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by tsuruichi1024 | 2017-12-14 08:00 | 自己株式TOB


【 MUFG:オムロン株式の売出し 】


 2017/12/11、オムロン(6645)が売出の条件決定をした。


1.売出し価格等の決定に関するお知らせ
https://www.omron.co.jp/ir/press/pdfs/20171211j.pdf

(1)売出株数:2,875千株
 三菱東京UFJ銀行:2,235千株
 三菱UFJ信託銀行: 640千株
 (引受価額ベース:計175億円)

(2)オーバーアロットメント:430千株
http://www.nomura.co.jp/terms/japan/o/overallotment.html

(3)売出価格:6,343円(△*3.01%)

(4)引受価額:6,081.40円(引受手数料4%)

<ご参考>
(1) 算定基準日・価格:2017/12/11・6,540円
(2) ディスカウント率:*3.01%
(3) グリーンシューオプション行使期間:12/19~12/22 
(4) シンジケートカバー取引:12/14~12/22


2.オムロン:売出しの目的
http://www.omron.co.jp/ir/press/pdfs/20171128j.pdf

・目的:個人株主層の拡大および株主構成の多様化をはかる


3.MUFGのコーポレートガバナンス・コード
http://www.mufg.jp/profile/governance/structure/pdf/report.pdf

【原則1-4】
■政策保有に関する方針
 (一部抜粋)
◇近年、国際金融規制の強化やコーポレートガバナンス・コード導入など、政策保有株式を取り巻く環境は大きく変化しております。

◇当社及びグループ銀行では、このような環境変化を踏まえ、株式保有リスクの抑制や資本の効率性、国際金融規制への対応等の観点から、取引先企業との十分な対話を経た上で、政策投資目的で保有する株式の残高削減を基本方針とします。 

◇平成28年度は約1,490億円(グループ銀行単純合算、取得原価ベース)の政策保有株式を削減し、平成29年3月末時点の取得原価対Tier1比率 は17.9%から16.6%に低下しました。次期中期経営計画終了時(平成33年3月末)を目処に10%程度への縮小をめざします。

[ 削減額 ]
16年度:1,490億円(△1.3%)
17-20年度:7,565億円(△6.6%)
⇒ 本件175億円 × 43.3回分(相当額)


<感想>
 オムロン株式の売出しは、上記MUFGのコーポレートガバナンス・コードの政策保有株式の削減方針に則した売却であろう。
 MUFGは、今期以降、昨年度以上のペースで株式を売却する必要があるため、今後も同様の売出しが継続するものと思われる。

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by tsuruichi1024 | 2017-12-13 08:00 | 自己株式TOB | Comments(0)


【 自己株式取得前後の各種指標の変化 】


 2017/12/7、日比谷総合設備(1982)が自己株式TOBの結果の開示をした。自己株式取得がROE等の各種指標にどの程度影響を与えるかを確認してみたい。


1.自己株式TOB等に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120171204429933.pdf


2.前提となる数値(17/9の半期決算短信)
http://www.hibiya-eng.co.jp/assets/files/irnews/2017_11_07_30_2qkessan.pdf

(1)自己資本:665億円(a)
(株主資本625億円+その他包括利益40億円)

(2)発行済株式数:31,000千株(b)
   自己株式:2,115千株(c)
   b- c:28,885千株(d)

(3)18/3期予想当期純利益:73億円(e)


3.自己株式TOBの概要
・取得株数:4,494千株(f)
・取得総額:110億円(g=f×@2,453)
⇒自己資本:555億円(h =a-g)


4.各種指標の変化(TOB前⇒TOB後)

(1)ROE
・11.7%(e÷a)⇒ 13.2%(e÷h)

(2)EPS
・253円(i =e÷d)⇒ 299円(j =e÷(d-f))

(3)PER(12/8終値@2,322(k)ベース)
・9.2倍(k÷i)⇒ 7.8倍(k÷j)

(4)配当利回り
・2.4%(予想配当60円÷TOB価格2,453円)
(ROA:8.5%。70億円÷826億円(17/9末))


5.ホンダの自己株式取得事例

(1)上記4の数値
・資本合計:7.6兆円
・自己株式取得:0.1兆円
⇒(自己)資本が大き過ぎて、自己株式取得をしてもほとんど変化ない(ため計算省略)

(2)配当利回り
・18/3期予想配当:96円/株(l)
・平均取得価格:3,628円/株(m)
(取得総額870億円÷2400万株)

[ 配当利回り ]
・税引後:2.65%(n=l÷m)
・税引前:3.92%(o=n÷(1-p))
(法人所得税率:32.53%(p)。17/3期:法人所得税費用0.33兆円÷税前当期利益1.01兆円(q))
・税引前ROA:5.31%(r =q÷総資産19.0兆円)

・「o<r」⇒ 資金を「自己株式取得」より「本業(営業活動)」に回した方がベター(と言えよう)


<感想>
 自己株式取得比率に従って(日比谷総合設備:自己資本の16.6%(g÷a)、発行済株式の14.5%(f÷b))、ROEやPER等は算数的に変化する。
 後講釈的な話で恐縮ながら、11/9高値の2,798円はTOB価格の1.14倍と、EPSの1.18倍(j÷i)にほぼ近い値となっていた。

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by tsuruichi1024 | 2017-12-10 08:00 | 自己株式TOB | Comments(0)


【 自己株式TOB&消却によるROE等の向上 】


 2017/11/7、日比谷総合設備(1982)が、自己株式TOBを決議した。


1.自己株式の取得及び自己株式の公開買付け(TOB)に関するお知らせ
 http://www.hibiya-eng.co.jp/assets/files/news/2017_11_07_jikokabu_koukaikaitsuke.pdf

(1)施策の検討、目標ROE

・中期経営計画を踏まえ、株主への利益還元の強化及び資本効率の更なる向上のための施策を検討

・数値目標として、自己資本当期純利益率(ROE)5%以上として、8%の継続的な達成を目指す

⇒ 大株主が保有する一定量の自己株式の取得・消却を実施することが有効であるとの判断に至る


(2)具体的な方法

・株主が公開買付期間中に、市場価格動向を見ながら応募する機会を確保できるTOBが、株主間の平等性、取引の透明性の観点から最も適切である

・また、TOB価格の決定に際しては、基準の明確性及び客観性を重視し、当社株式の市場価格にて買い付けることが望ましい


(3)既存株主の意向の確認

・2017/9下旬〜10月中旬に、市場価格でTOBを実施した場合の応募可否を、金融機関を中心とした複数社に打診し意向を確認

⇒ 14社より、それぞれが保有する株式の一部(合計約382万株、発行済の12.3%)を応募する旨の回答あり(応募株以外は継続保有)

⇒ 14社以外の株主にも応募の機会を与えるという観点を加味して、500万株を上限としたTOBを実施


(4)TOBの概要

 TOB価格 2,453円(11/6終値)
 取得株数 500万100株(発行済株式の16.1%)
 取得期間 2017/11/8〜12/6(20営業日)
 取得総額 約123億円(上限)

⇒ 123億円自己株式取得した場合のROE等の変化
 <2017/9中間決算短信ベース>
  2018/3期当期純利益(予想)73億円(a)
  株主資本+その他包括利益 665億円(b)
  自己株式取得総額(仮)  123億円(c)
  発行済株式数*    29,142,792株(d)
  除、上記TOB株式数 24,142,692株(e)
  11月9日終値       2,724円(f)
  *除、11月7日時点の自己株式

 <現時点>
   ROE  11.7%(g=a÷b)
   EPS  250円(h=a÷d)
   PER  10.9倍(i=f÷h)

 <自己株式取得後>
   ROE  13.5%(j=a÷(b-c))
   EPS  302円(k=a÷e) 
   PER  9.0倍(l=f÷k)


2.株価推移(前日比)/出来高

11月6日終値 2,453円/ 36,400株
  7日終値 2,445円(▲ 0.3%)/ 34,700株
  8日終値 2,710円(+10.8%)/136,800株
  9日終値 2,724円(+0.51%)/108,800株


3.TOBへの応募 vs 市場売却

・上記2の出来高の少なさを鑑みれば、上記14社は(そもそも)市場売却は難しかったものと思われる


4.自己株式の消却
 http://www.hibiya-eng.co.jp/assets/files/news/2017_11_07_jikokabu_syoukyaku.pdf

・500万株を消却予定(2017/12/28以降)
(11月7日現在の自己株式:1,857,517株)


<感想>
 個人的には、当初「ToSTNeT-3*で良かったのでは」と思ったが、主に以下2点でTOBを選択した会社の判断は正しかったと思い直した。

1.他の株主にも市場価格動向を見ながら応募の機会を与えられる

2.上位株主10位以内の5社を含めた大株主14社が応募していることもあり、売主を予め任意開示できた(適時開示の観)点からもベター

*http://www.jpx.co.jp/equities/trading/tostnet/01.html

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by tsuruichi1024 | 2017-11-10 08:00 | 自己株式TOB | Comments(0)


【 ジョイフル本田(3191)の自己株式TOB 】

 2017/6/8、掲題プレスリリースが発表された。
 
http://www.joyfulhonda.info/wp-content/uploads/7f2d2d25d02237bef8796a95a2de1592.pdf


[ 時系列 ](有報、大量保有報告書、プレスリリースより(一部推定))
 2009/10 丸の内キャピタル(三菱商事系のファンド)出資(8.28万株@24万円)
 2010/4 株式分割:1→100
 2015/6 同上:1→2
 2016/3 株式譲渡:丸の内キャピタル⇒BPEJ-1(ベアリング系のファンド)(16,219,600株@2,400円)
 2017/7 自己株式TOB:BPEJ-1⇒会社(同上@3,497円)

[ 純粋な疑問 ]
 1.何故、2016/3の「丸の内キャピタル」の株式譲渡時に、会社が自己株式TOBを決定しなかったのか?

⇒丸の内キャピタル:投資期間約6年半、取得簿価@1,200円→譲渡価格@2,400円

 2.何故、今になって(株価が約1.5倍に上昇してから)、「BPEJ-1」から自己株式TOBをしなければいけなかったのか?

⇒BPEJ-1:投資期間約1年4ヶ月、取得簿価@2,400円→譲渡価格@3,497円

 3.取締役には善管注意義務違反等は発生し得ないのか?
⇒これについては、明日、改めて考えてみたい。


<感想>
 後講釈では何とでも言えるが、その時点での「会社の意思決定」というのは、本当に難しいものがあるのだろう。

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by tsuruichi1024 | 2017-06-10 08:00 | 自己株式TOB | Comments(0)


【 書面決議による自己株式TOB 】

 2017/6/1、業務用厨房大手のマルゼン(5982)が、自己株式TOB(by取締役会に替わる書面決議)を発表した。
http://www.maruzen-kitchen.co.jp/toushika/PDF/syutokukaitsuke20170601.pdf

 筆頭株主のオーナーの資産管理会社(保有比率31.54%)が保有する株式の一部(12.65%)を会社が自己株式TOBで買い受けるもの(価格:過去1ヶ月終値平均の▲15%の1,085円/株)。保有割合が5%超1/3以下のため、受取配当等の50%益金不算入制度の活用目的の自己株TOBと思われる。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hojin/kaisei_gaiyo2015_5/pdf/04.pdf

 ここでは、会社側の目的や関連する会社法等を整理してみる。

[ 目的等 ] 
1)一時的にまとまった数量の株式が市場に放出されることによる流動性及び市場価格に与える影響、並びに当社の財務状況等を総合的に鑑み、自己株式として取得
2)EPS(1株当たり当期純利益)の向上やROE(自己資本当期純利益率)などの資本効率の向上に寄与
3)手元流動性(現金・預金)は約178億円で自己株TOBの全額(上限約27億円)を充当しても十分確保でき、財務健全性・安定性は今後も維持できる


[ 関連する会社法 ]
(株式の取得に関する事項の決定)
第156条  株式会社が株主との合意により当該株式会社の株式を有償で取得するには、あらかじめ、株主総会の決議によって、(株式の数、金銭等の内容・総額、期間)を定めなければならない。

(市場取引等による株式の取得)
第165条  第157条から第160条までの規定(取得価格等の決定、株主に対する通知等、譲渡の申込み、特定の株主からの取得)は、株式会社が市場において行う取引又は金商法第27条の2第6項(発行者以外の者による株券等の公開買付け)に規定する公開買付けの方法(以下この条において「市場取引等」という。)により当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。
2  取締役会設置会社は、市場取引等により当該株式会社の株式を取得することを取締役会の決議によって定めることができる旨を定款で定めることができる。
3  前項の規定による定款の定めを設けた場合における第156条第1項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第165条第1項に規定する場合にあっては、株主総会又は取締役会)」とする。

(取締役会の決議の省略)
第370条  取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき取締役(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監査役設置会社にあっては、監査役が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。


[ 会社の定款 ]
(自己株式の取得)
第7条  当会社は、会社法165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる。

(取締会決議の省略)
第24条  当会社は、会社法第370条の要件を充たしたときは、取締役の決議があったものとみなす。


【 感想 】
 定款で定めておけば、取締役の全員が電磁的記録(or書面)で同意の意思表示をすれば取締役会決議とみなせるという(2006/5/1施行の新「会社法」以降)。時代に合わせて法律も変更されるという一つの事例であり、積極的な活用により、より効率的な会社運営が可能になるだろう。

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by tsuruichi1024 | 2017-06-04 08:00 | 自己株式TOB | Comments(0)


中電工の自己株式TOB



 2016/11/29、中電工(1941)の自己株式TOBが発表(http://www.chudenko.co.jp/release/images/p161129_01.pdf)された。


<中電工の自己株式TOB> 

 買い手=自社
 株数=275万株を上限
 価格=普通株式1982円(11/28までの1ヶ月間の終値平均2178円の▲9%)
 総額=54億8900万円
 期間=11月30日~12月28日
 目的=経営環境の変化に対応して機動的な資本政策を可能とするため
 主要株主の中国電力の応募:250万株(持分割合:37.5%⇒33.6%へ)


 あれっ、でも何でToSTNeT-3http://www.jpx.co.jp/equities/trading/tostnet/01.htmlでなく、自己株式TOBhttp://www.dir.co.jp/souken/research/report/law-research/securities/08050903securities.pdf


 どうやら、その答えは、大株主・中国電力側の(二重課税防止目的の)みなし配当の益金不算入http://www.shinnihon.or.jp/shinnihon-library/publications/issue/info-sensor/pdf/info-sensor-2015-07-07.pdf)にありそうだ。

 中国電力の持分割合は33.3%超のため、みなし配当(http://www.dir.co.jp/souken/research/report/law-research/tax/041125tax.pdf)相当額が全額益金不算入となる。

 中電工が、ToSTNeT-3で自己株式取得を実施した場合、市場における取得となる(=「みなし配当」が発生しない)ため、上記のような税務上のメリットを享受することができない。


<売主の自己株式TOBに応募するメリット>

 持分割合:左側、みなし配当(受取配当金)の益金不算入額:右側

 (1)33.3%超、全額、(2)5%超〜33.3%以下、50%、(3)5%以下、20%


 なお、1株当たりの資本等の額<取得簿価の場合、譲渡損失の計上も可能となる(税効果あり)。


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