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あれっ、想定以上に世界経済の重心が移動?


「マッキンゼーが予測する未来 近未来のビジネスは、4つの力に支配されている」(リチャード・ドッブス他著、ダイヤモンド社)

 以下は掲題書からの一部抜粋。
 
 
第Ⅰ部 4つの破壊的な力

  第一章 上海を超えてーー
   ──異次元の都市化のパワー


  世界経済には重心があり、移動し続けてきた

 それまで北西に向かっていた世界経済の重心の移動トレンドが、方向転換する基盤が築かれたのは、第2次大戦の数十年である。20世紀の後半50年の間に、経済の振り子は徐々に東に向かって戻り始めた。1950年代にヨーロッパが復興し、日本が工業を立て直して素晴らしい復興を始めた。そして日本は成長を続け、1980年代の後半までには世界第2の経済規模となった。この日本の成長のすぐ後に続いたのが韓国である。東への振り子の揺り戻しを加速したのは、アジアの眠れる巨人が目を覚ましかけたときである。その後、世界の人口規模最大の2国、中国とインドがついに経済改革を果たし、トレンドの方向転換が確実なものとなった。

 1990年から2010年の間に起きた世界経済の重心位置の移動は、歴史上過去のどの時期と比較しても例のない速さで進んだ。それは、08年のリーマンショックとその結果起こったグローバルな経済停滞の時期も含めて、新興経済地域へ向かう経済活動の移動の勢いが止まらなかったからである。ヨーロッパが不況にもがき、日本が失われた10年から抜け出そうと苦闘し、アメリカが低成長に足を取られている間に、新興国が世界のリーダー役が身につけるマントを拾い、確実に自分のものにしていたのである。2013年の世界経済活動の規模、1兆8千億ドルの中で、中国だけで1兆ドル、すなわち60%を占めていた。今や中国こそが、世界最大の製造工業国なのである。

 中国ばかりではない。インド、インドネシア、ロシアそれにブラジルといった新興諸国が、今や世界の主要な製造工業国となっている。世界の製造業による付加価値は、1990年から今日までに、実質価値で5兆ドルから10兆ドルへと2倍になり、巨大新興諸国による付加価値の占める比率は、過去10年間に21%から39%へと、ほぼ2近くになった。世界の海外直接投資のうち、新興国から、新興国への移行途上にある諸国への直接投資の比率は、07年に34%だったものが10年には50%、そして13年には60%を超えている。
 だが、こうした国々の経済成長はまだ、これから起きる変化の前触れでしかない。現在から2025年までの間に、こうした地域を総合すると先進工業国よりも成長率は75%高く、新興国の年間消費額は30兆ドルに達し、世界経済合計消費額のほぼ半分を占めるまでに増加する。そして25年までに世界経済の重心は中央アジアに戻り、西暦1年に存在していた重心の位置の、ちょうど真北位置になると予測されている。
 この変化に加わる力のスピードと規模は、まさに驚嘆に値する。イギリスが人口1人当たりの生産量を2倍にするのには154年かかったのだが、それは人口900万人(開始当時)の規模だった時代のことである。アメリカが同じ偉業を達成するには53年かかり、人口1千万人(開始当時)の時代であった。ところが、それと同じことを中国とインドは、それぞれ12年と16年で達成し、しかもそれぞれの国がおよそ100倍の人口を抱えて達成したのである。
言い換えれば、両国の経済規模の拡大は、イギリスの産業革命がきっかけとなった経済発展のスピードよりも10倍に加速され、しかもその規模は300倍で、経済発展の力は実に3000倍ということになる。

 私たちの入手した画像を、意味合いを含む文章に変換してくれる神経中枢が、入ってくるデータを知的に処理できるように、私たちの身にしみついた直観力をリセットする必要があるのだ。私たちが撮る都市の映像は、表面上の姿だけでなく、その下に潜むダイナミズムを把握し、さまざまな機会の持つ輝きをハイライトし、一方で存在するリスクの持つきらめきをトーンダウンしなければならない。いちばん大事なことは、そうした私たちの撮る画像が、現実世界の前向きの動きを投影できていなくてはならないことだ。

<感想>
 中国のような新興市場や都市への、経済活動とダイナミズムの重心となる場所の移動が、想定以上のスピードで進行していることをしっかり把握することから始めなければなるまい。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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by tsuruichi1024 | 2017-05-22 08:00 | マッキンゼー | Comments(0)