あれっ、MBOを活用した抜本的改革?


【 鈴縫工業:MBOを活用した抜本的改革 】


 2017/12/19、鈴縫工業(1846)がMBO*を発表した。
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120171219438712.pdf

*MBO(マネジメント・バイアウト):一般に、買収対象会社の経営陣が、買収資金の全部又は一部を出資して、買収対象会社の事業の継続を前提として買収対象会社の株式を取得する取引


1.MBO(TOB)の概要

(1)公開買付者:株式会社アサヒ
・株主:
鈴木良亮(当社取締役、鈴木一良社長長男)50%
鈴木達二(当社取締役、鈴木一良社長二男)50%

・役員:
代表取締役 鈴木一良当社社長(71歳)
取締役 鈴木正三当社専務(一良社長弟、67歳)、上記株主2名(44歳、43歳)

(2)買付予定数の下限
・6,957,000 株(所有割合:66.67%)

(3)TOB価格
・390円(12/18終値@327の19.3%プレミアム)
⇒ PER :13.1倍(EPS:29.7円、ROE:5.3%)

(4)TOB期間
・17/12/20~18/2/13(34営業日)

(5)デットファイナンス
・SMBCより4,274百万円(上限)
(発行済株式数10,597千株-自己株式162千株)×@390+205百万円


2.MBOに至った背景等

(1)MBO後の経営方針
・経営に直接関与しない少数株主が存在する上場企業としては取りづらい一定の事業リスクを背負ってでも、 経営者株主の責任において、中長期的な視点から抜本的かつ機動的に以下のような経営戦略を迅速かつ果敢に実践する必要があるとの考えに至る

(a) 首都圏を中心とした営業エリア拡大による民間受注増加やリフォーム事業の多店舗展開による収益増加

(b) ICT*施工システムの導入による生産効率改善
*Information and Communication Technology(情報通信技術)

(c) M&Aによる建設関連サービス**の拡充
**電気工事、通信工事、給排水工事、メンテナンス等


(2)株価への悪影響等の回避
・当社株主に対して発生する可能性がある上記悪影響・リスクを回避可能


(3)機動的・抜本的な経営戦略
・中長期的な視点から抜本的かつ機動的な経営戦略を迅速かつ果敢に実践可能


(4)所有と経営の一致
・所有と経営を一定の範囲で一致させることにより、意思決定の迅速化と施策の実行力強化を実現し、上記各施策を迅速かつ果敢に実行可能


3.株価/出来高推移
     株価     出来高
12/18 327円     2千株
12/19 327円     1千株
12/20 391~397円 706千株
12/21 389~391円 286千株


<感想>
 本件は、MBOを活用した非公開化により、(1)事業承継と(2)抜本的・機動的な経営戦略の実践を目指すもの。
 自社のみの力で改革等が可能な場合、将来のエクイティ部分の売却可能性(売却益⇒出資者・経営陣へ)等を考えると、ファンドによるTOBよりもMBOの方が望ましい。

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------

[PR]
by tsuruichi1024 | 2017-12-22 08:00 | MBO | Comments(0)