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あれっ、「君が代」は敬愛する人の長寿を祈る歌?


「天皇論 平成29年」(小林よしのり著、小学館)より


 以下は、掲題書からの抜粋(その4)


  第3章 わしが「君が代」を歌うようになったわけ


 「君が代」の原歌(もとうた)は、古代にまでさかのぼるが、初見は延喜5(905)年、醍醐天皇の勅命で撰進された『古今和歌集』である。

  わが君は 千代にましませ
  さざれ石の いはほとなりて
  苔のむすまで

 これは『古今和歌集』の賀歌(がのうた)に、「よみ人しらず」で出てくる。賀歌とは長寿を祈る歌だ。

  私の敬愛する人よ、千年も先まで、
  小さな石が巨岩となって、
  さらにその表面を苔が覆うようになるまでの
  永い歳月を、どうか息災でいてください

 ・・・という意味で「わが君」は「天皇」という意味ではない。自分にとっての敬愛すべき相手だ。

 「わが君は」が「君が代は」に、「千代にましませ」は「千代に八千代に」に変化しながら、庶民が個人個人の敬愛する人の長寿を祈って、一千年の永きにわたってこの賀歌を伝えてきたのだ。


 古代から愛誦され、千年以上庶民によって歌い継がれ、日本列島のほとんど全域に拡がっていたこの賀歌を、国歌にしたのは、もちろん明治になってからである。

 イギリス人の軍学長の「国歌を作るべきだ」という助言によって、薩摩藩の砲兵隊長・大山巌が、「その歌詞は古歌から選ぶべきだ」と、自分が愛誦していた「君が代」を選んだという。

 これに曲がつけられて、明治13年、天長節(11月3日)の宮中宴会で、明治天皇の前で正式に奏楽された。

  君が代は 千代に八千代に
  さざれ石の 巌となりて
  苔のむすまで

 このように「君が代」一つとっても、国歌なのに誰からも意味や由来を教わっていないのが、今の子供や若者ばかりか、大人までの現状である。


<感想>

 「君が代」の成り立ちや「君が代」が敬愛する人の長寿を祈った歌である、ということを学校で教える必要があると思う。


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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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by tsuruichi1024 | 2017-04-20 08:00 | 天皇論 | Comments(0)