2017年 01月 02日
あれっ、東芝がまた巨額損失?
東芝のプレスリリース
以下は、ここ数ヶ月の東芝のプレスリリースの抜粋。
2016/8/12 「Chicago Bridge & Iron社からのWECに対する訴訟について」
ウエスチングハウス(WEC)が買収したCB&Iストーン&ウェブスター社(S&W)の買収に係る買収完了後の価格調整手続きに関して、S&Iの売却元であるCB&I社からWECに対して提訴が提起されている。
想定運転資本額(1,174百万米ドル)と実際の運転資本額との差異に応じて買収価格を調整する手続きが規定されている。
現時点では、約87百万米ドル相当ののれんの計上を想定している。
2016/11/8 「業績予想の修正に関するお知らせ」
2016年度通期(単位:億円)
売上高54,000(+3,000) 営業利益1,800(+600) 当期純利益1,450(+450)
2016/12/5 「CB&I社のWECに対する差止請求の棄却について」
2016/8/12付の提訴が棄却
2016/12/27 8:55 「CB&Iの米国子会社買収に伴う業績影響に関する一部報道について」
現在、S&W社の買収に伴う1000億円単位ののれんの計上や減損テストの実施等につい検討をおこなっており、その結果、減損損失を計上する可能性があります。これに関し、本日開催の取締役会において取得価格配分手続き状況について報告、審議を行う予定であり、取締役会終了後に、開示すべき内容については速やかにお知らせいたします。
2016/12/27 16:00 「CB&Iの米国子会社買収に伴うのれん及び損失計上の可能性について」
取得価格配分期限である12月末間近のこの段階で、のれんが数十億米ドル規模(数千億円規模)にのぼり、当該のれんの一部又は全額減損を実施することで、当社業績への影響を及ぼす可能性が判明したことから、影響額は未確定ではありますが、決算発表の期日を待たずに本日お知らせします。
<まとめ>
11/8時点で業績を上方修正しており、この時点では8/12時点で見積もられていたのれん87百万米ドルを修正していない。
この1ヶ月半で、何故、のれん87百万米ドルが数十億米ドルに増えたのか?
買収自体は2016/1/5に完了(その段階でのれん87百万米ドルの計上を予定)しており、11/8の時点で既に11ヶ月が経過している。
取得価格配分手続で、承継した資産と負債の公正価値を評価する中で、コストの大幅な増加により資産価値が当初の想定を大幅に下回った結果だと言う。
ウエスティングハウス側の資産負債の評価体制や評価後の報告体制に欠陥があったものと思われる。
東芝の連結ベースの体制自体に問題があるとすれば、早期の抜本的な構造改革が必要である。
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元証券マンが「あれっ」と思ったことの
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