【 東証1部指定のための流通株式比率 】


 2017/11/13、シャープ(6753)の大株主が株式譲渡の契約を締結した。


1.第三者割当により割り当てられた株式の譲渡に関するお知らせ
 
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/pdf/2017/171113-1.pdf

 譲渡の理由:当社株式の流動性向上を図るため*(2017/6/30に、東証1部指定申請中。現在東証2部)

 譲渡人:SIO Int’l Ltd.(「SIO」。親会社・鴻海精密工業の郭・董事長が実質的に支配している会社)
 譲渡人:大和PIパートナーズ
 譲渡株数:540万株
 譲渡価格:約190億円(@3,514.5円)
 方法:市場外取引

 差金決済契約:原則として、当社株式の出来高に鑑み当社株式の株価へ大きな影響を与えない様に配慮した方法により、本契約に定める一定期間経過後、本契約に定める条件に従い可能な限り速やかに、本株式を株式市場にて売却する予定。SIOによる本株式の再取得に関する合意は存在しない


 *2017/11/13日経電子版記事(一部抜粋)
『 シャープ株、鴻海系が1%売却 1部復帰へ流動性確保
 シャープは13日、親会社の鴻海精密工業グループが同日付でシャープの発行済み株式1.1%を売却したと発表した。申請中の東証1部復帰には市場に流通する株数が発行済み株式数の35%以上必要なため。鴻海グループの出資比率は66%弱から64.8%に下がった。』


2.主な東証1部指定基準(2部⇒1部)
 
http://www.jpx.co.jp/equities/listing/criteria/listing/

(1)株主数(上場時見込み):2,200人以上

(2)流通株式(上場時見込み)
 a.流通株式数 2万単位以上
 b.流通株式数(比率) 上場株券等の35%以上(2部は30%以上)

(3)時価総額(上場時見込み):250億円以上


3.第三者割当増資の簿価/売却益

(1)第三者割当増資
 ・2016/8 @88円/株(×約32.82億円≒2,888億円)
  内、SIO宛て4.2億株

(2)株式併合
 ・2017/9 株式併合 10株→1株
  ⇒ 簿価@880円

(3)売却益(グロス)
 ・540万株×(3,514.5円-880円)≒142億円


<感想>
 本件の株式譲渡は、シャープの現在の東証2部から1部指定要件となる流通株式比率(35%以上)充足を目指すもの。売却利益の最大化目的ではないとすれば、(VWAPギャランティ等の)価格固定(@3,514.5円)ではなく、価格変動分を別途支払うような契約の可能性もあり得る(と思われる)。

 本件は、ハイリスク・ハイリターンの典型例とも言える。鴻海に代わる出し手はいなかったのか。(後講釈で恐縮ながら)売却利益が海外に流出することも含めて、残念な事例である。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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by tsuruichi1024 | 2017-11-15 08:00 | シャープ | Comments(0)