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あれっ、資本金・資本準備金、半々ではない?


【 資本金・資本準備金の仕訳 】


 2017/12/5、ダイフク(6383)の公募増資の発行条件が確定した。

1.発行価格等の決定に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120171205430501.pdf

(1)払込金額の総額:13,929百万円
(2)増加する資本金の額:13,929百万円
(3)増加する資本準備金の額:ゼロ

⇒ よりフレキシブルに対応可能な「資本準備金」に半分計上するケースが大半だが、本件では全額「*資本金」に計上している

「*資本金」取り崩しには、(a)「株主総会の特別決議」と(b)「会社債権者保護手続き」が必要となるため、「資本準備金」の方が取り崩し易い点ではベター
(ご参考:
https://biz.moneyforward.com/establish/capital-stock-capital-reserve-capital-surplus/


2.資本金/資本準備金(2017/3期)

・資本金(Common stock):15,016百万円
・資本準備金(Capital surplus):15,915百万円

⇒ 海外比率が高い**ため、英文財務諸表上の「Common stock」(資本金)の額を増加(+13,929百万円。これまでの1.93倍)させたかったのではないか?
**四季報秋号:66%


3.会社法第445条

(資本金の額及び準備金の額)
 株式会社の資本金の額は、この法律に別段の定めがある場合を除き、設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。
2 前項の払込み又は給付に係る額の二分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる。
3 前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。


<感想>
 会社の戦略の違いによって、調達資金の仕訳方法一つとっても会社毎に違ってくる。
 常に、全社的な視点で考える癖を付けて行く必要がありそうだ。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
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by tsuruichi1024 | 2017-12-07 08:00 | 公募増資 | Comments(0)