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あれっ、想定以上の高齢化トレンドに適応?


「マッキンゼーが予測する未来 近未来のビジネスは、4つの力に支配されている」(リチャード・ドッブス他著、ダイヤモンド社)


 以下は掲題書からの一部抜粋。
 

 
第1部 4つの破壊的な力


第3章 年齢を重ねる意味が変わる
    ──地球規模の高齢社会の課題に対処する


  アフリカ以外のすべての国が高齢社会に突入する日


 複数のトレンドが組み合わさった結果、世界人口はもうすぐ転換点を迎えようとしている。今後何十年かのうちのどこかで、アフリカを唯一の例外として、世界中の大多数の国の人口カーブが、近代史の流れにおいてはじめて横ばいになる。世界中で幅広い年齢帯は高齢人口となり、労働人口も高齢化し、政府の社会保障費用が膨らんでいくのである。この人口動態予測の点で、人口がすでに減り始めている日本は、今後変わっていく世界の姿を、先行して実際に見せてくれると言えるだろう。
 こうした数々の変化の方向を理解すれば、私たちがこれまで経験から導いてきた直観をリセットしなければならないことがわかるだろう。とくに老人について持っている考え方をかえなければならない。だが老人を、消費者として、顧客として、社員として、そして今後の世界の利害関係者であるステークホルダーとして、どう考えるべきなのだろう。


  高齢化トレンドに適応するための3つのポイント

 もしあなたが企業経営者であれば、社員と顧客が高齢化していくのを、手をこまねいてただ見ているだけというわけにはいかない。新たな現実に適応していくには、事業運営のやり方のほとんどと、顧客、社員、それに会社の利害関係者の一生をどう管理するのかという課題に、根本的な変革を実施しなければならない。


  従業員の高齢化に真剣に対処する

 高齢になり、必ずしもフルタイムで働くことが魅力的だとは考えない社員が、社内から次第に減少していくことに対処し、彼らを企業内に取り込むためには、企業のほうがグレーゾーンの働き方に慣れていかなくてはならない。明確な線引きではなく一定の幅のある働き方を許容すれば、社員と会社を互いにつなぎ止めておくことができるだろう。だが、その条件は、年配社員のほうに魅力的なものにする必要がある。
もう一つのきわめて重要な活動は、年配社員をつなぎ止めるための具体的な訓練を提供し、役割を再規定し、年配社員の持つスキルを更新していくことだ。


  高齢化する人口構成を狙い撃ちするマーケティングのコツ

 現在の進化した世界では、高齢消費者が市場全体の中でこれまでよりも大きな割合を占め、これまでよりも長い期間積極的な消費活動を続けている。高齢の人たちが長く仕事を続ける可能性が高ければ、そうした人たちの可処分所得も高いはずである。顧客の嗜好やニーズは時が経てば変わっていくものだから、企業も昔からの常識としてきた直観をリセットし、企業のほうから年配のニーズを満たしていかなくてはならない。


  高齢者のための製品やサービスはどうあるべきか

 マーケティング、製品、サービスをテーラーメイドなものに変えていくだけではなく、企業や組織機構はイノベーションを追求し、まったく新しい製品やサービスを思いつくことが必要である。
 スティーブ・ジョブズがかつて語った、「消費者には、自分が何が欲しかったのか、私が現物を見せるまでわかっていなかった」という有名な言葉がある。消費者の緊急ニーズに応え、またそうしたニーズを予測することにより、重要な製品開発上のイノベーションが引き起こされることがよくある。人材と資金を投入し、高齢層向けの製品を根本から考え直してみれば、それが「シルバー」の配当として著しく大きな見返りとなりうる可能性は高い。


<感想>
 地球規模での高齢化トレンドに適応するために、これまでの経験から導かれる直観をリセットすることから始める必要がありそうだ。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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by tsuruichi1024 | 2017-05-24 08:00 | マッキンゼー | Comments(0)