある通り、経営陣が
「重要な事実」の発生を認識した

2017/8/30に、10/8付プレスリリース内容の簡易版を開示すべきであったように思う。

 なお、上記4後段にあるように、8/30時点では「適切」な開示に足る情報の収集が未済で、「適切に」開示できるタイミングを
待っていた(開示内容が中途半端なことで、逆に投資家に誤解を与える恐れもあった)可能性もあり得たことを
付言しておきたい。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
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by tsuruichi1024 | 2017-10-12 08:00 | コンプライアンス | Comments(0)