あれっ、ファンド保有株式を自己株式取得?


【 リョーサン:シルチェスター保有株式を自己株式取得 】


 2018/1/5、リョーサン(8140)が、自己株式取得状況の開示(12月:ゼロ)をしたので、それまでの実績を確認してみた。
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120180105446362.pdf


1.自己株式取得状況
(1)期間:2017/5/15~12/29
(2)取得株式:3,612千株
(3)取得金額:約158.5億円(取得簿価@4,388円)
※17/5/12の発表時(下記4)の上限:4,500千株、200億円

2.内、ToSTNeT-3
(1)17/6/19:取得株式:686千株、金額:約28.7億円(@4,185)
(2)17/8/31:取得株式:1,333.3千株、金額:約61.6億円(@4,620)

3.変更報告書(大量保有報告書)
(1)提出者:シルチェスター・インターナショナル・インベスターズ・LLP(英投資ファンド)
(2)提出概要
< 17/6/19:上記2(1)と同様 >
 売却後保有株式:15,284,900株
 取得資金:6,178.8百万円(@2,474/株)
 ⇒ 686千株の売却益:1,174百万円(@1,711/株)

< 17/8/31:上記2(2)と同様 >
 売却後保有株式:12,001,200株
 取得資金:4,845.5百万円(@2,477/株)
 ⇒ 1,333.3千株の売却益:2,858百万円(@2,143/株)

(3)大量保有報告書(当初:2007/3)
http://www.kabupro.jp/edp/20070313/0070FHB7.pdf
 取得株式:1,827,400株(5.01%)、金額:5,460百万円(@2,988/株)

4.リョーサン:2017/5/12プレスリリース
http://www.ryosan.co.jp/ir/files/2017/05/170512_第9次中期経営計画における追加的な資本効率化施策(第二弾)のお知らせ.pdf
(1)自己株式の取得額の増額(年間300万株⇒450万株)
(2)実施期間の延長(1年間延長)
(3)自己株式の消却(総額300万株)

5.リョーサン:株式の出来高(左記:月間、右記:1日平均)
 17/10:1,538,500株、73,262株(21営業日)
 17/11:1,812,800株、90,640株(20営業日)
 17/12:1,047,900株、49,900株(21営業日)

6.(参考)東証市場を利用した自己株式取得に関するQA集
http://www.jpx.co.jp/equities/trading/own-company-shares/tvdivq0000006haj-att/OwnShareQA.pdf


<感想>
 出来高(上記5)を見る限り、シルチェスターが保有する株式を市場で大量売却することは難しい。

 ToSTNeT-3による自己株式取得は、会社の資本効率化施策にも合致する(上記4)ため、売り手(株主)・買い手(会社)双方にとってメリットがあるとも言える。

 事前公表型のToSTNeT-3は、売り方である株主が自己株式取得情報を入手しているため、当該情報の公表によって自己株式取得に係るインサイダー取引規制の問題を回避するもの。

 取引の公正の確保のため適当と認められる方法と位置付けられているが、上記2=上記3(他の売り手なし)の通り、他の株主は15時以降の公表後、終値での売却を即決することは通常難しいように思われる。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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by tsuruichi1024 | 2018-01-10 08:00 | ToSTNeT-3 | Comments(0)