【 CBのプット・オプション 】


 2017/10/19、アルデプロ(8925)が以下内容のプレスリリースをしていた。


1.プレスリリース概要
http://www.ardepro.co.jp/files/ir/press/2017/1019.pdf

『 第 3 回無担保転換社債型新株予約権付社債(「CB」)の一部繰上償還に関するお知らせ

 発行金額:40億円
 繰上償還額:5億円
 発行日:2014/12/29
 償還日:2017/12/29
 繰上償還予定日:2017/11/20
 繰上償還金額:各社債の金額100円につき金100円
 クーポン:0%
 転換価額:174.1 円(発行決議日前日終値の▲1.1%)
 第三者割当先:EVO FUND(アジア株を中心に運用を行うファンド)
 プット・オプション :本社債権者(CB保有者)は、終値が転換価額を下回った場合、2016/12/30以降、20営業日~30営業日の事前の通知を行うことによ り、その保有する本社債の全部又は一部を額面 100 円につき金 100 円で繰上償還することを当社に対し請求することができる 』

⇒ 繰上償還後のCB残存額:6億円(昨年12月以降、継続的にプット・オプションが行使された)

(発行時プレスリリース:
http://www.ardepro.co.jp/files/ir/press/2014/1212_02.pdf


2.投資家(割当先)の3つの選択肢(:以降は個人的感想)

(1)償還時まで継続保有:×
・10/20終値:105円(パリティ:約60円。年初来高値:3月9日175円)
⇒ 転換による差益の可能性がない中、ゼロクーポンで継続保有する意味はない

(2)市場売却:×
・債券的価値分のディスカウントの差損を出してまで売る意味はない(非上場で流動性もない⇒相対の投資家がいない可能性も)

(3)プット・オプション行使:○
・これしか選択の余地なし


3.プット・オプション (野村證券のHPより)
https://www.nomura.co.jp/terms/japan/o/opusyon.html

・プット・オプション:「ある決められた日」に(までに)「ある決められた価格」で、原資産を売却する『権利』

・アメリカンタイプ:オプションの存続期間中いつでも行使可能なタイプ


<感想>
 期間3年の第三者割当CB発行に当たって、2年後以降、投資家に付与されたプット・オプション (@100)を行使したもの。プット・オプションは投資家側にメリットがあるスキーム。CBの発行条件(クーポン、発行価格、各種オプション等)は、発行会社と投資家間の受給バランスで決定される。

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by tsuruichi1024 | 2017-10-21 08:00 | CB | Comments(0)

あれっ、ANAHDがCB発行?


【 ANAHDのCB 】


 2017/9/1の日経新聞朝刊に、以下内容の記事が掲載されていた。

『 ANAHD、CB発行1400億円調達 機体購入や自社株買いに

 ANAホールディングスは31日、ユーロ円建ての新株予約権付社債(転換社債=CB)を発行し、1400億円を調達すると発表した。調達資金は今後購入する航空機の支払いのほか、700億円を上限とする自社株買いに充てる。同CBは株式交付に上限を設けているのが特徴。低コストで資金を調達しながら、希薄化を懸念する既存株主にも配慮した。』


[ 発行概要(交付株数上限付CB)]

(出所:
http://v4.eir-parts.net/DocumentTemp/20170901_115351291_yb3z50550t1klp45l1kcyb55_0.pdf

 発行金額:総額1,400億円(700億円×2本)
 年限:5年/7年

 クーポン:0%
 転換価額:518円(8/31終値@407.8円対比のアップ率27.02%)/ 510円(同25.06%)

 CB転換に伴う交付株数の上限(注):67,568千株/ 68,627千株(700億円÷(転換価額×2))
 資金使途:航空機購入資金700億円+自己株式取得700億円

 9/1の自己株式取得結果: 取得株式数 32,726千株(8/31終値@407.8円)


[ 交付株数上限付CBとは ]

 上記(注)の通り、予めCB転換時の交付株数に上限を付した枠組で、本件では以下の算式とされている。
交付上限株数:(額面金額の総額)÷(最終日転換価額×200%)


<感想>
 本件は、昨年スズキが発行したCB※と同種の仕組み。※
http://www.suzuki.co.jp/ir/news/pdf/20160307news02.pdf

 CB転換時には、取得した自己株式を充当するため、希薄化することなく、ゼロクーポンで700億円調達したと言えるが、ローンチ日翌日のTostnet-3では(投資家(ヘッジファンド等)が充分な借株を手当て出来ずに)目標の19%程度しか取得できなかった。(http://v4.eir-parts.net/DocumentTemp/20170901_013909584_qfnndc45ipoxs3551mmir545_0.pdf

 ゼロ金利下でのCB発行の意義を疑問視する見方はあるものの、翌営業日の株価も下落することなく、まぁ許容範囲のあり得る手法と考えらよう。

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by tsuruichi1024 | 2017-09-02 08:00 | CB | Comments(0)



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by tsuruichi1024 | 2017-03-24 08:00 | CB | Comments(0)


ゼロクーポン・ユーロ円CB


  2017/3/14、2件の大型のゼロクーポンCB(転換社債型新株予約権付社債)がユーロ市場でローンチした。

<三菱ケミカルHD(4188)>
  金額 750億円/同左
  年限 5年/7年
  募集価格 103%/同左(引受手数料2.5%)
  転換価額のアップ率 42%/40%
  資金使途 借入(M&A等)返済、設備投資等 1,200億円、自己株式取得 300億円(⇒3/15にToSTNeT-3で取得済)
  2017/3/15終値 869.5円(前日比▲3.28%)

<九州電力(9508)>
  金額 750億円/同左
  年限 3年/5年
  募集価格 102%/同左(引受手数料2%)
  転換価額のアップ率 15%/18%
  資金使途 借入返済、設備投資 1,000億円、社債償還 500億円
  2017/3/15終値 1,147円(前日比▲8.01%)


<感想>
  両者のアップ率の違いは、株価のボラティリティの違いを反映したもの。

  なお、自己株式取得の有無が、ローンチ翌日の株価下落の差にも(多少は)影響したものと思われる。


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by tsuruichi1024 | 2017-03-17 08:00 | CB | Comments(0)