【 芝浦メカトロニクス株式の行方 】



 2017/12/4、芝浦メカトロニクス(6590。「東芝メ」)株式に関して、複数の開示があった。


1.売出し
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120171201428809.pdf

(1)売出人:東芝(6502)
(2)株数:8,337千株(発行済の16.25%)
(3)条件決定日:2017/12/12~15
(4)OA:*1,250千株(発行済の2.4%)
*東芝は、SMBC日興証券(主幹事)宛、(a)同数の株式を貸して、(b)追加的に買い取る権利(グリーンシューオプション(GSO)**)を付与
**
https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ku/greenshoeoption.html


2.自己株式取得(ToSTNeT-3での売却)
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120171204430222.pdf

(1)取得方法:12/6午前8:45のToSTNeT-3(12/5終値@448円)
(2)株式総数:5,357千株(総額24億円)
(12/4公表分:上限株数:5,452千株(発行済の10.63%)、上限金額:24億円)


3.信越エンジニアリング*との資本業務提携(株式相対譲渡)
*信越化学工業(4063)の完全子会社
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120171201428766.pdf

・東芝より株式取得
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120171201428758.pdf
(1)数量:2,597千株(発行済の5%)
(2)買付日:売出価格等決定日と同一


4.ニューフレアテクノロジー*との資本業務提携(株式相対譲渡)
*東芝デバイス&ストレージ50%出資等(東芝の連結子会社)
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120171201428755.pdf

(1)東芝より株式取得
 a)数量:1,600千株(上限)
 b)数量等決定日:2017/12/6(上記2の自己株式取得の結果で数量を決定)

(2)市場での買付け(追加取得)
 a)数量:上記4(1)東芝からの取得との合算で2,597千株(発行済の5%)
 b)時期:POの受渡日以降


5.東芝の売却株数
http://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20171204_1.pdf

(1)信越エンジニアリング宛売却:2,597千株(上記3。5%)

(2)売出し(上記1)+ToSTNeT-3での売却(上記2)+ニューフレアテクノロジー宛売却(上記4)の合計:11,187千株(21.5%)

(3)上記合計:13,784千株(26.5%)

⇒ 売却後の所有株数:5,193千株(10%)


<感想>
 本件は、(1)売出し(+ GSO)、(2)自己株式取得、(3)資本業務提携(株式相対譲渡)、を絡めた、東芝による東芝メ株式の売却。
 今後、世の中の進展に対応するために、単純な株式売出しのみではなく、本件のように、戦略的な複合ミックス的な売却手法が増えて行くように思われる。

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by tsuruichi1024 | 2017-12-06 08:00 | 売出し | Comments(0)


【 日立、マクセル株を売り出し 筆頭株主から外れる 】


 2017/11/17、日立製作所(6502「日立」)は保有するマクセルホールディングス(6810)株式(一部)の売出しを発表した。


1.株式の売出し及び主要株主である筆頭株主の異動について
http://v4.eir-parts.net/DocumentTemp/20171122_024024719_kipyf355eshbaluduv5ex355_0.pdf

(1)売出し概要
・売出株数:538万6200株
・OA:80万7900株
(貸株人:日立、借株人:SMBC日興証券(主幹事。「日興」)
・グリーンシューオプション*:日興が日立から追加で株式を取得する権利
・株式受渡期日:売出価格等決定日(11/27~30)の6営業日後(12/5~12/8) 

*
https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ku/greenshoeoption.html

(2)筆頭株主の異動
・シンジケートカバー取引等なく、貸株分(OA相当分)含めて全て売却した場合
⇒ 日立保有株式:14.76%(第1位)から4.56%(第3位)へ低下

(3)公表後の株価終値推移
 11/17 2,425円
 11/20 2,441円
 11/21 2,425円


2.自己株式の取得に係る事項の決定に関するお知らせ
http://v4.eir-parts.net/DocumentTemp/20171122_024341249_dsnskk45bb5gywvycyu4mv45_0.pdf


[ 概要 ]
(1)自己株式の取得を行う理由
・上記売出しに伴う当社株式需給への短期的な影響を緩和し、既存株主への影響を軽減する観点、及び既存株主への株主還元の多様化と向上を図る観点から自己株式取得をするもの

(2)取得に係る事項の概要
・取得の概要:62万株(発行済株式(除自己株式)の1.17%)
・取得総額:16億円(上限)
・取得期間:売出価格等決定日の7営業日後(12/6~12/11)~12/29


3.日立の戦略(*2018中計進捗状況)
*http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2017/05/f_0512apre.pdf

<社会イノベーション事業の成長に向けて事業構造改革を実行>(P7)

(1)事業構造改革・課題事業対策

(2)事業の選択と集中

・事業の譲渡実行

(a)物流サービス(日立物流:16/5にSG HDへ約29%株式譲渡)

(b)金融サービス(日立キャピタル:16/10に三菱UFJ FG等へ約27%株式譲渡)

(c)電動工具機器(日立工機:17/3にKKRのTOBへ全保有約51%株式応募*)

(d)半導体製造装置・映像通信装置事業(日立国際電気:現在KKRのTOBへ結果的に約30%株式応募(予定)。但しTOB成立のための下限株数のクリアが困難か**)

*KKRについてhttps://ameblo.jp/tsuruichi1024/entry-12272044196.html

**日立国際電気のTOBに関するプレスリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2017/11/f_1117a.pdf

・TOB価格:2,900円(←2,503円)
・日立国際電気の11/21終値:3,240円(出来高:約382千株)

⇒(一般)投資家はTOBに応募するより、市場売却した方が得(但し、流動性が低いため、大量売却は不可)


<感想>
 本件マクセルHD株式の売出しは、日立が中計に掲げる「事業の選択と集中」の一環と言える。

 売出しに伴う株式受渡期日の翌営業日から自己株式取得をスタートさせることによる株式受給面への配慮が見られ、評価できる枠組みと思われる。

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by tsuruichi1024 | 2017-11-22 08:00 | 売出し | Comments(0)


【 株式一括売却信託/立会外トレードサービス 】


 2017/10/17、三井住友信託銀行がSBI証券と下記商品の取り扱いを開始した。
 
http://www.smtb.jp/corporate/release/pdf/171017.pdf

 以下はその概要。


「株式一括売却信託/立会外トレードサービス」の取扱開始について

1.コンセプト
(1)形態
・信託(株式一括売却信託)とネット取引(立会外トレードサービス)の融合

(2)ターゲット
・事業法人の持ち合い解消のための「株式売却ニーズ」と、個人投資家の「株式投資ニーズ」のマッチング


2.スキーム
(1)株式信託の設定
・委託者:株主
・受託者:三井住友信託銀行
・目的:株式の一括売却

(2)売却方法のステップ
その1)SBI証券
・対象株式の売却について自社に口座を開設している個人投資家に対して売却銘柄情報を提供

その2)三井住友信託銀行
・委託者(株主)からの指図に基づいてSBI証券に株式を※ToSTNET-1にて売却(市場価格(終値)ー@ディスカウント=x円。ディスカウントは売出時(引受手数料4%+ディスカウント率3%=7%)よりも小さい)

その3)SBI証券
・個人投資家に株式を※ToSTNET-1にて売却(x円+α円<市場価格:αがSBI証券の手数料)

※ToSTNET-1(市場内立会外取引):証券取引所(金融商品取引所)内でオークション(競争)方式による売買を行う立会取引時間を避けた相対取引(立会時間内での取引では、株価に直接、多大な影響を及ぼすこと等が想定される場合等に利用される)


3.メリット
(1)委託者(株主)
・市場への影響(⇒株価下落)を抑えつつ、大量の株主を一括売却可能
・市場への影響(⇒株価下落)を抑えつつ、大量の株主を一括売却可能

⇒①市場での売却や②公募売出しに見られる公表~条件決定までの、需給インパクト(⇒株価下落)なし

(2)個人投資家
・ディスカウント価格で株式を取得できる


<感想>
 本件は、大手証券でブロックトレードの一環として、個人投資家向けに取り扱っていた仕組みを「信託銀行とネット証券の協働」によるスキームに改良したもの。

 売却に伴う価格下落リスクを排除したり、個人投資家の数が増える等、発行会社サイドにとっても、市場売却や公募売出しよりもメリットのある手法と考えられる。


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by tsuruichi1024 | 2017-10-19 08:00 | 売出し | Comments(0)


【 日本郵政(6178)の公募売出 】


 以下は、2017/9/12付日経電子版記事(http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXLASFL12HI4_S7A910C1000000)からの一部抜粋。


『 日本郵政株、反発 売却策は影響緩和に苦心、機関投資家から需要

 12日の東京市場で日本郵政株が反発した。財務省が11日の取引終了後、政府の保有株の追加売却を発表した。市場に流通する株式の増加は株価を押し下げかねないが、売却策には日本郵政による自社株買いも盛り込むなど影響緩和に苦心の跡がうかがえる。株価指数に連動して運用する機関投資家から一定の買いが見込めるのも株価を支えている。

 財務省による発表では、今回の売り出し規模は報道どおり最大1兆4000億円(10億6000万株)だったが、このうち1000億円は日本郵政が自社株買いに応じる。市場での売却は1兆3000億円(9億9000万株)となるが、このうち1000億円は投資家の需要に応じて調整することも盛り込んだ。市場では「需給の緩みを最大限和らげる措置」(国内証券のアナリスト)との評価があり、12日の株価を支える一因となった。』


[ 2015/11:IPO時点 ]
国内主幹事(ジョイント・ブックランナー。合計シェア:90.8%)
 野村・三菱MS:25%
 大和・みずほ・日興:9.8%
 GS・JPモルガン:5.8%
国内売出合計:396百万株(1)

グローバルオファリング
ジョイント・グローバル・コーディネーター(JGC):野村、三菱MS、GS、JPモルガン
海外合計:99百万株(2)

総売出株数:495百万株(1+2)
売出価格:1,400円
条件決定日:2015/10/26
総額:6,930億円(3)

[ 2015/12:自己株式取得(ToSTNeT-3) ]
取得株数:283,306千株
取得価格:1,907円
取得日:2015/12/26
取得総額:約5,403億円(4)

売出+自己株式取得:約1兆2,333億円(5=3+4)


[ 今回のPO ]
国内主幹事:野村、三菱MS、大和、みずほ
国内売出計:731,150,100株(6)
OA:60,929,200株(7)

グローバルオファリング
JGC:野村、大和、GS
海外売出計:182,787,500株(8)
追加売出:15,232,300株(9)

総売出株数:990,099,100株(10=6+7+8+9)
*9/12終値:1,373円
*ベース総額:約1兆3,594億円(11)

[ 今回の自己株式取得(ToSTNeT-3) ]
取得株数:72,833,200千株
取得価格:1,373円
取得日:2017/9/13
取得総額:約1,000億円(12)

売出+自己株式取得:約1兆4,594億円(*ベース)(13=11+12。13>5)

(https://www.japanpost.jp/pressrelease/jpn/20170911_01.pdf)



[ 支配株主との重要な取引等に係る遵守事項 ]

有価証券上場規程(
http://jpx-gr.info/rule/tosho_regu_201305070007001.html
(支配株主との重要な取引等に係る遵守事項)
第441条の2
 支配株主を有する上場会社は、次の各号に掲げる場合※には、当該各号に規定する事項の決定が当該上場会社の少数株主にとって不利益なものでないことに関し、当該支配株主との間に利害関係を有しない者による意見の入手を行うものとする。

※第402条第1号
 e 会社法第156条第1項(同法第163条及び第165条第3項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定若しくはこれらに相当する外国の法令の規定又は優先出資法第15条の規定による自己株式の取得


<感想>
 2015年のIPOと今回のPOの主幹事・JGCの構成に変化が見られた。その背景には何らかの理由があったものと思われるが、これも必然だったのであろうか。

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by tsuruichi1024 | 2017-09-14 08:00 | 売出し | Comments(0)