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【 SBIホールディングス:地銀との資本業務提携 】


 2019/11/11、SBIホールディングスは、福島銀行との資本業務提携を発表した。
https://www.sbigroup.co.jp/news/2019/1111_11725.html

 以下はその概要。


 1. 資本業務提携の目的
・地域金融機関の活性化を通じて地方創生に貢献するべく、グループを挙げて様々な取り組みを進めている

・地域金融機関との連携を通じて、地域のお客さまの資産形成や地元企業の生産性の向上を図る取り組みを支援するなど、地域金融機関だけでなく地域経済の活性化を実現させ、地方創生に貢献することを目指している

2.引受概要
(1)引き受ける株式の種類/数 普通株式:5,000,000株
(2)引受価額:222円/株
(3)出資総額:1,110百万円
(4)出資後の議決権比率:17.91%
(注)当社の子会社SBIアセットマネジメントを委託会社とするSBI地域銀行価値創造ファンドは、福島銀行の普通株式373,200株(議決権比率1.63%)を保有しており、引受後の当社グループの議決権比率は合計19.25%となる予定

3.今後の見通し
 本件出資後においても、福島銀行は当社の持分法適用関連会社にあたらないことを含め、本件による当社連結業績への影響は軽微であると考えている


 一方、2019/11/8、「島根銀行の銀行主要株主認可取得に関するお知らせ」を発表した。
https://www.sbigroup.co.jp/news/2019/1108_11724.html

9月6日「島根銀行との資本業務提携に関するお知らせ」
11月8日「島根銀行の銀行主要株主認可取得に関するお知らせ」
⇒島根銀行の銀行主要株主となることについて、銀行法第52条の9第1項に基づく認可を金融庁より受けた 


1.出資の内容
(1)SBIホールディングス株式会社
1)引き受ける株式の種類/数 普通株式:1,747,200株、A種優先株式:940,840株
2)引受価額 普通株式:549円/株、A種優先株式:1,000円/株
3)出資総額:1,900.1百万円
4)出資後の議決権比率:20.92%※
※ A種優先株式は議決権を有しておりません。

(2)SBI地域銀行価値創造ファンド(追加型私募投信)
1)引き受ける株式の種類/数 普通株式:1,092,800株
2)引受価額普通株式:549円/株
3)出資総額:599.9百万円
4)出資後の議決権比率:13.08%


2.当社業績への影響
 出資後においても、島根銀行は当社の持分法適用関連会社にあたらないことを含め、本件による当社連結業績への影響は軽微であると考えている


3.今後の予定(ご参考)
 当社グループでは、島根銀行との資本業務提携契約に基づき、新たに株式会社SBI証券とのM&A業務に係る業務提携やSBIマネープラザとの共同店舗運営に関する基本合意、住信SBIネット銀行の多様な住宅ローンの提供に向けた基本合意など様々な取り組みがスタートしている。今後も当社グループの有する経営資源を最大限活用し、長期的な観点より島根銀行の収益力強化とそれに伴う企業価値向上に取り組んでいく


<感想>
 本件は、SBIホールディングスの複数の地銀との資本業務提携。
 株式取得を通じたSBIの戦略が成功するのか。今後の動きにも注目して行きたい。

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# by tsuruichi1024 | 2019-11-13 08:00 | 資本業務提携 | Comments(0)


【 許永中におけるイトマン事件 】


「海峡に立つ 泥と血の我が半生」(許永中著、小学館電子書籍版)を読んだ。


経歴(略)
 91年にイトマン事件、00年に石橋産業事件で逮捕。12年12 月、母国での服役を希望し、ソウル南部矯導所に入所。13年9月に仮釈放。現在はソウル市内にて、介護や都市開発など様々な事業を手掛ける。


 世間では「イトマン事件」といわれているが、私にとっては「事件」ですらなかった。後に私が「不当に高くつり上げた金額でイトマンに絵画を買い取らせ、損害を与えた」として大阪地検は特別背任とした。しかし、これらの絵画取引は、あくまでイトマンから私への融資でしかない。それもイトマンから頼まれたことである。

 検察の主張によれば、イトマンに持ち込まれた絵画は211店、総融資額は約557億円。うち340億円はイトマンへの損害だとした。しかし絵は全て担保としてイトマンにあった。

 私が相場の何十倍、甚しくは90倍の価格をつけたなどと報じられているが、事実無根であることは裁判でも明らかになっている。

 繰り返すが、担保にした全ての美術品の中に、贋作は一点もない。出所も全てはっきりしている。イトマンに言われた通り、請求書「持って行って品物を届けた。

 1990年(平成2年)2月から取引が始まり、9月で終わる。検察は私とイトマンとの7か月間の絵画取引のうち、最初の2か次は「融資」で後の5か月は「売買」だと分類している。この線引きが何だったのか、いまもって不明である。裁判で弁護士が何度となく主張したことだが、これらは全部融資であり貸借である。融資と売買を分ける根拠を出してくれと言っても、何も出てこない。

 結局私が問われた罪名は、商法の特別背任のみ。特別背任とは、その会社の役員などが問われる「身分犯」である。代表権や決裁権を持っている人間が、会社に損害を与えた場合にのみ成立する。

 裁判所で繰り返し述べたが、私はイトマンの役員でもなく、部外者で代表権もない。身分なき人間を商法の特別背任に問う場合は、最高裁の判例がある。「結局的な加行」があったかどうかだ。積極的にその決済に関与して、会社の経営に影響を与えた場合にのみ罪に問うことができる。本来、私に適用できる罪状でさえなかったのだ。


<感想>
 バブル崩壊後の大きな事件として記憶する「イトマン事件」。
 著者においては「事件」でさえないというのは、本書を読めばよく分かる。

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# by tsuruichi1024 | 2019-11-09 08:00 | 読書 | Comments(0)


【 RIZAP:M&Aの出口戦略としてのディスカウントTOB  】


 2019/11/6、ぱど(4833)が、「畑野幸治氏による当社株券に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ」を発表した。
https://www.pado.co.jp/cms/uploads/2019/11/06155907/7b2636c10b0f137f92d577d5923da0d01.pdf


1.ぱど
 1987年8月:荏原製作所、凸版印刷等の出資により設立
 1992年6月:MBO(マネジメントバイアウト)により荏原製作所より独立
 2001年3月:JASDAQグロース市場に上場

・設立以来、情報サービス業、主として地域密着型無料宅配情報誌「ぱど」の編集・発行事業を営んできた

・「ぱど」事業の目的は、「情報を通じて 人と人 人と街をつなぎ 人も街も元気にする」ことであり、 このビジョンのもと、当社は、事業展開の中心となる地域社会の皆様、お取引のあるお客様、株主の皆様及び社員という全てのステークホルダーの満足を追求することを経営理念としている

・しかしながら、当社の属するフリーペーパー・フリーマガジン市場では、紙媒体だけでなくインターネット広告との価格競争が恒常化するなど、厳しい経営環境が続いている

 2017年2月:RIZAPとの間で資本業務提携契約(同年3月にはRIZAPに対する第三者割当増資を実施)
 2017年3月期第3四半期:自己資本比率が2.3%まで低下
⇒ RIZAPの子会社となることが財務の安定、企業の存続及び今後の成長につながり、ひいては少数株主の方々の利益にもなると考え、実施

 2017年3月期末:自己資本比率は29.0%にまで回復
 2018年3月期:営業黒字を達成
 2019年3月期:2015年3月期より5期連続で営業キャッシュフローがマイナス。再び重要な営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しているため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況

⇒ 第三者割当及び業務提携等は当社の財務の安定と企業の存続に寄与するとともに、業績面では特に2018年3月期に一定の効果は上げたものの、継続的に当社の業績を大きく改善できたとはいえない


2.RIZAP
 2019年3月期:連結経営成績において大きく赤字を計上。過去 1年以内に同社グループ入りした企業・事業を中心に経営再建が当初の見込みより遅れていること、また、在庫や不採算事業の減損等、構造改革関連費用を含む非経常的損失等を計上したことが主な理由

⇒ 当社は、RIZAPが今後の中心に据える美容・ヘルスケア分野とビジネスモデルが異なるためシナジー効果が必ずしも高くないこと、協業の効果も限定的であったことから、同社主導による短期的な収益改善が難しいと判断し、事業の整理・ 売却等を検討


3.畑野幸治氏(「公開買付者」)
・大学在学中:インターネット広告関連の事業を行う(株)Micro Solutionsを創業し事業売却

・公開買付者は、連続起業家として複数の起業を行い、新しい事業を生み出し事業を拡大させてきた経験がある

 2019年10月中旬:RIZAPにサンケイリビングも加えた応募予定株主に対して、当社株式の取得に関する基本方針を説明したところ、本応募予定株主からも当該基本方針に関し前向きな返答があったことから、TOB価格を含む諸条件について金融機関を通じて協議・交渉を複数回にわたって行った
 10月下旬:応募予定株主に対し、2020年3月期第2四半期決算の業績を踏まえ当該市場価格から一定のディスカウントを行った価格とする旨の提案を行った
 11月6日:応募契約を締結し、TOBを実施することを決定


5.株価推移(TOB価格:170円)
 11/1 206円、11/5  213円
 11/6 211円、11/7 204円
 

(参考:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO51859200W9A101C1TJ1000/)
  RIZAP、子会社ぱど売却へ(2019/11/7 日経朝刊)
  RIZAPグループは6日、フリーペーパーなどを発行する子会社のぱどを売却すると発表した。M&A(合併・買収)アドバイザリー企業などを経営する畑野幸治氏がTOB(株式公開買い付け)で、RIZAPと同社の子会社が持つぱどの株式(発行済み株式の72.5%、約24億円)を取得する。ぱどは2019年3月期に最終赤字となり、業績が低迷している。TOBの期間は11月7日から12月4日。成立すればRIZAPに10億円の株式売却益が発生し、20年3月期の連結決算に計上する。


<感想>
 本件は、RIZAPの事業の選択と集中の結果、肥大化したM&Aの出口戦略として、ディスカウントTOBに応じることにしたもの。
 過去、何件もディスカウントTOBで株式を取得してきたRIZAPが逆に応募する立場になるのは何とも皮肉な結果であるが、今後も、斯の種の案件が継続するものと思われる。

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# by tsuruichi1024 | 2019-11-08 08:00 | TOB | Comments(0)


【 フジコー:株主への悪影響を回避するためのMBO 】


 2019/11/1、フジコー(2405)が、「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」を発表した。
http://www.fujikoh-net.co.jp/wp-content/uploads/2019/11/b75cc27caf7451954882a07cade8f07f.pdf


1.本公開買付け(TOB)の背景等
・1972年2月:創業者である桑原光雄氏が東京都台東区にて主に家屋害虫の駆除工事を行う事業として創業し、1974年2月に設立された株式会社

・2004年7月:産業廃棄物処分事業者として、初めて株式を東証マザーズに上場

・2015年11月:東証二部に株式を上場

・『住まいと環境を守る』という経営理念のもと、廃棄物処理事業者としてバイオマス(生物資源)のリサイクル及びエネルギー活用を主とした事業活動等を展開


< 当社を取り巻く事業環境 >
・公開買付者の代表取締役である小林直人氏(「小林氏」)は、当社が掲げる取組みは、 中長期的に見れば現状維持又は低位ながら相応の成長が見込まれるものの、当社の主要セグメントである建設系リサイクル事業は外部環境による大きな影響を受ける事業構造であり、自らが市場の創造や付加価値の創出等を行う製品製造業等とは異なっており、何らかの理由で排出者側が廃棄物を発生させない限り、需要が生まれない産業であると考えている

・現状の首都圏における建設系廃棄物処理に関する事業環境は、東京オリンピックの開催に加え、東京都中心地区の再開発工事等により需要過多の状況ではある一方で、中長期的には少子高齢化の進展や持続的な人口減少という環境下では、住宅着工戸数の減少等、建設系廃棄物の発生数量の大きな伸びは期待できず、現状の事業形態では持続的な成長と飛躍は難しいと考えている

・また、仮に、世界的な経済情勢の急激な変動により、リーマンショック時のような建設不動産業界の不況が一時的であっても発生した場合は、現状の事業形態では、他の業種に比して外部環境の変化の影響を受けやすいことから、当社の業績は急速に悪化し、企業価値が毀損される可能性も否定できず、当社株式の株価に悪影響を及ぼす等の不利益を当社の株主に与えるおそれがあるものと考えるに至った


< MBOの検討 >
・そのため、小林氏としては、安定的かつ継続的に当社の企業価値を向上させるためには、(i)外部環境の影響を受けにくい事業形態への変革、(ii)新規事業・新規設備への投資、(iii)これらを実現するための中長期的な視点に立った上で機動的かつ柔軟な意思決定を可能とする経営体制を構築し、当社が一丸となって事業の拡大と経営基盤の強化を推進することが必要であると考えるに至ったとのことであり、2019年3月下旬より、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法により、当社株式を非公開化することについて具体的な検討を開始したとのこと

・公開買付者は、本取引により、当社を非公開化し、迅速な意思決定及びそれに基づく機動的な事業の再構築を可能とする経営体制を構築し、短期的な利益確保を重視する既存の戦略を推進するのではなく、中長期的な企業価値向上の観点から、それを阻害するあらゆる要因を検証し直し、新たな戦略を採用・推進することが必要と考えている

・また、公開買付者は、当社における株式の上場を維持するために必要な費用 (有価証券報告書等の継続的な情報開示に要する費用、株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する費用等)は増加していることから、株式の上場を維持するために必要なコストが当社の経営上のさらなる負担となる可能性があると考えている

・公開買付者としては、当社は、2004年のマザーズ市場への株式上場以来、社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等、上場企業として様々なメリットを享受してきており、非公開化によりこれらのメリットに影響が生じる可能性があると考えられるものの、現状の事業活動を継続するために必要な資金は確保できている現在の財務状況及び現下の間接金融における低金利環境等に鑑みると、当面はエクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は見込まれず、上記のような上場維持コストの上昇を踏まえると、今後も継続して当社株式の上場を維持することに意義を見出しにくい状況にあると考えている

・上記のような事情を勘案し、小林氏は、当社が上記各施策を実施するにあたっては、MBOの手法により当社を非公開化することが、当社の株主に対して発生するおそれがある悪影響を回避し、かつ中長期的な視点から抜本的かつ機動的な経営戦略を迅速かつ果敢に実践するために最も有効な手段であるという結論に至り、 2019年8月下旬、当社に、本取引の実施に向けた協議・交渉の申し入れを行った

・その後、公開買付者は、TOB価格を含む本取引の諸条件等の検討を進め、2019年9月30日にTOB価格を1株当たり545円とする当社のMBOを正式に提案する旨の提案書を提出した

・そして、当社から、2019年10月11日にTOBの再検討の要請を受け、TOBの再検討を行い、 2019年10月29日に当社に対してTOB価格を1株当たり600円とする旨の再提案を行うなど、公開買付者は、当社との間で、複数回に亘り協議・交渉を続けてきた

・かかる協議・交渉の結果を踏まえ、公開買付者は、2019年11月1日、TOB価格を600円としてTOB実施を決定した


< TOB後の経営方針 >
・本取引は、いわゆるMBOに該当し、小林氏は、TOB終了後も継続して当社の代表取締役社長として経営にあたることを、また上竹智久氏は、本取引後も継続して当社又は当社の子会社の取締役としてその経営にあたることを、それぞれ予定している

・また、スクイーズアウト手続の完了後、本株式交換を行う予定とのことであり、これにより、上竹智久氏を含む不応募株主が公開買付者の株主となる予定


2.株価終値推移
10/31  550円、11/1  537円
11/5 598円、11/6  597円


<感想>
 本件は、株主への悪影響を回避し、抜本的かつ機動的な経営戦略を迅速かつ果敢に実践するために最も有効な手段としてのMBOを選択したもの。
 今後も斯の種のMBOが増えていくように思われる。

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# by tsuruichi1024 | 2019-11-07 08:00 | MBO | Comments(0)


【 岩波文庫的: 佐藤正午 月の満ち欠け 】 


 友人が編集した直木賞を受賞した佐藤正午著「月の満ち欠け」が「岩波文庫的」文庫本として発売された。
https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/2443 
 以下は、上記HPより。

『 さらに多くの読者にお届けしようと特別仕様の文庫にいたします。小社にとって特別な作品です。
 「岩波文庫」への収録も検討しましたが、長い時間の評価に堪えた古典を収録する叢書に、このみずみずしい作品を収録するのは尚早と考え、でも気持ちは岩波文庫という著者のちょっとしたいたずら心もあり、「岩波文庫的」文庫になりました。』


  2年振りに「月の満ち欠け」を読んでみた。以下は8の章からの抜粋。

「神様がね、この世に誕生した最初の男女に、二種類の死に方を選ばせたの。ひとつは樹木のように、死んで種子を残す。自分は死んでも、子孫を残す道。もうひとつは、月のように、死んでも何回も生まれ変わる道。そういう伝説がある。死の起源をめぐる有名な伝説。知らない?」
「誰に教わったんです」
「何かの本に書いてあるって、いつか見た映画の中で、誰かが喋ってた。人間の祖先は、樹木のような死を選び取ってしまったんだね。でも、もしあたしに選択権があるなら、月のように死ぬほうを選ぶよ」
「月が満ちて欠けるように」
「そう、月の満ち欠けのように、生と死を繰り返す。そして未練のあるアキヒコくんの前に現れる」
「怖いですよ」
「怖くても知らない、何回でも現れて誘惑する。冷淡にされた恨みも晴らさなければ」
「・・・まだ冷淡にはしてないのに」


(ご参考)担当編集者たちが語る「佐藤正午」
https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/450 


<感想>
 正木瑠璃、小山内瑠璃、小沼希美、緑坂るりへと続く前世の記憶。
 自分は誰を記憶した子どもに会いたいと思うのであろうか。

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# by tsuruichi1024 | 2019-11-05 08:00 | 月の満ち欠け | Comments(0)


【 日立とホンダ:傘下の自動車部品メーカー4社を統合 】


  2019/10/30、本田技研工業(7267)他が、「日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社ケーヒン、 株式会社ショーワ及び日信工業株式会社の経営統合に関するお知らせ」を発表した。
https://www.honda.co.jp/content/dam/site/www/investors/cq_img/library/filings/CY2019_20191030_TSEfiling_1_j.pdf

 1はその背景・目的(上記プレスリリースより)、2は全体概要(日経電子版より)。


1.本統合の背景及び目的
・現在、自動車・二輪車業界では100年に一度と言われる大変革時代に直面

・環境負荷の軽減や交通事故削減、快適性のさらなる向上等が求められる中、今後の自動車・ 二輪車システムの中核である電動化や自動運転、コネクテッドカー等の分野において、競 争が激化

・こうした中、サプライヤーにおいても製品の枠組みを超え、ソフトウェアを組み合わせた包括的なソリューションの提供が求められている

・本吸収合併後の存続会社は、連結売上収益 1.7 兆円規模となる自動車・二輪車システムにおけるグローバルメガサプライヤーとなる

・これにより、ケーヒンのパワートレイン事業、ショーワのサスペンション事業及びステア リング事業、日信工業のブレーキシステム事業におけるそれぞれの優位な技術と、日立オートモティブシステムズが有するパワートレインシステム、シャシーシステム、安全システムの3つのコア事業の強みを組み合わせることで、競争力のある技術・ソリューションを確立するとともに、スケールメリットを生かし世界中のお客様へ提供していく

・具体的には、電動化製品を通じたCO2排出量削減による地球温暖化防止や、自動運転や 先進運転支援システムによる交通事故ゼロ社会実現に向けて貢献するとともに、6社の車両制御技術を結集することでストレスフリーな移動体験を提供する

・また、日立製作所はLumada(注)ソリューション等のデジタル技術により、特にコネクテッドの領域において、本統合会社が安全性やモビリティサービスの向上に貢献することをサポートする

・これにより、本統合会社は安全で快適な社会の実現と、人々の移動する喜びの拡大をめざすとともに、自動車・二輪車業界の発展に貢献していく

(注)Lumada(ルマーダ): お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリュー ション・サービス・テクノロジーの総称


2.日立・ホンダ、車部品4社統合
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51606630Q9A031C1EA2000/

(1)概要
・日立製作所とホンダは30日、傘下の自動車部品メーカー4社を統合し新会社を設立すると発表

・売上高ではトヨタ自動車系のデンソー、アイシン精機に次ぐ国内3位に浮上

・世界の自動車・車部品各社は、自動運転などの次世代技術「CASE」の対応を迫られている

・研究開発費に回す資金力に乏しい中堅メーカーは規模拡大を迫られ、系列解体が一段と加速

(2)統合方法
・まずホンダが自ら筆頭株主であるケーヒン、ショーワ、日信工業の3社にTOB(株式公開買い付け)を実施し完全子会社化

・その後、日立完全子会社の日立オートモティブシステムズがホンダ系3社を吸収合併

・TOBが成功した場合、新会社への出資比率は日立が66.6%、ホンダが33.4%に

・TOBの開始・完了時期や新会社の社名は未定だが、発足は1年後の見込み


<感想>
 本件は、業界を超えた、日立とホンダの自動車部品メーカー4社の統合案件。新会社への出資比率は、日立66.6%、ホンダが33.4%。
 今後も斯の種の統合事案は増えて行くに違いない。

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# by tsuruichi1024 | 2019-11-01 08:00 | TOB | Comments(0)


【 ノジマ:スルガ銀行の株式取得 】


  2019/10/25、ノジマ (7419)が、「スルガ銀行(8358)の株式取得のお知らせ」を発表した。
https://www.nojima.co.jp/wp-content/uploads/2019/10/fc324d47b9dd534691034487ab5063e2.pdf


2019/5/15
 スルガ銀行との間で業務提携に関する基本合意を締結
https://www.nojima.co.jp/img/20190515_info-somu.pdf


<  業務提携の内容 >
 両社の持つリテールビジネスの強みを生かし、今後、以下のような項目において具体的な協議を進め、本業務提携によるシナジーの実現に向けて両社で各種施策に取り組んでまいりたい

(1) クレジットカードの共同事業化を行うとともに、クレジットカードを用いた対面での又はインターネットを利用した各種金融サービスの向上を図る

(2) 両社の顧客基盤を活用したオンラインサービス及びフィンテック事業の共同展開 

(3) 両社店舗での相互商材の販売、販売促進等の営業戦略面でのタイアップ

(4) スルガ銀行の顧客等に対する当社店舗での割引等の提供による、当社の商品・サービスのクロスセル

(5) 神奈川県・東海地域を中心とする地域の活性化


< 出資について >
 当社は、現在、スルガ銀行の議決権比率の4.98%の株式を保有


2019/10/25
 大株主であるエス・ジー・インベストメント(株)、 スルガ総合保険(株)、及びエス・ジー・アセット(株)を含む、創業家及びファミリー企業との間で株式譲渡契約を締結

⇒  創業家及びファミリー企業が保有しているスルガ銀行の株式の全部を当社が取得

⇒  当社はスルガ銀行の議決権の約18.52%を保有する筆頭株主に


当社既存3事業(柱)
「デジタル家電専門店運営事業」
「キャリアショップ運営事業」
「インターネット事業」

⇒  あらゆる家電製品がインターネットを通じてつながる IoT時代において、お客様のインターネットを活用したより充実した生活のハブとなることを目指している

⇒  当社既存事業と金融サービスを融合させお客様にとって利便性の高い新たなサービスを創出することにより、金融デジタル経済圏を作り、地域の活性化にも貢献してまいりたい


<感想>
 本件は、リテールビジネスの強みを生かした、ノジマとスルガ銀行の資本業務提携案件。
 今後、斯の種の異業種同士の提携案件が増えていくものと思われる。

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# by tsuruichi1024 | 2019-10-27 08:00 | 資本業務提携 | Comments(0)



【 日本の尊厳と国益を護る会:皇位継承の安定への提言 】


 2019/10/23、日本の尊厳と国益を護る会(護る会)から、「皇位継承の安定への提言」が発表された。
http://shiaoyama.com/essay/detail.php?id=1343                       
 以下は、その一部抜粋。


【1】 意義の確立

 わたしたち日本国民は、昭和20年、西暦1945年から74年間、天皇陛下と皇室の存在意義を学校で正面から教わることがないままに来た。それは家庭教育にも似通った現実をもたらしていると思われる。
そのために、天皇陛下のご存在を男系・父系によって続けることの根本的意義あるいは世界的価値を知る機会に乏しい。
 まず、ここから再出発せねばならない。
 日本の天皇陛下は、諸国の皇帝や王と大きく異なった存在である。

 皇位の歴史が男系・父系による継承であるために、父を一系で辿(たど)ることができ、仁徳天皇や神武天皇にまで?がる天皇家の皇統が続いてきた。
 二千数百年にわたり変わらず受け継がれてきた、かけがえのない伝統を、ひとときの時代の価値観や判断で断絶することは許されない。
 われらはこの伝統を、日本国の根源として、また、変わりゆく世界のなかで変わらない安寧の国柄として護り抜かねばならない。


【2】 基本認識の整理

1.男系、女系の違いは何か。
 男系とは、父方の血統で神武天皇と真っ直ぐに?がることである。女系であれば、神武天皇と?がらない。女系による皇位継承は、日本の歴史で一度たりとも起こっていない。

2.女性天皇と女系天皇はどう違うか。
 女性天皇は過去に十代八人、いらっしゃった。いずれも即位後は結婚なさらないか、御子をもたれず、男系・父系の男子に皇位を継承された。この女性天皇がもしも皇統に属していない方と結婚され御子が即位されていれば女系天皇、母系天皇となるが、それは一度も存在されたことがない。

3. 男系、女系ではなく父系、母系と呼ぶのはどうか。
 女性差別という誤解を避けるためには、望ましい。変更するには皇室典範第一条「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」を「皇位は、皇統に属する父系の男子が、これを継承する」と改正する必要がある。

4.いわゆる女性宮家を創設すれば何が起きるか。
 宮家とは本来、男系・父系による皇位継承を確保するために先人が鎌倉、室町の時代にかけて創設した。すなわち父系で皇統に繋がる男子を広く世に求め、その男子を当主とする宮家をつくり、いつでも男系・父系の継承者になれる候補を確保するためである。したがって現代に新しい宮家を興す場合にも、男子がご当主でなければならない。

5.皇位を継承できる男子皇族が極めて少ない現在の危機が起きた、その客観的な経緯は何か。
 敗戦と被占領により日本が主権を喪失していた当時に、GHQが昭和天皇の弟君の宮家以外の11宮家51人の皇族をすべて、強権を持って皇籍離脱させ、皇位を継承できる男系・父系男子の人数を極端に減らしたことによる。それ以外に、現在の危機の原因は見当たらない。

6.皇位継承の危機は初めてか。先人はどのように乗り切ってきたか。
 皇位継承の危機は、少なくとも古墳時代から起きていることであり、敗戦を経た現在だけの危機ではない。すなわち、危機を乗り切る智恵はすでにある。

7.父系で皇統に繋がる男子であれば、親等が大きく離れていても問題は無いのか。
 上記6の史実の通り、いかなる時代においても我が国では、男系・父系による血統で皇位を継承させることを最も重要な原則として貫いてきた実績があり、皇統として問題は生じない。

8.皇位継承をめぐる俗論の誤りとは何か。たとえば側室を置かないことが不安定化の原因だという説はどうか。
 これも上記、継体天皇の即位を考えれば、皇后陛下以外に妃(現代用語あるいは武家用語では側室)が数多くいらっしゃった時代にも、皇位継承の危機は起きている。
 したがって、側室を置かない限り問題が解決とならないなどという評論は俗説に過ぎない。前述の通り、皇位継承の安定策は先人の知恵の中にすでにある。


【3】現状の簡潔な整理

 皇室典範の定める皇位継承者が三人(秋篠宮皇嗣殿下、悠仁親王殿下、常陸宮親王殿下)しかいらっしゃらず、うち、次世代の継承者と言えるのは、悠仁親王殿下お一人という現状にある。
 今後は、おそらくは数十年を経て悠仁親王殿下が即位され、そのあと男子がお生まれにならなければ皇位継承者が絶える怖れがある。その時代には、現存の宮家がすべて絶えている可能性があるからだ。


【4】具体的な安定策

 まず、守るべき大原則として、現在の皇位継承順位は一切変えないものとする。旧宮家の方々が皇室典範の改正あるいは特例法の制定、およびご当人の了承のご意思によって皇族に復帰された場合でも同様とする。
 事実上、以下の両案に絞られる。さらにこの両案は統合することができる。 

(イ)養子および婿養子案
 旧宮家の男子が、現皇族の養子となられるか、女性皇族の婿養子となられる案。お生まれになる子が即位された場合、父が天皇の血を引くという男系・父系の原則を満たすことができる。
後者の婿養子となられる場合、その旧宮家の男性がご当主となり新しい宮家を創設することがあり得る。またこの際の重要な注意点は、婚姻はご当人の自由意志に基づく自然なものでなければならないことである。
 さらに、皇族の養子を禁じた皇室典範9条、また一般国民の男性は皇族になれないとする皇室典範15条の改正か、特例法の制定が必要となる。

(ロ)旧宮家の皇籍復帰案
 政府機関の非公式な調べによると十代五人、二十代前半二人の皇位継承者たり得る男子、すなわち男系・父系で皇統につながる男子が旧宮家にいらっしゃるという現況に鑑み、国民的理解に基づく立法措置を経たのちに、そのなかから了承の意思を持たれる方々に皇籍に復帰いただく案。
 上記の皇室典範15条を改正するか特例法を制定すれば可能となる。

 上記を統合すると以下のようになる。
「旧宮家の男子について、了承いただける方には皇籍に復帰いただけるよう、また現皇族の養子か女性皇族の婿養子となられることがあり得るよう、皇室典範の改正または特例法の制定を行う」


【5】手順

(1)皇室典範を改正する(2)皇室典範の改正は行わないか、最小限度に留め、ご譲位と同じく特例法の制定を行う─の両案があり得る。
 後者の特例法は、ご譲位の際と同じく立法府の円満な合意形成に寄与することが期待できる。
 この特例法は、現在の皇位継承順位を堅持し、父系の皇位継承者を安定的に確保するため皇室典範第9条「天皇及び皇族は、養子をすることはできない」および第15条「皇族以外の者及びその子孫は、女子が皇后となる場合及び皇族男子と婚姻する場合を除いては、皇族となることがない」という条文に関連しての特例法の制定となる。
 すなわち、旧宮家の男子に限っては養子となることができ、また婚姻によっても皇族となることができるという特例である。


<感想>
  10月22日の「即位礼正殿の儀」を終えた今、本件のような、安定した「皇位継承」について、国民全体のコンセンサスを得られるよう、努めたい。

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# by tsuruichi1024 | 2019-10-26 08:00 | 青山繁晴 | Comments(0)


【 即位の礼:男系・父系による皇位継承 】


 2019/10/22、「即位礼正殿の儀」が無事に行われた。
 本日は、青山繁晴著「不安ノ解体 ぼくらの哲学2」(飛鳥新書)から。


 宮家とはなにか

 通常国会はさらに、今上陛下のご譲位をめぐる法を成立させた。それは陛下の大御心と民意を実現させる、もうひとつの成果だ。
 ところがこれも法の附帯決議に「女性宮家の創設を検討して」という、声を喪うような重大な間違いを盛り込んでしまった。これは、祖国のおよそ二千七百年の歴史を覆しかねない。
なぜか。
 宮家はもともと男系・父系による皇位継承を担保するために鎌倉時代に端緒があり、本格的には室町時代に確立された制度である。
現在の皇室典範(皇室をめぐる法律)では、皇女が天皇家から出て結婚されれば皇室を離れられる。したがってその配偶者もお子も皇室とは関係が生じない。ところが婚出された皇女が、新しく宮家をつくられれば、その配偶者は誰であっても仮に外国人であっても皇室の一員となり、さらに、そのお子が天皇陛下として即位されれば、その陛下の父はもはや天皇家とは血の繋がりがなく、父の姓を冠した新しい王朝が始まる。
 これが母系による皇位継承である。
およそ二千七百年のあいだ、民族の智恵によって世界で唯一、父系で真っ直ぐ辿れる天皇家はここで終焉となる。したがって、ほんとうは「女性宮家」という日本語は存在しない。宮家は必ず男性がご当主でなければならない。それは性差別とは無縁だ。父系による皇位継承者を確保しておくのが宮家ということである。


 日本の強さの根幹

 日本を史上初めて占領したGHQが「日本の強さの根幹は天皇にある」と見抜き、皇室の弱体化をビルトインするために、敗戦当時に十四家存在した宮家のうち、天皇陛下の弟君以外の十一家までを皇室の外に出してしまった(臣籍降下)。
 そこには何らの日本国民の意思も無く、法の裏打ちも無かったことは教育でも報道でも一切、語られないから、真面目に学校で学び、テレビや新聞が嘘を付いているとは思わないうつうの国民は、こうした事実に触れることが無い。この旧宮家のなかに、秋篠宮家の次世代の天皇陛下、悠仁親王殿下、十二歳(平成三十一年春現在)と同年配の男子のお子たちが六人もいらっしゃることも、こうして国民に知られることが無い。

 まだ成人されるずっと前の十二歳前後の男系男子が六人もいらっしゃるのは、天皇家の長い歴史のなかで実は今は皇位継承が安定する時代なのだ。お子様であるから、成人のご乱行とは無縁だし、帝王学も今なら間に合う。そのお子様のいらっしゃる旧宮家を皇籍に戻すか、成人込みではどうしても嫌というなら(わたしは全くそう思わない。旧宮家に対する不当な中傷に近いと考えるが)、お子様が現宮家にご養子ときて入って頂けばよい。皇室典範の簡素な改正で済む。
 元総理大臣である野田さんの暴走を許し、陛下のご譲位をめぐる立法措置に暗黒部分を挿入せしめてしまったのは、政治的妥協の産物どころではない。国会議員の信じがたい無知と怠慢によることを、わたしも含めて自覚せねばならない。


<感想>
 早期に「女性宮家の創設」の検討を中止し、旧宮家を皇籍に戻して、男系・父系による皇位継承を安定化させることへの国民コンセンサスの盛り上がりを期待したい。

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# by tsuruichi1024 | 2019-10-23 08:00 | 天皇論 | Comments(0)


 ラグビーワールドカップ 


  2019/10/20、南アフリカに敗れた日本のラグビーワールドカップは終了した。前半3対5の時点では、アイルランド戦のような展開を期待したが、叶わなかった。

 以下は、Number 986号(文藝春秋)より。


 ジェイミー・ジョセフ

「日本代表は4年前とは全く違うチームに変化した。それは当たり前のこと。選手も以前と同じではない。コーチも違う。違うアイデアのもとで強化を重ねてきたんだ。比較するのは難しい」

 ジェイミー・ジャパンの最初のキーワードは、「キッキング・ゲーム」と「アンストラクチャー」だった。ボールを保持し続けるポゼッションラグビーは、相手の圧力を受け続けることを意味する(エディも’15年W杯の南ア戦ではキックを多用した)。それよりも、追い詰められる前にキックで陣地を進め、プレッシャーをかけてボールの再獲得を狙う。ボールを奪ったときは相手の陣形も崩れている。そんなアンストラクチャーな(組織化されていない)状況、混沌の世界を意図的に作り、トライを狙う。


<感想>
 ラグビー日本代表の指揮官(ヘッドコーチ)の戦略によって、チーム編成・戦術等が大いに変わる。会社組織と同様である。

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# by tsuruichi1024 | 2019-10-21 08:00 | マネジメント | Comments(0)


【 ユニゾHD:株主からの質問書に対する見解の公表 】


 2019/10/10、ユニゾホールディングス(3258)は、「当社株主*からの質問書に対する当社見解の公表に関するお知らせ」を発表した。
*エリオット・インターナショナル・エルピー及びザ・リバプール・リミテッド・パートナーシップの代理人たるエリオットアドバイザーズ(香港)リミテッド
https://www.unizo-hd.co.jp/news/file/20191010_5.pdf

 以下はその主な概要。


2019/8/16 「サッポロ合同会社による当社株券に対する公開買付けに関する意見表明(賛同)のお知らせ」

 HIS公開買付け(「H TOB」)について、その内容を具体的に精査した上、H TOBは、
1.シナジーの創出が期待できないこと
2.当社の不動産事業の事業価値を毀損するおそれがあること
3.公開買付価格が不十分であること、
4.公開買付の手法が強圧的なものであること
5.HISとの間に信頼関係がないこと
等から、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益の毀損につながる可能性が否定できないと判断し、H TOBに反対の意見を表明するに至った


2019/9/27「当社への買収提案に対する対応の基本方針について」

買収提案者との間で「合意書」を締結
1.契約当事者に「*ユニゾ従業員持株管理会社(従業員会社)」が加わること
2.買収提案者のリターンと出口の時期・方法を明記し、出口の時期・方法を従業員会社が選択できること
3.買収提案者の退出までの間、一定の企業体力を維持出来る「約諾」が備わっていること

*ユニゾ従業員持株管理会社:当社の299名の従業員のみを株主とする法人であり、当社及び当社の子会社の役員及び執行役員は 一切含まれていない

⇒ 当社及び当社子会社の役員及び執行役員が従業員持株会社の取締役に就任することを排除するための定款変更及び従業員会社の株主となることを排除するための株式譲渡制限に係る取締役全員での決定の手続を進めているとのこと


2019/9/27 「サッポロ合同会社による当社株券に対する公開買付けに関する意見表明(留保)のお知らせ」

< Fortressから受けた説明 >
1.当社の非公開化後、当社の一部の事業及び資産を切り離した上で、当社を実質的に解体することを視野に入れている可能性を否定できず、
2.Fortress公開買付け(「F TOB」)が成立した場合、 当社の完全子会社化後、従業員の雇用及び労働条件が維持されない可能性が出てきた

⇒ そこで、当社は、
3.公開買付価格を5,000円に引き上げることを要請するとともに、
4.当社の事業及び資産の売却等による 実質上の解体を防止するとともに、
5.これらを実現することが担保できる「仕組み」が合意されるよう、当社が必要であると考える合意書の締結をFortressに提案した

⇒ 2019/9/27まで、合意書に関する具体的な回答を何ら受けられず、F TOB開始後の協議及び交渉の中で、Fortressから受けた説明も踏まえると、F TOBは、本基本方針に沿うものではない可能性があると判断するに至った

⇒ 2019/9/27開催の取締役会において、F TOBに賛同し、 かつ、F TOBに応募を推奨するか否かについての意見を留保することを決議


<感想>
 本件は、ユニゾHDのTOBを巡る一連の流れを改めて確認したもの。
 ユニゾHDの299名の従業員を株主とするユニゾ従業員持株管理会社に対して大きな権限を与えることには、(エリオット同様)違和感を覚える。

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# by tsuruichi1024 | 2019-10-16 08:00 | TOB | Comments(0)


【 姫野カオルコ:彼女は頭が悪いから 】


 以下は、「彼女は頭が悪いから」(姫野カオルコ著、文藝春秋)からの一部抜粋。


 美咲の示談の条件は、一つだった。
 國枝の母や、和久田の父母が、「そんなことでいいの?」と言い、つばさの兄が「お一人好し」と言った条件とは、東大を自主退学すること。
 國枝と和久田にとっては、実に「そんなことでいいの」だった。
 國枝も和久田も大学院生であり、すでに東大は卒業している。自主退学したところで「東大卒」の肩書はそのままだ。


 災難。
 譲治とつばさも、事件をそうとらえていた。譲治の父母も、つばさの父母も。
 逮捕は災難。訴えられたのも災難。
 そう思うからこそ、美咲の示談条件を拒んだ。
 示談に応じた者も、5人の東大生と、その父母全員に通ずるのは、
「強姦しようとか、輪姦しようとか、そんな気持ちは皆無だった。ふざけただけ。痛飲により、ふざけの度合いが過ぎた。こんなことで逮捕されるのは遺憾だ」
 という思いである。
「これが罪になるというのであれば、そんなんでしょう」
 と、勾留時にエノキが警察に語ったのは、開き直りではないのだ。
 強姦目的は皆無だから逮捕は遺憾だ。女子学生の洋服を脱がせて全裸にした。背中や尻を平手で叩いた。罪になるというのであれば、これなのだろう。罪名が強制わいせつだというからそうなのだろう。法律も、強姦未遂ではないとみなしたのだ。叩いた譲治とつばさには暴行罪が加わり、美咲にはわずかにしかふれていないエノキには暴行罪は加わらなかった。


 譲治は有罪となった。懲役2年、執行猶予4年の判決である。のちに東大は退学処分となる。

 譲治、つばさに比するといくぶん軽く、懲役1年、執行猶予3年の判決だった。エノキものち東大は退学処分となる。

「とくに被告人は、被害者から好意を寄せられ、被告人に対して従順であることをいいことに、被害者を現場に連れていったのであり、他の被告人の行為を制止しようとするどころか煽りたてていた。被告人中、最も悪質といえよう。学生の悪ふざけと評価することは、とうていできない」
 と断罪し、有罪となった。懲役2年、執行猶予4年。2016年10月5日の判決だった。こののち、つばさも東京大学院を退学処分となる。


 一方、以下は「姫野カオルコ『彼女は頭が悪いから』について語ろう!【インスタ読書会】」(2018.11.20)からの一部抜粋。
https://mi-mollet.com/articles/-/14611 

 この作品は2016年に起こった実際の事件「東大生集団わいせつ事件」を元にしたフィクションです。東大生5人が酒に酔った同年代の女の子を裸にし、カップラーメンをこぼすなどといった恥辱的でわいせつな行為をしたとして逮捕され、その非道な行為に世間の注目が集まりました。小説では、実際の事件をモチーフにしながら、あくまでフィクションとして、被害者になった神立美咲ちゃんと加害者の一人つばさ君を中心に、その成長過程から事件、事件後を描いています。

バタやん:ホモソーシャルもこの小説の大事なキーワードですね。一人ずつなら悪人ではないのに、集団になることで役割を演じ合う。ある種、性欲よりも男子社会の中でウケたい気持ちが優ってる。

島田:男性から見ても、お前ら何やってるんだよとモヤモヤはする。なんだけど、このくらいの年齢でこの場にいたら「やめろよ」とはなかなか言えないでしょうね。黙って出て行くとかはあるでしょうが。


<感想>
 本書は「東大生集団わいせつ事件」を元にしたフィクション。
 東大生に関係なく、集団の中にあっても人としてどうあるべきかが問われた作品のように思われた。

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# by tsuruichi1024 | 2019-10-15 08:00 | 読書 | Comments(0)


【 バンナムナムコHD:創通をTOB 】


 2019/10/9、バンダイナムコホールディングス(7832、公開買付者)が、創通(3711、対象者)株式の株式公開買付け(TOB)を発表した。
https://www.bandainamco.co.jp/cgi-bin/releases/index.cgi/press/9557?entry_id=6672

 以下はその概要。


1.TOBの目的
・公開買付者は、バンダイナムコグループ(バンナムG)の強みである「IP(Intellectual Property。キャラクター等に係る知的財産権)軸戦略」を基軸としたビジネス展開による成長を実現している

・対象者を完全子会社化(現在22.8%保有の第2位株主。持分法適用関連会社)することで、従来より対象者と共同で展開・運用してきた対象者のライツ事業における主力IPである「機動戦士ガンダム」シリーズについて、
1)バンナムGとしてさらなる連携強化を図り、
2)製作、許諾、生産、販売の一連のバリューチェーンをより強固なものとするとともに、
3)対象者の経営判断のより一層の迅速化を実現することにより、
4)「機動戦士ガンダム」シリーズのIPとしての価値を最大化することが可能となるものと考えており、
5)これらの点において、公開買付者と対象者との事業に関してシナジーが生じるものと公開買付者は期待している

・さらに、対象者の強みであるメディア事業における多様な新規IP創出への取り組みは、バンナムGが最も力を入れている新規IP創出強化との親和性が非常に高く、 IPを生かした商品・サービス投入の幅の拡大に繋げることにより、両社の事業拡大に大きく拍車をかけることを期待している

・両社を取り巻くエンターテインメント市場においては、技術の進化や顧客嗜好の変化のスピードがますます速くなるとともに、グローバル市場における競争がますます激化することが予想されている
⇒ かかる市場環境の変化を踏まえたグローバルな事業展開をスピーディに行い、「機動戦士ガンダム」シリーズのIP としての価値を最大化するためには、両社が市場に対するビジョンを共有した上で統一的な意思決定を迅速に行い、一体として事業展開を行うことが必要

・また、バンナムGの経営資源を活用することにより、対象者における新規IP創出強化を推進することに関しても、有力IP創出及びその事業収益化までには長期間を要し、その成否に関し ても不確実性が伴うことに鑑みると、上記のようなシナジー創出のためには中長期的な視点からの対象者の経営が必要

・また、対象者において、有力IP創出及びその事業収益化の実行等に際し、一時的に収益が悪化する等、安定的な収益向上を求める対象者の既存株主の皆様の期待に沿えないおそれがある
⇒ 本取引を通じた対象者の非公開化を行うことで、かかるおそれを排除して中長期的な視点からの事業運営を行うことが可能となり、その結果として対象者の企業価値向上が期待できる

・同時に、完全子会社化することにより、情報等の伝達及び管理が円滑かつ容易に行えるようになり、対象者に共有することのできるバンナムGの経営資源の幅 が拡がり、当該経営資源の活用による対象者における新規IP創出機能の強化に繋がる

・2019年7月中旬、公開買付者は、対象者との間で、対象者を完全子会社化することにより、
1)両社が国内外における市場に対するビジョンを共有した上で統一的な意思決定を迅速に行うことが可能となり、
2)事業のスピードアップに加え、
3)これまで個別に対応していたグローバル市場での事業拡大が期待され、 
4)対象者の企業価値の向上とグループ全体の収益基盤の強化が図れるとの結論に至り、
両社間で本取引の諸条件について協議を進めてきた


2.TOB応募契約
・公開買付者は、2019/10/9付で、
1)対象者の創業者/主要株主/筆頭株主の那須雄治氏(所有株式数:429万株、所有割合:29.3%)及び
2)その資産管理会社/主要株主/第3位株主のナスコ(株)(所有株式数:292万株株、所有割合:19.9%)との間で、
 それぞれが所有する対象者普通株式の全て(合計721万株、所有割合:49.2%)について、TOB応募契約を締結


3.TOB概要
 TOB価格:3,100円/株(10/8終値1,865円に対して66.22%のプレミアム)
 TOB期間:2019/10/10〜11/25(30営業日)
 買付予定数:11,314,255株(下限:721万株)
 買付代金:35,074百万円


4.創通(出来高)/バンナムHD株価終値推移
10/8 1,865円(900株)/6,620円
10/9 1,868円(1600株)/6,730円
10/10 2,268円(4100株)/6,600円
10/11 2,768円(2700株)/6,740円


<感想>
 本件は、バンナムHDによる、現在の持分法適用関連会社から完全子会社化を目指す、創通のTOB案件。
 意思決定の迅速化、事業のスピードアップ、両社のグローバル市場での事業拡大を通じた、企業価値の向上とグループ全体の収益基盤の強化に繋がる本件は有意義であると思われる。

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# by tsuruichi1024 | 2019-10-12 08:00 | TOB | Comments(0)


【 乾汽船:筆頭株主/主要株主からの臨時株主総会招集請求 】


 本日は、2019/10/8日経電子版の「乾汽船、来月に臨時株時主総会 筆頭株主の招集請求で」からの一部抜粋。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50711690X01C19A0DTA000/

「アルファレオは乾汽船株を約28%保有し、6月の定時株主総会で配当増額などをめぐり会社側と対立した経緯がある。今回アルファレオは、役員報酬引き下げ、剰余金の配当、自社株買い実施など4議案を提案。乾汽船側は全てに反対を表明した」

 一方、以下は、2019/10/7の乾汽船(9308)のプレスリリースからのまとめ。


<「臨時株主総会の開催日時および場所、付議議案、 株主提案に対する当社取締役会の意見ならびに総会検査役選任の申立てに関するお知らせ」>
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9308/tdnet/1755706/00.pdf

臨時株主総会
 日時:2019/11/4 午前10時
 場所:乾汽船本社


< 付議議案(株主提案) >
第1号:取締役の報酬総額(年額)の引下げの件
 9,000万円とすること

第2号:剰余金の配当の件
 38.28円/株とすること

第3号:取締役1名解任の件
 乾康之(代取社長)を取締役から解任すること

第4号:自己株式取得の件
 1年以内に230万株/22億円を限度とした自己株式を取得すること


< 議案に対する取締役会の(主な)反対意見 >
第1号:上限年額2億円。18年度実績は1億4,300万円、その約4割が業績連動報酬であったこと、今後、取締役増員の可能性もあること等、上限額の減額の必要なし

第2号:2020/3期の配当予想年間6円/株。配当政策との関係、現預金を一定程度確保しなければならない等、計画中の大型再開発への備えの必要性から見直しの必要なし

第3号:乾代取社長。職務の執行状況は、法令・定款等に適合しており、善管注意義務違反は認められず、解任を要すると思われる事項は認められない

第4号:一定の現預金を確保する必要性等がある中で、自己株式の取得を行うことの合理性は乏しい


< アルファレオHD宛て「ご質問」>
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9308/announcement/52900/00.pdf

当社の配当政策:「良いときは笑い、悪いときにも泣かない」という配当政策

質問:貴社提案がどのようにして株主共同の利益に資するのか

依頼:有価証券上場規定第411条第2項*に基づいた決算情報の提出

*(支配株主等に関する事項の開示)
上場会社が親会社等を有している場合において、当該親会社等の事業年度若しくは中間会計期間又は連結会計年度若しくは中間連結会計期間に係る決算の内容が定まったときは、上場会社は、直ちにその内容を開示しなければならない。


(ご参考)
2019/2/22:M&A Online編集部『乾汽船株22.9%を取得した「アルファレオホールディングス」の狙いは』
https://maonline.jp/articles/inui20190222 

2019/8/2:メルコHD(6676)「自己株式の取得及び自己株式の公開買付けに関するお知らせ」
アルファレオHDの代表社員の株式会社マキス:メルコHDの筆頭株主/親会社
https://melco-hd.jp/news/202003/20190802jikokabu_koukai.pdf


<感想>

 本件は、筆頭株主/主要株主(メルコHD系)からの招集請求に基づいた臨時株主総会議案と取締役会の反対意見を述べたもの。
 物言う株主の議案に対する賛成票がどの程度になるか(可決されるか)が注目される。

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# by tsuruichi1024 | 2019-10-09 08:00 | 株主総会 | Comments(0)


【 米国ショッピングセンターの苦境が鮮明に 】


 今日は、2019/10/1の日経電子版記事「米大型SCの憂鬱 遠のく客足、逃げるマネー」について。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50473500R01C19A0TJ1000/


主旨:米国の消費をけん引してきたショッピングセンター(SC)の苦境が鮮明に


< フォーエバー21:経営破綻 >
・米国の消費をけん引してきたSCを支えてきたテナントの小売店などの集客力が低下
⇒ クレディ・スイス:全米のSCの20〜25%が閉鎖すると予測

・ネット通販に押され、SCに出店する形で店舗網を拡大した、カジュアル衣料の米フォーエバー21が経営破綻


< 米国の商業不動産の価格指数の下落 >
・ネット通販を支える物流施設が上昇する一方でSCが下落
⇒ 投資マネーも逃げつつある


< 主戦場がネットに >
・米アマゾン・ドット・コムなどの台頭で主戦場がネットに移る
⇒ 価格比較や口コミによる商品選びの基準が厳しくなり、郊外に多い「安くてそこそこの品質」のチェーンは消費者の支持を失った


< 店舗の閉鎖計画 >
・米カジュアル衣料の「GAP」やスウェーデンの「ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)」など低価格チェーンが目立つ

・SCの中核テナントだった大手百貨店も大量閉店に追い込まれている(足元ではメーシーズやJCペニーが店舗を閉鎖)

・19年1〜9月の米小売店の閉店数:8500店超(>18年通年の閉店数(約5500店))

・郊外の大型店を中心に閉鎖が増加
⇒ 米国のSCの総面積は2018年1〜3月をピークに減少に転じ、その傾向が続く

・ネットとの競争激化だけでなく「そもそも米国の小売店が多すぎた」

・米消費者1人当たりの小売店舗の面積は、18年に23.5平方フィート(約2平方メートル)と先進国では断トツ(日本の5〜6倍)

・「米小売店の需給調整はまだ終わっていない」
⇒ 小売店をeスポーツなどの娯楽施設や飲食店に切り替える動きもあるが、衣料品などの小売店の閉店でSCが厳しくなる構造は続きそう


(ご参考:オンワード関連記事)
2019/10/4:日経電子版「オンワード、低採算ブランド廃止検討 600店閉鎖へ」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50613960U9A001C1910M00/

2019/10/4:会社発表「グローバル事業構造改革の実施について」
https://www.onward-hd.co.jp/ir/docs/20191004_2.pdf


<感想>
 本件は、今後、日本でも同様の流れになりそうな米国SCの苦境に関する事案。
 オンワードが600店閉鎖を決めたように、今後、同様の動きが加速することが想定される。

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# by tsuruichi1024 | 2019-10-08 08:00 | 小売 | Comments(0)


【 コロワイド:大戸屋の筆頭株主に 】


 本日は、コロワイドが大戸屋の筆頭株主になった事例。


< コロワイド側からのプレスリリース >
 2019/10/1、コロワイド(7616)が、「大戸屋ホールディングス(2705)の株式買付けの決定に関するお知らせ」を発表した
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7616/tdnet/1754580/00.pdf

1. 対象銘柄:大戸屋HD(2705)
2. 買付数量:1,351,800株(発行済株式総数の18.67%)
3. 買付日:2019年10月1日
4. 備考:本買付けは、当社が、大戸屋HDの創業家が保有する同社株式を取得するもの。
 本買付けの後、当社は、大戸屋HDとの友好的協議を通じて、当社グループが有する事業プラットフォームの活用等により大戸屋HDが営む外食事業の発展に寄与し、当社及び大戸屋HD双方の企業価値向上を実現することを目的としている


< 大戸屋側からのプレスリリース >
 2019/10/1、大戸屋HD(2705)が、「主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」を発表した
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS00928/e140c56b/b3f9/4c69/ae90/d97aa6232aab/140120191001403144.pdf

1.異動年月日:2019/10/1

2.異動が生じる経緯
 本日開催のコロワイドの取締役会において、当社の株主順位第1位/第2位株主である三森三枝子氏/三森智仁氏の保有する当社株式全株(1,351,800株)取得を決議したとの通知を受けたもの

2015/7 創業者三森久実代表取締役会長逝去

2015/11 窪田氏は智仁氏(創業者長男)に対し、常務取締役から平取締役への降格を言い渡し、その後、功労金支払いのための臨時株主総会中止を決議 ⇒ 年内の功労金支払いを先延ばし

2016/2 智仁氏は役員を辞任(2018/1 宅配サービス事業へ参入)
https://toyokeizai.net/articles/amp/205989?display=b&_event=read-body

2016/9/26「調査報告書」
http://www.daisanshaiinkai.com/cms/wp-content/uploads/2016/08/161001_chousa2705.pdf
・目的:本件調査は、大戸屋に係る現経営陣と創業者遺族である三枝子夫人・智仁氏との間の対立・確執の原因・経緯の究明を目的として行ったもの

2016/10/1「調査報告書(補充)」
http://www.daisanshaiinkai.com/cms/wp-content/uploads/2016/08/161001_chousa2705_2.pdf
・窪田氏の智仁氏に対する対応(2015/11):人事の言い渡しについては、いささか唐突とも言えるもの。また、功労金支払いの先延ばしについては事前説明がいかにも不足ないしは欠缺している ⇒ 本件対立を生んだ一つの要素となっている
・当時の窪田氏の対応:社長・経営者たる者の人事上の管理あるいは配慮、ないしは経営陣のまとまりを図るための姿勢の在り方として、欠けるところがあった。今にして、窪田氏が、「色々なことが拙速に過ぎたと思う」旨供述している

2016/10/3「事実調査結果に関する総括コメント及び提言」
http://www.daisanshaiinkai.com/cms/wp-content/uploads/2016/08/0f680c9ab702cab35afd21a55a7f1eaa.pdf
・経営陣としては、功労金の支払について、創業家側とは無関係に、独自に、 功労金検討委員会報告書の内容も踏まえて検討すべき
⇒ 創業家側に真摯に向き合い、理解・納得を得るための説明を尽くす姿勢を明確に示していくことで、カリスマ創業者を失った大戸屋が、創業理念を進化させ、新たなステージに向かうことも可能になる

2017/5/10「創業者功労金の贈呈に伴う特別損失の計上に関するお知らせ」
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS00928/18fa75f9/22cf/45c1/8040/d507bb70f72e/140120170509463374.pdf
・役員退職慰労金制度を廃止⇒創業者功労金相当額200百万円を2018/3期に特別損失として計上
・当社規定に基づき、故三森久実氏の遺族に対し弔慰金10百万円を贈呈


< 株価推移 >
大戸屋の年別安値/高値(円)
2015年 1,710/2,220
2016年 1,805/2,178
2017年 1,979/2,190
2018年 2,050/2,477
2019年 2,100/2,379
直近の終値推移
10/1 2,219 10/2 2,261(安値2,220〜高値2,330)
10/3 2,245、10/4 2,252

コロワイドの終値推移
10/1 2,037 10/2 2,106(安値2,080〜高値2,153)
10/3 2,083、10/4 2,104


<感想>
 本件は、大戸屋の創業者逝去後、経営陣と創業者遺族の確執を原因とする創業者側保有株式がコロワイドに譲渡された事案。信頼関係が一度崩れると再構築は難しい。

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# by tsuruichi1024 | 2019-10-07 08:00 | 株式売出し | Comments(0)


【 関西電力:金品受領問題 】


 本日は、関西電力の金品受領問題について。


< 調査報告書 >
 以下は関電発表の「調査報告書」(P1・P5)からの一部抜粋。
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2019/pdf/1002_1j_01.pdf

1.調査の目的
*吉田開発株式会社(吉田開発)への国税当局の査察を端緒とし、当社幹部が**森山栄治氏(森山氏)から金品を渡されていた事実が発覚した。
社外関係者からの良識の範囲を超える金品の受領は、不適切な行為と見られかねず、また金品の受領に関連して、不適切な情報提供、工事発注が行われていたとすれば会社に損害を与えたこもになり看過できないことから、事実関係を調査し、原因を分析のうえ、再発防止を図ることを目的として調査を行うこととしたものである。

2.森山氏が多額の金品を渡す意図・ねらい
(1)森山氏独自の権威誇示(多額の金品を相手に渡すことで自分を大きく見せようとしていた)

(2)森山氏が重視する「礼儀」の実践

(3)自分を中心とする人的ネットワークの維持(周囲から人が離れるのを止めようとしていた)

で、自己顕示欲の表れであると考えており、同様の認識は他の者も有していた。

*吉田開発:福井県高浜町の建設会社
**森山氏:同高浜町の元助役、今年3月に死去


< 森山氏と関電のやりとり >
 以下は、日経電子版の「関電役員に金貨や外貨 高浜町元助役、子会社で顧問」 からの一部抜粋。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50472390R01C19A0AC8000/

1.森山氏 ⇒ 関電役員など計20人:計約3億2千万円相当(2011〜18年)

2.吉田開発・関電プラント(関電の子会社) ⇒ 森山氏
(1)吉田開発から:3億円

(2)関電プラントから:非常勤顧問としての30年超の報酬(金額不明)


3.関電・関電プラント ⇒ 吉田開発
(1)関電から:25億円の工事発注
(2)関電プラントから:1.5億円の工事発注


< 金品の出所の認識 >
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50504890S9A001C1I00000/
──受領した金品の原資についてどう認識していた。

岩根社長「金品の出どころについては全く考えが及ばなかった」


<感想>
 本件は、吉田開発への国税の査察を端緒とした、関電幹部の金品受領問題事案。
 渡す側の森山氏のねらいが上記の「自己顕示欲の表れ」のみではあるまい。
 金品の出どころに考えが及ばないとの関電社長発言にもびっくり。
 会社から独立した第三者による新たな調査に期待したい。
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2019/1002_1j.html

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# by tsuruichi1024 | 2019-10-04 08:00 | コーポレート・ガバナンス | Comments(0)


【 ユニゾHDのTOBを巡る動き 】


 ユニゾホールディングス(HD、3258)のTOBを巡る動きを追ってみた。


1.ユニゾHD:TOBを巡る経緯

7月10日:エイチ・アイ・エス(「HIS」)による当社株式に対する公開買付け(「TOB」)に関するお知らせ(TOB価格:4,000円)
https://www.unizo-hd.co.jp/news/file/20190710.pdf 

8月6日:HISによる当社株券に対するTOBに関する意見表明(反対)のお知らせ
https://www.unizo-hd.co.jp/news/file/20190806_1.pdf

8月16日:サッポロ合同会社(フォートレス・グループ)による 当社株券に対するTOBに関する意見表明(賛同)の概要(TOB価格:4,500円)
https://www.unizo-hd.co.jp/news/file/20190816_4.pdf
・TOB価格は、提示のあった複数候補者の中で最高値(4,000円)

8月24日:HISによる当社株券に対するTOBの結果に関するお知らせ
https://www.unizo-hd.co.jp/news/file/20190824.pdf 
・TOBは不成立

9月27日:  サッポロ合同会社(フォートレス・グループ)による 当社株券に対するTOBに関する 意見表明(留保)の概要
https://www.unizo-hd.co.jp/news/file/20190927_4.pdf

9月27日:  第三者による当社買収提案に係る
検討結果の概要(TOB価格:5,000円)
https://www.unizo-hd.co.hd.co.jp/news/file/20190927_6.pdf
・第三者による 当社買収提案は、当社への買収提案に対する対応の基本方針※に沿うものではないため、応諾しないことを決議


2.HIS:ユニゾHD株式の売却
9月27日:特別利益の計上及び業績予想の修正に関するお知らせ
https://www.his.co.jp/wp-content/uploads/co_20190927.pdf

< 特別利益の計上について >
1)投資有価証券の売却の理由:資産の効率化のため 

2)投資有価証券売却益の発生期間:2019年8月~2019年9月 

3)投資有価証券売却の内容
 売却株式:ユニゾHDの普通株式 
 投資有価証券売却益:29億円


3.株価終値推移
 7/9 1,990円、7/10 2,390円(ストップ高)、7/11 2,890円(同)
 7/12 3,115円、7/16 3,500円、8/7 3,710円
 8/16 4,165円、8/23 4,335円
 9/30 4,815円、10/1 4,775円


<感想>
 本件は、ユニゾHDのTOBを巡る対応の変化とHISの当該株式の市場売却事案。
 TOBをきっかけにした、両社メリットは(結果的に)以下のようなものかと思われる。
 ユニゾHD:株価上昇⇒TOBされるリスクの軽減
 HIS:出来高(流動性)増加&株価上昇⇒保有株式の高値売却

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# by tsuruichi1024 | 2019-10-02 08:00 | TOB | Comments(0)


【 青山繁晴:不安ノ解体 ぼくらの哲学2 】


 以下は、青山繁晴(参議院議員)著の「不安ノ解体」(飛鳥新社)より。(その2)


七の章 では、次に 国会とは何か

 人間の生き方として間違っている


 安部総理は西暦2015年の12月28日に朴槿恵大統領とのあいだで日韓合意を成立させた。合意といいながら合意文書すらない奇怪なものであるが、岸田外相が日韓外相会談のあとの記者会見で「慰安婦問題は当時の軍の関与の下に」と述べたうえで、多くの女性を傷つけたから日本政府は責任を痛感していると発信した。

 政権中枢は「軍の関与の下とは、衛生管理などを民間業者にちゃんとさせたということだ」とわたしに弁明したがらとんでもない。それならそう言うべきであって、言わなかったのは、「日本軍が女性を強制連行して慰安婦にしたことを日本政府が
事実上、ついに認めた」と韓国が国内、それから国際社会に喧伝することをあらかじめ承知して、まさしく合意したからだ。

 相手が嘘を重ねることに実質的に協力するのでは、外交上の誤りだけではなく、人間の生き方として間違っている。

 その過誤による悪しき影響は百年に及ぶだろう。


 アメリカ、オーストラリア、カナダなど、韓国による嘘の反日運動が盛んな諸国では「韓国の主張が事実だと日本政府が認めたからこそ、十億円を国民の税金から韓国に支払った」という誤った認識が一瀉千里で広まっている。


(ご参照)
「政府、慰安婦合意履行を改めて要求 韓国が支援財団解散」
(2019/7/5、産経デジタル)
https://www.sankei.com/world/amp/190705/wor1907050015-a.html

・慰安婦問題をめぐる2015年12月の日韓合意に基づき韓国で設立された「和解・癒やし財団」が登記上、解散したことが5日分かった。

・韓国政府は「解散手続きが完了したわけではない」と日本側に伝えてきており、両国間で残金の扱いを協議したい考えという。財団は慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した日韓合意の根幹で、日本側は財団の解散を認めておらず、「解決策は韓国政府が考えるべきだ」(外務省関係者)と突き放している。


「元慰安婦に支援金支給 韓国政府の財団解散表明後では初」(2019/9/19、朝日デジタル)
https://www.asahi.com/amp/articles/ASM9M52NJM9MUHBI026.html

・2015年12月の合意当時に生存していた元慰安婦47人のうち35人が1人あたり1億ウォン(約900万円)の支援金を受け取ったことになる。日本政府は財団解散に反対し、韓国側に合意を着実に履行するよう求めていた。

・関係者によると、ほかに元慰安婦1人が支給を希望しているが、受給の前提となる手続き作業が終わっていない。残る11人は日韓合意に反対の立場をとるなどし、支援金を申請しなかった。


<感想>
 安倍政権と朴槿恵大統領間で、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」が確認されたはずが、韓国では政権が変われば反故にされる。
 将来どのように取り扱われることになるのかまで、しっかりと見据えた上で判断することが肝心であることを改めて考えさせられる事案である。

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# by tsuruichi1024 | 2019-09-29 08:00 | 青山繁晴 | Comments(0)


【 青山繁晴:不安ノ解体 ぼくらの哲学2 】


 以下は、青山繁晴(参議院議員)著の「不安ノ解体」(飛鳥新社)より。(その1)


五の章  動乱の夏をまっすぐ生きよう


 この西暦2016年の夏は、ほんとうは動乱の夏ではないだろうか。


 今上陛下が8月8日にビデオによる異例のお言葉(勅語)を発せられるという超弩級のニュースもあったが、それはすぐに表舞台から去り、テレビはポップグループ解散を待っていたネタのように微に入り細に入り大事件として報じ続けている。


 しかしもっと重要なことは参院選の結果を受けて、政権与党が「当面はこれで良い」と思い込んだことであり、中国共産党が「日本が甦らないように封じ込めを続けるには、従来の工作、すなわちオールドメディアや教育、そして政界、官界、財界、ネット世論への浸透工作だけでは足りない。直接に手を下すことが必要だ」と考えた節のあることだ。


 中華人民共和国という最大の独裁国家は、日本国沖縄県石垣市の領海や排他的経済水域に、武装船団を公然と大挙、侵入させている。

 武装船団は国策によって組織化され、三つで構成されている。ひとつ、沿岸警備隊にあたる「中国海警局」の船団。機関砲を装備した戦闘艦の一種もいるが、日本では「公船」という曖昧で奇妙な造語をわざわざ使うから、国民に実態が分かりにくい。

 ふたつ、漁民は漁民でも福建、浙江両省で軍事訓練を受け「南京大虐殺」といった虚偽の反日ビデオを繰り返し見せられ憎悪を増幅させた漁民、すなわち「海上民兵」なるものを乗せた偽装漁船。みっつ、カネと「好きなだけ魚を捕っていい」という甘言を与えられた貧しい漁民の船。これらが一体となって日本の海を実質、中国の海に変えようとしている。

 言い過ぎではない。尖閣諸島周辺の好漁場で石垣市の日本国民、漁家の人々はまったく漁をできないのてある。それどころか石垣市長をはじめ国民は自国の領土、領海に近づくこともできない。


 そして地元の翁長雄志沖縄県知事(当時※編集部注)は、中国の熱望するアメリカ軍の撤退には熱心な一方で、中国による侵入は実態として黙認している。この人は元自由民主党沖縄県連の幹事長だ。福岡の中国総領事を司令塔とした工作で中国に取り込まれた。訪中して李克強首相に拝謁し、福建省と那覇の直行便を開いて大量の中国人観光客を工作員と共に受け容れている。

 これらを間近に見ている韓国は、日本の敗戦の日8月15日に、国会議員が集団で島根県隠岐郡の竹島に侵入し、島を不法占拠している実質上の兵士たち(韓国は警察部隊の一種と主張)をねぎらった。


<感想>
 日本国民として、一人ひとりが、青山さんの言うことを理解しておいたら良いように思われる。

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# by tsuruichi1024 | 2019-09-25 08:00 | 青山繁晴 | Comments(0)


【 ZOZOの前澤氏:大量保有変更報告書 】


 EDINETの大量保有変更報告書から、ZOZOの前澤氏2018/10〜2019/9現在の状況を確認してみた。


< 報告義務発生日:2019/9/12 >
保有株式数:139,518,800株(保有割合41.2%)
内、新株予約権(保有潜在株券):27,292,200株
取得資金:10,430千円(自己資金)

1.担保として差入株式
野村信託銀行に7,600,000株
UBS銀行に38,664,800株
みずほ銀行に18,886,300株

2.UBS証券に対する株券貸借契約に基づく貸出株式
(1)2019/2/18付
250万株(貸出期間:2019/2/19〜2020/3/25)
UBS証券は、貸借対象株式の全部又は一部の返還に代えて、金銭を対価として買い取ることができる

(2)2019/5/16付(合計1,700万株)
1)240万株(貸出期間:2019/5/17〜2020/9/3)
2)240万株(同:2019/5/17〜2020/10/5)
3)240万株(同:2019/5/17〜2020/11/5)
4)240万株(同:2019/5/17〜2020/12/3)
5)240万株(同:2019/5/17〜2021/1/6)
6)240万株(同:2019/5/17〜2021/2/3)
7)260万株(同:2019/5/17〜2021/3/3)

提出者(前澤友作氏)は、保有する新株予約権証券27,292,200株につき、発行者(ZOZO)との間で、第三者に対して譲渡等を行わない旨を合意している

[ 追記 ]
提出者は、令和元年9月12日付で、ヤフー株式会社との間で、提出者が保有する発行会社の普通株式92,726,600株について、ヤフー株式会社が令和元年10月上旬から開始する予定の公開買付けに一定の条件の下で応募する旨の公開買付応募契約を締結しております。


< 報告義務発生日:2019/8/21 >
1.担保として差入株式
野村信託銀行に7,600,000株
UBS銀行に38,664,800株
みずほ銀行に18,886,300株

※三井住友銀行宛て、全額借入返済?→担保解除

2.上記同様(追記部分は除く)


< 報告義務発生日:2019/8/15 >
1.担保として差入株式
野村信託銀行に7,600,000株
UBS銀行に38,664,800株
三井住友銀行に6,700,000株
みずほ銀行に18,886,300株(+約539万株)

2.上記同様


< 報告義務発生日:2019/8/8 >
1.担保として差入株式
野村信託銀行に7,600,000株(△190万株)
UBS銀行に38,664,800株
三井住友銀行に6,700,000株(△約390万株)
みずほ銀行に13,500,000株

※りそな銀行・Julius Baer宛て、全額借入返済?→担保解除

2.上記同様


< 報告義務発生日:2019/5/16 >
1.担保として差入株式
野村信託銀行に9,500,000株
三井住友銀行に10,593,300株
UBS銀行に38,664,800株(+200万株)
⇒担保の一部(1,700万株)→株式貸借取引に変更?
みずほ銀行に13,500,000株
りそな銀行に3,150,000株
Bank Julius Baer & Co. Ltd.に8,000,000株

2.上記同様(2(2)→変更報告書を提出)


< 報告義務発生日:2019/2/18 >
1.担保として差入株式
野村信託銀行に9,500,000株
三井住友銀行に10,593,300株
UBS銀行に53,664,800株
みずほ銀行に13,500,000株
りそな銀行に3,150,000株
Bank Julius Baer & Co. Ltd.に8,000,000株(+100万株)

2.上記2(1)同様(→変更報告書を提出)


< 報告義務発生日:2019/2/12 >
1.担保として差入株式
野村信託銀行に9,500,000株(+200万株)
三井住友銀行に10,593,300株
UBS銀行に53,664,800株(+約266万株)
みずほ銀行に13,500,000株
りそな銀行に3,150,000株
Bank Julius Baer & Co. Ltd.に7,000,000株


< 報告義務発生日:2019/2/6 >
1.担保として差入株式
野村信託銀行に7,500,000株
三井住友銀行に10,593,300株(+約209万株)
UBS銀行に51,000,000株(+600万株)
みずほ銀行に13,500,000株
りそな銀行に3,150,000株
Bank Julius Baer & Co. Ltd.に7,000,000株


< 報告義務発生日:2018/10/25 >
1.担保として差入株式
野村信託銀行に7,500,000株
三井住友銀行に8,500,000株
UBS銀行に45,000,000株
みずほ銀行に13,500,000株
りそな銀行に3,150,000株
Bank Julius Baer & Co. Ltd.に7,000,000株


<感想>
 本件は、今般のヤフーとのTOB応募契約前のZOZO前澤氏保有株式の担保差入や株券貸借状況を確認してみたもの。
 掛け目を考えても、かなり大きな金額を調達していたものと思われる。

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# by tsuruichi1024 | 2019-09-21 08:00 | ZOZO・前澤友作 | Comments(0)


【 村上春樹:若くあり続けるための秘訣 】


「村上さんのところ 【コンプリート版】(答えるひと 村上春樹、新潮社)より。


 人が若くあり続けるためには

 僕は人というのは、攻めの気持ちがある限り、基本的には若くあり続けられるものだと思っています。もちろんそのための努力はしなければなりませんが。攻めの気持ちだけは持っているが、そのための努力はまったくしていないというのでは、しょうがありませんよね。若い・若くないは、数値だけで簡単に決められるものではありません。たとえば二十代で既に老け込んでいる人もいますし、五十代でまだはつらつとして若々しい人もいます。あなたもがんばっていつまでも若くいてください。

 でもそれはそれとして、警官を見て「最近の警官は若くなったな」とか思ったら、けっこうな年齢になった証拠かもしれませんね。

 村上春樹拝


<感想>
 確かに、若さの秘訣は、攻めのための努力を続けることのように思われる。

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# by tsuruichi1024 | 2019-09-20 08:00 | 村上春樹 | Comments(0)


【 ハーバー研究所:自己株式TOB 】


 2019/9/6、ハーバー研究所(4925)が、自己株式の公開買付け(TOB)を発表した。
http://www.haba.com/company/wp-content/uploads/2019/09/2d647bed0617a9ecc59f1f15a6ca9edf.pdf

 以下はその概要。


1.TOBの概要
 TOB価格:7,458円(9/5終値×95%)
(1)数量:165,100株(上限)(発行済株式数の4.2%)
(2)金額:1,231,315,800円(上限)
(3)期間:2019/9/9〜10/8(20営業日)
(4)目的等
< 基本方針 >
 将来の積極的な事業展開とそれを支える経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、株主に安定的な配当を実施すること

< 資産管理会社からの売却意向 >
 2019/7上旬、第4位の大株主である*有限会社ナチュラル(「ナチュラル」)より、保有する株式の全ての152,000株(保有割合:3.86%)を売却する意向がある旨の連絡を受けた

*当社代表取締役社長小柳典子氏の実兄で、当社の創業者であり元取締役会長でもある故小柳昌之氏の配偶者小柳かず江氏が代表取締役を務め、故小柳昌之氏(2019/2死去)及び小柳かず江氏の資産管理会社であり、小柳かず江氏、小柳典子氏がその議決権の全てを保有


< 当社の判断 >
2019/7中旬

 一時的にまとまった数量の株式が市場に放出された場合における株式の流動性及び市場株価への影響、並びに当社の財務状況等に鑑みて、自己株式取得の具体的な検討を開始


2019/7下旬
 自己株式取得は、株式の需給関係の一時的な悪化を回避することが期待できるだけでなく、当社の1株当たり当期純利益(EPS)の向上や自己資本利益率(ROE)などの資本効率の向上に寄与し、株主に対する利益還元に繋がることになると判断した

 株主間の平等性、取引の透明性の観点から十分に検討を重ねた結果、TOBの手法が適切であると判断した

 TOB価格は、当社は、TOBに応募せずに当社株式を保有し続ける株主の利益を尊重する観点から、資産の社外流出を可能な限り抑えるべく、一定のディスカウントを行った価格が望ましいと判断した


2019/9/5
 当社は、ナチュラルに対して、一定のディスカウントを行った価格でTOBの応募について打診したところ、同日に、ナチュラルより売却意向株式(152,000株(保有割合:3.86%)の応募を前向きに検討する旨の回答を得られた

 当社は、実際にディスカウント率の基礎となる株式の価格については、直近の業績が最も株価に反映されていると考えられる、TOBの取締役会決議日の前営業日(2019/9/5)の終値とし、そこから5%程度ディスカウントした金額をTOB価格とすることをナチュラルに提案した

 その結果、当社がTOBの実施を決議した場合、ナチュラルより 上記条件にて売却意向株式(152,000株(保有割合:3.86%)の全てをTOBに応募する旨の回答を得た


2019/9/6
 取締役会において、自己株式の取得及びその具体的な取得方法としてTOBを行うことを決議した。加えて、買付予定数については、ナチュラル以外の株主にも応募の機会を提供する観点から、165,000株(保有割合:4.19%)を上限とした

 TOBに要する資金については、その全額を自己資金により充当する予定(連結ベースの手元流動性(現金及び預金)は約 5,471百万円であり、株式取得を行った場合においても手元流動性は十分確保でき、さらに事業から生み出されるキャッシュ・フローの積み上げにより、財務健全性及び安全性は今後も維持できると考えている)

 なお、当社の代表取締役社長である小柳典子氏は、TOBに関して特別利害関係を有することに鑑み、利益相反を回避し、取引の公正性を高める観点から、TOBの諸条件に関する話し合い・ 交渉には当社の立場からは参加しておらず、上記の取締役会における審議及び決議にも参加していない


2.株価終値推移(円)
 9/5 7,850、9/6 7,600、9/9 7,760 
 9/12 7,860、9/17 7,910


<感想>
 本件は、創業者の死去に伴う、資産管理会社保有株式の自己株式TOB案件。*益金不算入制度(20%)を活用したものと思われる。
*https://www.eyjapan.jp/library/issue/info-sensor/pdf/info-sensor-2015-07-07.pdf

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# by tsuruichi1024 | 2019-09-18 08:00 | 自己株式TOB | Comments(0)


【 ヤフーがZOZO宛てTOB:50.1%の株式取得 】


 2019/9/12、ヤフー(4689)が、ZOZO(3092)株式への公開買付け(TOB)/資本業務提携を発表した。

 以下は添付資料からの抜粋等。
https://s.yimg.jp/i/docs/ir/archives/20190912/jp20190912presentation.pdf


1.目的等
・TOBでZOZO社の50.1%の株式を取得し 連結子会社化を目指す
・収益を多様化し、飛躍的な成長を実現するためには、EC事業が戦略・業績上のキードライバー


2.4つのポイント
<ポイント1> 
 ZOZOTOWNがECモールに初出店

・ZOZOTOWNがPayPayモールに出店

<ポイント2> 
 購入者数爆増

・国内最大級の利用者数を誇る「情報通信グループ」からの爆発的な送客
・利用者属性が異なるため 両社ともに顧客基盤の拡大が見込める

<ポイント3> 
 eコマース取扱高(物販)爆増
・トラベル事業における一休とのシナジー成功事例
・eコマース取扱高(物販)国内No.1が射程圏内に

<ポイント4> 
 コマース事業 営業利益爆増
・コマース事業の営業利益は1.8倍の規模感へ 
・メディアとコマースの2本柱に


3.まとめ
・さらなる成長に欠かせない 最高のタッグ

・ZOZOとヤフーはシナジー創出のポテンシャルが高い そのほかにも様々な分野で連携を検討

・ZOZOとヤフーにしか創れない カッコよくて便利なeコマースの未来を創る


4.TOB概要

(1)TOB価格
2,620円(9/11終値2,166円の21.0%のプレミアム)

(2)買付予定数/金額
約153百万株(下限約102百万株)/約4,007億円

(3)前澤友作氏との応募契約
・保有株式(約112百万株、36.7%)の内、約93百万株(30.4%)をTOBに応募する旨、契約


5.その他
(1)日経新聞記事*からのキーワード(一部抜粋)
*https://www.nikkei.com/article/DGKKZO49764320S9A910C1EA2000/

<キーワード>
・日本国内の米アマゾン・ドット・コムや楽天に次ぐ「万年ネット通販3位」の座の返上

・ヤフー利用者は30〜40代が中心。路線検索などは若者も利用するが、アマゾン、楽天より高齢化

・ZOZOの約800万人の顧客の大部分は20〜30代。通販サイトにZOZOが出店して衣料品を販売すれば、顧客の若返りが見込める

・アマゾンは直販とモールを組み合わせるのに対し、ヤフーはモール型で展開。同じモール型でもZOZOの売上高営業利益率は22%とヤフーより高い。ECを新たな収益源として見込める

・ヤフーのECサイトの利用者は男性が6割なのに対し、ZOZOは女性が7割。グループで購買データを共有できれば、AIを使った商品提案などで利点が多い

(2)株価終値推移(円)
    9/10 9/11 9/12 9/13
ヤフー 289  298  305  320
ZOZO 2112 2166 2457
 2446


<感想>
 本件は、ヤフーによるZOZO連結子会社化狙いのTOB。
 孫さんの「No.1でないと意味がない」(国内eコマース(物販)取扱高)という並々ならぬ強い意志を感じる。

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# by tsuruichi1024 | 2019-09-14 08:00 | TOB | Comments(0)


【 新海誠:小説 言の葉の庭(その5) 】


 新海誠監督作品の中で一番好きな映画(2013年公開。46分)の小説版。


第8話 降らずとも、水底の部屋ーー秋月孝雄


 藤棚の下であの人に向き合ったまま、孝雄は言う。

  鳴神の すこし響みて 降らずとも 我は留まらん 妹し留めば


「・・・・・・そう。それが正解。私が最初にきみに言った歌の、返し歌」


「万葉集、だったんですね。教科書に載ってたのを、昨日見つけました」

 相聞歌、男女で贈りあう恋の歌だった。雨が降ったら、あなたはここに留まってくれるでしょうか。そういう女の歌に対して、きみが望むならば、雨なんて降らなくてもここにいるよ。そう男が答えている。俺は授業でこの歌を聞いたことがあったんだ。三ヵ月も経ってからようやく気づくなんてと孝雄は思わず自分で苦笑して、それから思いきって、あの人の名を呼んでみる。


「・・・・・・最初の日、きみの制服の校章を見て、同じ学校だって途中で気づいたの」

「だから、授業で習ったはずの歌を伝えれば、古典の教師だってきみに気づいてもらえるかなって思ったの。それに私、学校中の人に知られちゃってると思ってたから。・・・・・・でもきみは、私のこと、最初からずっと知らなかったんだよね」

「ーーきっときみは、違う世界ばっかり見てたのね」

「私たち、泳いで川を渡ってきたみたいね」

 部屋に入ると、雪野にすぐにシャワーを浴びるように言われた。

 雪野は孝雄の濡れたシャツを洗濯機に入れ、タオルで学生ズボンの水を吸い、どちらもアイロンをかけてくれた。


 今まで生きてきて、俺は、今が。

 今がいちばん、しあわせかもしれない。


 鳴神の しましす響もし 降らずとも 我は留まらむ 妹し留めば

状況:雨を理由に引きとどめようとした女性に対して、あなたがねがうのなら留まるという男性の歌。第2話の女性の唄に対する答えの歌。


<感想>
 雪野の部屋で、孝雄がオムライスを作り、雪野がとコーヒー淹れるシーン。
 エンディング間近の2人の世界が何ともせつない。

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# by tsuruichi1024 | 2019-09-13 08:00 | 言の葉の庭 | Comments(0)


【 新海誠:小説 言の葉の庭(その4) 】


 新海誠監督作品の中で一番好きな映画(2013年公開。46分)の小説版。


第9話 言葉にできず。ーー雪野百香里と秋月孝雄


 今まで生きてきて、今がいちぱん、しあわせかもしれない。

 雪野はそう思う。


「俺、雪野さんのことが」

「ーー好きなんだと思う」


「私はね、あの場所でーー」

「あの場所で、ひとりで歩けるようになる練習をしてたの。ひとりでも、」

「ーー靴が、なくても」

 私は我慢したのに。
 私は言わなかったのに。

 あなたが好きだって、私は言わなかったのに。

 ーー思ってしまった。


 雪野は手のひらからゆっくりと顔を上げる。ずっと思わないようにしていたのに、いま、私はーー

 弾かれるように、駆け出していた。


「あんたは!」

「あんたは一生そうやって、自分は関係ないって顔して、」

「ーーずっとひとりで、生きてくんだ!」


 彼の声に、息が止まる。
 私はもう我慢できず、
 裸足が、駆け出す。


 きつく体を抱きしめられたのと、
 甘い匂いに心をめちゃくちゃにされたのと、
 爆発するような彼女の号泣が聞こえたのは、ぜんぶ同時だ。


「毎朝っ・・・・・・!ちゃんとスーツ着てっ、・・・・・・私・・・・・・ちゃんと、学校に行こうとしてたのっ」

「・・・・・・でも怖くて・・・・・・どうしても行けなくて・・・・・・」

「あの場所で、わたしっ・・・・・・」

「わたし、あなたに、救われてたの!」


 そしてまた大声で、雪野さんは泣いてしまう。

 そしてまた大声で、秋月くんは泣いてしまう。


 もうなにも言葉にできず、まるでなにかに凍えたように、二人はきつく抱きあっている。


<感想>
 雪野と孝雄ふたりの視点が平行しながら進む。
 最後にふたりとも素直になれて救われた。

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# by tsuruichi1024 | 2019-09-12 08:00 | 新海誠 | Comments(0)


【 新海誠:小説
 言の葉の庭(その2) 】


 新海誠監督作品の中で一番好きな映画(2013年公開。46分)の小説版。


第1話 雨、靴擦れ、なるかみの。ーー秋月孝雄 

 濡れたカエデの葉の奥に、いつも雨宿りをする東屋が見えてくる。そこにはしかし、人影が座っている。あるはずのないものを見るような心持ちで、そのまま孝雄は東屋に近づいていく。葉群れを過ぎて東屋の全体が目に入る。
 スーツを着た、女性だ。
 孝雄は立ち止まる。
 缶ビールを口の位置に持ち、柔らかそうな髪を上で切り揃えた女性が、ふわりと彼を見る。
 一瞬だけ目が合う。
 この雨はもうすぐやむのかもしれないと、その瞬間に理由もなく、孝雄は思う。


第2話 柔らかな足音、千年たっても変わらないこと、人間なんてみんなどこかおかしい。ーー雪野

 柔らかな足音に顔を上げると、ビニール傘を差した少年が立っていた。
 一瞬だけ目が合ってしまった。誰かがこんなに近づくまで気づかなかったなんてと、雪野は不思議に思いながら目を伏せる。雨の音を聴いていたからかな。
 雪野が雨宿りをしていたその小さな東屋に、少年はためらいがちに入ってくる。こんな平日の朝に公園に来るなんて珍しい。制服を着た一見真面目そうなーー高校生、だろうか。学校をサボった先が有料の日本庭園だなんてなかなか渋いかも。場所を空けるために立ち上がって東屋の奥に移動する。少年は律儀に頭を下げ、傘を閉じ端に座る。ギィ、と木造りのベンチがかすかな音を立てる。

 突然、あ、という小さな声を出して少年が消しゴムを落とし、それはバウンドして雪野の足元に転がる。
「どうぞ」拾った消しゴムを少年に差し出すと、
「ああ、すみません!」少年は慌てて腰を浮かして受け取る。
 焦った声が十代の若さでなんだか好ましい。思わず笑顔になってしまう。

「あの」
唐突に少年に声をかけられて、へ、という間抜けな息が出てしまった。
「どこかで、お会いしましたっけ」
「え、・・・・・・いいえ」なになに急に、この子こんなカオしてもしかしてナンパ?思わず硬い声を出してしまう。
「ああ、すみません。人違いです」

ーーあれ、と雪野は思う。
 ちょっと驚いて、え、と小さく息が漏れる。そうか、なるほどね。水面に水彩絵の具を落としたみたいに、カラフルないたずら心が広がってくる。
「ーー会ってるかも」
「え?」
 驚いて少年が雪野を見る。間を埋めるかのように遠雷が再び響く。鳴る神、という文字がふわりとアタマに浮かぶ。微笑しながら呟くように雪野は言う。
「・・・・・・なるかみの」
 傘と鞄を手に入れ取りながら立ち上がる。少年を見おろす形になる。

  すこしとよみて さしくもり あめもふらんか きみをとどめん


 雷神の しまし響もし さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ(万葉集11・2513)

 訳:カミナリが ちょっとだけ鳴って 突然曇って 雨でも降らないかな あなたを留めたい

 状況:「しまし響もし」は、万葉集では「小動」と表記されており、小説中のような「すこしとよみて」の訓もある。「雷」は、「なるかみ」と呼ばれ、神秘的で畏怖の対象と捉えられていた。帰ってしまいそうな男性を引きとどめたい女性の歌。雨は、男性が帰ることの妨げとなるので、突然降ってきてくれないかなと願っている。


<感想>
 雨降る中、新宿御苑での孝雄と雪野の出会い。
 映像では一瞬、文章では長文。
 映像からと文章からの想像の広がり。映像の方が、より具体的に想像し易いように思われる。

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# by tsuruichi1024 | 2019-09-10 08:00 | 新海誠 | Comments(0)


【 新海誠:小説 言の葉の庭(その1) 】


 「天気の子」を見た勢いで、「小説 言の葉の庭」(新海誠著、角川文庫)を読んでみた。

 原作が映画(2013年公開。46分)の小説版。本書は、『ダ・ヴィンチ』(2013/9号〜2014/4号)に掲載され、書き下ろしを加えて2014/4に単行本化されたものを文庫化したもの。


あとがき(一部抜粋)

 うきうきと取りかかっていた執筆作業であるが、当たり前にというかなんというか、楽しさは持続しなかった。映像のほうがどうしたって優れている、または適している表現もあることに、すぐに気づくからである。

 たとえば「情?」のようなもの。街の夜景の絵を描くとする。そこに、切なさを含んだ音楽をかぶせる。どのタイミングでも良いので、どこかの窓の光をひとつ灯す、あるいはふいに消す。それだけで、情?としか呼びようのない感情を観客にいだかせることが、映像ならばできる。情?とは要するに「人の営みがかもしだす感情」だから、窓の灯りひとつで、映像ならばそれを喚起させることができるのだ。では小説でこれに比する表現はどうすればよいのだろうと、頭を抱えることになる。

 長くなるので詳しくは書かないけれど、他にもメタファー(暗喩)の類は、映像のほうが雄弁たり得ることもおおい。1カットの波紋のアニメーションだけで、原稿枚数を費やしても足りない感情を伝えることが、時にできる。

 さらに最終的には技術的な部分とは関係なく、何を書くのかという至極当たり前のことがらに悩み続けることになる。脱稿する頃には、ああ小説って、小説家ってすごいなと、なんかぜんぜん近づけなかったなと、いささかがっくりと思ったのである。


<感想>
 原作の映画は、孝雄と雪野ふたりの視線のみからなる46分の中編。
 本小説は、語り手を増やし、映画だとしたら2時間に収まらないボリュームで、新たに組み立てなおしたもの。
 あとがきからは「餅は餅屋」という言葉が頭に浮かぶ。

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# by tsuruichi1024 | 2019-09-09 08:00 | 新海誠 | Comments(0)


【 ヤフー:自己株式の消却 】


  2019/9/4、ヤフー(4689)が自己株式の消却を発表した。
https://file.swcms.net/file/sw4689/ja/ir/news/auto_20190904494721/pdfFile.pdf

  以下は、その概要。


1.消却株式数
  1,842,273,100株 (発行済株式総数に対する割合 27.5%)


2.消却予定日:2019/9/30
(ご参考)
  消却後の発行済株式総数:4,852,417,565株
  消却後の自己株式数:60,000,000株


3.株価終値推移(円)
  8/28 261、9/3 275、9/4 281
  9/5  286、9/6  284


4.自己株式消却のメリット/デメリット(一例)
(1)メリット
  消却した自己株式の希薄化リスクを排除(再び市場放出されることはない)

(2)デメリット
  M&A/TOB等の対価として、自己株式を活用できなくなる


(ご参照)
http://tsuruichi.blog.fc2.com/blog-entry-1469.html
https://group.softbank/corp/news/press/sb/2018/20180710_01/


<感想>
  本件は、アルタバ保有株式を含む、ソフトバンクグループの一連の組織再編の一環等での取得により3割弱まで膨らんだ自己株式の消却。
  希薄化リスク排除の観点で、一定の評価ができるが、、9/6終値は284円と取得価格360円を2割超下回る水準。

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# by tsuruichi1024 | 2019-09-07 08:00 | 自己株式消却 | Comments(0)