【 株式一括売却信託/立会外トレードサービス 】


 2017/10/17、三井住友信託銀行がSBI証券と下記商品の取り扱いを開始した。
 
http://www.smtb.jp/corporate/release/pdf/171017.pdf

 以下はその概要。


「株式一括売却信託/立会外トレードサービス」の取扱開始について

1.コンセプト
(1)形態
・信託(株式一括売却信託)とネット取引(立会外トレードサービス)の融合

(2)ターゲット
・事業法人の持ち合い解消のための「株式売却ニーズ」と、個人投資家の「株式投資ニーズ」のマッチング


2.スキーム
(1)株式信託の設定
・委託者:株主
・受託者:三井住友信託銀行
・目的:株式の一括売却

(2)売却方法のステップ
その1)SBI証券
・対象株式の売却について自社に口座を開設している個人投資家に対して売却銘柄情報を提供

その2)三井住友信託銀行
・委託者(株主)からの指図に基づいてSBI証券に株式を※ToSTNET-1にて売却(市場価格(終値)ー@ディスカウント=x円。ディスカウントは売出時(引受手数料4%+ディスカウント率3%=7%)よりも小さい)

その3)SBI証券
・個人投資家に株式を※ToSTNET-1にて売却(x円+α円<市場価格:αがSBI証券の手数料)

※ToSTNET-1(市場内立会外取引):証券取引所(金融商品取引所)内でオークション(競争)方式による売買を行う立会取引時間を避けた相対取引(立会時間内での取引では、株価に直接、多大な影響を及ぼすこと等が想定される場合等に利用される)


3.メリット
(1)委託者(株主)
・市場への影響(⇒株価下落)を抑えつつ、大量の株主を一括売却可能
・市場への影響(⇒株価下落)を抑えつつ、大量の株主を一括売却可能

⇒①市場での売却や②公募売出しに見られる公表~条件決定までの、需給インパクト(⇒株価下落)なし

(2)個人投資家
・ディスカウント価格で株式を取得できる


<感想>
 本件は、大手証券でブロックトレードの一環として、個人投資家向けに取り扱っていた仕組みを「信託銀行とネット証券の協働」によるスキームに改良したもの。

 売却に伴う価格下落リスクを排除したり、個人投資家の数が増える等、発行会社サイドにとっても、市場売却や公募売出しよりもメリットのある手法と考えられる。


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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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by tsuruichi1024 | 2017-10-19 08:00 | 売出し | Comments(0)


【 日本郵政(6178)の公募売出 】


 以下は、2017/9/12付日経電子版記事(http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXLASFL12HI4_S7A910C1000000)からの一部抜粋。


『 日本郵政株、反発 売却策は影響緩和に苦心、機関投資家から需要

 12日の東京市場で日本郵政株が反発した。財務省が11日の取引終了後、政府の保有株の追加売却を発表した。市場に流通する株式の増加は株価を押し下げかねないが、売却策には日本郵政による自社株買いも盛り込むなど影響緩和に苦心の跡がうかがえる。株価指数に連動して運用する機関投資家から一定の買いが見込めるのも株価を支えている。

 財務省による発表では、今回の売り出し規模は報道どおり最大1兆4000億円(10億6000万株)だったが、このうち1000億円は日本郵政が自社株買いに応じる。市場での売却は1兆3000億円(9億9000万株)となるが、このうち1000億円は投資家の需要に応じて調整することも盛り込んだ。市場では「需給の緩みを最大限和らげる措置」(国内証券のアナリスト)との評価があり、12日の株価を支える一因となった。』


[ 2015/11:IPO時点 ]
国内主幹事(ジョイント・ブックランナー。合計シェア:90.8%)
 野村・三菱MS:25%
 大和・みずほ・日興:9.8%
 GS・JPモルガン:5.8%
国内売出合計:396百万株(1)

グローバルオファリング
ジョイント・グローバル・コーディネーター(JGC):野村、三菱MS、GS、JPモルガン
海外合計:99百万株(2)

総売出株数:495百万株(1+2)
売出価格:1,400円
条件決定日:2015/10/26
総額:6,930億円(3)

[ 2015/12:自己株式取得(ToSTNeT-3) ]
取得株数:283,306千株
取得価格:1,907円
取得日:2015/12/26
取得総額:約5,403億円(4)

売出+自己株式取得:約1兆2,333億円(5=3+4)


[ 今回のPO ]
国内主幹事:野村、三菱MS、大和、みずほ
国内売出計:731,150,100株(6)
OA:60,929,200株(7)

グローバルオファリング
JGC:野村、大和、GS
海外売出計:182,787,500株(8)
追加売出:15,232,300株(9)

総売出株数:990,099,100株(10=6+7+8+9)
*9/12終値:1,373円
*ベース総額:約1兆3,594億円(11)

[ 今回の自己株式取得(ToSTNeT-3) ]
取得株数:72,833,200千株
取得価格:1,373円
取得日:2017/9/13
取得総額:約1,000億円(12)

売出+自己株式取得:約1兆4,594億円(*ベース)(13=11+12。13>5)

(https://www.japanpost.jp/pressrelease/jpn/20170911_01.pdf)



[ 支配株主との重要な取引等に係る遵守事項 ]

有価証券上場規程(
http://jpx-gr.info/rule/tosho_regu_201305070007001.html
(支配株主との重要な取引等に係る遵守事項)
第441条の2
 支配株主を有する上場会社は、次の各号に掲げる場合※には、当該各号に規定する事項の決定が当該上場会社の少数株主にとって不利益なものでないことに関し、当該支配株主との間に利害関係を有しない者による意見の入手を行うものとする。

※第402条第1号
 e 会社法第156条第1項(同法第163条及び第165条第3項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定若しくはこれらに相当する外国の法令の規定又は優先出資法第15条の規定による自己株式の取得


<感想>
 2015年のIPOと今回のPOの主幹事・JGCの構成に変化が見られた。その背景には何らかの理由があったものと思われるが、これも必然だったのであろうか。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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by tsuruichi1024 | 2017-09-14 08:00 | 売出し | Comments(0)