「ぼくらの哲学」(青山繁晴著、飛鳥新社)


 以下は掲題書の十三の章、十五の章からの一部抜粋。


『 十三の章 ぼくらの目的地はどこにある

 拠出金十億円の真相


 戦いが弱いからこそ外交上手の韓国は、アメリカの圧力が日本に対してもあるはずだと考え、NSC(国家安全保障会議)の谷内正太郎局長と李丙ぎ(王編に其)・韓国大統領秘書室長のソウルでの秘密折衝で(1)日本は国費から20億円を慰安婦への償いとして出せ(2)口頭で良いから「日本軍が関与して朝鮮女性を傷つけた」と岸田外相が明言せよ(3)そのふたつだけで韓国政府はもはや慰安婦問題を取りあげないと日本と国際社会に確約する――との「最終提案」を出した。

 日本政府内のすべての情報を総合すると、安倍総理の反応は「もう蒸し返さないというのは大きい」、「軍の関与と言うだけなら、韓国の言ってきた『日本軍は朝鮮女性を強制連行して性奴隷にした』という話とは違う」、「あくまで対等な外交交渉として妥結したという形にするために、外交の基本として話を半分にしよう。だから拠出金は半分の10億円だ」ということだった。「対等な外交交渉」とは、加害者と被害者という立場ではなく、という趣旨だろう。

 わたしは、このすべてに反対した。わたしごときの反対はどうでも良いが、政府内部で何人もの重要人物が反対した。わたしは「嘘を本当にしてしまえば、日本の子供たち、次世代だけではなく、韓国の子供たちにも致命的に有害だ」と総理サイドに強く申し入れた。

 それでも安倍さんは、迷った挙げ句、2015年12月27日の夜に踏み切った。外交が得意分野だからだ。イエスマンの岸田外相に最終的に妥結を指示したのである。視線の先にあったのは韓国よりもアメリカだった。「対等な日米」という本願に近づく一歩と見たのだ。



 十五の章 響き合う世界

 諸国の軍人らに伝えたのは「日本はいよいよ敗戦を乗り越え、新しい生き方を世界に示し、ほんものの平和国家に生まれ変わる」という哲学の提起である。

 安倍内閣は、国連の場(女性差別撤廃委員会)で初めて、韓国政府と日本のマスメディアが声高に主張し続けた「日本軍が朝鮮女性を強制連行、慰安婦とした」という話が、まったくの虚偽であることを説明した。安倍晋三総理が決断して西暦2015年末に成立した「日韓合意」で、「(日本)軍の関与の下で女性を傷つけた」と岸田文雄外相が公式に述べ、実質的に日本政府自ら嘘をついてことの埋め合わせだった。

 ところが実は国連での初説明は、口頭だけであり、文書に記録しない。それを水面下で国連や韓国、さらに中国とも摺り合わせたうえでの言いっ放しであった。

 そのために「慰安婦の多くは日本女性であり、日韓とも家庭の貧しさから親や親族に売られた女性が慰安婦となった」という客観事実は葬られたままになった。

 だから、そのあとに国連のこの委員会が出した日本政府への「勧告」なるものに「皇位継承を男性に限っているのは女性差別であるから皇室典範を改正しろ」という前代未聞の暴力的な内政干渉が、中国の対国連工作でやすやすと盛り込まれたのだ。

 さすがに安倍内閣の抗議でそこは削られ、「国連は戦争をなくす美しい組織ではない。日本を永遠に敗戦国にとどめようとする自称戦勝国が賄賂も使ってやりたい放題に工作する場だ」という冷厳な事実、わたしが長年、国連本部の近くのカフェで国連職員から聞いてきた真実を日本国民がすこしばかり知る機会になった。 』(太字は筆者)


>>韓国国際公約を違えるような動き、レームダックの朴槿恵大統領サムソンの凋落、日韓通貨スワップ協定の中止等を起因とする、韓国発の通貨危機が起こって日本がとばっちりを受けないことを祈念している


----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
『まぐまぐ!』へのご登録はこちら
http://www.mag2.com/m/0001677393.html
発行者HP http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------
[PR]
by tsuruichi1024 | 2017-01-28 08:00 | 青山繁晴 | Comments(0)


「ぼくらの哲学」(青山繁晴著、飛鳥新社)


 以下は掲題書の四の章、十一の章からの一部抜粋。


『 四の章 祖国の沖縄 その一

  異例の「公式発表」


 会談の表舞台を伝えた報道は、ほとんど意味がない。裏舞台というより、両者の本音をあえて忖度、すなわち他人の気持ちを推し測ることを交えて表現してみると、こうだ。

菅さん「あなたは自民党の沖縄県連幹事長まで務めて、その自民党時代にずっと長く、辺野古移設を進めてきたではないか。ほんとうは知事になりたいがために、沖縄の地元紙をはじめ声の大きなところに追従して反対に回ったのじゃないだろうか。そこが許せないから、官房長官の私も安倍総理もあなたに会わないできた。そろそろ互いに、何かの妥協点や歩み寄りを見出さないと、長年の沖縄政策が壊れてしまう

翁長さん「そうやって私を見くだすことをまずやめないと、話にならない。いつまでこの私を、自民党の一地方県連の幹事長とみているんだ。私は知事選で圧勝して、今は沖縄県知事だ。そもそも辺野古への移設は無理筋なんだよ。すでに地元の名護市長も反対派に替わったじゃないか。私はその現実を冷静に見ているのであって、追従しているんじゃない。私を見直せ。知事として丁重に扱え。そこからあなたも総理も出直せ」

 この会話は、ふたりが眼で伝え合った会話であって、実際にこのように口に出したのではない。しかし苦労人の菅さんは、この翁長さんの真意がよく分かった。

 だからこそ、「粛々という言葉は上から目線だと知事が仰ったので、もう使いません」という異例の「公式発表」をしたのだった。


 十一の章 沖縄から世界へ 日本の出番


  人のために生きる哲学

 わたしたちの古来の生きる哲学とは、人のために生きる哲学である。皇帝を筆頭に私利私欲で生きてきた中国に、この哲学は無い。ないからこそ、いかなる時に日本次といえども私利私欲が頭をもたげ、おのれ自身を支配するかを良く知っている。

 不当に軽視され、きちんと遇されていないと不満を持つ時がそれだ。中国は自民党沖縄県連の歴史を知悉し、幹事長まで務めた翁長さんが国政進出も知事立候補も認められていなかったことを徹底的に利用した。

 普天間問題に絡んで、翁長知事はしきりに「沖縄差別」を発言する。さらに国連の人権理事会という場違いな場に県民の費用で出張し、沖縄県民を知事みずから「先住民」と扱って「差別を受けている」と世界にアピールする恥さらしをやってのけた。

 この恥辱を本土と沖縄のマスメディアは「人権を守れと訴えた」と一斉に報じ、若き沖縄県民の我那覇真子さんが同じ場で「わたしたちは先住民ではない。日本国民として高度な人権が護られている」という趣旨を明快に訴えたことは、ほぼ無視した。

 翁長知事のこの言動は多くのひとにとって理解しがたい。あえて申したい。わたしには切実に、翁長さんの胸の奥深くが伝わってくる。

 翁長雄志さんは、実は沖縄県民のことを言っているのではない。ご自分のことを仰っている。「俺は中央から無視された」としきりに訴えているのである。

 そして、「沖縄をみごと独立させたら、初代の琉球王にしていやる」と言わんばかりの中国のささやきに陶然とする。

 まさかと思う人は、政治的人間ではない人である。


 わたしは共同通信政治部の記者の時代に、国会議員という名の政治的人間に接し、もっとも大きな政治的エネルギーのひとつが「俺は正当に評価されていない」というルサンチマン(怨念)だと知った。

 翁長さんは、その典型である


  哲学とは人間である

 翁長さんに知事選で破れた仲井眞さんは、選挙のあと、長く完全な沈黙を守ってきた。それは潔い。沖縄県民の審判を甘受して、敗軍の将、兵を語らずという古武士のごとき姿勢を貫いてきた。


 「そろそろ語られるべきではありませんか」。わたしは、ほとんどそれしか言っていない。


 仲井眞さんはリラックスされ淡々とした語り口で、辺野古移設に必要な海の埋め立てに当時の知事として許可を出したいきさつについて、「法的に瑕疵がないだけではなく、沖縄県から徹底的に中央政府に言うべきを言い、求めるべきを求めた結果としての埋め立て許可でした」という趣旨を語られ、翁長知事の許可取り消しを、初めて真正面から論破された。


 今のところ翁長さんは無視の構えだ。できればフェアに論争してほしい。たとえば沖縄タイムズは、不肖わたしの沖縄での講演内容を一面で詳報したこともある。公平であろうとする秘めた努力を感じる。その「沖タイ」が前知事VS現知事の対論を企画してほしいと思うのは、わたしだけだろうか。 』(太字は筆者)


>>翁長沖縄県知事辺野古移設許可取り消しを含めた(特に中国の関与を彷彿とさせる)各種言動についてウォッチして行きたい


----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
『まぐまぐ!』へのご登録はこちら
http://www.mag2.com/m/0001677393.html
発行者HP http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------
[PR]
by tsuruichi1024 | 2017-01-27 08:00 | 青山繁晴 | Comments(0)


「ぼくらの哲学」(青山繁晴著、飛鳥新社)


 以下は掲題書の三の章、六の章、十の章からの一部抜粋。


『 三の章 天皇陛下の語られる勅語をめぐって

 憲法四条の「天皇は、この憲法に定める国事に関する行為のみを行い、国政に関する機能を有しない」という「天皇は政治に関与せず」の定めを今上陛下がいかに大切にされてきたかは、万人の知るところだ。


 日本の自称リベラルとはいったい何者なのか。その安穏とした奇妙な存在を許してきたのが、もう一度言う、わたし自身をも含めた敗戦後の日本社会なのだ。

 天皇陛下も人間でいらっしゃるから、その静けくも毅然とされたお姿は、わたしたち日本の民が築いてきた文化である。もはや右も左もなく、その原点を共に考えたい。


 六の章 祖国の沖縄 その三

  不幸な歴史を超克する契機に

 両陛下は、皇太子殿下と妃殿下の時代に「ひめゆりの塔」へ行啓された。そして、ひめゆり学徒隊は、沖縄県立第一高等女学校(一高叙と沖縄師範学校女子部というもっともエリートだった女学生の部隊だったから、記憶され、映画にもなり、そして観光地になっている。悲劇には変わないし、お土産を熱心に売る声が響く観光地になっていることが、ひめゆりの少女にとっていいことか分からない上に、他の二高女、三高女、そして私立の女学校、農学校の女子の学徒隊は合わせて八っつもあったにもかかわらず、ほとんど忘れられている。敷地の広い白梅の塔に、行幸啓をいただいて、そこにひめゆりを含めた九つの隊全部の生き残りのかたがたに集まっていただければ、敗戦後の不幸な歴史を超克していく契機になるのではないか。


 十の章 祖国の沖縄 その七

  両陛下が深々と頭を下げられた


 沖縄県庁の幹部が仲井眞知事をも裏切る妨害工作を密かに行い、話が漏れた。

 その県庁幹部もわたしは許し、説得し、宮内庁などにも繰り返し働きかけ直し、実現した「代替策」が、両陛下が沖縄に行幸啓されるとき本来は予定になかった休憩をしていただき、白梅学徒隊の生き残りのかたがたとお会いくださることだった。


 きくさんたちによると、両陛下の臨時のご休憩所となった部屋は狭く、両陛下と、わずか三人だけ許された白梅同窓生でいっぱいになった。


 宮内庁の侍従から、きくさんたちは、退去を促された。

 このままでは帰りたくない、十代のなかばで命を散らした同級生のために何かが足りないという気持ちを抑えて、退室しようとしたそのとき、皇后陛下が一歩、きくさんたちに近づかれた。

白梅の塔は、どちらの方角ですか

 首をわずかに傾げられ、そうお尋ねになった。

 あまりに自然なお声に、きくさんは緊張することもなく慌てることもなく、こちらですと、正確な方角をお示しした。

 すると両陛下は、まるで事前に入念なお打ち合わせを二人でなさっていたかのように、揃ってその方角に向かれ、深々と、永遠の時のように長く、頭を下げられた

 きくさんたち白梅同窓会のみなさんは「学徒隊がみな報われた」と感じ、心残りなく退出することができたという。


  人間の大切な本物の知性

 わたしは、この日のあと、少し時間を置いてから宮内庁の当局者にこの出来事を話し、「予定されたことでしたか」と聞いた。

 当局者は静かな眼をして「いいえ」と答え、「両陛下がすべてを呑み込まれて、おふたりで話し合われて、お決めになっていたのではないでしょうか」と言った。

 わたしは今、こう考えている。

 現実に妨害は行われた。しかし「白梅の塔への両陛下の行幸啓が実現して、それで良しとすべきではない」という天の意思ではないだろうか。

 天はすべてを知っている。


 沖縄戦の真実を求める試みをこれから続けよ。終わりにするな。白梅の少女のために、ひめゆりを含めてすべての学徒隊の少女のために、そして生き残ったすべての沖縄県民と、そこから生まれた現在の県民と、沖縄を護るために全国津々浦々から集結したすべての英霊のために、真実を共に問い続けよ。

 その意思を示すために、天が行幸啓の実現を先に延ばしたとも、わたしはごく自然に思慮している。

 忘れられた学徒隊は他にもまだ七つある。少女たちが報われるためには、広範なかたがたの関わりも必要だ。


 わたし自身も含めて、日本のただ一度の敗戦後に生まれたわたしたちはひとり残らず、きくさんたちとすべての英霊の献身によってこそ、現在の生を享受している。

 白梅の塔の存在を長年、ささやかに訴え続けて、マスメディアにもいくらか知られるようになった。すると白梅の塔の生き残りのかたがたを安保法正反対の象徴として利用しようとする動きも出てきた。「天の声」を僭称し続ける朝日新聞にも、その動きがある。

 永遠の少女たちを、日本国民をさらに分断するために利用させてはならない。

 わたしたち自身がどれほど深く、正確に、まっすぐに沖縄戦を理解するか。それにかかっている。 』(太字は筆者)


 >>我々が現在の生を享受できているのは、ひめゆり学徒隊を始めとする九つの女学校の方々やすべての英霊の献身によってこそであることを忘れてはなるまい


----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
『まぐまぐ!』へのご登録はこちら
http://www.mag2.com/m/0001677393.html
発行者HP http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------
[PR]
by tsuruichi1024 | 2017-01-26 08:00 | 青山繁晴 | Comments(0)


「青山繁晴の逆転ガイド その1ハワイ真珠湾の巻」(青山繁晴著、ワニ・プラス)より 


『 第二章 真珠湾ビジター・センター

 
 ここに1930年代の日本、つまり世界大戦に突入していく日本について書いてあるのですが、普通だと日本は軍国主義に犯されていてどうのこうのと展示してあると思いますよね?

 でもここはそんなことは一切なく、書いてあることを見ていただくと、「日本はアジアの西洋による植民地支配を終わらせて、そこからアジアの自立を確立しようとし、同時に新しいマーケットを拡げ、そして資源を開発しようとした」と書いてあります。

 驚きませんか。

 ぼくは、もうずいぶん前にこれを最初に読んだとき、腰が抜ける気がしました。

 日本の教科書にまったく書いてない真実の祖国の歴史を、日本海軍に将兵を殺された真珠湾のアメリカが、堂々と長年、この歴史館をここ、この誰でも来られる現場に掲げ続けているのです。

 さらに、ここに昭和天皇がいらっしゃいます。

 軍服姿で騎乗されている写真です。

 その陛下の写真の横に米内光政首相(当時)の言葉、「日本の存立のためにアジアをお互いに繁栄できる地域にするのがいちばん必要なことだとわたしは確信している」という言葉がきちんと明示されています。

 「日本資源確保のためにアジアに進出し、その進出先はアジアの独立国ではなくて西洋諸国が支配していたところであって、だからそこで戦争になったのだ」と書かれています。

 もう「わぁー」ですよね。

 もう一度申しますが、帝国主義、軍国主義ということは一切書かれていません。

 この展示館の中で帝国主義という言葉が使われているのは、西洋諸国に対してであって、「西洋諸国が帝国主義でアジアを支配したことを日本が打ち破ろうとしたのだ。そのために衝突になった」と展示されています。


 ここでは日本視点が、ありのままに客観視して紹介されています。みなさん、ここまでの展示は日本の視点の紹介ではないのですよ!

 敵国だった、そして真珠湾で日本軍に将兵を殺された側のアメリカの視点なのです。


 原爆投下で大嘘をついているアメリカであっても、戦争責任は日本にだけあると刷り込ませる世論工作(WGIP)を遂行したアメリカであっても、日本軍と実際に向かい合った現場のこの真珠湾では、真っ直ぐに日本に向かい合う姿勢が貫かれていて、それがわたしたち日本人が思い込み、刷り込みを脱するための世界に類例がないほどの凄い助けになるということです。

 たいせつなのは、わたしたちの自助努力です。

 まずここに来て欲しいし、来られたら「アメリカにはいいところもある」で終わらせるのではゆめ、なくて、わたしたち自身と次の世代、次の次の世代の新しい生き方に繋げていただきたいのです。

 そうすれば初めて、あの無残な世界大戦もほんとうに終わり、ここ真珠湾で命を落とした日本兵アメリカ兵も報われると、ぼくは考えます。

 そして、みなさんにこの現場に来ていただいた目的のひとつは、いずれこの展示館のようなもの、と言うよりいわば姉妹博物館としての日本版展示館を、日本語をメインに英語、中国語、朝鮮語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、あるいはアラビア語などを加えて造れないのだろうか、という主権者同士としての提案です。

 主権者の意志として国費で造るのです。日本にはいまだ、国営の戦争記念館がありません。』

(太字は筆者)



 日本国内にも日本人の手による真珠湾ビジター・センターのような国営の戦争記念館を造る必要がある


----------------------------------------------------------------------
 元証券マンが「あれっ」と思ったこと
 『まぐまぐ!』へのご登録はこちら
 http://www.mag2.com/m/0001677393.html
 発行者HP http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------
[PR]
by tsuruichi1024 | 2016-12-17 08:00 | 青山繁晴 | Comments(0)


「青山繁晴の逆転ガイド その1ハワイ真珠湾の巻」(青山繁晴著、ワニ・プラス)より 


『 第二章 真珠湾ビジター・センター


 これが、今日のいわばメイン・イベントというかMAIN EXHIBITION(主たる展示)の一つです。空母赤城です。


 ぐるりと周って見ていただきたいのですが、甲板上にフィギュアがたくさんありますね。

 零戦を始めとする航空機のパイロットだけでなく、縁の下の水平たち、整備、通信、連絡、それぞれの役割を果たす全ての兵を徹底的に尊敬を込めて一体一体再現して、後ろに展示されている帝国海軍の撮った写真のまま――零戦がこれから出撃するので脚のタイヤのところに甲板員がひざまずいている姿も含めて、そのまま丁寧に、完璧に再現しているんです。

 これは実は赤城から第一波の攻撃が飛び立っていく瞬間です。

 アメリカは、自分たちに立ち向かってくる敵の日本海軍を、真正面から堂々と挑んでくる者たちとしてリスペクトを込めて描いていいます。

 ここに、赤城の詳しい説明があります。

 赤城は、火山の名から命名したということまで丁寧に説明してあるのですが、このスケールモデル展示は、真珠湾攻撃の1941年12月のハワイ時間で12月7日、日本だと12月8日、その朝に36機の第一波の攻撃が出て行くところを再現したと明示されていて、「わずか15分間にすべてが発信していった」と敬意と驚きを込めて書かれています。

 赤城はTHE PRIDE OF JAPANESE NAVYと書いてあります。アメリカ人にとってPRIDEって言葉は生易しい言葉ではありません、それをはっきりTHE PRIDE OF JAPANESE NAVY、つまり日本海軍の誇りであると書いています。

 正直、目を疑うような表現です。

 「この船の設計は多くの面で極めて独創的に、航空攻撃にとって有効であるように造られていて、それは戦争に対する完全に新しいAPPROACH、取り組みであった」とあります。

 一体誰がこのスケールモデルを作って、説明しているのでしょうか?

 本来なら日本がやらなきゃならないことを、やられたアメリカPRIDEという言葉と共に評価しているのです。

 さらにこれ以降、飛行甲板、航空機、戦隊全体、エアクラフト・エレベーター――飛行機を船内から甲板に上げてくるエレベーターです――、排気筒まで革新的であること、それから通信樹団の完備・・・・・・そういうことを完璧に説明しています。


 これは是非一回りじっくり見ながら、フィギュアがどういう顔をしているかまで見ていただきたいと思います。どうぞみなさん近づいて見てください。ぼくは何度見ても、こころの奥では泣いちゃいます。

 艦首には菊の御紋が深い敬意を込めてつけられています。

 空母赤城アメリカ兵を殺すために出撃したのですよ。それをこのように敬意をこめて表現するっていうのは普通の国では考えられないです。だからぼくがいつも言っている、日米は本来、対等に、あくまで対等に手を組むべきであるということも、こういう具体的なものを見ればご理解いただけると思います。

 さっき陸軍博物館で見ていただいたように、ここでも零戦や九九式艦上爆撃機など、きれいにつくり分けて、すべて克明に本物通りに再現しています。

 いい加減な構造とか一切見られません。

 日本ではもう国民もマスメディアも政治家も区別できないような機体の違いまで、しっかりと再現されています。よほど強固な尊敬がないと、こんなことはできません。

 これは単なるモデルではなくてスケールモデル、要するにこのまま大きくしたら使えるというぐらいの質です。


 ここにあるのは空母赤城であって戦艦大和ではないのです。

 アメリカ海軍の現在の将校たちに何度も聞かれたのは、日本では赤城とか蒼龍、加賀のような空母ではなく、どうして大和や武蔵という戦艦男のロマンなのか、ということなのです。

 戦争初期に航空戦力の大切さをわれわれアメリカに教えた当の日本が、なぜ戦争末期の沖縄戦に鉄の塊の大和を出してきたのか、飛行機を載せられない大和を、それも航空支援のないまま海の戦場に送り出してきたのかということを、ぼくは長年問われて、そういう問への答えをみつけるためにも、ぼくなりにこういう現場を歩いてきたわけです。

 アメリカのこういうところで戦艦大和を展示していることはありません。赤城こそが当時の敵国、そして日本に戦勝したアメリカにとって、大日本帝国海軍の象徴なのです。』

(太字は筆者)



 アメリカの、真珠湾ビジター・センターの空母赤城に対するリスペクトに、懐の深さを感じざるを得ない


----------------------------------------------------------------------
 元証券マンが「あれっ」と思ったこと
 『まぐまぐ!』へのご登録はこちら
 http://www.mag2.com/m/0001677393.html
 発行者HP http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------
[PR]
by tsuruichi1024 | 2016-12-16 08:00 | 青山繁晴 | Comments(0)


「青山繁晴の逆転ガイド その1ハワイ真珠湾の巻」 (青山繁晴著、ワニ・プラス)より 


『 第二章 真珠湾ビジター・センター


 展示館の入口のここに、昔はなかった最初の説明板があります。簡単な英語です、高校生レヴェルの英語なので、みなさんも読めると思いますが、一応、読みますと、説明のタイトルはA GATHERING STORM、陸軍博物館にもA GATHERING STORMと書いてありましたが、迫り来る危機という意味なのです。そして、わずか六行ですが、ここにはすごく大事なことが大きな字で書いてあります。

 Conflict is brewing in Asia. The old world order is changing. Two new powers, the United States and Japan, are rising to take leading roles on the world stage. Both seek to further their own national interests. Both hope to avoid war. Both have embarked on courses of action that will collide at Pearl Harbor.

 訳してみますと「アジアで紛争が吹き荒れていた。古い世界の秩序は変わりつつあった」。英語の原文は現在形で書いてありますが、強調する効果を出すためですね。

 邦訳を続けると、「ふたつの新しい力、すなわちアメリカ合衆国と日本がそうした世界で勃興し、指導的な役割を果たそうとしていた。双方は、その国益をさらに追求したが、双方とも戦争は避けることを望んだ。しかし双方とも、ここ真珠湾で衝突が起きる道に乗ってしまった」

 これで全文です。短いですね。しかし、アメリカ政府が公式見解のひとつとしてここに盛り込んでいる内容に驚きませんか?

 誰だって、驚きますよね。ぼくらが日本の学校で教わったこととも、マスメディアが敗戦後の七○年、ずっとずっと報道していることとも、真っ逆さまに違うじゃないか。

 まずは、アジアにおける第二次世界対戦の端緒は、古い秩序を新しい力が変えていくことだったと評価しているのです、つまり「日本が侵略して・・・・・・」という日本ではいちばん普遍的な歴史観は一切ないのです。

 そしてアメリカと日本対等なTwo new powers、新しい力として評価されています。

 さらに繰り返しBoth、両方ともという言葉が出てきて、要するに日本とアメリカを敵というより対等な競争相手とみなしているのです。最初のBothBoth seek to further their own national interests.という一節に出てきます。national interestes国益という意味です。

 だから日米双方は、それぞれの国益をさらに追求したと書いてあるのですが、ニュアンスとしては、日米双方は当然ながら、それぞれの国益を正当に追求したという意味が歴然としています。

 
 「日本が悪者で、日本が侵略してアメリカが迎え撃った」なんてことは一言も書いてないことを、みなさん、ご自分の眼で確認されましたね。

 その後にはさらに吃驚することに、Both hope to avoid war.「双方戦争を避けようと願った」と書いてある。「日本もアメリカと一緒に戦争を避けようと努力した」と書いてあるのわけです。こんなこと、日本の教科書のどこに書いてあるのですか?

 もう一回言いますが、これはアメリカ政府の公式見解です。なぜなら、この展示館はすべて国営だからです。

 そして最後に、Both have embarked on courses of action that will collide at Pearl Harbor.

 「そして成り行きとしてこのパールハーバーで衝突にいたるのである」と書いてあり、つまり真珠湾攻撃も日本が一方的にやったとか卑怯な攻撃だったとかではなく、「新興勢力としての日米双方が国益を追求しつつ戦争を避けようとしたけれど、双方とも譲らなかったので真珠湾の衝突になったんだ」と記されているのです。

 Collide という言葉も双方がぶつかったという意味であって、日本海軍の飛行機が実際、真珠湾の北側の山を越えてやってきて攻撃したのですが、それをINVASION侵略とは表現していません。この数行はアメリカのまことに重大な見解表明であります。

 かつてはこの展示がありませんでした。わざわざこれを冒頭においたのはこの展示館全体の現在の姿勢を物語るものです。なぜこれが日本でニュースにならないのか? なぜこれが日本で教えられないのか?


 アメリカ自身の世論工作「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」とも真っ向から相反していることにも注目してください。』

(太字は筆者)



 安部総理には、是非とも、真珠湾ビジター・センターにも足を運んで頂きたい


----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
『まぐまぐ!』へのご登録はこちら
http://www.mag2.com/m/0001677393.html
発行者HP http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------
[PR]
by tsuruichi1024 | 2016-12-15 08:00 | 青山繁晴 | Comments(0)


「青山繁晴の逆転ガイド その1ハワイ真珠湾の巻」(青山繁晴著、ワニ・プラス)より


『 この陸軍博物館は、「ハワイのアメリカ陸軍の守りは非常に手薄で、強力な日本陸軍が上陸していればあっという間にハワイを占領されていた恐れがあった」ということを自ら認める展示をしているのです。

 実際、ぼくがワシントンDCで現役の陸軍当局者と議論すると、「その場合、日本としては日露戦争と同じように、もしも戦争を続ければ負けるけれども、その時点では日本が優勢な講話を持ちかけることはできたはずだ。不思議なことに、日本はそれを一度も考えた節がなく、敗戦後も一度も語られたり研究されたことがない。なぜなんだ。空から海から攻撃しておきながら、あとから陸軍が来るということが考えられもしなかったのは分からないね」という話が出るのです。

 アメリカからすれば日本陸軍の攻撃に備えようと思っていたのが、ミッドウェーでミラクルをお越したおかげでHAWAII WAS SAFE、ハワイが占領されることがなくなったということを、ここに簡潔に記してあるのです。


 この場所は、ぼくが唯一、アメリカ陸軍博物館で「おかしな展示だ」とワシントンDCの国防総省で当局者に批判したところです。

 この展示には「圧倒的な力」と書いてあります。何のことかというと原爆のことを言っているのです。


 「原子爆弾が日本に戦争を止めさせ、無益な犠牲者を出すのを防いだのではない。真相は逆ですね。戦争が終わりかけていて、早く原爆を使わないと人体実験ができなくなるから投下した」

 「その証拠に、もし戦争を終わらせるためなら広島への一発で済むはずで、長崎にもう一発落としたのは、ひとつには科学実験は一度ではなく最低二度実施して結果を付き合わせる必要があること、もうひとつには、広島に落としたのはウラン型、長崎落としたのはプルトニウム型でそれぞれの効果を調べる必要があったのでしょう」――ということをアメリカ側に問題提起しています。

 さらに、この展示にUNCONDITIONAL SURRENDERとありますね。

 これをぼくも学校で「無条件降伏を受け入れた」と教わりました。みなさんもそう教わっているでしょうし、いまの子供たちもそう教わっています。しかし違います。

 UNCONDITIONAL、無条件というのは、無条件の武装解除に応じたことを指すのであって、降伏そのものについては条件がちゃんと付きました。それは天皇陛下のご存在、日本の国体を護るという条件を付けて降伏したのであって、UNCONDITIONALではなくCONDITIONAL、条件付きです。

 だからそこを混同している展示だということもアメリカ側に申しています。実はアメリカの国務省、あるいは国防総省でも当局者によっては「その通りだ。確かにUNCONDITIONAL SURRENDERとは違うよね」と言います。

 これはむしろ日本の政府からきちんと発信すべきことです。』



 陸海空軍が真に一体となって戦うことが出来なかったことに、今日の組織縦割りの弊害が重なる


----------------------------------------------------------------------
 元証券マンが「あれっ」と思ったこと
 『まぐまぐ!』へのご登録はこちら
 http://www.mag2.com/m/0001677393.html
 発行者HP http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------
[PR]
by tsuruichi1024 | 2016-12-14 08:00 | 青山繁晴 | Comments(0)


「ザ・ボイス そこまで言うか!」


 2016/12/6の「ザ・ボイス そこまで言うか!」に、敬愛する青山繁晴参議院議員がゲスト出演。以下はPodcast版の冒頭部分の大要


 安倍総理、今月下旬に真珠湾訪問へ

アーネスト報道官の、広島、長崎とパールハーバーを同一視する言葉は受け入れがたい

戦わざる人々が犠牲になった広島、長崎の原爆と国際法に則った軍事行動のパールハーバーを一緒にされたくない

・安倍総理が、(反日的な)戦艦アリゾナ記念館だけでなく、フェアな展示のあるアメリカ陸軍博物館(ワイキキ)や真珠湾ビジター・センターに行ってもらえるよう、直接的な努力をする



「青山繁晴の逆転ガイド その1ハワイ真珠湾の巻」(青山繁晴著、ワニ・プラス)より
2015年9月25日初版発行


『 第一章 アメリカ陸軍博物館

 「海戦において(日本がおこなった)航空機攻撃は誠に革命的であった」と記されています。

 「日本は1941年という戦争の早い段階において航空戦力の潜在力に気が付いていた。したがって非常に強力な空母による艦隊を建設し、最も進化した航空機を作った」、さらに「日本は1940年の英国の戦いから学んで飛行機を作り、そしてパイロットの技術を向上させていけば真珠湾を成功裏に攻撃できることを確信した」と書いてあって、説明は以上なのです。

 真珠湾の攻撃卑怯とか、軍国主義とか、帝国主義とかは一切書いてありません。要するに海戦において日本が最も先進的だったということだけが書いてあって、そしてそれぞれの中島、愛知、三菱――とくに愛知などは日本では忘れられているのに――それを丁寧に説明しています。

中島飛行機は戦前、世界有数の航空機メーカーだった。GHQは二度と復活しないように実に12社に分けて解体した。そのひとつがスバルの自動車で知られる富士重工業。愛知は戦前に存在した海軍向けの軍用機メーカー。現在は、自動車エンジンなどを手がける愛知機械工業)


 連合艦隊司令長官の山本海軍大将の写真をこのように尊敬を込めて展示していて、しかも深い含蓄があるのが、山本五十六大将の有名な言葉がここに載っているのです。

 つまりアメリカが真珠湾攻撃を批判するのではなく、わが山本五十六長官が自ら省みて何とおっしゃったかが英訳して掲げられています。

 「日本は戦術的な成功にもかかわらずアメリカの空母を一隻も沈めることができなかった。さらに艦船の大事な修理施設あるいは燃料の保管施設を破壊することができなかったので、やがてそれが日本の破滅に繋がっていく」という趣旨が記されています。

 その下に山本長官が1942年、真珠湾攻撃の翌年におっしゃった言葉が、これも英訳されて掲げてあります。

 「真珠湾に対して第二次の本格的な攻撃を行わなかったのが大きな失敗だった」と書かれています。

 連合艦隊司令長官のいわば自己批判内部批判を正確に紹介しているわけです。

 そして、後ろを振り向いていただくと、まず上の写真を見てください。

 HEROICと書いてある後ろにBUT NOT ENOUGHと。「英雄的だ。でも足りてなかった」と書いてあります。

 こんなに面白い国がほかにあるのかと思うのです。ここに、真珠湾で日本軍を迎え撃った五人の勇敢な将兵のことを紹介しているのですが、「こんな攻撃ぐらいじゃどうにもならねえだろ」と言っている。

 一人ひとりが不十分ではなく、一人ひとりは頑張ったけれども、全体体制が出来ていなかったから反撃は不充分だったということですね。

 英語としてHEROIC BUT NOT ENOUGHというのは、例えばイギリス人がこういうことを言うのはぼくには考えられません。アメリカ人でないと言わないと思います。

 要するに正直に公平に言っているというのが、この象徴的な言葉です。』



 安部総理には、是非とも、日本をリスペクトしている「アメリカ陸軍博物館」にも足を運んで頂きたい。


----------------------------------------------------------------------
 元証券マンが「あれっ」と思ったことの
 『まぐまぐ!』へのご登録はこちら
 http://www.mag2.com/m/0001677393.html
 発行者HP http://tsuru1.blog.fc2.com/
---------------------------------------------------------------------
[PR]
by tsuruichi1024 | 2016-12-13 08:00 | 青山繁晴 | Comments(0)