【 衆院選の争点:消費税の使途<北朝鮮の脅威 】


 2017/10/10、衆院選が公示され、友人の越智隆雄さんが小選挙区東京第6区の自民党公認候補として立候補した。


1.第48回衆議院議員総選挙公示にあたって

・2017/10/10付自由民主党HP(
https://www.jimin.jp/s/news/discourse/135894.html)における2つの主張の概要


(1)2019年10月に予定する消費税率10%への引上げによる財源の活用

・国民の皆様と約束した消費税の使い道を思い切って変え、「全世代型社会保障」の実現、そして財政再建を確実に実現していく


(2)北朝鮮の脅威への対応

・全ての核、弾道ミサイル計画を完全な、検証可能な、かつ不可逆的な方法で放棄させ、拉致問題の解決に国際的なリーダーシップを発揮していくためにも、国民の皆様の圧倒的で、力強い信任が不可欠


2.高橋洋一さんの記事
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/171004/soc1710040006-n1.htmlの概要

(1)現状の争点:消費増税の使いみちの変更(=優先順位の低い話)

・実質的な規模で1兆円程度の予算の話

⇒ この程度であれば毎年の予算編成で処理できる

⇒ 昨年の補正予算で使った財投債スキーム*を教育支出に応用すれば、増税なし、プライマリーバランス(基礎的財政収支)悪化なしで財源が作れる。しかも、この話は2年先のことなので、それまでに準備できる


(2)望まれる争点:北朝鮮の脅威への対応力(=今そこにある危機であり、まさに日本にとっての国難であり、その対応のための政府の体制づくりこそ総選挙の争点であるべき)

・国家としては、安全保障が第一で、それが確保された上での経済である

⇒ こうした国難のときに、日本の首相がトランプ米大統領、中国の習近平国家主席と互角に渡り合っていけるかどうか、そのために誰が適任かを問う総選挙である

⇒ 北朝鮮問題という希有な国難に対して、どうするのか、それをなすためにはこの国のリーダーとして誰がふさわしいのか。そうした国の基本を愚直に訴えないと、悪いポピュリズムで流されてしまうだろう

 *添付P8の図表3参照(財源:2.75兆円の建設国債)  
 
http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2016pdf/20161003003.pdf


3.特定秘密保護法の成立背景

 『特定秘密保護法は「日米同盟の強化」のために作られる?【争点:安全保障】』の記事(
http://m.huffingtonpost.jp/2013/10/04/japan-nsc_n_4041820.html)ご参照


4.特定秘密の保護に関する法律

 
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=425AC0000000108


<感想>
 希望の党(
https://kibounotou.jp/pdf/policy.pdf)が「消費税増税凍結」を打ち出した今となっては、もはや「消費税増税の使途」は争点にはなり得ないように思う。自民党は、高橋さんの言うように、国としてより優先順位の高い、「北朝鮮の脅威」への対応力(=党としての取組が他党対比、相対的に優位であること)をより前面に出して戦うべきではないだろうか。東京第6区は、希望の党、立憲民主党も候補を擁立する3極対決地区になったが、越智さんが負けることはないと信じている。

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by tsuruichi1024 | 2017-10-11 08:00 | 安倍政権 | Comments(0)


【 政治家のこだわり 】


 以下は、(毎日楽しみにしている)2017/8/27付けの日経新聞「私の履歴書」高村正彦(28)「平和安全法制最高裁判決踏まえ発言 集団的自衛権巡る論議 主導」)からの一部抜粋。


『 最近、わが党の村上誠一郎さんが月刊誌で、砂川事件は在日米軍基地の合憲性を争った裁判であり、これを根拠に集団的自衛権を認めるのは「黒いカラスを『白い』と言うような常軌を逸した状況」と私を名指しで批判した。

 砂川事件は米軍基地の合憲性について判断する前提として、大法廷の15人の判事全員が一致した判決理由のなかで「必要な自衛の措置を講じ得ることは、主権国家固有の権限として当然だ」という一般法理を明らかにした。

 私はこの一般法理を現在の安全保障環境に当てはめ、集団的自衛権も一部認められるとしただけだ。

 村上さんは27回開かれた平和安全法制推進本部の全体会合にいちども出席しなかった。それでいて党外に向けて独自の見解を発信し続けた。

 推進本部長かつ幹事長の石破茂さんは「次の選挙で絶対に公認しない」といっていた。その後、幹事長が谷垣さんに交代したが、私は武士の情けで、このことを谷垣さんには伝えなかった。』


 以下は、最高裁判決砂川事件:昭和三四年一二月一六日最高裁判所大法廷)からの一部抜粋。
 
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/816/055816_hanrei.pdf

『 国際連合憲章がすべての国が個別的およひび集団的自衛の固有の権利を有することを承認しているのに基き、わが国の防衛のための暫定措置として、武力攻撃を阻止するため、わが国はアメリカ合衆国がわが国内およびその附近にその軍隊を配備する権利を許容する等、わが国の安全と防衛を確保するに必要な事項を定めるにあることは明瞭である。』


<感想>
 元高村派でもある村上議員への怒りを「私の履歴書」の中でまで露わにするとは。政治家同士の信頼関係が壊れた後の修復はなかなか難しそうだ。

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by tsuruichi1024 | 2017-08-30 08:00 | 安倍政権 | Comments(0)


「核兵器廃絶決議」と「核兵器禁止条約」廃絶決議」と「核兵器禁

 以下は国政モニター平成28年11月28日付の「「核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議について(回答:外務省)」からの要約。

http://monitor.gov-online.go.jp/html/monitor/h28/qa/ans20161128_01.html

1.日本が国連*に提出した核兵器廃絶決議(*国連総会第一委員会)


1)日本の立場
 唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現のためには、核兵器の非人道性に対する正確な認識と厳しい安全保障環境に対する冷静な認識の下で、核兵器国と非核兵器国との間の協力による現実的かつ実践的な措置を積み重ねていくことが不可欠である
⇒核兵器国と非核兵器国の協力がなければ、核軍縮の具体的な成果には繋がらない


2)2016/12/5の国連決議の内容(出所:http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_004008.html
(1)核兵器不拡散条約(NPT)体制の強化
(2)包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効,核兵器用分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の早期の交渉開始の呼びかけ
(3)核戦力の透明性向上
(4)核兵器の非人道性への深い懸念が全ての取組の基本にあること
(5)各国指導者・若者等による被爆者を含むコミュニティ等への訪問等を通じ,被爆の実相に関する認識を向上させるあらゆる取組を奨励すること
(6)北朝鮮による最近の核実験及び弾道ミサイル技術を使用した発射に対する最も強い表現での非難
(7)北朝鮮に対し更なる核実験の実施を自制し,直ちに全ての核活動を完全な,検証可能な,かつ,不可逆的な方法で放棄するよう強く要求すること,等


3)採択結果(出所:同上)
賛成:167
反対:4(中国,北朝鮮,ロシア,シリア)
棄権:16(キューバ,エクアドル,エジプト,フランス,インド,イラン,イスラエル,キルギスタン,モーリシャス,ミャンマー,ナミビア,パキスタン,韓国,南スーダン,英国,ジンバブエ)

2.核兵器禁止条約に反対する理由


1)上記1の我が国の基本的立場に合致しない
2)北朝鮮の核・弾道ミサイル開発が我が国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威となっている中で、厳しい安全保障環境に関する冷静な認識を欠いている
3)核兵器国と非核兵器国との間の対立を一層助長し亀裂を深めるものである


<感想>
 何とも分かりにくい両者であるが、「核兵器廃絶決議」について何故マスコミの報道がないのか、「核兵器禁止条約」に関するネガティブな報道ばかりなのか、は問題のような気がする。

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 以下は、平成28年11月28日付の国政モニター「核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議について(回答:外務省)」からの要約。

http://monitor.gov-online.go.jp/html/monitor/h28/qa/ans20161128_01.html

1.日本が国連*に提出した核兵器廃絶決議(*国連総会第一委員会)
1)日本の立場
 唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現のためには、核兵器の非人道性に対する正確な認識と厳しい安全保障環境に対する冷静な認識の下で、核兵器国と非核兵器国との間の協力による現実的かつ実践的な措置を積み重ねていくことが不可欠である
⇒核兵器国と非核兵器国の協力がなければ、核軍縮の具体的な成果には繋がらない
2)2016/12/5の国連決議の内容(出所:
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_004008.html
(1)核兵器不拡散条約(NPT)体制の強化
(2)包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効,核兵器用分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の早期の交渉開始の呼びかけ
(3)核戦力の透明性向上
(4)核兵器の非人道性への深い懸念が全ての取組の基本にあること
(5)各国指導者・若者等による被爆者を含むコミュニティ等への訪問等を通じ,被爆の実相に関する認識を向上させるあらゆる取組を奨励すること
(6)北朝鮮による最近の核実験及び弾道ミサイル技術を使用した発射に対する最も強い表現での非難
(7)北朝鮮に対し更なる核実験の実施を自制し,直ちに全ての核活動を完全な,検証可能な,かつ,不可逆的な方法で放棄するよう強く要求すること,等
3)採択結果(出所:同上)
 賛成:167
 反対:4(中国,北朝鮮,ロシア,シリア)
 棄権:16(キューバ,エクアドル,エジプト,フランス,インド,イラン,イスラエル,キルギスタン,モーリシャス,ミャンマー,ナミビア,パキスタン,韓国,南スーダン,英国,ジンバブエ)

2.核兵器禁止条約に反対する理由
(1)上記1の我が国の基本的立場に合致しない
(2)北朝鮮の核・弾道ミサイル開発が我が国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威となっている中で、厳しい安全保障環境に関する冷静な認識を欠いている
(3)核兵器国と非核兵器国との間の対立を一層助長し亀裂を深めるものである


<感想>
 何とも分かりにくい両者であるが、「核兵器廃絶決議」について、何故マスコミの報道がないのか、「核兵器禁条約」のネガティブな情報に偏り過ぎているような気がする。

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by tsuruichi1024 | 2017-08-09 08:00 | 安倍政権 | Comments(0)


【 支持率急落でも日本にはアベノミクスが必要 】

 月~木曜日、毎日Podcastで楽しみに聞いている「ザ・ボイスそこまで言うか!」(http://www.1242.com/program/voice/)。
2017/8/1の番組冒頭で、宮崎哲弥さんがFTの社説に共感していたので、検索してみた。

 [FT]支持率急落でも日本にはアベノミクスが必要(社説)(2017/7/13 14:04)
http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXLASGM13H3L_T10C17A7000000/)だと思われる。概要は以下の通り。


<国民の信頼を回復するための方法>
1.大幅な内閣改造に踏み切ってアベノミクスから離れ、変革を示すこと

2.経済に対する取り組みを一層強めること、それも経済政策に一意専心して決意を示すこと⇒正しい道筋


<安倍氏の間違い>
1.経済から離れて憲法と外交の問題に重点を移したこと(安倍氏にとっては非常に重要でも、一般の有権者はほとんど重視していない)

2.2015年の安全保障関連法と今夏の「共謀罪」法(共に安倍氏の支持率低下につながった)

3.20年までに憲法を改正するとの公約(安倍氏が求める改憲の内容は完全に妥当だが、客観的に日本が直面している課題の中での優先順位は極めて低い)


<安倍氏のなすべきこと>
1.経済対策に集中すべき(表面的なアベノミクスのテコ入れであってはならず、日銀の黒田東彦総裁の再任、あるいは同氏が応じなければ、デフレ終息に同等の決意を持つ候補を選ぶこと)

2.物価上昇が弱いうちに増税せよという要求にあらがう必要も(構造改革の重要性は誇張されているが、サラリーマンの長時間労働に終止符を打つという大衆受けを狙った取り組みだけでなく、労働市場の真剣な改革が必要)


<安倍氏の政治的遺産>
 小さな改憲ではなく、20年にわたるデフレを終わらせた人物になるかどうか(最大の貢献は、自らの党と国民に、アベノミクスを続けなければならないとわからせることだ──自分が権力の座を去った後までも)

(2017年7月13日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 
https://www.ft.com/


<感想>
 安倍首相が実行しておきたいことが沢山あるのは分かるが、記事の通り、今一度、経済対策に集中してみては(結果として支持率が回復)如何だろうか。

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by tsuruichi1024 | 2017-08-03 08:00 | 安倍政権 | Comments(0)

「暗闘」(山口敬之著、幻冬舎)


 以下は掲題書(最終章 安倍外交が目指すもの)からの一部抜粋。(その3)


『 「保守政治家」の宿命

 第二次政権発足後の安倍には、外交分野で「戦後の総決算」を意図したアクションが目立つ。特に戦後70年の2016年以降は、米連邦議会演説を皮切りに、日米、日露、日韓と「これまでにないアプローチ」や「歴史的なイベント」を自ら設定し次々と取り組んでいる。

 こうしたイベントを安倍は「避けられない課題」と呼んでいる。これまでのリーダーが目を閉じ耳をふさいできた負の遺産に向き合う義務があるという保守政治家としての考え方である。
 そしてそれは、保守的理念の実現や政策遂行に留まらない。時には保守層が反発する可能性のある選択肢からも逃げてはならないと自らに言い聞かせている。それは、もし保守的でないリーダーがリベラルな選択をしたならば単なるパワーゲームとなるだけだが、保守層から支持されている保守政治家が難しい選択をするからこそ、国民全体の理解を得ることができると考えているからである。

 その最たるものが、2015年末の慰安婦をめぐる日韓合意である。この問題もまた、日韓双方の主張が真っ向から対立している。韓国側は、「元慰安婦は意に反して性奴隷にされた」として国家による謝罪と賠償を求め続けてきたが、日本側は「国家が強制した事実はない」として、基本認識から?み合っていない。

 
 自らの支持層から猛反発を受けていた頃、安倍はこう漏らした。

「俺だっていろいろな思いがある。ただ、このままではこの問題は永遠に日韓関係を毀損し続ける。すべてのボールを韓国側に渡し、日本側としてこの問題に終止符を打つ決断は、保守層が支持しているリーダーしかできないじゃないか」

 安倍はさまざまなリスクを承知で、日米、日露、日韓間の、これまでの政権が避けて通ってきた戦後の外交上の大きな課題に正面から取り組む姿勢を見せている。どの問題にも、「兵器を使わない戦争」を仕掛けている中国の影がちらつく。また、それは同時に、安倍本来の支持層である保守層からの批判という内政的リスクを伴っている。

 安倍一強と呼ばれ与野党双方に安倍を倒しえるライバルが見当たらない今だからこそ、こうした「保守政治家として保守層の不満を包含して決断する」という大きなリスクが取れるのか、それとも足場となる支持層が徐々に離反して政権基盤を揺るがす展開になるのか。2017年以降の安倍の決断と有権者の反応が、政権の行く末を規定していくことになる。


<感想>
 2017/7/2の東京都議選では自民党が惨敗した。
 2017/7/8の「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」※の「東京都議選で都民ファーストの会が圧勝」の中で辛坊さんが言うように、都市部の住民は(地方と違い)風で動いただけ(2011年の大阪府議会選における「大阪維新の会」同様の「都民ファーストの会」)だったのか。マスコミが言うように、自民党に逆風が吹いたのか。※http://www.1242.com/program/zoom/
 安倍政権の今後の行方を(都議会選の実態を確認する上でも)注目して行きたい。

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by tsuruichi1024 | 2017-07-10 13:00 | 安倍政権 | Comments(0)


「暗闘」(山口敬之著、幻冬舎)


 以下は掲題書(第5章 日露交渉)からの一部抜粋。(その2)


『 官邸主導の「新しいアプローチ」

「丸ごと主権を返せと言い続けたが、これまで一切進展はなかったじゃないか。それならば、日露の当面の島民が新しい制度に従って経済協力を行うことで、信頼関係を作って少しずつ状況を変えていくしかない」

 もし共同経済活動が日露双方の島民にとって利益があると理解されれば、協力活動は拡大し特別な制度も進化していく。信頼醸成と共に、主権回復に向けた匍匐前進の第一歩が「共同経済活動」なのである。


  日露両国のためにこの問題を解決したい

 2016年12月15日に山口県長門市で行われた首脳会談本番は、夕方6時過ぎからの少人数会合でスタートした。
ここで何がどう話し合われ、どの点で紛糾し、どういう合意に立ち至ったのか。その激しい交渉の足跡がはっきりと刻み込まれているのが、翌日の共同記者会見で「プレス向け声明」という形で発表された事実上の合意文書である。

 折りしもプーチンは同月7日に読売新聞と日本テレビのインタヴューで、「国後・択捉は全く別の話」として、日ソ共同宣言に書かれた歯舞・色丹の返還とは切り離す方針を安倍に突きつけていた。より厳しい交渉が待っている国後・択捉両島を置き去りにせず、交渉の対象を四島すべてとする意志を、安倍は強く示したのである。


  最大のハイライト「決意」

 2004年から12年の長きにわたって外相を務めているラブロフは領土問題などロシアの国益に関する問題では最強硬派とみなされており、これまでの共同宣言や合意文書作成でも日本側にとって大きな壁となっていた。

 いくらプーチンが「決意」という文言の書き込みに同意しても、会合後の調整で削除されてしまうのではないか。そう危惧した安倍は会談最終盤で勝負に出た。大筋で折り合いがついた合意内容を、プーチンと二人で文章として確定してしまおうと考えたのだ。
急遽、日露双方の合意文書の担当者がテタテ階段の行われていた部屋に呼び込まれた。そして安倍とプーチンが一言一句を確認しながら、合意文章を完成させたのである。

 こうして、事前調整では宙に浮いていた第五項目が、安倍プーチンのオーソライズの下で、改めて合意文書に復活した。安倍は自らが最も重視していた、「安倍とプーチンが自らの手で平和条約に署名する」という、領土問題解決に向けた具体的な目標を文書の上に残すことに成功したのである。

 しかし、二日目の首脳会談後に配布されたこの合意文書は、「プレス向け声明」というタイトルになっていた。外交文書にはそのタイトルによって格があって、条約、批准条項付きの共同宣言、共同声明、合意文書といった順で重みが下がっていく。1956年の日ソ交渉の際に出された「日ソ共同宣言」は批准条項付で、事後それぞれの議会で批准される必要がある条約に近い重みを持つものだった。この意味では「プレス向け声明」という表現は格という意味からも玉虫色だ。例えば国連では議長声明よりも一段格下の発表として報道声明がある。

 激しい交渉の末にロシア側がタイトルをプレス向け声明とするように求めてきたのであれば、それは内容で日本が押し勝ったことの裏返しかもしれない。 』

<感想>
 「プレス向け声明」の第五項目の、四島すべての共同経済活動⇒平和条約問題の解決への「決意」。これを契機とした四島返還に繋がることを祈念している。

 「プレス向け声明」(北方四島における共同経済活動、平和条約締結問題)
 
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000212165.pdf
 5.両首脳は、上記の諸島における共同経済活動に関する交渉を進めることに合意し、また、平和条約問題を解決する自らの真摯な決意を表明した。

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by tsuruichi1024 | 2017-07-09 08:00 | 安倍政権 | Comments(0)


「暗闘」(山口敬之著、幻冬舎、2017/1/25第1刷発行)


 以下は掲題書からの一部抜粋。

『 2015年10月に「文化外交担当」として総理補佐官に就任した河井は、以前から様々な機会を捉えて訪米を繰り返し、議会関係やホワイトハウススタッフとの面会を重ねていた。かねて外務省を経由しないで直接アメリカ政界にアクセスするルートを開拓したいと考えていた安倍は、折りに触れて河井に親書を託すなどして、さまざまな役職・階層の議員やスタッフとの関係構築を命じていた。この「首相--補佐官──ホワイトハウス」という官邸直結ルートの開拓にこそ、安倍の外務省不信と多層的外交の狙いが垣間見える。


  日本版NSCと外交担当総理補佐官新設の背景

 日米関係に関わる重要な事項については、官邸の考え方を過不足なくタイムリーに伝える。そういう機能が必要と考えて、安倍は二つの手を打った。

 一つがアメリカのホワイトハウスに置かれた大統領諮問機関である国家安全保障会議(NSC)に相当する国家安全保障局(NSS)を官邸に新設し、局長に安倍が信頼を寄せる谷内正太郎元外務次官を据えた。外務省や防衛省の上に、外交・安全保障を統括する司令塔となる組織を置いたのである。これにより谷内は名実共にホワイトハウスのカウンターパート(オバマ政権のスーザン・ライス、トランプ政権のマイケル・フリン)とホットラインでつながった。

 NSSの新設は、日米関係に限らず、政府の外交・安全保障のあり方を抜本的に変える大きな改革である。外務・防衛を中心に各省の精鋭が70人ほど集められ谷内を支えている。以外に人数が少ないという印象を受けるが、出身省庁の利害を離れて一体感のあるチームを構成する意味でも、また情報管理という意味でも、このくらいのサイズが適当というのが現在の官邸の受け止め方だという。

 そしてもう一つの施策が、事実上の外交担当総理補佐官の新設であり、そこに河井を抜擢したのである。安倍はどうしてそこまでして、官邸とアメリカ政界をつなぐ制度と陣営の構築にこだわったのか。底流には、安倍が第一次政権で総理の座につくはるか前からの、長年の「外務省不信」があった。


  外務省不信の根源にある拉致問題

 安倍は『美しい国へ』(文春新書)の中でこう不満をぶちまけている。

「わたしを拉致問題の解決にかりたてたのは、なによりも日本の主権が侵害され、日本国民の人生が奪われたという事態の重大さであった。(中略)わが国の安全保障にかかわる重大問題だ」
「にもかかわらず、外務省の一部の人たちは、拉致問題を日朝国交正常化の障害としかとらえていなかった。相手のつくった土俵の上で、相手に気に入られる相撲をとってみせる──従来から変わらぬ外交手法、とりわけ対中、対北朝鮮外交の常道だった」

 その後、拉致問題は二度の小泉訪朝で大きな進展をみせる。しかしその過程においても、安倍と外務省主流派との間には激しい駆け引きと対立があった。


  「騙し討ち」だった平壌宣言

 当時の外務省主流派の一人、田中均元外務審議官には、安倍は何度も煮え湯を飲まされてきた。その最たるものが、第一回小泉訪朝の際の「横田めぐみさんを含む八人の拉致被害者全員死亡」と「平壌宣言」だった。当時アジア大洋州局長を務めていた田中は、福田の指示の下で北朝鮮との交渉を担当していたが、官房副長官を務め対北朝鮮強硬派とみなされていた安倍は、完全に蚊帳の外に置かれた。田中は外務省内でも北朝鮮との交渉を独占し、ごく限られた幹部以外には一切情報を出さなかった。


「もし被害者八人が全員死亡していると北朝鮮が事前に言ってきているなら、小泉総理に訪朝していただくべきではなかった。騙し討ちといってもいい」

 安倍が懸念した通り、このままいけば「拉致被害者を数人返すことと引き換えに、経済協力と日朝国交正常化を手にする」という、北朝鮮の目指すゴールに大きく近づいていく展開になりかねなかった。しかも、当時外務省の「主流派」からは、「拉致被害者一人や二人のために日朝関係を壊していいのか」というあからさまな安倍批判すら聞かれた。

 安倍にしてみれば、対北交渉を主導した田中も、チャイナスクール(外務省の中国語使いで、キャリアを通じて中国を担当する)の阿南も、交渉相手国のご機嫌を損ねないことが最優先であり、そのためには家族を奪われた拉致被害者や独裁政治から命からがら逃げ出した脱北者は二の次にしているようにしか見えなかった。 』


<感想>
 安倍総理の外務省不信の根源には拉致問題があるようだ。現在の北朝鮮の横暴への断固たる態度はその意味からも納得でき、応援して行きたい。

 河井克行 内閣総理大臣補佐官(ふるさとづくり推進及び文化外交担当)
 
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/meibo/hosakan/kawai_katsuyuki.html
 谷内正太郎 国家安全保障局長 兼 内閣特別顧問(国家安全保障担当)
 
http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/kanbu/2013/yachi_shoutarou.html

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by tsuruichi1024 | 2017-07-08 08:00 | 安倍政権 | Comments(0)


「2017年 アメリカ大転換で分裂する世界 立ち上がる日本」(三橋貴明著、徳間書店、第1刷2016年12月31日)


 以下は掲題(第6章「貧困化する世界と日本の黄金の道」)からの一部抜粋。


『 安倍政権の当初のデフレ対策である「アベノミクス3本の矢」(金融政策+財政政策+成長戦略)は、まさに需要を創出するパッケージそのものであった。2012年11月の総選挙まで、安倍総理は財政政策については「公共インフラへの投資」、成長戦略は「技術への投資」として説明していたのである。


  変貌したアベノミクスは絶対にうまくいかない

 ところが、めでたく自民党が政権の座に帰り咲いたと思ったら、「アベノミクス3本の矢」はその姿が変貌していった。「金融政策+財政政策+成長戦略」が、「金融政策+緊縮財政+構造改革」という政策パッケージにすり替えられてしまったのだ。

 デフレ対策は日銀に丸投げされ、安倍政権は緊縮財政路線に転換。2014年度には消費増税を強行した。消費税が5%から8%に増税されたことを受け、日本国民は消費を実質的に3%減らした。

「たった3%で?」などと思うなかれ。日本の民間最終消費支出(いわゆる個人消費)は300兆円規模である。国民が3%消費を減らすと、わが国の需要は9兆円も減ってしまう。

 消費税を増税すると同時に、安倍政権は2015年度予算において、政府の「消費」に含まれる介護報酬を削減した。正直、耳を疑った。

 会議分野は、いまどきの日本にしてはめずらしく、高齢化の進展で需要が拡大している分野だ。この分野に政府が「必要な支出」を拡大していくことで需要不足が解消に向かうにもかかわらず、安倍政権は逆方向に進んだのである。

 さらに2016年度には、やはり政府の「消費」の一部である診療報酬を削減している。公共投資も2014年度までは増やしていたが、2015年度から削減された。

 何度もいうが、デフレとは、国民経済において需要が不足する現象だ。政府は「需要創出」に専念しなければならないにもかかわらず、安倍政権は2014年度から橋本政権以上の「超緊縮財政」を強行したのである。

 財政面で緊縮路線を邁進しつつ、同時に日銀は金融緩和を継続した。結果的に、実体経済と無関係に円安が進行し、外国人株主が日本株の購入に走った。日本の株式取引の7割は外国人投資家によるものだ。

 
 さらに、安倍政権は、「技術への投資」であるはずの成長戦略を構造改革にすり替え、竹中平蔵氏ら構造改革主義者が政府の諮問会議に参加するにいたる。派遣労働の拡大、国家戦略特区、農協改革、電力自由化、発送電分離、外国移民(=外国人労働者)の受け入れ拡大、そしてTPPと、安倍政権は小泉純一郎政権以上の勢いで各種の構造改革を断行し、日本の国の形を壊していった。

 ちなみに、「技術への投資」はデフレ対策だが、構造改革はインフレ対策になる。規制を緩和し、新規参入を増やし、市場競争を激化させれば、当然ながら物価は下がる。自由貿易を拡大し、外国製品を大々的に国内市場に招き入れた場合も同様だ。


 肝心の財政政策による「需要創出」に背を向け、緊縮財政や構造改革という「インフレ対策」ばかりを推進した結果、当たり前の話として、デフレ脱却は実現しなかった。インフレ率は2013年度には堅調に上昇していたのだが、2014年度以降、見事に失速している。

 日銀は、2013年3月に黒田春彦元財務官が日銀総裁に就任して以降、すでに250兆円を超す日本円を新たに発行した。それにもかかわらず、直近のインフレ率はマイナスに沈んでしまった。

 当たり前だ。インフレ率とは、われわれが生産するモノやサービスの価格の上昇率なのである。モノやサービスの価格が上がるのは、モノやサービスがたくさん買われたときなのだ。

 日銀の日本円の発行は、国債を購入することで実施される。国債はモノでもサービスでもない。日銀がお金を発行するだけでインフレ率が上がるはずがない。 』

 
<感想>
 デフレからの脱却の目途が全く見えない今こそ、安倍政権は、(日銀丸投げの)「金融政策」に頼るのではなく、(「緊縮財政」から脱した)「財政政策」を本格的に検討して行かねばなるまい。

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by tsuruichi1024 | 2017-07-03 08:00 | 安倍政権 | Comments(0)


【 首相の改憲提案 】

2017/6/6の日経電子版の表題「首相は改憲を提案してはいけないのか」に以下内容が記されていた。

■学者の見解、野党にショック

東大教授の宍戸常寿「議院内閣制では政党党首が同時に首相を務めることが想定されている。首相であるところの与党党首が、改憲をしかるべき場で、しかるべきやり方でおっしゃることは、一般的に憲法尊重擁護義務に反しないと考えている」

 元内閣法制局長官の阪田雅裕の解説書「政府の憲法解釈」によれば、実はこのように、首相や内閣が改憲を主張することも許される、との見解を歴代内閣も一貫して維持している。

 「憲法改正の原案を国会に提出することについては、憲法上、内閣は、72条の規定により、議案を国会に提出することが認められているので可能である」 』


[ 憲法 ]
第72条 内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。

第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。


<感想>
憲法第72条の解釈(法律案などの提出だけでなく改憲原案の提出も可能)や同第99条上問題ないとの解釈(改憲を訴えれば憲法擁護義務違反なら、今後2度と改憲できない畏れあり)から、首相には改憲を提案することができると考えるのが自然だろう。

表面的なくだらない議論はさっさと止めて、早期に実のある議論に移行してもらいたい。

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by tsuruichi1024 | 2017-06-15 08:00 | 安倍政権 | Comments(0)


北朝鮮による日本人拉致被問題



 着々と核開発を続ける北朝鮮。

 金正男が殺害され、北朝鮮を巡る国際情勢は益々混迷を深める可能性が高い。

 北朝鮮が暴発して混乱を極め、手遅れにならない前に、北朝鮮から拉致被害者を奪回するにはどうすべきか?(「ザ・ボイスそそこまで言うか!」2017/2/23ご参照。http://www.1242.com/program/voice/


<北朝鮮の拉致の目的>(出所:http://www.rachi.go.jp/jp/ratimondai/yokuwakaru/vol4.html

 その日本人になりすませたり、その日本人を北朝鮮のスパイに日本の習慣や日本語を教える先生にしたりする目的 ⇒ 韓国にスパイを送り込む

普通の国の拉致の目的(by 特殊部隊)
 「政治的に重要なキーパーソンを対象」
 ⇒ 北朝鮮の拉致は常識を逸脱している


<拉致被害者の究極の奪回策>(出所:http://ironna.jp/article/928

 自衛隊が実力をもって北朝鮮から拉致被害者を救出する
 ⇒ 現憲法下では不可能
 ⇒ 国民が意識を共有し、拉致問題解決という視点から憲法改正を強く認識することが重要か


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by tsuruichi1024 | 2017-02-26 08:00 | 安倍政権 | Comments(0)