東芝の保有株式の売却


2017/3/3、東芝(6502)がToSTNeT-3で東芝機械(6104)株式を3,020.7万株売却した(売却額153億円、売却益55億円)。
https://www.toshiba.co.jp/about/press/t0052_j.htm#PRESS


<ToSTNeT-3とは?>
(出所:http://www.jpx.co.jp/equities/trading/tostnet/01.html

自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)

買方を発行会社に限定した自己株式取得専用の取引です。終値取引では完全時間優先で売買が成立するのに対し、自己株式立会外買付取引では買付数量に相当する売付数量を当取引所が定める配分方法をもって配分します。


>>時間優先ではないため、「応募数量>上限取得数量」の場合は、基本的にはプロラタでの配分となる。


<スケジュール>
2017/3/2 16:30 東芝機械 ToSTNeT-3実施のお知らせ(http://www.toshiba-machine.co.jp/documents/jp/ir/library/kohyo/2017/170302.pdf





取得株式の上限:3,400万株(約172億円、終値506円)

2017/3/3 11:00 同 ToSTNeT-3結果のお知らせ(http://www.toshiba-machine.co.jp/documents/jp/ir/library/kohyo/2017/170303.pdf

取得結果:3,132.5万株(約158.5億円)<上限の3,400万株


<感想>

東芝は、米原子力事業ののれんの減損を7,125億円、今期3,900億円の当期純損失を見込んでいる。

本件も、生き残りをかけて、売れる資産は全て売るという戦略の一環。

ToSTNeT-3による株式売却は、その日の終値で翌朝には完了する、(売りサイドにとっては)機動的な売却手法である。



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by tsuruichi1024 | 2017-03-05 08:00 | 自社株買い | Comments(0)


楽天の自己株式取得


 2017/2/22、楽天(4755)は、1億2千万株(発行済株式数(除自己株式)の8.4%)、1,000億円を上限(期間1年)とする自己株式取得を発表した。

 一方で、2015/6に、1,800億円超(払込金額1,826.92円/株、1,500億円超をCP・借入返済)の公募増資を実施している。

 三木谷社長は「足元の株価は割安で、我々の想定する企業価値と大きな開きがある」と説明した(2017/2/21日経電子版より)。


<自己株式の取得を行う理由>http://corp.rakuten.co.jp/news/press/pdf/20170221_02_J.pdfより)

 当社の株式の市場価格、資本効率、ならびに財務状況等を総合的に勘案するもの


 具体的な数字で確認してみる。

(1)2015/6の公募増資:1,826.92円/株
(2)2017/2/23の終値:1,125.5円/株
(3)701.42円/株(上記(1)-(2))

 
 仮に(2)の価格で自己株式取得を1,000億円実施したとすれば、取得株式数約89百万株×(3)=約623億円の自己資本が(市場価格を利用して)増えたことになる。

 自己株式取得により、確かにPERROE等の数値は向上するが、個人的には、自己株式取得資金を配当利回り(楽天:2/23終値で0.4%程度)よりも高い収益(利回り)を稼ぐ事業への投資に振り向けるべきだと思うが、如何だろうか。


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by tsuruichi1024 | 2017-02-25 08:00 | 自社株買い | Comments(0)


有効な自社株買い=『自社の「絶対価値」>株価』


 2016/12/2の日経新聞に、「4~9月期決算番付 金庫株の増加額 トヨタ、資本効率向上狙う」の記事が掲載された。 以下は、記事からの一部抜粋(太字は筆者)。


「金庫株とは企業が自社株買いした後に消却せず、そのまま保有している自社株式のこと。自社株買いをすると貸借対照表上の資本が減って、資本効率を示す自己資本利益率(ROE)を上昇させる効果や、株価上昇などが期待できる。

 首位のソフトバンクグループは金庫株が3500億円増加。国内の携帯電話の通信収入などを原資に、2~8月に5000億円分の自社株買いを実施した。一方、10月末に金庫株1億株(発行済み株式の8.33%)を大量消却し、再び市場に放出する警戒感を払拭した。

 6位の新日鉄住金は中期経営計画で、18年3月期のROE目標を10%以上(16年3月期実績は5.1%)に設定している。2~6月には自社株買いで859億円分を取得した。

 配当と自社株買いを合わせた株主への総還元性向を高めるため、自社株買いする企業もある。7位の第一三共は中計で総還元性向を100%以上に掲げており、6~10月に500億円の自社株買いを実施した。

 3位のトヨタ自動車は5~9月に5000億円の自社株買いを実施。「資本効率の向上などが狙い」(同社)といい、金庫株残高は1兆8000億円超となった。株主還元重視の広がりを受け、金庫株は今後も増えそうだ。」



自社の「絶対価値」


 以下は、「投資される経営 売買される経営」(みさき投資株式会社 中神康議著、日本経済新聞出版社)からの一部抜粋(太字は筆者)。


自社株買いについて――自社の絶対価値をご存知ですか


 自社の「絶対価値」より株価の方が高い状況で発動される自社株買いは「悪い自社株買い」です。「良い自社株買い」とは、自社の絶対価値より株価が不当に低いときに発動されるものです。

 株価というものは短期的には気まぐれで、会社の価値とは関係ない要因で大きく下がることがあります。そういう時こそ、自社の正当な価値を市場参加者に知らしめるためにも、断固として自社株買いに打って出てほしいのです。

 経営者は長期投資家よりはるかに正確に、自社の「絶対価値」を算出できるはずなのです。ですから経営者の方は常日頃から自社の絶対価値を算出しておき、市場の評価が妙に低くなったら大胆な自社株買いを発動されたらよいと思います。


 少し違和感があるかもしれませんが、アメリカのビジネススクールでは自社株も立派な「投資対象」だと教わります。確かに「安いときに投資する・高ければ投資しない」、という行動は設備投資やM&Aといった他の投資案件と横並びで、純粋に検討してもいいのかもしれません。

 さらにいうと、自社株買いは「自社」という企業を(部分的に)M&Aするという感覚で実行に移せばよいはずです。他社をM&Aするときに、価値以上の価格を出すはずはないですよね? 自社株買いも同じことです。

 実際の企業買収では、会社の売り手の方は良く自社の中身を知っています。買い手は(どれほどデューデリジェンスを徹底したとしても)売り手ほどは知りようがないという、不利な立場に置かれます。ところが「自社をM&A」するのならばそういった不利は全く存在しないわけで、最高の投資タイミング・価格で買えるというわけです。

 実際、NTTドコモや花王といった会社には、「自社株買いプログラム」という制度があるようです。自社の考える絶対価値よりも株価が一定水準下がった時には、ほぼ自動的に自社株買いを実施するというプログラムです。」



 以下は、2016/8/27の日経電子版「自社株買いに選別の目 ROE向上継続性見極め」の記事からの一部抜粋(太字は筆者)。

『「驚いたがタイミングは絶好でポジティブだ」。クレディ・スイス証券の森将司氏は26日、前日に自社株買いを発表し一時4%高と逆行高となった花王をこう評価した。花王の自社株買いは、ほぼ2年ぶりだ。

 実は、花王は投資家向けの説明会でM&A(合併・買収)の準備などで自社株買いを控えていると表明してきた。しかし6月に米欧でインク会社のM&Aを決めると「余剰資金の水準が通期で見通せるようになった」(同社)ため、自社株買いにかじを切った。

 業績は好調だ。今期の予想自己資本利益率(ROE)は17.9%と前期の14.8%から上昇する見通しだ。それなのに7月中旬以降、株価は一時、15%以上も下落した。株式市場で安定成長株をいったん売る流れが強くなったためだ。花王の自社株買いは「経営に自信があり、株価は割安だとのメッセージ」(いちよしアセットマネジメントの秋野充成氏)と市場で受け止められた。

 昨年6月、企業統治指針が適用されると、ROEを意識して自社株買いが急増した。実施企業数は前年度で635社と1年前より3割以上増えた。だが、多くは通期決算と同時に横並びで発表する。投資家はこの中から資金を振り向ける企業を選別している。

 自社株買いを成功させる要因は何か。実施額と時価を比べ、自社株買い後の株価動向を調べるとオリエンタルランドなどが自社株が大幅な「含み益」になっていた。ROEが安定して2ケタ台の企業が多い。


 実施のタイミングも重要だ。米国では株価水準を見ながら自社株買いをする企業が多い。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏は「日本でも経営者が株価は割安だとのアナウンスを付けて、機動的に実施する事例が増えてくる」と予測する。

 自社株買いは今や公的年金や日銀に並ぶ買い主体となった。保有する自社株の一部を経営者への業績連動報酬にあてる企業も多い。効果的な自社株買いは相場全体を活気づけるだけでなく、既存株主と経営者自身にも報いる有効な手段となる。』



自社株買いが有効なタイミングとは?
 
 まずは自社の「絶対価値」を把握し、『株価<自社の「絶対価値」』のタイミングで自社株買いを実施することが有効となりそうだ。


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by tsuruichi1024 | 2016-12-06 08:00 | 自社株買い | Comments(0)