<   2017年 10月 ( 31 )   > この月の画像一覧


【 業績目標連動型ストック・オプション 】



 以下は、駐車場の上部空間店舗をプロデュースするフィル・カンパニー(3267)が発行したストック・オプションの概要。


1.ストック・オプション

(1)第7回新株予約権(#7回「WT」)
 a)WT数:151個(151,000株:1→2分割後302,000株)
 b)発行価格:無償
 c)行使価格:330円/株(分割後@165)
 d)割合対象:取締役2名、従業員7名
 e)行使期間:2016/2/20~2023/11/15

(2)第8回WT
 a)WT数:69個(69,000株:分割後138,000株)
 b)発行価格:無償
 c)行使価格:330円/株(分割後@165)
 d)割合対象:取締役2名、従業員8名
 e)行使期間:2016/2/20~2023/11/15

(3)第9回WT
 a)WT数:2,330個(233,000株:分割後466,000株)
 b)発行価格:有償600円/WT1個(6円/株)
 c)行使価格:3,370円/株(1→2分割後@1,685円)
 d)割合対象:取締役4名1500個、監査役3名160個、従業員10名650個、子会社従業員2名20個)
 e)行使期間:2019/2/1~2027/1/31
 f)業績目標(経常利益)⇒行使可能割合
 (i)2018 or 19/11期(5億円)⇒50%
 (ii)同(10億円)⇒100%



2.能見社長のWT等保有状況(大量保有報告より)


(1)WT取得状況(分割前)
 ・2014/ 2/19(#7回):24,000株(無償)
 ・2014/11/14(#8回):10,000株(無償)
 ・2017/ 1/30(#9回):100,000株(有償)

 ・2017/2/22:25,000株売却(×@3,986=99.7百万円)
 ⇒ 下記(2)の一部:25,000株×@330=8.3百万円
 ⇒ 上記差額:91.4百万円(25,000株の売買に対してのグロス手元資金)

(2)2017/3/22:WT行使(@330)により36,000株取得(⇒11.9百万円)

(3)保有株式
 ・65,000株(×@200.2円=13,010千円)
 ・134,000株(潜在株×@6=804千円⇒36,000株行使済⇒潜在株は98,000株?)
 ・合計 199,000株(7.68%。⇒163,000株?取得資金合計13,814千円⇒13,598千円?)


<感想>
 有償ストック・オプションは、本件のように自由な条件設定(業績目標連動型等)も可能で、かつ、行使金額の制限もないため、今後も取組件数の増加が想定される。

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------


[PR]
by tsuruichi1024 | 2017-10-31 08:00 | ストックオプション | Comments(0)


【 自己株式の処分 】

 2017/10/27、都築電気(8157)が、以下内容のプレスリリースをしていた。
 
http://www.tsuzuki.co.jp/ir/pdf/2017/20171027_3.pdf


1.麻生グループとの資本業務提携契約

(1)2017/1/5開示内容
・麻生グループが有する医療・介護関連等の事業ノウハウ及び顧客基盤、並びに当社が有するICT 技術、医療事業者向けの商品ラインナップ及び全国規模の営業拠点網を掛け合わせ、更なる事業展開並びに両社の企業価値向上を目指し、デジタルトランスフォーメーションを基本コンセプトに掲げ、定期的に分科会を設け、協業体制の構築を図っている

(2)資本的な結びつきをより強固に
・ICT 関連サービス業界は市場環境の変化のスピードが非常に早く、当社は競争環境の変化に対応し得る体制の構築が急務である

・当社が麻生グループとの協業を通じて新たに創出される事業機会を活かし、より企業価値を高めるためには、資本的な結びつきをより強固なものにする必要があるとの結論に至る


2.自己株式に関する主な経緯

 時期   手法    対象株式数  割合  価格(⇒第三者割当先)
 2008/ 3 ToSTNeT-3 2,809,000株 11.06% @310
 2009/10  同 上   300,000株  ー   @366

 2010/12 都築電産の株式交換による完全子会社化に伴う
      自己株式処分 3,532,621株
      新株発行    313,846株

 2012/ 5 自己株式TOB 13,393,525株 52.16% @770
 (内、タワー投資顧問の応募:11,861,490株、簿価@499→売却益約33億円)

 2014/12 自己株式処分 730,000株(@464円)⇒従業員持株ESOP信託口

 2017/ 1 自己株式処分 2,300,000株 8.96% @556⇒麻生グループへ

 2017/11 自己株式処分 2,200,000株 8.57% @966(10/26終値)⇒麻生グループへ
       同 上   300,200株(@966)⇒役員報酬BIP信託口へ
       同 上   483,400株(同上)⇒株式付与ESOP信託口へ

 2017/11 自己株式消却 1,000,000株 3.89%

 ⇒ 上記処分・消却後の自己株式数 6,489,481株 26.30%
   (2012/5の52.16%から半減)

3.B/Sの推移(⇒自己株式部分のみの試算)
       株主資本(自己株式)(単位:百万円)
 2016/3期  17,428(△10,056) 
 2017/3期  21,949(△ 8,223)(簿価@785円)
 ⇒ 上記処分・消却後 25,370(△5,096)


<感想>
 株価(割当価格@966)が自己株式の簿価(@785)を越えて、自己株式を有効活用した事例。

(1)(本件の)自己株式処分による資本業務提携の強化や資本増強による会社側のメリット
(2)(自己株式処分相当分を)消却した場合の希薄化抑制による投資家側のメリット

 マーケット(株式市場)はどちらをよりメリットと見るのか、10月30日以降の株価動向が注目される。
(高く推移:(1)>(2)、安く推移:(1)<(2))

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------


[PR]
by tsuruichi1024 | 2017-10-30 08:00 | Comments(0)


【 株式付与ESOP信託 】

 2017/10/27、グリー(3632)が以下内容のプレスリリースをしていた。


1.第三者割当による自己株式処分に関するお知らせ
 
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1523125


(1)処分期日:2107/11/16
(2)処分株式数:普通株式1,270,600株
(3)処分価額:1株につき787円
(4)処分価額の総額:999,962,200円
(5)処分予定先:日本マスタートラスト信託銀行(株式付与ESOP信託口2)


2.「株式付与ESOP信託」の導入に関するお知らせ
 
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1523124


(1)インセンティブ・プラン
 目的:従業員の当社の業績や株価への意識を高めることにより、業績向上を目指した業務遂行を一層促進するとともに、中長期的な企業価値向上を図ること
 
(2)株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託
・米国のESOP制度を参考にした従業員インセンティブ・プラン


・ESOP信託が取得した当社株式(上記1)を、予め定める株式付与規程に基づき、一定の要件を充足する従業員に交付するもの


・当該信託が取得する当社株式の取得資金は全額当社・当社グル-プ子会社が拠出(従業員の負担はなし)

(3)企業価値向上プラン
・従業員は当社株式の株価上昇による経済的な利益を収受することができるため、株価を意識した業務遂行を促すとともに、従業員の勤労意欲を高める効果が期待できる

・ESOP信託の信託財産に属する議決権行使は、受益者候補である従業員の意思が反映される仕組みで、従業員の経営参画を促す企業価値向上プランとして有効


3.自己株式取得状況


         自己株式  B/S計上額
 2013/6期末 2,302千株 4,652百万円(@2,021)
 2017/6期末 5,926千株 6,229百万円(@1,051)
 ⇒この内、 1,270,600株 1,000百万円(@787)を株式付与ESOPへ
 ⇒差額▲264円/株(総額▲336百万円)は資本剰余金が減少する


4.ご参考(各種株式報酬のインセンティブ等の比較)
 
http://www.dir.co.jp/research/report/law-research/tax/20161121_011424.pdf

(1)株式付与信託(P14~P17)
・株式付与信託の受益者(従業員)の課税イメージ(P17)
 1)受益者確定時:受益者(従業員)に給与/退職給与所得課税発生(その時点の株価ベース)
 2)株式売却時:「売却時点の株価-上記1)の株価」に分離課税(20%+復興税)

(2)譲渡制限付株式(P17~P20。Restricted Stock。「RS」)
 ・RSの課税イメージ(P20)
 1)譲渡制限解除時:給与/退職給与所得課税発生(その時点の株価ベース)
 2)株式売却時:「売却時点の株価-上記1)の株価」に分離課税(20%+復興税)

(ご参照:税制改正大綱を踏まえた役員向け株式報酬の留意点)
 
https://www.dir.co.jp/consulting/insight/personnel/20170111_011581.html

⇒ 譲渡制限解除時点では株価が上昇している可能性が高いため、本当は上昇前の株価で所得課税が発生するような枠組みへの変更が必要なように思われる


<感想>
 株式付与信託は、RSの変形版であるように思われる(その逆かもしれないが)。個人的には、所得課税が発生しない「有償ストックオプション」(譲渡益に分離課税されるのみ)の方がもらう方にとってはありがたい枠組みであるように思う。

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------


[PR]
by tsuruichi1024 | 2017-10-29 08:00 | ESOP | Comments(0)


【 持ち合い解消のための投資有価証券売却 】

 2017/10/25、ユーシン(6985)が投資有価証券売却に関するプレスリリースをしていた。


Ⅰ.特別利益(投資有価証券売却益)の計上に関するお知らせ
 
http://www.u-shin-ltd.com/LinkClick.aspx?fileticket=7JHpPL8%2fYfg%3d&tabid=220&mid=385


1.投資有価証券売却の理由
 コーポレートガバナンス・コードに基づく政策保有株式の見直し、財務体質の強化及び資産効率の向上を図るため。

2.投資有価証券売却の年月日
 2017年9月29日~2017年10月25日

3.投資有価証券売却の内容
(1)売却資産の種類:当社保有上場有価証券3銘柄
(2)投資有価証券売却益:392 百万円
 ※ 売却益(累計額):2,813 百万円

4.今後の見通し
 上記の投資有価証券売却益は、2017 年 12 月期通期の連結決算及び単体決算において特別利益に計上いたします。なお、2017 年 12 月期通期の連結業績予想に織り込み済みであり、業績 予想の変更はありません。

⇒ 株式売却益を織り込んだのは、(1)期初からだったのか、(2)期中なのか(もし(1)ではなく(2)だとすれば、業績がその分下振れたということか)


Ⅱ.2017年6月以降の売却銘柄数/売却益(日付はプレスリリース日)


 7/25 8銘柄/ 369百万円
 8/ 2 8銘柄/ 455百万円
 8/ 7 6銘柄/ 437百万円
 8/22 6銘柄/ 366百万円
 9/ 4 5銘柄/ 422百万円
 9/28 5銘柄/ 369百万円
10/25 3銘柄/ 392百万円  
合計 延41銘柄/2,813百万円


Ⅲ.株式の保有状況(2016/11有報)


1.投資株式のうち保有目的が純投資以外の目的であるものの銘柄数及びBS上の合計額

 ・78銘柄 12,220百万円

 なお、当事業年度において、当社が保有する保有目的が純投資目的である投資株式はありません。



2.保有目的(各々以下3つに分類)


(1)安定株主として長期保有を目的とする政策投資
(2)取引関係の強化
(3)取引関係の維持

⇒ 持ち合い解消になり易い順(想定)
  (3) > (2) > (1)


Ⅳ.ユーシンのコーポレートガバナンス・コード
 
http://resource.ufocatch.com/pdf/cg/CG2017031000006

原則1ー4 いわゆる政策保有株式

(1)政策保有方針
当社では、取引先その他当社の持続的成長に基づく企業価値向上に資すると認められる相手先との関係を維持及び強化することにより、当社の持続的成長に基づく企業価値向上を図ることを目的として、当該相手先の株式を保有することがあります。

(2)保有意義・合理性検証
当社では、取引先その他当社の持続的成長に基づく企業価値向上に資すると認められる相手先との関係を維持及び強化について、当社の持続的成長に基づく企業価値向上と当該株式の保有のリスクを勘案した上で、資本の効率性、相手先の成長性、当該株式保有による収益性等を考慮し、中長期的な経済合理性を検証しております。

⇒ 資本の効率性や収益性等の検証により、持ち合い解消を図ることもあり得るということ


<感想>
 本件のように、コーポレートガバナンス・コードに基づいた、資産効率向上等を目的とした持ち合い解消は、今後、益々増えて行くことが想定される。

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------


[PR]
by tsuruichi1024 | 2017-10-28 08:00 | Comments(0)


【 落としたタイヤの法的責任 】


 2017/10/18、中国自動車道路上に落ちていたタイヤに乗り上げて車が動かなくなっていたため避難していた親子2人が、同じタイヤに乗り上げて横転した大型トレーラーにはねられて亡くなった。落としたタイヤの運転手の法的責任とは?

 以下は、添付記事に基づいた関連法令概要のまとめ。


『 トレーラー横転の原因「落ちていたタイヤ」、法的責任はどうなる? <中国道死亡事故> 』
 
https://c-2.bengo4.com/n_6838/


1.道路交通法
(1)高速道路での運転者の遵守事項(第四章の二 高速自動車国道等における自動車の交通方法等の特例、第三節 運転者の義務)

(自動車の運転者の遵守事項)
第七十五条の十 自動車の運転者は、高速自動車国道等において自動車を運転しようとするときは、あらかじめ、燃料、冷却水若しくは原動機のオイルの量又は貨物の積載の状態を点検し、必要がある場合においては、高速自動車国道等において燃料、冷却水若しくは原動機のオイルの量の不足のため当該自動車を運転することができなくなること又は積載している物を転落させ、若しくは飛散させることを防止するための措置を講じなければならない。

⇒ 高速道路にスペアタイヤを落下させた場合、積載物の転落防止措置義務に違反する。

(2)罰則(免許の取消し、停止等)

第百十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。

十二の三 第七十五条の十(自動車の運転者の遵守事項)の規定に違反し、本線車道等において当該自動車を運転することができなくなつた者又は当該自動車に積載している物を当該高速自動車国道等に転落させ、若しくは飛散させた者

2 過失により前項第一号の二、第二号(第四十三条後段に係る部分を除く。)、第五号、第九号又は第十二号の三の罪を犯した者は、十万円以下の罰金に処する。

⇒ 刑法38条(下記2(2)参照)にある通り、基本的には故意(罪を犯す意思≒わざと)でないと罪には問えない。但し、本条のように、法律に別途特別の規定(過失(≒うっかりなど)による罰則)を設けている場合は除く。

1)故意(≒わざと)に転落防止措置義務に違反して、その結果として、積載物を転落させた場合、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金(法119条1項12の3)

2)過失(≒うっかりなど)による場合は、10万円以下の罰金(同2項)


2.刑法
(1)過失傷害(第二十八章 過失傷害の罪)

(過失傷害)
第二百九条 過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

(過失致死)
第二百十条 過失により人を死亡させた者は、五十万円以下の罰金に処する。

(業務上過失致死傷等)
第二百十一条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

⇒ 罰則:過失運転致死傷罪が成立した場合、刑事罰は5年以下の懲役・禁固または100万円以下の罰金


(2)罪を犯す意思

第七章 犯罪の不成立及び刑の減免
(故意)
第三十八条 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。

第二十六章 殺人の罪
(殺人)
第百九十九条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

(傷害致死)
第二百五条 身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する

⇒ 殺人罪や傷害致死罪:故意(罪を犯す意思)であることが大前提


3.民法
(1)不法行為(第五章)

(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

⇒ 罰則:民法上では故意・過失を問わず、高速道路を運転中、スペアタイヤを落下させることは、不法行為(民法709条)となり、それによって生じた死亡、傷害、車両損傷などの損害について、運転者には、被害者に対する損賠責任が生じる。


(2)相殺過失(第二節 債権の効力、第一款 債務不履行の責任等)

(損害賠償の方法)
第四百十七条 損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める。

(過失相殺)
第四百十八条 債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める。

(損害賠償の方法及び過失相殺)
第七百二十二条 第四百十七条の規定は、不法行為による損害賠償について準用する。
2 被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。

⇒ 後続車にも、前方を注視し、制限速度を順守しながら走行して、仮に落下物があっても衝突を避けられるように安全運転をすべき義務があると考えられ、後続車にも過失(故意ではない)があったとして、『過失相殺』で損害額の一部が自己責任となる可能性がある。


4.自動車損害賠償保障法(第二章 自動車損害賠償責任)
(自動車損害賠償責任)
第三条 自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかつたこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があつたこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたことを証明したときは、この限りでない。

⇒ 車の所有者にも、自動車損害賠償保障法3条の責任(運行供用者責任・無過失でも負う責任)が生じる(第三者に故意又は過失等があったことを証明した場合を除く)。


<感想>
 過失致死傷罪の刑事罰は5年以下の懲役・禁固または100万円以下の罰金である。親子2人が亡くなったのに対して、故意ではなく過失の場合の罰則が軽すぎるように思われる。

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------

[PR]
by tsuruichi1024 | 2017-10-27 08:00 | 法的責任 | Comments(0)


【 国内CBの上場廃止基準 】

 2017/10/24、共立メンテナンス(9616)が、国内CBの上場廃止をプレスリリースした。

1.第3回無担保転換社債型新株予約権付社債(「CB」)の上場廃止に関するお知らせ
http://www.kyoritsugroup.co.jp/ir/press/pdf/2017/171024.pdf

(1)発行残高:2.82億円(平成 29 年 10 月 20 日現在。当初150億円)
(2)転換価格:1,934 円 60 銭
(3)上場廃止日:平成29年11月25日
(4)クーポン:0%
(5)償還期日/償還価格:平成30年12月28日/@100円

ご参考:
(a)平成25年12月発行時プレスリリース
 
http://www.kyoritsugroup.co.jp/ir/press/pdf/2013/131202.pdf

(b)東証のCB上場廃止に関するニュース等
 
http://www.jpx.co.jp/news/1021/20171024-01.html
 http://www.jpx.co.jp/equities/products/cb/listing/


2.CB保有者の選択肢(以下の3つ)

(1)CBのまま市場売却
 (a)市場価格:@179円(*10/25 12:47時点)
 (b)パリティ:約184円(10/25終値3,560円÷1,934.6円×100)
  *
http://quote.nomura.co.jp/nomura/cgi-bin/qsearch.exe?TEMPLATE=nomura_tp_cb_11&KEY1=96169.3&KEY2=T

(2)CBを株式に転換して株式を売却
 ・空売り(借株売却)しない場合は、CB転換請求(T日)から株式受領(**T+5営業日)までの価格変動リスクあり
  **ご参考:
http://www.jasdec.com/download/finance/CB20011015.pdf の(5)ページ

(3)償還時点まで継続保有
 ・クーポン0%で、来年末に@100円で償還されるため、この選択肢はない


<感想>
 倒産リスクが低い銘柄であれば、低金利下におけるCB(ゼロクーポンでも)は魅力的な投資対象であると言えよう。

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------


[PR]
by tsuruichi1024 | 2017-10-26 08:00 | CB | Comments(0)


【 自己株式取得信託 】

 2017/10/23、野村ホールディングス(8604)が、自己株式取得終了に関するプレスリリースを発表した。


1.自己株式取得終了のプレスリリース
 
http://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/holdings/20171023/20171023.pdf

(1)取得株式:1億株
(2)取得総額:約623.5億円(平均単価@623.5円)
(3)期間:2017/8/15~10/23
(4)方法:信託による市場買付


2.自己株式取得信託
(1)委託者:野村HD
(2)受託者:信託銀行(野村信託 or りそな?)
(3)目的:自己株式の取得(契約時点でインサイダー情報がなければ、それ以降、野村HD側にインサイダー情報が発生したとしても、受託者裁量にて自己株式取得が継続可能)
(4)取得価格の上限(想定):5/17~7/31(647.5~700.9)までの取得がゼロだったことを考えると、上限を650円程度に設定しているものと思われる。

⇒信託活用時のメリット:取得価格の上限を設定した上で、受託者裁量にてインサイダー・フリーで自己株式の取得が可能

⇒前期配当20円÷650円≒3.1%(手元余剰資金(現預金)活用時の想定利回り(税引後)が3.1%未満であれば、自己株式取得をすべき)


3.自己株式取得:2015/3~2017/10(終了時点ベース)の累計
(1)取得株式:約2.85億株
(2)取得総額:約1,723億円
(3)平均単価:@603.9円


4.2017/6期(四半期)末時点の自己株式/ROE
(1)自己株式:約2.75億株、B/S上:約1,711億円(平均単価@621.5円)
(2)ROE:4.62%(前期当期利益約1,316億円÷株主資本約2兆8,470億円)

<上記自己株式(=株主資本の部のマイナス項目)がなかったとしたら>

・株主資本が当該相当額増える
⇒ ROEが低下(分母が大きくなるため)
⇒ ROE:4.36%(約1,316億円÷約3兆181億円)


5.東証の主体別株式シェア(下記2-5)
 
http://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/examination/01.html

 [ 事業法人等の比率の変化 ]
 30.3%(1987)⇒20.8%(2006)⇒22.1%(2016)

 [ 想定 ]
 事業法人等の比率は、バブル期前(1987)に30.3%だったが、持合解消売りの進展に伴い20.8%(2006)まで低下。一方、自己株式取得(>持合解消売り)が進んだため、近年、22.1%(2016)まで上昇したものと思われる。


< 感想 >
 ROEが重要視される中、手元余剰資金(現預金)活用時の想定利回り(税引後)と比較して有利であると判断される状況下では、益々、自己株式取得が進展するものと思われる。

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------


[PR]
by tsuruichi1024 | 2017-10-25 08:00 | 自社株買い | Comments(0)


【 東京都市部の自民敗北エリアの特徴 】

 自民党は、今回の衆院選において、全国的には圧勝した一方で、東京の小選挙区では5地区で敗北した。


 想定される敗北の背景とは何だったのだろうか?


1.東京小選挙区で勝利した党/自民との票差
(1)1区:立憲民主党/3,021票
(2)6区:同上/1,978票
(3)7区:同上/31,827票
(4)18区:同上/1,046票
(5)21区:希望の党/3,767票


2.2017/1/1現在の東京都の人口(推計)(上記に含まれるエリア)
 
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/01/30/08.html

(1)港区:対前年同月比の人口増加+5,265(5位)
(2)世田谷区:同+9,246(1位)
(3)杉並区:同+5,662(4位)
(4)府中市:人口261,175(市町村3位)
(5)八王子市:人口577,960(同1位)

⇒ いずれも、人口が増えたり、人口が多かったり、若者の比率が高かったり、若者の人口が多いエリアであろうと思われる。


3.立憲民主党のSNS活用戦略に関する参考記事

(1)立憲民主党・枝野代表「ツイッターを担当してくれたチームが非常に優秀だった」
  選挙戦でのSNS運用を振り返る
 
http://lite.blogos.com/article/254050/

(2)SNSに投稿することで、党を応援する活動に自ら参加できる。
  その映像が話題となって、さらに人が集まる。人が人を呼ぶムーブメント
 
https://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/cdp-ldp-gaisen?utm_term=.fkaRy3p71#.piEvwYdxo


4.スマートフォン利用者(15歳~69歳の男女1,100名を対象)の情報収集ソース
(出所:
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP438813_Y7A300C1000000/

<ニュースなどの情報収集目的で1日にもっとも接触する頻度が高いメディア>
(1)スマートフォンからのインターネットやアプリ:44.9%
(2)パソコンからのインターネット:24.9%
(3)テレビ:24.4%
(4)新聞や雑誌、ラジオ:10%未満

<スマートフォン利用者(10代)>
(1)SNSの投稿やニュースコンテンツ:69.2%
(2)インターネット:67.3%


<感想>
 上記4によれば、スマートフォン利用者は、ニュースなどの情報を、既存メディア(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)からよりも、スマートフォンからより多く収集しているという。立憲民主党のSNSの有効活用もこの流れに乗ったものと言えよう。この傾向は、今後全国的に広まっていくことが想定されるため、これまでは有効だった(かもしれない)電話や紙ベースから、スマートフォン主体(SNS等活用の選挙戦術)への抜本的改革が必要になるのではなかろうか。

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------


[PR]
by tsuruichi1024 | 2017-10-24 08:00 | 安倍政権 | Comments(0)


【 直木賞・佐藤正午『月の満ち欠け』を担当して 】

 2017/10/21、直木賞・『月の満ち欠け』の岩波書店編集者・坂本政謙さん(大学時代からの友人)と装丁家・桂川潤さんのトークイベント(大雨にも関わらず大盛況!)に参加した。
 
https://www.iwanami.co.jp/news/n21722.html


1.装丁

(1)佐藤正午本の装丁(装丁家・桂川潤)
 (出所:『出版ニュース』2017年7月上旬号)

『登場人物を暗示する線画イラストをレイアウトした第一案は、版元・著者の双方から却下された。そう、装丁に要求されるのは内容の「説明」ではなく「予感」だったのだ。

編集者からは「ズバリ月で行きませんか」と提案されたが、これもベタな「説明」になりかねない。作中の重要な舞台となる東京駅に十六夜の月を組み合わせたり、ギリギリまで粘ったものの、内容と拮抗する衝撃の「予感」が生まれない。

悶々としていた締め切り直前、数年前に求めた宝珠光寿さんの版画が頭に浮かんだ。「何もない空いっぱいに」という画題どおり、月はどこにもなく、空にまばらな雲以外見あたらない。ニードルで刻み込まれた線画の男女に不穏な空気が流れる。そのままでは書名すらレイアウトできない構図だが、画の周囲に黒の色面を置き、そこに原画にはない月を空いたらどうだろう。いや、それは禁じ手だ。オリジナルの作品世界をデザイナーが改変するなど許されるはずがない。

激しい葛藤に苛まれつつ、ラフを見るほどに「この案以外はない」と思えてくる。“ダメ元”と腹をくくって宝珠さんに装画使用の可否を伺ったら、何と「考えもしなかった構図」と快諾をいただけた。著者、編集者も「この本のために描き下ろした画のよう」と文句なしで装丁が決定。九回二死からの逆転ホームランというべきか。』

(ご参考:
https://twitter.com/mitsuhisa_hosu/status/887636492692078592http://www.asahi-net.or.jp/~pd4j-ktrg/bookindx.html


⇒ 第一案(説明的な2つの案)が却下され、駅をバックの装丁に決まりかけた最終段階で、「この案以外はない」と宝珠光寿さんの装画使用のご快諾(イベントでご発言も)。装丁が出来上がるドラマを感じる


(2)夏目漱石の「心」

 桂川さんが冒頭で、夏目漱石が(自費出版での)装丁を自ら手掛けた「心」(大正3年(1914)4月20日~8月11日まで朝日新聞に連載)のお話をされていた。

(a)『心』自序
 http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/4688_9466.html

『 装幀の事は今迄専門家にばかり依頼してゐたのだが、今度はふとした動機から自分で遣つて見る気になつて、箱、表紙、見返し、扉及び奥附の模様及び題字、朱印、検印ともに、悉〔ことごと〕く自分で考案して自分で描いた。
 木版の刻は伊上凡骨氏を煩はした。夫から校正には岩波茂雄君の手を借りた。両君の好意を感謝する。

 大正三年九月 』


(b)祖父江慎ブックデザイン『心』
 https://www.iwanami.co.jp/book/b263835.html

『たとえば,函や表紙,背の書名.漱石が自ら装丁した初版では,「心」「こゝろ」など,いろいろな表記や字体が入り混じっています.その“心”揺れる『心』であることを生かし,祖父江さんはプランを作ってこられました.』


⇒ 漱石自身の手による「心」「こゝろ」の装丁。装丁の重みを改めて感じる


2.「月の満ち欠け」の帯

(1)背表紙

 『君にちかふ。』


(2)表紙

『 欠けていた月が満ちるとき、
      喪われた愛が甦る。

              新たな代表作の誕生は、
      円熟の境に達した20年ぶりの書き下ろし。
さまよえる魂の物語は、戦慄と落涙、衝撃のラストへ。

     あなたを/の 愛している人は、誰ですか?』


(3)裏表紙

『この娘が
  いまは亡き我が子?
   いまは亡き妻?
    いまは亡き恋人?

  そうでないなら、
    はたしてこの子は
      何者なのか?

自分が命を落とすような
ことがあったら、
もういちど生まれ変わる。

月のように。
いちど欠けた月が
もういちど満ちるようにーー

そして、
あなたの前に現れる。』


⇒ 編集者坂本さんの熱き想いを改めて感じる
 (ご参照:
https://ameblo.jp/tsuruichi1024/entry-12300306071.html


<感想>

 この五十数年、恥ずかしながら、「装丁」を考えてみたことがなかった。

 今回の「編集者×装丁家」のトークイベントで、編集者坂本さんが

 (1)いかに装丁を大切に考えているか
 (2)いかに装丁家桂川さんに全幅の信頼を寄せているか

 等、作品が生まれるプロセスを知ることができて、有意義だった。

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------


[PR]
by tsuruichi1024 | 2017-10-23 08:00 | 月の満ち欠け | Comments(0)


【 神戸製鋼所(5406)のコーポレート・ガバナンス 】

1.自主点検における妨害行為

(1)2017/10/20の日経新聞電子版
 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22535210Q7A021C1TJ2000/

『 神戸製鋼所、梅原副社長「不正発覚免れる行為あった」

 ──不正の隠蔽を具体的に説明してほしい。

 「アルミ・銅事業の自主点検中、長府製造所(山口県下関市)で管理職を含むグループ従業員の妨害があった。点検過程で不適合品のデータを報告せず隠していた。19日、社内の相談窓口に情報提供があり判明した」 』


(2)会社プレスリリース
 
http://www.kobelco.co.jp/releases/files/20171020.pdf


2.神戸製鋼所の「コーポレート・ガバナンス」(⇒以降は個人的感想)
http://www.kobelco.co.jp/about_kobelco/kobesteel/governance/__icsFiles/afieldfile/2017/06/21/170621_cgreport.pdf

(1)企業理念・経営ビジョン

 [企業理念]
 当社グループは、下記の企業理念のもと、株主、投資家、顧客や取引先、従業員、地域社会など、あらゆるステークホルダーの皆様に対して、企業としての社会的責任を全うできるよう努力を続けることにより、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
 ⇒ 本当に「企業としての社会的責任を全うできる努力」をしているのか?


(2)KOBELCOの3つの約束

 1.信頼される技術、製品、サービスを提供します
 2.社員一人ひとりを活かし、グループの和を尊びます
 3.たゆまぬ変革により、新たな価値を創造します
 ⇒ 本当に、「信頼される製品、サービスを提供」しているのか?


(3)KOBELCOの6つの誓い

 私たち神戸製鋼グループに属する全社員は、KOBELCOの3つの約束を果たすために、以下を宣誓します。

1.高い倫理観とプロ意識の徹底
 私たちは、法令、社内ルール、社会規範を遵守することはもちろんのこと、高い倫理観とプロとしての誇りを持って、公正で健全な企業活動を行います。
 ⇒本当に、「高い倫理観とプロとしての誇りを持って」いるのか?

2.優れた製品・サービスの提供
 私たちは、安全かつ安心で、優れた製品・サービスを提供し、社会に貢献します。
 ⇒ 本当に、「安全かつ安心で、優れた製品・サービスを提供」しているのか?

3.働きやすい職場環境の実現
 私たちは、安全で安心して働くことができる職場環境を実現します。(以下略)
 ⇒ 本当に、「安全で安心して働くことができる職場環境」になっているのか?

4.地域社会との共生(文章略)
5.環境への貢献(文章略)

6.ステークホルダーの尊重
 私たちは、顧客、取引先、社員、株主等を含む幅広いステークホルダーを仲間として尊重し、健全かつ良好な関係を築きます。
 ⇒ 本当に、「顧客、取引先を仲間として尊重」しているのか?


(4)中長期経営ビジョン
(冒頭略)
・グローバル市場において存在感のある企業グループ
・安定収益体質と強固な財務基盤を備え持つ企業グループ
・株主・取引先・従業員・社会と共栄する企業グループ
の3つを将来の神戸製鋼グループ像として目指すものです。

 ⇒ 本当に、「取引先・従業員と共栄する企業グループ」になっているのか?


<感想>
 (美辞麗句を並べ立てた)「コーポレート・ガバナンス」を設定するだけでは意味がない。「不祥事を防ぐ組織風土」*を企業グループ全体の隅々にまで浸透させられなければ、再び同様の不祥事が起こり得る。
*
https://ameblo.jp/tsuruichi1024/entry-12317095620.html

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------


[PR]
by tsuruichi1024 | 2017-10-22 08:00 | コーポレート・ガバナンス | Comments(0)