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【 ヤフーがZOZO宛てTOB:50.1%の株式取得 】


 2019/9/12、ヤフー(4689)が、ZOZO(3092)株式への公開買付け(TOB)/資本業務提携を発表した。

 以下は添付資料からの抜粋等。
https://s.yimg.jp/i/docs/ir/archives/20190912/jp20190912presentation.pdf


1.目的等
・TOBでZOZO社の50.1%の株式を取得し 連結子会社化を目指す
・収益を多様化し、飛躍的な成長を実現するためには、EC事業が戦略・業績上のキードライバー


2.4つのポイント
<ポイント1> 
 ZOZOTOWNがECモールに初出店

・ZOZOTOWNがPayPayモールに出店

<ポイント2> 
 購入者数爆増

・国内最大級の利用者数を誇る「情報通信グループ」からの爆発的な送客
・利用者属性が異なるため 両社ともに顧客基盤の拡大が見込める

<ポイント3> 
 eコマース取扱高(物販)爆増
・トラベル事業における一休とのシナジー成功事例
・eコマース取扱高(物販)国内No.1が射程圏内に

<ポイント4> 
 コマース事業 営業利益爆増
・コマース事業の営業利益は1.8倍の規模感へ 
・メディアとコマースの2本柱に


3.まとめ
・さらなる成長に欠かせない 最高のタッグ

・ZOZOとヤフーはシナジー創出のポテンシャルが高い そのほかにも様々な分野で連携を検討

・ZOZOとヤフーにしか創れない カッコよくて便利なeコマースの未来を創る


4.TOB概要

(1)TOB価格
2,620円(9/11終値2,166円の21.0%のプレミアム)

(2)買付予定数/金額
約153百万株(下限約102百万株)/約4,007億円

(3)前澤友作氏との応募契約
・保有株式(約112百万株、36.7%)の内、約93百万株(30.4%)をTOBに応募する旨、契約


5.その他
(1)日経新聞記事*からのキーワード(一部抜粋)
*https://www.nikkei.com/article/DGKKZO49764320S9A910C1EA2000/

<キーワード>
・日本国内の米アマゾン・ドット・コムや楽天に次ぐ「万年ネット通販3位」の座の返上

・ヤフー利用者は30〜40代が中心。路線検索などは若者も利用するが、アマゾン、楽天より高齢化

・ZOZOの約800万人の顧客の大部分は20〜30代。通販サイトにZOZOが出店して衣料品を販売すれば、顧客の若返りが見込める

・アマゾンは直販とモールを組み合わせるのに対し、ヤフーはモール型で展開。同じモール型でもZOZOの売上高営業利益率は22%とヤフーより高い。ECを新たな収益源として見込める

・ヤフーのECサイトの利用者は男性が6割なのに対し、ZOZOは女性が7割。グループで購買データを共有できれば、AIを使った商品提案などで利点が多い

(2)株価終値推移(円)
    9/10 9/11 9/12 9/13
ヤフー 289  298  305  320
ZOZO 2112 2166 2457
 2446


<感想>
 本件は、ヤフーによるZOZO連結子会社化狙いのTOB。
 孫さんの「No.1でないと意味がない」(国内eコマース(物販)取扱高)という並々ならぬ強い意志を感じる。

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# by tsuruichi1024 | 2019-09-14 08:00 | TOB | Comments(0)


【 新海誠:小説 言の葉の庭(その5) 】


 新海誠監督作品の中で一番好きな映画(2013年公開。46分)の小説版。


第8話 降らずとも、水底の部屋ーー秋月孝雄


 藤棚の下であの人に向き合ったまま、孝雄は言う。

  鳴神の すこし響みて 降らずとも 我は留まらん 妹し留めば


「・・・・・・そう。それが正解。私が最初にきみに言った歌の、返し歌」


「万葉集、だったんですね。教科書に載ってたのを、昨日見つけました」

 相聞歌、男女で贈りあう恋の歌だった。雨が降ったら、あなたはここに留まってくれるでしょうか。そういう女の歌に対して、きみが望むならば、雨なんて降らなくてもここにいるよ。そう男が答えている。俺は授業でこの歌を聞いたことがあったんだ。三ヵ月も経ってからようやく気づくなんてと孝雄は思わず自分で苦笑して、それから思いきって、あの人の名を呼んでみる。


「・・・・・・最初の日、きみの制服の校章を見て、同じ学校だって途中で気づいたの」

「だから、授業で習ったはずの歌を伝えれば、古典の教師だってきみに気づいてもらえるかなって思ったの。それに私、学校中の人に知られちゃってると思ってたから。・・・・・・でもきみは、私のこと、最初からずっと知らなかったんだよね」

「ーーきっときみは、違う世界ばっかり見てたのね」

「私たち、泳いで川を渡ってきたみたいね」

 部屋に入ると、雪野にすぐにシャワーを浴びるように言われた。

 雪野は孝雄の濡れたシャツを洗濯機に入れ、タオルで学生ズボンの水を吸い、どちらもアイロンをかけてくれた。


 今まで生きてきて、俺は、今が。

 今がいちばん、しあわせかもしれない。


 鳴神の しましす響もし 降らずとも 我は留まらむ 妹し留めば

状況:雨を理由に引きとどめようとした女性に対して、あなたがねがうのなら留まるという男性の歌。第2話の女性の唄に対する答えの歌。


<感想>
 雪野の部屋で、孝雄がオムライスを作り、雪野がとコーヒー淹れるシーン。
 エンディング間近の2人の世界が何ともせつない。

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# by tsuruichi1024 | 2019-09-13 08:00 | 言の葉の庭 | Comments(0)


【 新海誠:小説 言の葉の庭(その4) 】


 新海誠監督作品の中で一番好きな映画(2013年公開。46分)の小説版。


第9話 言葉にできず。ーー雪野百香里と秋月孝雄


 今まで生きてきて、今がいちぱん、しあわせかもしれない。

 雪野はそう思う。


「俺、雪野さんのことが」

「ーー好きなんだと思う」


「私はね、あの場所でーー」

「あの場所で、ひとりで歩けるようになる練習をしてたの。ひとりでも、」

「ーー靴が、なくても」

 私は我慢したのに。
 私は言わなかったのに。

 あなたが好きだって、私は言わなかったのに。

 ーー思ってしまった。


 雪野は手のひらからゆっくりと顔を上げる。ずっと思わないようにしていたのに、いま、私はーー

 弾かれるように、駆け出していた。


「あんたは!」

「あんたは一生そうやって、自分は関係ないって顔して、」

「ーーずっとひとりで、生きてくんだ!」


 彼の声に、息が止まる。
 私はもう我慢できず、
 裸足が、駆け出す。


 きつく体を抱きしめられたのと、
 甘い匂いに心をめちゃくちゃにされたのと、
 爆発するような彼女の号泣が聞こえたのは、ぜんぶ同時だ。


「毎朝っ・・・・・・!ちゃんとスーツ着てっ、・・・・・・私・・・・・・ちゃんと、学校に行こうとしてたのっ」

「・・・・・・でも怖くて・・・・・・どうしても行けなくて・・・・・・」

「あの場所で、わたしっ・・・・・・」

「わたし、あなたに、救われてたの!」


 そしてまた大声で、雪野さんは泣いてしまう。

 そしてまた大声で、秋月くんは泣いてしまう。


 もうなにも言葉にできず、まるでなにかに凍えたように、二人はきつく抱きあっている。


<感想>
 雪野と孝雄ふたりの視点が平行しながら進む。
 最後にふたりとも素直になれて救われた。

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# by tsuruichi1024 | 2019-09-12 08:00 | 新海誠 | Comments(0)


【 新海誠:小説
 言の葉の庭(その2) 】


 新海誠監督作品の中で一番好きな映画(2013年公開。46分)の小説版。


第1話 雨、靴擦れ、なるかみの。ーー秋月孝雄 

 濡れたカエデの葉の奥に、いつも雨宿りをする東屋が見えてくる。そこにはしかし、人影が座っている。あるはずのないものを見るような心持ちで、そのまま孝雄は東屋に近づいていく。葉群れを過ぎて東屋の全体が目に入る。
 スーツを着た、女性だ。
 孝雄は立ち止まる。
 缶ビールを口の位置に持ち、柔らかそうな髪を上で切り揃えた女性が、ふわりと彼を見る。
 一瞬だけ目が合う。
 この雨はもうすぐやむのかもしれないと、その瞬間に理由もなく、孝雄は思う。


第2話 柔らかな足音、千年たっても変わらないこと、人間なんてみんなどこかおかしい。ーー雪野

 柔らかな足音に顔を上げると、ビニール傘を差した少年が立っていた。
 一瞬だけ目が合ってしまった。誰かがこんなに近づくまで気づかなかったなんてと、雪野は不思議に思いながら目を伏せる。雨の音を聴いていたからかな。
 雪野が雨宿りをしていたその小さな東屋に、少年はためらいがちに入ってくる。こんな平日の朝に公園に来るなんて珍しい。制服を着た一見真面目そうなーー高校生、だろうか。学校をサボった先が有料の日本庭園だなんてなかなか渋いかも。場所を空けるために立ち上がって東屋の奥に移動する。少年は律儀に頭を下げ、傘を閉じ端に座る。ギィ、と木造りのベンチがかすかな音を立てる。

 突然、あ、という小さな声を出して少年が消しゴムを落とし、それはバウンドして雪野の足元に転がる。
「どうぞ」拾った消しゴムを少年に差し出すと、
「ああ、すみません!」少年は慌てて腰を浮かして受け取る。
 焦った声が十代の若さでなんだか好ましい。思わず笑顔になってしまう。

「あの」
唐突に少年に声をかけられて、へ、という間抜けな息が出てしまった。
「どこかで、お会いしましたっけ」
「え、・・・・・・いいえ」なになに急に、この子こんなカオしてもしかしてナンパ?思わず硬い声を出してしまう。
「ああ、すみません。人違いです」

ーーあれ、と雪野は思う。
 ちょっと驚いて、え、と小さく息が漏れる。そうか、なるほどね。水面に水彩絵の具を落としたみたいに、カラフルないたずら心が広がってくる。
「ーー会ってるかも」
「え?」
 驚いて少年が雪野を見る。間を埋めるかのように遠雷が再び響く。鳴る神、という文字がふわりとアタマに浮かぶ。微笑しながら呟くように雪野は言う。
「・・・・・・なるかみの」
 傘と鞄を手に入れ取りながら立ち上がる。少年を見おろす形になる。

  すこしとよみて さしくもり あめもふらんか きみをとどめん


 雷神の しまし響もし さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ(万葉集11・2513)

 訳:カミナリが ちょっとだけ鳴って 突然曇って 雨でも降らないかな あなたを留めたい

 状況:「しまし響もし」は、万葉集では「小動」と表記されており、小説中のような「すこしとよみて」の訓もある。「雷」は、「なるかみ」と呼ばれ、神秘的で畏怖の対象と捉えられていた。帰ってしまいそうな男性を引きとどめたい女性の歌。雨は、男性が帰ることの妨げとなるので、突然降ってきてくれないかなと願っている。


<感想>
 雨降る中、新宿御苑での孝雄と雪野の出会い。
 映像では一瞬、文章では長文。
 映像からと文章からの想像の広がり。映像の方が、より具体的に想像し易いように思われる。

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# by tsuruichi1024 | 2019-09-10 08:00 | 新海誠 | Comments(0)


【 新海誠:小説 言の葉の庭(その1) 】


 「天気の子」を見た勢いで、「小説 言の葉の庭」(新海誠著、角川文庫)を読んでみた。

 原作が映画(2013年公開。46分)の小説版。本書は、『ダ・ヴィンチ』(2013/9号〜2014/4号)に掲載され、書き下ろしを加えて2014/4に単行本化されたものを文庫化したもの。


あとがき(一部抜粋)

 うきうきと取りかかっていた執筆作業であるが、当たり前にというかなんというか、楽しさは持続しなかった。映像のほうがどうしたって優れている、または適している表現もあることに、すぐに気づくからである。

 たとえば「情?」のようなもの。街の夜景の絵を描くとする。そこに、切なさを含んだ音楽をかぶせる。どのタイミングでも良いので、どこかの窓の光をひとつ灯す、あるいはふいに消す。それだけで、情?としか呼びようのない感情を観客にいだかせることが、映像ならばできる。情?とは要するに「人の営みがかもしだす感情」だから、窓の灯りひとつで、映像ならばそれを喚起させることができるのだ。では小説でこれに比する表現はどうすればよいのだろうと、頭を抱えることになる。

 長くなるので詳しくは書かないけれど、他にもメタファー(暗喩)の類は、映像のほうが雄弁たり得ることもおおい。1カットの波紋のアニメーションだけで、原稿枚数を費やしても足りない感情を伝えることが、時にできる。

 さらに最終的には技術的な部分とは関係なく、何を書くのかという至極当たり前のことがらに悩み続けることになる。脱稿する頃には、ああ小説って、小説家ってすごいなと、なんかぜんぜん近づけなかったなと、いささかがっくりと思ったのである。


<感想>
 原作の映画は、孝雄と雪野ふたりの視線のみからなる46分の中編。
 本小説は、語り手を増やし、映画だとしたら2時間に収まらないボリュームで、新たに組み立てなおしたもの。
 あとがきからは「餅は餅屋」という言葉が頭に浮かぶ。

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# by tsuruichi1024 | 2019-09-09 08:00 | 新海誠 | Comments(0)


【 ヤフー:自己株式の消却 】


  2019/9/4、ヤフー(4689)が自己株式の消却を発表した。
https://file.swcms.net/file/sw4689/ja/ir/news/auto_20190904494721/pdfFile.pdf

  以下は、その概要。


1.消却株式数
  1,842,273,100株 (発行済株式総数に対する割合 27.5%)


2.消却予定日:2019/9/30
(ご参考)
  消却後の発行済株式総数:4,852,417,565株
  消却後の自己株式数:60,000,000株


3.株価終値推移(円)
  8/28 261、9/3 275、9/4 281
  9/5  286、9/6  284


4.自己株式消却のメリット/デメリット(一例)
(1)メリット
  消却した自己株式の希薄化リスクを排除(再び市場放出されることはない)

(2)デメリット
  M&A/TOB等の対価として、自己株式を活用できなくなる


(ご参照)
http://tsuruichi.blog.fc2.com/blog-entry-1469.html
https://group.softbank/corp/news/press/sb/2018/20180710_01/


<感想>
  本件は、アルタバ保有株式を含む、ソフトバンクグループの一連の組織再編の一環等での取得により3割弱まで膨らんだ自己株式の消却。
  希薄化リスク排除の観点で、一定の評価ができるが、、9/6終値は284円と取得価格360円を2割超下回る水準。

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# by tsuruichi1024 | 2019-09-07 08:00 | 自己株式消却 | Comments(0)


【 リクルートホールディングス:株式売出しと自己株式取得 】


 2019/8/28、リクルートHD(6098)が、株式売出を発表した。
https://recruit-holdings.co.jp/ir/ir_news/upload/20190828_02_jp.pdf

 以下は、その概要。


1.目的
・当社株主による円滑な株式売却の実現等

(1)複数の当社株主が長期的に保有している当社普通株式を売却したい旨の意向を確認

(2)当社株主による当社株式の潜在的な市場売却の可能性が当社株式の適切な価格形成に与える影響について懸念されていることを認識

⇒ 本売出しは、2016年に実施した株式売出しと同様に、当社株式の円滑な売却の機会を設定することで、当社株式の売却意向を有する当社株主13社による市場売却の可能性にかかる懸念に対処することを企図するもの

(本売出しを通じて、より多くの皆様に、当社の長期的な戦略をご支援頂けることを期待)


2.売出概要
(1)売出株数
 当社普通株式121,500,000株(オーバーアロットメントによる売出しが上限まで行われた場合の売出株式数。発行済株式総数の約7.16%)

(2)売出価格
 2019/9/10から2019/9/12までの間のいずれかの日の終値に0.90〜1.00を乗じた価格を仮条件として、需要状況等を勘案した上で、決定される


3.その他:自己株式取得の発表
https://recruit-holdings.co.jp/ir/ir_news/upload/20190828_01_jp.pdf

(1)自己株式の取得を行う理由
株式需給への影響を勘案するとともに、株主還元の向上を図る目的を実現するもの

(2)取得に係る事項の内容
1) 株式の総数:30,000,000株(上限)(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合1.79%)
2) 取得総額:800億円(上限)
3) 取得期間:上記売出しの受渡期日の翌営業日〜2019/11/29
4) 取得の方法:投資一任方式による東証における市場買付け


4.株価終値推移
8/28 3,313円、8/29 3,154円
8/30 3,219円、9/4 3,188円


<感想>
 本件は、大株主の売出しと自己株式取得を同時に発表した事例。
 「リクナビ」を運営するリクルートキャリア(間接保有100%)への行政処分が出た処でもあり、売出株数の1/3弱の自己株式取得が予定されてはいても、株価的にはしばらく厳しい状況が続きそうだ。

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# by tsuruichi1024 | 2019-09-05 08:00 | 株式売出し | Comments(0)


【 サマンサタバサ株式:創業者⇒コナカ 社長⇒コナカ へ 】


 2019/9/2、コナカ(7494)が、「株式会社サマンサタバサジャパンリミテッド(「サマンサタバサ」。7829)の株式取得(持分法適用関連会社化)に関するお知らせ」を発表した。
http://www.konaka.co.jp/ir/pdf/20190902_1.pdf 

 以下は、その概要。


1.株式取得の理由
< 当社グループを取巻く環境 >
 少子高齢化やクールビズの浸透による市場の縮小、さらには消費者の節約ムードが根強く消費トレンドの大きな回復が見られないことから、今後も厳しい状況が続くものと予想

⇒ 小売業界はお客様の求める価値を的確に把握し、個々のお客様のライフスタイルを充実させる商品を幅広くタイムリーに提案できる能力を高めることが今まで以上に必要不可欠に

< サマンサタバサ >
 バッグやジュエリーを中心に世界に向けたブランドビジネス を展開している

⇒ 当社グループにない店舗戦略、商品の生産背景、女性を主とする顧客層を有しており、サマンサタバサへの出資により両社に高いシナジー効果が期待できると判断し、持分法適用関連会社とするもの

⇒ 今回の株式取得は、サマンサタバサの主要株主である筆頭株主/代表取締役である湖中氏より保有全株式を取得するもの

⇒ 湖中氏の株式取得を機に当社とサマンサタバサとの間で情報交換を行うとともに、両社のシナジー効果の検討や出資にあたっての企業調査を行ってきた結果、本件出資が当社グループの企業価値向上につながるとの判断に至り、湖中氏より株式を譲り受けるもの


2.株式取得の内容
11,046,600株(議決権保有割合31.30%)
(譲渡予定日は9月末)


3.その他
 公正取引委員会審査の結果において、排除措置命令の発令等、本件株式取得の実施を妨げる要因が存在しないことが前提
⇒ 本審査の結果を経て、株式取得が可能となったら、改めて契約締結日、株式取得日、取得価額等を決定の上、お知らせする
(現時点では詳細未定)


4.サマンサタバサのプレスリリース
http://contents.xj-storage.jp/xcontents/78290/107125ff/1a60/4dec/b7f9/52434344fb48/140120190902494007.pdf

< 異動が生じる経緯 >
 当社は、2019/9/2付で主要株主/筆頭株主の湖中氏の保有する当社普通株式11,046,600株をコナカが譲り受ける旨、同社の取締役会にて決議したことを認識。本譲渡の完了により、買主は新たに当社の主要株主/筆頭株主及びその他の関係会社に該当することとなる見込み


5.大量保有変更報告書
http://www.kabupro.jp/edp/20190624/S100FR6A.pdf

売主:サマンサタバサの創業者・寺田和正(「寺田氏」。1965/12/12生まれ)
買主:コナカ 社長・湖中氏(1960/10/16生まれ)

保有目的:経営参加を目的とした安定株主として保有

株式譲渡契約締結日:2019/4/12
株式譲渡日:2019/6/21

譲渡価格:311円/株(4/12終値:308円)、総額約34億円
譲渡株式:11,046,600株(寺田氏保有の半分)

重要な契約:湖中氏は、本株式譲渡契約において、寺田氏との間で、以下の内容を合意

(1)両者は、それぞれ、2019/4/12〜2020/6/30までの間、相手方当事者の事前の書面による同意なく、保有する発行者の株式の譲渡その他の処分を行うことはできないこと

(2)寺田氏は、提出者へ譲渡する株式について、所定の手続きに従って、一定の条件の下、先買権を有すること


6.株価終値推移
(円)     4/12 4/13 9/2 9/3
サマンサタバサ 308 284  229 277
コナカ     440 449  408 417


<感想>
 本件は、サマンサタバサ創業者・寺田氏保有株式の半数について、「寺田氏⇒湖中氏⇒コナカ」への一連の株式譲渡に伴って、サマンサタバサがコナカの持分法適用会社になったもの。
 当初の湖中社長(個人保有)からコナカ(法人保有)への譲渡(寺田氏の同意のもと)は、コナカが単独で生き残るのではなく、直接的に、サマンサタバサとのシナジーを通じて企業価値向上を目指したものと言えよう。

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# by tsuruichi1024 | 2019-09-04 08:00 | 資本業務提携 | Comments(0)


【 ソニー:ToSTNeT-3でオリンパス株式を売却 】


 2019/8/29、オリンパス(7733)が、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)を発表した。
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120190829492800.pdf

 以下は、その概要。


1.自己株式の取得を行う理由 
・ソニー(6758)の売却意向を受け、当社は、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するため、自己株式の取得を行うこととした

・当社株式需給への短期的な影響を緩和し既存株主への影響を軽減する観点とともに、資本効率の向上を図る観点からも、ToSTNeT-3による自己株式の取得を行うこととした

・ソニーからは、その保有する当社株式をもって応じる意向を有している旨の連絡を受けている

・また、ソニーとの間の業務提携は継続する


2.取得の方法 
 2019/8/29の終値1,165円で、2019/8/30午前8時45分の東証のToSTNeT-3において、買付けの委託を行う


3.取得の内容
(1)対象株式:普通株式85百万株(上限) (発行済株式総数(自己株式除く)の6.22%) 

(2)取得総額:99,025百万円(上限)


4.取得の結果
https://www.olympus.co.jp/ir/data/announcement/2019/contents/ir00021.pdf

(1)取得株式:普通株式80,153,100株 

(2)取得総額:93,378,361,500円


5.自己株式公開買付け(TOB)にしなかった理由
< ソニーのプレスリリース >

https://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/news/20190830_J.pdf
・今後の見通し 
 本応募による株式譲渡が、当社の2019年度連結業績見通しに与える影響は軽微

⇒ 自己株式TOBによる益金不算入制度による税務メリットを得る必要がなかったと推定されるが・・・


〜大量保有変更報告書*で確認すると〜
*http://www.kabupro.jp/edp/20171211/S100BWMW.pdf

1)取得簿価:約365円/株
(取得総額25,166,553千円÷17,243,950株÷4*)
*2019/3/31を基準日として1株を4株に分割

2)譲渡益:1,165円-365円=800円/株
⇒ 68,975,800株×800円≒552億円(a)
⇒ 自己株式TOBによる益金不算入制度*を利用して、受取配当金の50%を益金不算入とした方がメリットがあったのでは?

*https://www.eyjapan.jp/library/issue/info-sensor/2015-07-07.html

< 平成24年9月28日付資本提携契約書上の合意内容 >
1)株式の譲渡制限  
 資本提携契約の有効期間中は、発行会社の事前の書面による 承諾がある場合等を除いて、オリンパス株式を譲渡してはならない。
 但し、平成25年2月22日から1年を経過する等した場合には、市場売却、ブロックトレード等の一定の方法で、当該株式を譲渡することができる。
 なお、ソニーは、ブロックトレード等によって譲渡する場合には、譲渡先の選定についてはオリンパスの意向を合理的な範囲内で最大限配慮する。

2)買増しの禁止
 略


6.今期税引前当期純利益(予想):7700億円(b)
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/library/presen/er/pdf/19q1_sony.pdf

 552億円(a)÷7700億円=7.2%

⇒ 収益30%以上の変更時は、適時開示の必要あり


6.株価終値推移
 8/29 1,165円、8/30 1,244円


<感想>
 ソニーからすると、552億円は「連結業績見通しに与える影響は軽微」だと言う。
 税効果メリットを考えると、本件はToSTNeT-3ではなく、自己株式TOBの方がベターなように思われる。

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# by tsuruichi1024 | 2019-08-31 08:00 | ToSTNeT-3 | Comments(0)


【 日本化薬によるポラテクノ株式のTOB 】


 2019/8/27、ポラテクノ(4239)は、親会社の日本化薬(4272)による株式公開買付け(TOB)への賛同を表明した。
https://www.polatechno.co.jp/report/item/data/ir00497-1.pdf

 以下はその概要。


1.TOBに関する意見等

(1)意見の内容
1)当社の企業価値の向上に資するもの
2)当社の株主に対して合理的な株式売却の機会を提供するもの
であると判断し、TOBに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主に対して、TOBへの応募を推奨することを決議

(2)TOBの概要
・公開買付者(「日化」)は、JASDAQ上場の当社株式を 27,544千株(所有割合66.45%)所有し、当社を連結子会社としている

・日化は、本日開催の取締役会において、当社株式の全て (除、自社所有株式・自己株式)を取得し、当社を日化の完全子会社とすることを目的としてTOB実施を決議

・TOB予定数:1390万5885株
・下限:9,280千株(所有割合22.38%)
・TOB価格:993円(8/26終値511円に対して 94.32%のプレミアム)
・TOB総額:約138億円
・TOB期間:8月28日〜10月10日

・第2位の大株主の有沢製作所との応募契約:同社所有の当社株式の全て(9,280千株、所有割合22.38%) についてTOBに応募する旨合意

・日化は、いわゆる二段階買収により、当社を完全子会社とする予定


(3)TOBに賛同する理由
ア.研究開発体制の一体化・効率的かつ迅速な製品開発の実現
イ.両者の技術を活用した新製品開発
ウ.効率的な生産体制の構築
エ.日化グループのグローバル販売チャネルの活用
オ.経営資源の効率的活用によるコスト削減


2.株価終値推移
     8/26  8/27  8/28
ポラテクノ 511円 517円 617円
日本化薬 1,130円 1,148円 1,148円


(ご参考)日化のプレスリリース
https://ssl4.eir-parts.net/doc/4272/tdnet/1747665/00.pdf


<感想>
 本件は、完全子会社化目的の、日本化薬による、約2/3の株式を保有する連結子会社ポラテクノへのTOB。
 非公開化に伴う事務面含めたコスト削減や両社の各部門の一体化による効率的経営の意味は大きいものと思われる。

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# by tsuruichi1024 | 2019-08-29 08:00 | TOB | Comments(0)


【 百田尚樹:今こそ、韓国に謝ろう 】


 先日、『今こそ、韓国に謝ろう そして、「さらば」と言おう』(百田尚樹著、飛鳥新社)を読んだ。
 以下は、「徴用工裁判」部分の一部抜粋。


「徴用工裁判」

 2018年、韓国でいわゆる「徴用工裁判」なるものがありました。これは戦時徴用された朝鮮人が当時の雇用主である日本企業を訴えたもので、韓国の最高裁判所が日本企業に「賠償金を払え」という判決を下しました。

 後述しますが、日本の戦後補償は1965年の「日韓請求権協定」ですべて解決済です。つまり今回の裁判は国際条約で解決したものを蒸し返すという無茶苦茶なものですが、実はもっと驚くべきことは、原告の韓国人は徴用工でもなかったのです。彼らは日本企業の募集に応じて自ら応募してきたただの労働者なのです。

 なぜこれが「徴用された裁判」となるのか、まったく意味不明ですが、これを悪くとってはいけません。彼らはもしかしたら漢字が読めないので「徴用」の意味がわからないかもしれません。もちろん日本企業は一円も払う義務はありませんが、彼らを起こるよりも、優しく丁寧に真実を教えてあげるこのが大切です。


<感想>
 まえがきに、『私たちの父祖が良かれと思ってしたことが、彼らにとってはすべて「余計なお節介」だったのです。』とある。
 本書は、余計なお節介をし過ぎたことが完全に裏目に出たことを嫌味的に冒頭の表題にしたもの。国家的には本当に「さらば」と言いたい。

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# by tsuruichi1024 | 2019-08-22 08:00 | 国際情勢 | Comments(0)


【 ユニゾHD:フォートレス・グループによるTOBに賛同 】


 2019/8/16、ユニゾHD(3258)が、HISによる公開買付け(TOB)に対抗した、サッポロ合同会社(フォートレス・グループ)によるTOBに関する「賛同」の意見表明をした。

 以下は、その概要。
https://www.unizo-hd.co.jp/news/file/20190816_4.pdf


< 公開買付価格の妥当性(4,000円は提示された最高値) >(P8)

・買付け価格は妥当であり、買付予定数の上限設定なし

○ 本公開買付価格は、提示のあった複数候補者の中で最高値

○ 当該価格は、当社が助言を受けている株式価値算定機関3社が算定したDCF法による価格レンジ内であり、当社企業価値に照らして妥当な価格

○ 予定買付株数の上限設定がなく、公開買付け後の完全子会社化の手続も全株主にとり 公平かつ強圧的でない



< TOBの概要 >(P2)

当社株式の全てを取得することを目的
⇒ 当社をサッポロ合同会社の完全子会社とする取引を実施

○公開買付者: サッポロ合同会社(フォートレス・グループ)

○ 買付予定数
下限: 22,813,500株(66.67%) 、上限: 全株(100%)
⇒ 応募株券等の総数が買付予定数の下限以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行う

○ 買付け等の価格
普通株式1株につき、4,000円

○ 買付け等の期間
2019年8月19日~2019年10月1日(30営業日)

○ 決済開始日
2019年10月8日


< フォートレス・グループ >(P3)
公開買付者・サッポロ合同会社を設立

フォートレス・グループについて
○ 世界最大規模の不動産投資ファンドの運営会社
・14カ国の拠点に約480名の不動産投資プロフェッショナル

○ 多様なファンドを組成、グローバルで総額約1,000億米ドルの不動産及び不動産関連企業へ投資

○ 日本においても約50名のプロフェッショナルにより、5本の日本特化型投資ファンドを運用

・コミットメントベースの出資額は合計約5,300億円
・累計投資・運営物件数は約1,400件、ビジネスホテル・マイステイズも

・本公開買付け資金はフォートレス・グループより調達

○ 本公開買付けの資金調達
・自己資金 1,375億円(うちエクイティ性資金 375億円、ブリッジ資金 1,000億円)


< 特別委員会の答申内容 >(P5)
1.本取引の目的は正当であること
2.手続は公正であると認められること
3.当社の株主に交付される対価は妥当であると認められること
4.当社の少数株主にとって不利益ではないと認められること

から、本取引は当社の企業価値向上・株主共通の利益に資すると考える


< 株価終値推移 >
 7/9 1,990円、7/10 2,390円(ストップ高)、7/11 2,890円(同)
 7/12 3,115円、7/16 3,500円、8/7 3,710円
 8/15 3,600円、8/16 4,165円、8/20 4,305円


<感想>
 本件は、HISの(敵対的)TOBに対抗するために、複数の条件提示の中からフォートレス・グループによる非公開化目的のTOBに賛同したもの。
 株価はTOB価格を上回っているため、本件が成就するかは現状不透明であるが、HISのTOBを阻止するという目的は達成できたものと思われる。

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# by tsuruichi1024 | 2019-08-21 08:00 | TOB | Comments(0)


【 データが示す「Summer of Fear (恐怖の夏)」 】


 2019/8/14の日経新聞に、『[FT]データが示す「恐怖の夏」 世界景気に収縮の予兆 』の記事が掲載された。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48494050T10C19A8TCR000/

 以下はその概要。


< 先週の市場の乱高下 >
・表向き:米中貿易摩擦が全面的な通貨戦争に発展したことがきっかけ

・本質的な原因:米連邦準備理事会(FRB)が7月に実施した利下げの理由が、将来の景気減速に対する「保険」だということに、世間が納得しなかったから

⇒ 米国、スペイン、イタリア、フランス、ドイツの購買担当者景気指数の低迷に企業の倒産件数の増加、米国のレイオフ(一時解雇)急増まで、今やいくつもの指標が示しているように、世界的な景気下降局面はすでに始まっている


< 為替調査会社AGビセット・アソシエーツのウルフ・リンダール最高経営責任者(CEO)>
・「恐怖の夏」を迎えようとしている

⇒ 2018年1月から長期平均に回帰し始めたダウ平均が、10年続く弱気相場に発展するとみている


< 過去のデータ >
・ダウ平均が現在のようにトレンドライン(傾向線)から130%以上乖離した時期は、1906年以降、20カ月間しかない

・大恐慌が起きた29年、ITバブル崩壊前の99年、そして2018年近辺に集中

⇒「米国株は過去150年間で2番目の高値をつけている」とリンダール氏は言う。「株価が下がるのは必然だ」


< なぜ暴落がまだ起きていないか >
・実際、不安を募らせている市場参加者は大勢いる。マイナス利回りの債券が全世界に14兆ドル相当も存在することが何よりの証拠

・大損に対するヘッジとして少しだけ損をする「安心感」にお金を払う意思がある人がこれほど多ければ、世界がかなりおかしい状態にあることは明白

・より急激で持続的な調整がなぜまだ起きていないのか。先週まで、市場があえて3つの事象について目をつぶってきたため


1.米中間の貿易協定は成立しない
・両国とも協定を切実に必要としているが、中国は対等な立場でなければ取引には応じない。ただ、トランプ米大統領は心理的にこれを受け入れられない。過去の経歴をみると、トランプ氏は相手を一方的に倒せたと感じられる欲求を求め続けてきた。株価が下がるにつれて、この負けを認めない病的心理の傾向は激しくなる一方だろう。

・大統領の予測不能な行動の結果、株価が下げるたびに買いに回るアルゴリズム売買プログラムによっていくばくか覆い隠されてきた。そのため、市場が持続不能であることを示す現状に対する継続的なシグナルがかき消されてしまった。


2.トランプ氏が中国を「為替操作国」に指定した後、中国は元安を容認
・これにより、米大統領がフェアに戦わずに強硬策に出ようとした場合、中国は米国市場を打ち倒し、どんな痛みをも受け入れる覚悟があることを示した。誰もが無視しがたい新しい現実だ。

・新興国が覇権国に挑戦するとき、折り合えずに戦争が起きる「トゥキディデスの罠(わな)」が現実に起きているのだ。米国の外交政策は20年の大統領選挙後に大きな変化があるどころの情勢ではない(なお、民主党の有力大統領候補は誰も対中政策をはっきり示していない)。米国と中国は現在、今後数十年続き、世界の経済と政治を塗り替える冷戦に入っているのだ。


3.FRBの10年来の対策、つまり経済をお金であふれさせて市場を安心させ、正常化を期待する策は失敗
・そして次善策は存在しない。だからこそ、金の需要が旺盛になっている。一部のヘッジファンドが現金化への防衛策を備え始め、利回りが大幅なマイナス領域に入っている投資適格債をトレーダーが空売りして、過去10年間の米国株・米ドルへの資金流入が今にも反転しようとしているのもこれが要因だ。リンダール氏は、米ドルは今、ユーロに対して25%過大評価されていると考えている。

・FRBは間違いなく、追加利下げによってこうした状況を取り繕おうとするだろう。だが、資産運用会社グラスキン・シェフのストラテジストのデービッド・ローゼンバーグ氏が指摘するように、「米国の民間部門は大量の債務で窒息寸前で、信用コストを引き下げても、需要の反応は大して起きないだろう」。

・緩和策は当時もうまくいかなかったし、現在もうまくいかないだろう。債務の問題をさらに債務を積み上げて解決はできない。

・設備投資計画は延期され、住宅ローン金利が低いにもかかわらず、中古住宅の販売が減少している。グラスキン・シェフが指摘しているように、米国の消費者がクレジットカードの借入残高と自動車燃料の使用の両方を減らしている。この2つの支出の削減はどんな時期であっても珍しく、ましてや休暇シーズンの最中には、めったにないことだ。まさしく恐怖の夏だ。(12日付)


<感想>
 今後の世界経済がどちらの方向に向かうのか。
 私も、FTのグローバル・ビジネス・コメンテーターのラナ・フォルーハーの言う、恐怖の夏が(来て欲しくはないが)来つつあるように思う。

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# by tsuruichi1024 | 2019-08-20 08:00 | トランプ | Comments(0)


【 ココカラファイン:マツモトキヨシHDとの経営統合 】


 2019/8/14(12時05分)、ココカラファイン(3098、「CF」)が、「マツモトキヨシホールディングス(3088、「MKHD」)との経営統合の協議開始についてのお知らせ」を発表した。
https://corp.cocokarafine.co.jp/news/pdf/20190814_TD01.pdf

 以下はその概要。


1.背景
(1)2019/6/1
 スギHD(7649)との経営統合に関する検討及び協議開始のお知らせ」及び「(開示事項の経過)株式会社MKHDとの資本業務提携に関する検討及び協議開始のお知らせ」公表
⇒ 各社との資本業務提携又は経営統合に関する検討及び協議を行ってきた

(2)6/10
「特別委員会の設置に関するお知らせ」公表
⇒ 判断過程の客観性と公平性を確保し、当社の恣意性を排除するために、特別委員会において、MKHD及びスギHDのそれぞれの提案について、総合的に検討

(3)8/7
 特別委員会による検討結果の報告を受た

 最終的に、上述の特別委員会の報告内容も踏まえ、以下のとおり検討及び確認を行い、当社の中長期的な企業価値及び当社株主の利益を向上させる観点から、MKHDとの経営統合に向けた協議を開始することを決定

1)当社の具体的な経営課題を克服する解決方法として、当社のみで実現することは容易ではな
く、他社と統合することが適切であること

2)MKHDとの統合により、店舗作業の効率性やプライベートブランド商品の開発などについて、大きなシナジー効果が生じる可能性があり、それらのシナジー効果をより効果的に発現させることにより、当社株主が保有する株式の価値が最大化する可能性があること

3)当社の中長期的な企業価値及び当社株主の利益の向上に資すること、また、経営統合を現時点で実施することについての合理的な理由も存在すること


2.今後の予定 
 当社とMKHDとの間の今後の協議に係る日程については、今後両社で検討し、決定し次第詳細をお知らせする
 可及的速やかにMKHDに対して独占交渉権を付与する予定
 MKHDとの基本合意を締結し、両社協議のうえ最終契約を締結する意向


3.株価終値推移
    8/13 8/14 8/15 8/16
MKHD 3,650 3,570 3,525 3,555
CF   5,950 6,030 5,550 5,430
スギHD 5,170 5,390 5,320 5,440


<感想>
 本件は、特別委員会による検討結果も踏まえて、CFが経営統合の相手をスギHDではなく、MKHDを選択した事例。
 この数日の株価の動きを見る限り、本件は、MKHDにはスクエアー、CFにはネガテイブ、スギHDにはポジティブとの評価か。
 独占禁止法上の問題がなければ、今後、スギHDを含めた統合の可能性も否定できないようにも思われる。

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# by tsuruichi1024 | 2019-08-18 08:00 | 資本業務提携 | Comments(0)


【 ステムリム上場:初値は930円 】


 2019/8/9、ステムリム(4599)が東証マザーズに上場した。
 以下は、2019/8/9の日経電子版の記事から。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48427120Z00C19A8000000/


1.ステムリムの冨田会長「調達不調でも計画達成できる」

初値:930円(公募・売り出し価格▲7%)
終値:951円
⇒ 時価総額は498億円(会社側が当初の仮条件で想定していた平均発行価格で計算した時価総額は約1500億円)

──当初想定していた株価や時価総額を大幅に下回りました。どう評価しますか。
冨田会長「投資家の評価は受け入れざるを得ない。ここから出発する。現時点で(バイオベンチャーの企業価値を評価する)公式に当てはめるとこうした数字になったということだ。ただ、公募価格を決める際の機関投資家からの評価は、当社が持つ可能性について否定的なものはなかった。再生誘導医薬のリーディングカンパニーとして地歩を固めるために、調達した資金で事業を進める」

──仮条件を大幅に下げた理由を教えて下さい。
岡島正恒社長「日本のバイオベンチャー、特に赤字段階で投資できる機関投資家の層が薄かった。機関投資家に一定額を買ってもらわなければならないという状況もあり、株式公開のプロセスも含めて厳しかったと実感している」

──仮条件段階での価格レンジはどのような経緯で設定したのですか。
冨田氏「当社側と証券会社側、双方(が妥当だと思う水準)だ」

──冨田氏は保有株の売り出しをやめました。
「理由は単純だ。(公開価格を)引き下げた形での仮条件が決まった。中期経営計画の達成に向けて会社が調達する金額が減ってしまいそうなので、会社が売り出す株に振り替えた。今後の売却については現時点では特に考えていない」
「当初200億円以上を調達するはずだったが3分の1になった。それでも知恵を使えば中期計画は達成できる。私も70歳でどれだけ役立つか分からないが、死ぬまでという気持ちでお手伝いする」


2.株価終値(安値〜高値)推移
8/ 9 951円(900円〜1,010円)
8/13 985円(961円〜1,055円)


<感想>
 赤字のバイオベンチャー企業のIPOに対する、機関投資家の層の薄さが仮条件の大幅な引き下げに繋がった。
 上場後の株価は、IPO価格の1,000円を挟んだ値動きになっており、妥当な設定だったと思われる。
 同じ証券会社に勤務していた岡島COOの活躍に期待したい。

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# by tsuruichi1024 | 2019-08-14 08:00 | IPO | Comments(1)


【 SANKYO:自己株式TOB 】


 2019/8/6、SANKYO(6417)が、「自己株式の取得及び自己株式の公開買付け(TOB)に関するお知らせ」を発表した。
https://www.sankyo-fever.co.jp/corporate/modify/tool/03/press20190806.pdf?r=corp_info

 以下は、その時系列等の概要。


1.2018年10月下旬
・更なる株主還元及び資本効率の向上を目的として自己株式の取得について検討を開始

・当社株式を自己株式として取得すること

(1)当社の1株当たり当期純利益(EPS)の向上
(2)自己資本当期純利益率(ROE)など資本効率の向上に寄与
(3)株主に対する利益還元に繋がること

⇒ 大株主が所有する当社株式を取得するのであれば、流動性を損ねることなく比較的短期間に相当規模の自己株式を取得できると判断

・当社株式を28,346,000株(所有割合34.92%、除自己株式)所有し当社の主要株主/筆頭株主の*マーフコーポレーション(「マーフC」)に対して、その所有する当社株式の一部の当社への売却を打診

⇒ マーフCより当社株式を売却の可否について検討する旨の回答を得た

*毒島秀行代表取締役会長が議決権の100%を所有する資産管理会社


2.2019年1月中旬
・マーフCに対して、市場価格より一定のディスカウントを行った価格でTOBを実施した場合の応募可否について打診


3.2019年6月下旬
・2,000万株程度での応募を前向きに検討する旨の回答あり


4.2019年7月
・中旬:TOBの具体的な条件についてマーフCと協議

・下旬:短期的な価格変動の影響を受けず、かつ直近の業績が十分に織り込まれていると考えられることから、TOBの実施を決定する取締役会決議日の前営業日(2019年8月5日)までの過去1 ヶ月間の東証終値の単純平均値を基準として 10%程度ディスカウントした価格でのTOBの実施についてマーフCに提案

⇒ マーフCは、その所有する株式の一部である2,000万株(所有割合 24.64%)をTOBに応募する意向を表明


5.2019年8月6日
・取締役会で以下内容を決議
(1)自己株式の取得を行うこと
(2)その具体的な取得方法としてTOBを実施すること
(3)TOB価格を前営業日(2019年8月5日)までの過去1ヶ月間の東証終値の単純平均値3,807 円に対して 10.01%のディスカウント価格3,426円とすること


6.株価終値推移
 8/5 3,655円、8/6 3,630円、8/7 3,630円
 8/8 3,600円、8/9 3,600円


<感想>
 オーナー株式の出口戦略を、本件のように「自己株式TOB(⇒自社独自路線の継続)」で行くのか、「ファンケル⇒キリンHD」や「ぐるなび⇒楽天」宛て売却による資本業務提携で行くのか。
 オーナー/会社の戦略次第で、その後の方向性が異なることが理解できる。

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# by tsuruichi1024 | 2019-08-12 08:00 | 自己株式TOB | Comments(0)


【 野村ホールディングス:野村総研TOBへの応募で特別利益を計上 】


 2019/7/30、野村ホールディングス(8604「野村HD」)が。「野村総合研究所(4307「野村総研」)による自己株式の公開買付け(TOB)への応募結果および特別利益の計上に関するお知らせ」を発表した。
https://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/holdings/20190730/20190730.pdf

 以下はその概要。


1. TOBに応募した所有株式数
(1) TOB前の所有株式数
275,832,810株(野村ファシリティーズを通じて保有する株式67,518,000株を含む。発行済株式総数に対する保有割合36.59%)

(2) TOBへの応募株式数
101,910,700株 (同13.52%)

(3) TOBの売却株式数
101,889,300株 (同13.52%)

(4) TOB成立後の所有株式数
173,943,510株(同23.08%)


2. 本公開買付け等の日程
(1) 公開買付期間
2019年7月1日~2019年7月29日

(2) 決済の開始日(予定)
2019年8月21日


3. 売却価格および売却株式数
 TOB価格:1,570円
 売却株式数:101,889,300株
 売却総額:159,966,201,000円


4. 今後の見通し
(1)2020年3月期の個別財務諸表において、関係会社株式売却益に約1,510億円を特別利益として計上する見込み
(2)また、連結財務諸表上は2020年3月期第2四半期に約730億円が税引前四半期純利益に計上される見込み
(3)なお、 TOB後においても、野村総合研究所は継続して当社の持分法適用関連会社


5. 2019年6月18日付ニュースリリース「野村総研による自己株式の公開買付けへの応募に関するお知らせ」
リリース「株式会社野村総合研究所による自己株式の公開買付
https://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/holdings/20190618/20190618.pdf

< 本公開買付けへの応募の理由 >
(1)当社は野村総研との最適な資本関係について検討する中で、当社が保有する野村総研株式の一部売却の意向について野村総研と協議した結果、野村総研よりTOBへの応募について打診を受けた

(2)その後、野村総研より打診を受けたTOBの内容について検討した結果、TOBへ応募することを決定

(3)なお、TOBへの応募による野村総研株式の売却によって得られた資金は 、企業価値向上のために、株主還元や事業成長投資に活用する予定

⇒ 信託方式による市場買付(〜2019/7/31)は現状ゼロ
https://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/holdings/20190801/20190801.pdf

< 2019/6/18開催の取締役会における決議内容 >
 期間:2019/6/19~2020/3/31 (ただし、当社の各四半期決算発表日の翌営業日より10営業日の間は取得を行わない)
 取得総数:3億株(上限)(発行済株式総数の8.6%)
 取得総額:1,500億円(上限)
 取得方法:信託方式による市場買付 (信託契約の締結の時期およびその内容(買付開始時期含む)その他本件自己株式取得に関して必要な事項については、代表執行役または財務統括責任者に一任する)

 6/19〜7/31の株価推移:342〜382円
⇒ 信託契約で、自己株式取得の下限株価(例えば[340]円以下)を設定している可能性あり


<感想>
 本件は、野村證券と野村総研の「不適切な情報伝達事案」を契機とする、資本関係の見直しの一環としてTOBを実施したもの。
https://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/holdings/20190524/20190524.pdf
 証券会社グループとしての責任の取り方としてはやむを得ない事例であるものと思われる。

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# by tsuruichi1024 | 2019-08-11 08:00 | 自己株式TOB | Comments(0)


【 メディパルホールディングス:自己株式TOB 】

 2019/7/31、メディパルホールディングス(7459)は、自己株式の公開買付け(TOB)を発表した。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7459/tdnet/1737171/00.pdf

 以下は時系列の概要等。


1.2019年6月上旬
 筆頭株主である武田薬品工業(「武田薬品」)より、保有する当社株式※の売却意向の連絡あり

※直接保有11,400,269株+取引先持株会117,548株=11,517,817株(保有割合:5.18%。除自己株式)

(1)一時的にまとまった数量の株式が市場に放出された場合の当社株式の流動性
(2)市場株価に与える影響
(3)株主還元政策の一環として自己株式の取得による資本効率の向上
(4)株主への利益還元
⇒当該株式を自己株式として取得するか否か及びその取得方法についての検討開始

< その結果 >
 当該株式を自己株式として取得すること
⇒ 1株当たり当期純利益(EPS)や自己資本当期純利益率(ROE)等の資本効率の向上に寄与
⇒ 株主に対する利益還元に繋がる

< 自己株式の具体的な取得方法 >
 株主間の平等性及び 取引の透明性の観点から十分に検討を重ねた結果、TOB手法が適切であると判断

< TOB価格 >
 TOBに応募せずに当社株式を保有し続ける株主の利益を尊重する観点から、当社の資産の社外流出を極力抑えるべく、市場価格より一定のディスカウントを行った価格で買い付けることが望ましいと判断


2.2019年6月中旬
 武田薬品に対し、ディスカウントを行った価格でTOBを実施した場合の応募について初期的な打診を実施


3.2019年7月上旬
 武田薬品より、その応募について検討する旨の回答あり


4.2019年7月30日
 TOB決議日(取締役会の開催日)7月31日の前営業日(7月30日)の終値2,345円に対して4%程度のディスカウント価格をTOB価格とすることを武田薬品に提案

⇒ 武田薬品より直接保有株式をTOBに応募する旨の回答(取引先持株会を通じて保有する株式も売却意向あり。具体的な時期や方法は未定)あり


5.2019年7月31日決議概要
(1)上限株式:12,500,000株(武田薬品以外の株主にも応募の機会を提供するため)

(2)TOB価格:前営業日7月30日の終値2,345円に対して4.01%のディスカウント価格2,251円とすること


6.その他
(1)TOB資金:借入れ250億円+自己資金約31億円

(2取得した自己株式の処分等の方法は現時点では未定

(3)株価終値推移
 7/30 2,345円、7/31 2,324円、8/1 2,376円
 8/2 2,332円、8/5 2,272円、8/8 2,261円


<感想>
 本件は、武田薬品の保有するメディパルHD株式の売りを自己株式TOBで受けるもの。
 武田薬品のシャイヤー買収に伴う多額の借入の返済の一部に充当するもの。
 武田薬品は3月にも大阪本社ビルを含む21の資産を*米グリーンオークに約500億円で売却しているが、3月末の有利子負債4.3兆円に比べると余りにも少額のように思えてならない。
*
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40565880Y9A120C1DTA000/

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# by tsuruichi1024 | 2019-08-09 08:00 | 自己株式TOB | Comments(0)


【 キリン・ファンケル:資本業務提携 】


 2019/8/6、キリンホールディングス(2503)とファンケル(4921)の資本業務提携(~社会課題の解決を通じて持続的な成長を目指す~)が発表された。 
https://www.fancl.jp/news/pdf/20190806_kaikensiryou_kirinoyobifanclniyorusihongyoumuteikei.pdf

 以下は、その概要。


< 資本業務提携の概要 >
・キリンホールディングス(以下キリン)とファンケルは、資本業務提携契約を締結
・キリンはファンケルの株式を、ファンケル創業者である池森氏、その親族および資産管理会社等から譲り受ける
・株式の取得総額は1,293億円、議決権割合は33.0%となる。
・株式取得予定日は、2019年9月6日(予定)
・ファンケルはキリンの持分法適用会社となる予定


< シナジー創出領域 >
・両社の「ブランド力」、「研究開発力」、「販売力」を活かす


< 池森会長コメント >
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48294430W9A800C1TJ1000/

 「今年82歳の私が判断できるうちに、将来を託せる企業に譲った方が良いという結論になった。キリンならファンケルの独立性を維持しながら社員を大切にしてくれる。買値を競わせるような売り方をせず、1社に絞り話し合いを続けてきた。(キリンの磯崎社長は)申し出を喜んで受け入れてくれた」


< 株価終値推移 >
       8/6   8/7
キリン   2,377円 2,258.5円(▲5.0%)
ファンケル 2,425円 2,494円(+2.9%)


<感想>
 本件は、ファンケル・オーナー株式をキリンに承継するもの。
 オーナー一族が事業承継をしない場合、斯種の資本業務提携絡みの株式売却はあり得るオプションとなるであろう。

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# by tsuruichi1024 | 2019-08-08 08:00 | 資本業務提携 | Comments(0)


【 エスティック:自己株式TOB発表後の株価推移 】


 以下内容の質問があったため、私見をお伝えしました。ご参考まで。
http://tsuru1.blog.fc2.com/blog-entry-704.html


< 株価終値推移 >
7/26 5,800円、7/29 6,740円
7/30 6,630円、7/31 6,500円
8/ 1 6,280円、8/ 2 5,910円


[ 質問 ]
このIR発表後、1Qにて良い数字であったのにも関わらず株価がふるいません。
合意したもののTOB価格に不満のある弘鈴興産が市場の中で売却している可能性はあるのでしょうか?


[ 私見 ]
1.オーナーの資産管理会社である弘鈴興産がTOBに応募する旨開示されているため、TOB価格に不満があったとは思えません。

2.また、弘鈴興産がTOB期間中に保有株式を市場売却することは、大量保有変更報告書で開示内容とは違う手法を取った(=虚偽の開示をした)ことが後日判明するため、考え難いです。

3.なお、TOB公表の翌営業日(7/29)に株価が急騰(終値6,740円、+940円)したのは、ディスカウントTOB価格での自己株式取得に伴う会社側メリット(=資本効率の改善等)が(瞬間的に)過大評価されたもので、

4.8/2終値5,910円(PER12.9倍、PBR2.7倍)という水準に株価も落ち着きつつある、

ように思われます。


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# by tsuruichi1024 | 2019-08-05 08:00 | 自己株式TOB | Comments(0)


【 ステムリム:IPO価格決定 】


 2019/8/1、ステムリム(4599)のIPOの発行・売出が仮条件(1000〜1700円)の下限1000円で決定した。


1.発行・売出価格決定の経緯
< 仮条件 >
当初:2370〜3730円(平均3050円)
修正後:1000〜1700円(同1350円)

< 発行・売出価格決定 >
1000円(修正後仮条件の下限)


2.冨田会長CEOコメント
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48064810R00C19A8000000/

「米国など海外に比べて、日本は赤字のバイオベンチャーに投資できる機関投資家の層が非常に薄い。目標とする金額に届かなかった」

< 冨田憲介最高経営責任者(CEO) >
これまでに東証マザーズ上場の新興バイオ企業、アンジェスエムジー(現アンジェス)とオンコセラピー・サイエンスの社長を務めた


3.大阪大学玉井克人教授
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48058380R00C19A8DTB000/
大阪大学の玉井克人寄付講座教授の研究成果をもとに「再生誘導医薬」という独自の治療薬を開発

< 目論見書 >
上位株主2人の所有割合(除自己株式)
玉井克人(大阪府)19.78%(含む新株予約権1.7%)
玉井桂子(青森県)10.17%


<感想>
 本件は、IPO仮条件を大幅に引き下げ後、発行・売出価格が引き下げ後の下限で決まった事例。
 8月9日上場日の値動きに注目したい。

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# by tsuruichi1024 | 2019-08-03 08:00 | IPO | Comments(0)


【 ステムリム:IPO仮条件の引き下げ 】



 2019/7/24、ステムリム(4599)のIPO仮条件が大幅に引き下げされた。
 以下は有価証券届出書の訂正届出書等より。


1.訂正理由
(1)仮条件
 2370〜3730円(平均3050円)
 ⇒1000〜1700円(同1350円)

(2)公募株数
 600万株⇒810万株

(3)売出株数(OA除く)
 240万株⇒30万株
 (冨田会長:210万株⇒ゼロ)

(4)OA(オーバーアロットメント)
 126万株(変更なし):(810+30)万株×15%
 (貸株人は冨田会長)


2.日経記事より
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL25H8T_V20C19A7000000/

 8月9日に東証マザーズ市場に上場する大阪大学発のバイオベンチャーのステムリム(4599*J)が24日、発行価格の仮条件を当初想定よりも大きく引き下げた。結果として、新規株式公開(IPO)による手取り額は計画よりも約4割減る見通しだ。投資家の需要が計画に届かなかったことが条件変更の理由だが、背景には新薬開発や商品化動向が見通しづらいバイオ株の企業価値評価の難しさがある。

 ステムリムは24日、日経QUICKニュース社の取材に対し、今回の想定価格変更の理由について「機関投資家などへの調査の結果、需要が想定を下回った」(経営管理部)と答えた。


<感想>
 本件は、IPO仮条件を大幅に引き下げた事例。
 記事によれば、2000年以降のIPO事例では、03年3月にジャスダック市場に上場したサン・ジャパン(当時)の30.8%以来の低さという。
 主幹事証券と会社の落とし所を探るやり取りがとても気になる。

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# by tsuruichi1024 | 2019-07-31 08:00 | IPO | Comments(0)


【 エスティック:自己株式公開買付け(TOB) 】


 2019/7/26、エスティック(6161)が自己株式公開買付け(TOB)を発表した。
http://www.estic.co.jp/ir/release/prs20190726.pdf

 以下はその概要等。


1.TOBに至る経緯

< 目的 >
 筆頭株主の*弘鈴興産(保有株式数44万株(保有割合:16.18%))より、保有する当社普通株式の一部を売却する意向がある旨の連絡を受けたことから、当該株式の取得を目的とするTOBを実施

*弘鈴興産:当社代表取締役社長/創業者の鈴木弘氏、 鈴木弘氏の実子/当社取締役の鈴木弘英氏の2名がその株式の全てを保有する資産管理会社(鈴木弘英氏が代表取締役)

< 経緯 >
2019年5月中旬
 弘鈴興産より、24万株(8.83%「売却意向株式」)の売却意向がある旨の連絡を受ける

5月下旬
 1)一時的にまとまった数量の株式が市場に放出された場合における当社普通株式の流動性及び市場株価への影響、2)当社の財務状況等に鑑みて、当該株式を自己株式としての取得の具体的検討を開始

6月上旬
 当社が売却意向株式を取得することは、1)当社普通株式の需給関係の一時的な悪化の回避の期待、2)当社の1株当たり当期純利益(EPS)の向上や自己資本利益率(ROE)などの資本効率の向上に寄与し、株主の皆様に対する利益還元に繋がることになると判断

7/25
 弘鈴興産に対して、一定のディスカウントを行った価格で当社がTOBを実施した場合の応募について打診したところ、前向きに検討する旨の回答を得られた
 1)下記条件にて売却意向株式をTOBに応募する旨
 2)TOBに応募しない当社普通株式20万株(7.36%)はTOB後も継続保有

7/26
 TOBの取締役決議


< 全額を自己資金により充当予定 >
 1)2019/6/20現在における当社の連結ベースの手元流動性(現金及び預金)は約1,481百万円であり、 2)かかる売却意向株式の取得を行った場合においても当社の手元流動性は十分確保でき、3)さらに当社の事業から生み出されるキャッシュ・フローの積み上げにより、当社の財務健全性及び安全性は今後も維持できる


< 具体的な取得方法 >
 1)株主間の平等性、2)取引の透明性の観点から十分に検討を重ねた結果、TOBの手法が適切であると判断


< TOB価格の決定 >
 1)市場価格を重視すべきであると考え、2)TOBに応募せずに当社普通株式を保有し続ける株主の利益を尊重する観点から、3)資産の社外流出を可能な限り抑えるべく、市場価格から一定のディスカウントを行った価格で買付けることが望ましいと判断


< ディスカウント率 >
 1)取締役会決議日の前営業日(2019/7/25)の終値は採用せず、また、短期的な株価変動に左右されず、より直近の業績が十分に株価に反映されていることが望ましいと考え、2)同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値ではなく、3)同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値から10%程度ディスカウントした金額をTOB価格とすることを弘鈴興産に提案


< 買付予定数の上限 >
 弘鈴興産以外の株主にも応募の機会を提供するという観点から、26万株(9.56%)を上限とした


< 利益相反の回避 >
 代表取締役社長鈴木弘氏及び当社取締役鈴木弘英氏は、TOBに関して特別利害関係を有することに鑑み、利益相反を回避し、取引の公正性を高める観点から、TOBの諸条件に関する協議・交渉には当社の立場からは参加しておらず、取締役会における審議及び決議にも参加していない


< 自己株式の処分等の方針 >
 現時点では未定


2.買付け等の概要
(1)日程等
 総数:260,100株(上限)
 金額:約13.5億円(上限)
 期間:
2019/7/29〜20198/26(20営業日)
 TOB価格:5,178円/株
 算定根拠:1)前営業日(7月25日)の終値5,860 円を、2)過去1ヶ月間の終値の単純平均値5,917円、 3)過去3ヶ月間の終値の単純平均値5,754円を参考にして、3)5,754円から一定のディスカウント(10%)を行った


3.株価終値推移

7/25 5,860円、7/26 5,800円
7/29 6,740円


4.受取配当金の益金不算入制度
https://www.eyjapan.jp/library/issue/info-sensor/pdf/info-sensor-2015-07-07.pdf

 持株割合が5%超1/3以下の場合:「受取配当金の50%」の益金が不算入


<感想>
 本件は、オーナー一族の資産管理会社の株式売却を自己株式TOBで受ける事例。
 ソフトバンクグループ同様、受取配当金の益金不算入制度を活用した斯種の事例は、税効果を含めた手取額最大化の観点から今後も継続することは間違いない。

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# by tsuruichi1024 | 2019-07-30 08:00 | 自己株式TOB | Comments(0)


【 森岡剛:苦しかった時の話をしようか 】


 先日、『「苦しかった時の話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」』(森岡剛著、ダイヤモンド社)を読んだ。

 以下はその内容から。


第2章 学校では教えてくれない世界の秘密


 そもそも人間は平等ではない

 「人間は、みんな同じ、平等」だと、小学校から聞いてきたと思う。しかし私が見てきた世界の真実は、明らかに真逆にできている。「人間は、みんな違って、極めて不平等」なのだ。

 経済格差は、原因ではなく、知力の格差がもたらした結果に過ぎない。

 それら先天的な格差に加えて、さらに後天的な格差がその差を増幅する。

 自分のユニークな特徴さえ認識できれば、一人一人が特別な価値を生む可能性があるということに他ならない。

 君がコントロールできる変数は、1)己の特徴の理解と、2)それを磨く努力と、3)環境の選択、最初からこの3つしかないのである。

 君は、他の誰でもない、立派な君になるんだ!


<感想>
 本書は、ビジネスの最前線で生きてきた実務家としての森岡さんならではの視点を、子供の成功を願う父親の執念で書き出したもの。
 「この世界は残酷だ。しかし、それでも君は確かに、自分で選ぶことができる!」がキーワードである本書から学ぶべきことは多い。

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# by tsuruichi1024 | 2019-07-27 08:00 | 読書 | Comments(0)


【 アスクル:ヤフーに対する法律意見書他 】


 2019/7/23、アスクル(2678)が、「ヤフーからの社長退陣要求に関する一連の件に関する法律意見書取得のお知らせ」と「アスクル独立役員会 記者会見実施のお知らせ」をプレスリリースした。

 以下はその内容他。


1.上村達男名誉教授の意見書のポイント
https://pdf.irpocket.com/C2678/GDpy/L1Ke/KWIW.pdf

(1)総論 
 日本では一般に株式を多数有していれば資本の論理により、社長の不再任は免れがたいという思い込みがあるようだが、資本の論理とは出資に対応する財産権の問題であり、株式については利益配当請求権ないしキャピタルゲインの帰属のような問題にはそのまま妥当する。
 しかし、議決権は企業のあり方や企業社会のあり方を左右するいわば企業社会におけるデモクラシー関与権であり、株主がそうした権利を行使するに相応しいとされてきたのは、欧州では株主とは個人や市民であるという強い規範意識の存在を理由とする。
 アメリカは日本と同じかというと、支配株主の忠実義務を始めとする責任論が権利行使と一体である(支配株主は会社ないし少数株主に対する忠実義務を負う)。
 株式を多数有していれば無条件に責任なき支配が貫徹されるわけではない。

(2)プラス(P社)社長及びヤフー(Y社)から派遣された当社常勤取締役及び非常勤取締役の任務懈怠責任

 1)取締役の責務とは、第一義的に法令・定款の遵守であり、会社の事業目的を遂行するた めに尽くすべき義務を負う。

 2)P社社長である当社社外取締役、並びにY 社から派遣された当社常勤取締役及び非常勤取締役の言動はいずれも、当社取締役としての注意義務を怠った(過失がある)という次元ではなく、Y社(ひいてはP社)の立場に立って当社を害する意図、すなわち悪意に基づく言動といえる。彼らは当社取締役として、当社に敵対的な対応をとったのであるから、当社に生じた損害について、損害賠償責任を負う。

(3)ガバナンス・システムの信任を受けた当社社長の再任拒否というY社の行動は、グローバル・スタンダード及び経産省の実務指針を無視するものであること

(4)Y社及びP社は濫用的買収者に準ずる者であること

(5)Y社による一連の行為は業務・資本提携契約に違反すること


2.独立役員会としての意見
https://pdf.irpocket.com/C2678/GDpy/ln8K/nNMa.pdf

< 岩田社長退任の是非 >
 大株主から経営陣に対して業績悪化・低迷への責任を指摘する声があることは重く受け止めるべき。 とはいえ、指名・報酬委員会で次期取締役候補者について議論・決議した後、 株主総会直前に「トップを交代せよ」と言われても現場は混乱するだけ。かえって企業価値にマイナスになる。 本年総会では、指名・報酬委員会の決定した取締役候補者(岩田社長を含む)を選任し、必要であれば、来年に向けた指名・報酬委員会で、Y社の意見も踏まえて十分な時間をかけて議論すべきである。


3.株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え

< 会社法 >
第八百三十条 株主総会若しくは種類株主総会又は創立総会若しくは種類創立総会(「株主総会等」)の決議については、決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。
2 株主総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。

⇒ 法令に違反している訳ではない
⇒ 無効の確認の訴えをすることはできない


4.取締役選任議案(第2号議案) に対する、ヤフーの議決権行使のお知らせ
https://file.swcms.net/file/sw4689/ja/ir/news/auto_20190724475240/pdfFile.pdf

 アスクルの中長期的な企業価値向上、株主共同利益の最大化の観点から、抜本的な変革が必要と判断し、インターネットを用いた方法により議決権を行使
 1)岩田社長の再任に反対
 2)業績低迷の理由である岩田社長を任命した責任など総合的な判断から、独立社外取締役の戸田一 雄氏、宮田秀明氏、斉藤惇氏の再任にも反対

< プラスも同様の議決権を行使 >
https://www.plus.co.jp/sp/news/201907/0003752.html


<感想>
 本件は、大株主のヤフー/プラスからの社長退陣要求に対する会社側の反論他。
 会社側が法律意見書や独立役員会の意見を発表したのは、世論を味方に付ける戦術に見えたが、翌日には両社は独立社外取締役を含めて反対の議決権行使を発表。
 社長と独立社外取締役の退陣は確定し、会社法830条2項の株主総会決議の無効の訴えも不可能。何故、予め、大株主2社との充分な相談がなかったのか。少数株主とアスクル社員への影響が大いに気になる。

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# by tsuruichi1024 | 2019-07-26 08:00 | 取締役 | Comments(0)


【 新海誠監督作品:天気の子 】 


 先日、新海誠監督作品の「天気の子」を見た。
 以下は監督のコメント等。


1.新海誠監督、新作「天気の子」を語る
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO47659440T20C19A7BE0P00/

 天気をキーワードにしたのは「多くの人たちが1日に1度は天気のことを口にし、気持ちや行動さえ変えてしまう」という身近さに加え「天気が変わってきた」という危機感があった。「日本では四季の移ろいを情緒的で美しいものととらえ、僕自身もそれを映画で描いてきた。だが、猛暑、寒波、大雨など気候変動が起きて、天気が攻撃的になってきた感覚が僕自身にはある。その感覚を映画の中に描きたいと思った」


2.雨と言えば「言の葉の庭」(私が一番好きな作品)
https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1369999495

「ずっと単調な雨ばかり降っていてもビジュアル的にも飽きてしまうので、二人の関係性を象徴するようなビジュアルとしての雨を描いて行きたいと思いました。」


3.連続の仕掛け
(1)踏切と階段ですれ違う
「秒速5センチメートル」の貴樹と明里
「君の名は。」の瀧と三葉

(2)声:花澤香菜
「君の名は。」ユキちゃん先生(三葉の通う学校の古典教師):「誰そ彼と われをな問ひそ 九月の 露に濡れつつ 君待つわれそ」(万葉集10巻2240番)
⇒ 黄昏の語源について教えている。

「言の葉の庭」雪野先生(タカオの通う学校の古典教師):「鳴る神の少し響みてさし曇り雨も降らぬか君を留めむ」(万葉集第11巻2513番)
⇒ タカオからの返し歌を待っている。

(3)「君の名は。」⇒「天気の子」
参考ブログ:
https://king06.com/archives/34752

宮水三葉「君、ここで3時間も迷ってたもの。私だったら、すごく嬉しいと思う。きっと大丈夫、喜んでくれますよ!」


4.高校通学時に眺め続けた空
http://shinkaimakoto-ten.com/tokyo/
インタビュー記事(「故郷の表情豊かな風景と東京の淀んだ風景」)より。

・長野県南佐久郡小海町で育つ
・すごく空の表情が豊かな場所
・高校時代、片道40分くらい電車に乗って通学
・行きは東側の窓際に座り、帰りは西側の窓際に座って、朝日と夕日と窓の外に広がる風景を3年間、眺め続けていた


【 感想 】
 長野県の高校時代の通学時、電車から表情豊かな空を眺め続けた3年間。この空が、監督に影響を与え続けているように思われてならない。

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# by tsuruichi1024 | 2019-07-25 08:00 | 新海誠 | Comments(0)


【 高橋洋一:消費増税対策と中東の警護問題 】


 2019/7/22、現代ビジネスに、高橋洋一さんが『参院選、与党勝利で見えた「憲法改正の道筋」と日韓関係のこれから』を掲載した。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66022?page=2

 以下はその内容の一部から。


1.10月からの10%への消費増税に対する世界の著名なエコノミストたちの認識

ポール・クルーグマン(ニューヨーク市立大学、経済学者):「日本経済は消費税10%で完全に終わる」

ローレンス・サマーズ(元米財務長官):「2014年の増税も失敗した。今回も同じだ」

オリヴィエ・ブランシャール(元IMFチーフエコノミスト):「消費増税は無期限延期すべき」

アデア・ターナー(英金融サービス機構元長官):「消費増税を延期し、大幅な財政赤字を出し続けても問題ない」


2.中東「有志連合」はどうすべきか
(1)有志連合への参加、(2)単独警護、(3)静観の三択のうち、とるべき選択肢は(1)か(2)しかあり得ない。これは日本外交の大きな方向性を決定づける決断なので、是非しっかりと議論すべき課題だろう。

 中東問題は、まさに日本のエネルギー安全保障だ。トランプ大統領は、ツイッターで日本と中国を名指しし「ホルムズ海峡は自国で守れ」と言った。早速、中国はこれを奇貨として、自国のタンカーを自国で守るという方向で動いている。日本も同じように動くべきである。必要なら法改正も必要になるので、与野党間で議論すべきだ。

 私見ではあるが、日本がアメリカの同盟国であるとともにイランに対しても歴史的に友好関係があることを考慮すれば、あえて言うと、(1)有志連合への参加ではなく、(2)単独警護のほうが国益にかなうのではないか。


<感想>
 高橋さんは、消費増税後の「全品目を対象とする軽減税率」に備えることも検討しておくべきと説く。
 また、中東警護問題については、法改正も含めた与野党間の真摯な議論を期待している。

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# by tsuruichi1024 | 2019-07-24 08:00 | 安倍政権 | Comments(0)


【 水間政憲:皇室典範の改正 】


 『ひと目でわかる「戦前の昭和天皇と皇室」の真実』(水間政憲著、PHP)より。


皇室典範を改正するとき

 皇室典範を改正する折には、昭和天皇の皇后(香淳皇后)陛下のご親族で「皇籍離脱」させられた久邇宮朝融王の第一男子邦昭様(元親王)には男子二名、朝建様(元親王)には男子一名がご健在で、その他の旧宮家の男系男子がいらっしゃる八家族のなかからも、数家の皇籍復帰が可能なのではないでしょうか。

 また、現宮家の内親王と男系男子がご結構されたときには、現宮家がそのまま存続することも可能になる皇室典範の改正であれば、皇統断絶の不安を払拭できます。なんら躊躇することなく、皇室典範を一気呵成に改正するときなのです。

 GHQの日本弱体化思想を受け継いでいる日本人は、過去の八方十代の女性天皇が「男系男子」の皇統を護るために存在していた事実を歪曲して「女系天皇」を認めさせるための実例のように吹聴していますが、「女性天皇」と「女系天皇」は、まったく次元の違うことなのです。


(*ご参考)
https://blog.goo.ne.jp/mejiyk2429/e/a0480a5015aa07a1a7474f1f7ab5728e


<感想>
 水間さんのブログ(上記*ご参考)によれば、青山繁晴参議院議員の話は水間さんのパクリだという。
 青山さんが代表幹事を務める「日本の尊厳と国益を護る会」とのコラボを期待したいが、すぐには難しそうだ。


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# by tsuruichi1024 | 2019-07-22 08:00 | 天皇論 | Comments(0)


【 レオパレス21:施工不備問題に関する調査報告書 】


 2019/5/29、レオパレス21(8848)が、「外部調査委員会による調査状況の最終報告に関するお知らせ」をプレスリリースした。
https://www.leopalace21.co.jp/ir/news/2019/0529_2819.html

 以下は、その概要。


1.施工不備問題に関する調査報告書
https://www.leopalace21.co.jp/ir/news/2019/pdf/0529_4_2.pdf

(P110)
第 3 編 全体的・本質的な原因・背景

(P111)
第 1 当時の厳しい経営環境の中で、「走りながら考える」との状況の下、経営危機からの脱却と請負建築事業の拡大が最優先されてしまったこと


 「請負建築事業者としての責任は放棄していない。単に後回しにするだけだ。あくまでも経営危機からの脱却を図るまでの一時的な措置にとどまる」といった正当化にすぎず、かかる正当化も、物件の品質問題には多少目をつぶってでも、物件数の早期拡大を優先するという姿勢につながったと思われる。


(P113)
第 2 経営トップの意向ばかりが強く推し進められるワンマン体制に陥っていたこと


 当時のレオパレス21の企業風土からすれば、深山祐助氏自身が、商品開発において法令適合性が確保されることを期待していたとしても、周囲の人間が、同氏の意向に沿うことばかりに汲々とする結果、「早期の商品化のためには、法令適合性が二の次になってもやむを得ない」などという意識を持ってしまったのではないかと考えられる。


(P114)
第 3 建築関係法令に対する遵法意識・リスク感度が低く、品質問題に対する当事者意識も欠如していたこと


 これらの背景にあるのは、小屋裏等界壁問題をシリーズ全体にわたる法令 違反や設計不備の問題として捉えてしまうと、請負建築事業に対する負のインパクトが大きくなりすぎるために、個別の物件レベルでの施工不備の問題へと矮小化してしまおうとする事なかれ意識であり、このことは、レオパレス21の役職員において、請負建築事業 を遂行する上での事業リスクを感知する能力が鈍麻していたことを示している。


(P116)
第 4 編 関係者の責任
第 1 深山祐助氏及び当時の経営陣


 深山祐助氏を除く当時の経営陣については、深山祐助氏と同様、これらの問題について違法行為を指示・命令した事実までは認められないが、同氏をサポートし、必要な検証や 配慮について進言をし、適切な対応が講じられるよう促したり、同氏と共に対応に努めるべきであった。


(P117)
第 2 商品開発担当部署役職員等

 深山祐助氏及び当時の経営陣並びに商品開発担当部署役職員の落ち度が主たる要因であるが、支店の設計担当部署役職員や工事担当部署役職員の中にも、事実でない建築確認申請を行った者、確認申請図と施工図の内容の齟齬を放置した者、工程検査を十分に行わず、施工業者による施工不備を看過した者などがいたことを付言する。


(P117)
第 3 早期発見ができなかったことについての落ち度


 小屋裏等界壁問題については、姫路訴訟や小屋裏等界壁の施工に関する稟議等を通じて、小屋裏等界壁問題の早期発見・対応が可能であったにもかかわらず、歴代の経営陣及び設計・商品開発担当部署の役職員らは、「事なかれ意識」が故に、リスク感知能力が足りず、問題を矮小化し、早期発見・対応を怠った。このことは、界壁発泡ウレタン問題及び外壁仕様問題についても同様であった。


(ご参考:補足資料)
https://www.leopalace21.co.jp/ir/news/2019/pdf/0529_5.pdf


<感想>
 本件は、レオパレス21の施工不備問題に関する調査報告書からの一部抜粋である。
 先般のスペースバリューHDの事例にも通じる部分もあり、今後の役社員の誠意のある対応が期待される。

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# by tsuruichi1024 | 2019-07-20 08:00 | 株主提案 | Comments(0)