あれっ、「スクイーズアウト価格=TOB価格」を最高裁がお墨付き?


「TOB後の株取得価格に示された初の判断 最高裁判決は企業実務にどのような影響を与えるか?」

 以下は掲題表題の添付HPからのポイントの一部抜粋。
 
https://business.bengo4.com/category1/article51

[ 株式の買取の方法 ]
 1.まず、TOBを行い、買収者の議決権比率を高める
 2.TOB後にスクイーズアウト※を実施する
 ※ 全部取得条項付種類株式(H26年の会社法改正前の一般的手法、以下3と4)の活用
 3.普通株式に全部取得条項を付した上で普通株式の全部を取得し、その対価として種類株式を交付
 4.買収者以外の株主が取得する種類株式を端株にし、会社法234条に基づき端株株式を買い取る

[ 会社法改正(H26年)後のスクイーズアウト ]
 1.株式併合:少数株主の株主が端株となるような比率で併合を行う制度(会社法180条)
 2.特別支配株主(議決権割合が90%以上)の株式等売渡請求:特別支配株主が、少数株主に対して、その有する株式を売り渡すことを請求できる制度(会社法179条)

 公開買付け→90%以上→株式売渡請求
    同   →90%未満→株式併合

[ 2016/07/01の最高裁判決 ]
 1.TOB価格(と買収価格の関係)

 (1)取得日における当該株式の「客観的価値」に、
 (2)今後の「株価の上昇に対する期待」を評価した価額(増加価値分配価格)を、
   合算したもの

 
2.最高裁判決と実務への影響
 (1)判決内容

 「一般に公正と認められる手続」が行われた場合は、原則としてTOB価格とスクイーズアウト価格は同一でよく、特段の事情のない限り、後の価格決定申立において覆されない

 (2)最高裁が示す公正な手続
 ①独立した第三者委員会や専門家の意見を聴くなど多数株主等と少数株主との間の利益相反関係の存在により意思決定過程が恣意的になることを排除するための措置が講じられていること
 ②TOBに応募しなかった株主の保有する株式もスクイーズアウトの手続においてTOB価格と同額で取得する旨が明示されていること、など
 ⇒これまでの実務で一般的にとられている手続(特にスクイーズアウトの実務が変わるというものではない)

 (3)本決定に関連する実務上の関心
 ①「一般に公正と認められる手続」として何をすべきか、
 ②TOB後の事情を考慮することが許容される「取引の基礎となった事情に予期しない変動が生じたと認めるに足りる特段の事情」がある場合とはどのような場合か、という点

 平成28年(許)第4号ないし第20号 株式取得価格決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件 平成28年7月1日 第一小法廷決定
 
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/989/085989_hanrei.pdf
(ご参考)https://www.amt-law.com/pdf/bulletins1_pdf/160708.pdf


<感想>
 日本市場(単体)の縮小、グローバル市場の均質化等から、今後もTOBを活用したM&Aは益々活発化することが想定されるため、最高裁判決等はしっかり押さえておく必要があろう。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
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by tsuruichi1024 | 2017-06-06 08:00 | TOB | Comments(0)