「役者は下手なほうがいい」竹中直人著、NHK出版新書


 以下は、掲題書からの抜粋である。


 「生きているということは、恥ずかしいことです」


 ぼくは映画監督・川島雄三さんのこの言葉が好きです。自分に自信がないからだと思います。昔からそうですね。人とコミュニケーションをとるのも苦手だった。


 とにかくコンプレックスのかたまりだったので、誰かのキャラクター、人格を借りないと生きていけない、相当変わったやつだったと思います(笑)。


 とにかく自分じゃない人間になるという憧れは、常にあった。「自分じゃなければ何だって出来るんだ」というような。だから「素の自分」というものは昔からなく、「変なやつ」と周囲から思われたりすることで自分をごまかしたり、恥ずかしさを紛らわせたりしていました。


 変な言い方ですが、「何、この人?変な人・・・・・・」と他人から言われるのは好きだった。とにかくくだらないことが大好きで、シリアスなものに対する過剰な照れがありました。だから、変なキャラクターを作って演じる事がぼくの夢だった。そしてそれがテレビに受け入れられた。


 そんな中、森崎東監督の映画『ロケーション』(1984年)に参加した時のことです。いつものように面白いことをやろうと思い、本番中にいきなりギャグをかましました。すると、監督から「余計な芝居をするな!竹中のままでやれ!」と言われた。


 ぼくは森崎監督のその言葉に感動したんです。ぼくを信じてくれているんだと。そして、監督のそのまなざしがあったからこそ、自分をごまかさずに、「演じる」という鎧を捨てることができたのだと思います。



<感想>
 竹中直人さんの生き方、何となく分かるような気がする。

 何をするにも信頼関係が基本で、信頼感さえあれば、たとえ苦境に陥ったとしても大抵何とかなるように思われる。


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元証券マンが「あれっ」と思ったことの
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by tsuruichi1024 | 2017-03-12 08:00 | 俳優 | Comments(0)