2017年 01月 25日
あれっ、同一労働なのに、同一賃金でない?(その3)
同一労働同一賃金(その3)
内閣府から、2016/12/16に「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会 中間報告」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11601000-Shokugyouanteikyoku-Soumuka/0000146064.pdf)が、また、同12/20に「同一労働同一賃金ガイドライン案」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/dai5/siryou3.pdf)が公表された。
<ガイドラインに見る安倍政権の目的・戦略・戦術>
目的 : 新たな第一の矢「希望を生み出す強い経済」という強い大きな目標を掲げ、誰もが活躍できる「一億総活躍社会」を実現し戦後最大の名目GDP600兆円を達成する
戦略 : 高齢者雇用の促進や非正規雇用労働者の賃金改善を通じて賃金総額・可処分所得・消費支出の増大を図る
戦術 : 正規・非正規の不合理な格差を是正すべく、賃金決定や能力と待遇の関連性を明確化したガイドラインを策定する
「ニッポン一億総活躍プラン(平成28年6月2日閣議決定)(P6参照)」
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ichiokusoukatsuyaku/pdf/plan3.pdf#page=16)
<企業法務ナビのレポート>
(https://www.corporate-legal.jp/法務ニュース/訴訟・行政/9622)も踏まえて、「同一労働同一賃金ガイドライン」から一部を抜粋して、特に定年後の継続雇用について考えてみる。
『 2.有期雇用労働者及びパートタイム労働者
(注)無期雇用フルタイム労働者と定年後の継続雇用の有期雇用労働者の間の賃金格差については、実際に両者の間に職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情の違いがある場合は、その違いに応じた賃金差は許容される。なお、定年後の継続雇用について、退職一時金及び企業年金・公的年金の支給、定年後の継続雇用における給与の減額に対応した公的給付がなされていることを勘案することが許容されるか否かについては、今後の法改正の検討過程を含め、検討を行う。 』(太字は筆者)
定年後の継続雇用における年金等の支給を勘案する(=無期雇用フルタイム労働者と賃金格差を設ける)ことが許容されるか等については、今後の法改正に伴って検討すべき項目として、先送りされた。
これら賃金等の処遇は、本来、労使交渉によって決定すべきものであろうが、相当の時間がかかるものと思われるため、政府主導により、企業の立証責任や説明責任を含めた「同一労働同一賃金ガイドライン」を早期に確立する必要があるように思われる。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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