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あれっ、世界(貿易、人間、金融とデータ)は相互結合がより強化?


「マッキンゼーが予測する未来 近未来のビジネスは、4つの力に支配されている」(リチャード・ドッブス他著、ダイヤモンド社)


 以下は掲題書からの一部抜粋。 

第1部 4つの破壊的な力

 第4章 貿易、人間、金融とデータの価値
      ──音速、高速で強く結び付く世界



  新たなグローバル化の潮流1--モノやサービスの貿易

 貿易の増加は、何世紀もの間続いてきたトレンドであり、コンテナ化および輸送ネットワークの生産性の改善によってトレンドは加速してきている。今日、さまざまな新技術と新たなネットワークの出現により、この成長トレンドが増幅されている。そして新興国の消費者や企業の興隆により、グローバル化のプロセスも再生し、高密度化し、進化している。

 国境を越えた財貨、サービス、金融の移動は、2012年には26兆ドルに達し、世界の総GDPの36%を占めている。この比率は、1990年の総GDPに占めていた比率の1.5倍である。


  新たなグローバル化の潮流2──金融マーケット

 何十年もの間、原油が世界中を移動する主たる液体資産であった。ところが今日では、黒い黄金の流通は、高速で流通する別の商品に取って代わられ、影が薄くなってしまった。それが資金である。金融が貿易を動かし、資本の流れ自体のほうが主役となってしまった。巨額の資金や信用を動かすほうが、原油や靴を送るよりも簡単だからだ。資金を電子的に送るには、タンカーやコンテナ船に載せる必要がない。


  新たなグローバル化の潮流3──移り住む世界の人々

 世界中の人々もまた、相互のつながりを強めている。国外へ旅行し、働きに行き、留学する人の数は、何世紀にもわたって一貫して増加してきたが、過去数十年、こうした人の往来は爆発的に増加した。人々が都市に移り住み、高い所得を得るようになると、他の国々に移住したり、旅行したりするのが非常に簡単になる。生まれた国を出て他国に住んでいる国際的移住者の数は、国連の経済・社会問題局によると1960年には7500万人であったが、2013年には2億3200万人に増加した。


  新たなグローバル化の潮流4──データと通信

 おそらく近年最大の劇的な変化は、情報が世界を瞬時に飛び回るようになったことだろう。全人類の3分の2が携帯電話を保有しており、この比率はまだ急速に増加し続けている。
 「今日、世界の人口よりも多くの電話機が存在しており・・・・・・、スカイプのようなインターネット・サービスを通じて、世界中のどこにでもほとんどゼロに近いコストで電話をかけることができる」。そして「世界中の人々の相互結合の密度がこの水準に到達したことは、歴史上未曾有のことである」と、シンガポールのリー・クアン・ユー国立公共政策大学のキショア・マーブバニ学部長は語っている。


  相互結合の強まった世界に対応する4つのポイント

 どこから現れるかわからない新参者に備える 
 グローバルに、しかもデジタルなエコシステムを築け
 グローバルな結合と流れによる競争優位を活用せよ
 相互に連結した世界で、敏捷であれ


<感想>
 相互結合がより強まった世界(貿易、人間、金融とデータ)では、自社のコア・コンピタンスにしがみつくのではなく、グローバルなフローへの敏捷性が競争優位に結び付きそうだ。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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by tsuruichi1024 | 2017-05-25 08:00 | マッキンゼー | Comments(0)