2017年 04月 15日
あれっ、株式交換 or TOBによる子会社化?
【 簡易株式交換・TOBによる子会社化 】
2017/4/12、ヤマダ電機(9831)がベスト電器(8175)を簡易株式交換*により、また、興和が丸栄(8245)をTOB(公開買付)**により、完全子会社化することを発表した。
*http://www.yamada-denki.jp/topics/download.t.pdf/1226
<簡易株式交換>
株式交換完全子会社の株主に交付する株式交換完全親会社の株式の数に1株当たり純資産額を乗じて得た額と株式交換完全親会社の株式等以外の財産の帳簿価額等の合計額が、株式交換完全親会社の純資産額の5分の1(20%)を超えない場合、株主総会決議は不要(796条2項)
**http://blog.s-maruei.com/wp-content/uploads/2017/04/140120170412440138.pdf
なぜ、興和はTOBを選択したのか?
興和は未上場企業のため、丸栄株主にとっては興和株式を受領しても市場売却ができない(株式を非公開にしている興和がそもそも株主を増やしたいと思うはずがない)ため、簡易株式交換の選択肢はなかったものと思われる。
一方、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(Kohlberg Kravis Roberts: KKR)による日本企業の大型買収では、TOB+特別配当が活用された(2016年11月:日産自動車からカルソニックカンセイ株式、2017年1月:日立製作所から日立工機株式を取得)。これは、「受取配当等の益金不算入制度」(株式を保有している子会社、関連会社等から親会社が受け取る配当金の一部又は全部について、親会社の税金計算の対象から除外する(益金不算入))を活用したもの***。
***http://nagafinance.hatenablog.com/entry/2017/02/04/113920
<感想>
売り手、買い手のニーズ、税務メリット等の違いにより、それぞれ最適な手法を選択する必要があることが分かる。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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