あれっ、希薄化を抑制したユーロ円CB?


【 住友金属鉱山:ユーロ円CB300億円発行 】


 2018/2/27、住友金属鉱山(5713)が、ユーロ円CB発行を決議した。
http://www.smm.co.jp/news/release/uploaded_files/180227-1.pdf


1.発行概要
(1)発行総額:300億円

(2)クーポン:ゼロ

(3)発行価格/払込金額:103%/100.5%(引受手数料2.5%)

(4)転換価額:7,777円(2/27終値5,083円の53%アップ)

(5)転換制限条項:各四半期の最終20連続取引日の株価終値>転換価額の130%
⇒ 翌四半期に転換請求が可能(除、償還期日前3ヶ月間)

(6)取得条項(額面現金決済型):償還期日前4ヶ月間、当社は、自己の裁量により、以下「交付財産」の交付により残存CB全部を取得可能

「交付財産=(i)交付現金+(ii)交付株式」

(i)社債額面金額の100%に相当する金額
(ii)転換価値(※1)から当該社債の額面金額相当額を差し引いた額を平均VWAP/株(※2)で除して得られる数の当社普通株式

転換価値(※1):(社債額面金額÷転換価額)×平均VWAP/株
VWAP/株(※2):取得通知日翌日から5取引日に始まる20連続取引日の各取引日のVWAP(売買高加重平均価格)の平均値


⇒ CBのパリティの内、100円部分は現金で、残りの部分はその時点の時価(上記VWAP)で割った株式で取得するもの


(例)VWAP=10,000円、パリティ≒128.6円(10,000÷7,777×100)、残存CB:100億円

転換価値128.6億円=(i)現金100億円+(ii)株式285,843株(約28.6億円÷10,000円)

通常のCBの場合:1,285,843株(100億円÷7,777円)

⇒ 100万株の(希薄化)株式が現金(返済/取得)に置き換わっている


< 資金使途 >
第2回新株予約権付ローン(総額1,000億円)の返済250億円+自己株式取得50億円


2.自己株式取得(ToSTNeT-3)
< 理由 >
・ユーロ円CB発行に伴う株式受給への短期的な影響を緩和し、発行条件の改善を図るため

(1)取得総数:983,600株
(2)取得価額:5,083円
(3)取得総額:約50億円


3.株価終値推移
2/27 5,083円
2/28 5,032円(△1.0%)
(2/28:日経平均△1.4%)


<感想>
 本件は、(当初買収防衛目的で発行した)新株予約権付ローン千億円を返済して、新たにユーロ円CB300億円を発行したもの。
 転換制限条項や取得条項(額面現金決済型)が付与されて、かつ、一部は自己株式取得(ToSTNeT-3)にも充当される等、希薄化を抑制する仕組みを投資家も好意的に受け止めたと見えて、対前日終値の下落率は日経平均のそれより小さかった。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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by tsuruichi1024 | 2018-03-01 08:00 | CB | Comments(0)