あれっ、「現金+株式交換」による武田の大型M&A?


【 武田薬品工業のM&A:現金+株式交換 】

 2018/5/8、武田薬品工業(4502)が、「Shire社を完全子会社化するための友好的な買収手続開始の合意について」を開示した。
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120180508429528.pdf


1.買収総額:約6兆8千億円
[ 現金+株式交換 ]

・Shire社株主は、Shire社株式1株に対し、30.33米ドル及び当社新株式0.839株又は本件当社ADS1.678株(ADS0.5株=新株1株)のいずれかを対価として受領
(Shire社発行済株式数:920,978,921株)
=49.01ポンド/Shire社株式1株(Shire社の、発行済(/予定)普通株式総数に換算して約460億ポンド)

< プレミアム >
・2018/3/23(当社のShire社に対するオファーへの潜在的関心についての憶測報道がなされる前の最終営業日)におけるShire社株式の終値29.81ポンド/までの30取引日におけるVWAP31.37ポンドに対して64.4%/56.2%


2.資金調達:308.5億米国ドル
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120180508429497.pdf

貸付人:JP Morgan Chase Bank, N.A. 株式会社三井住友銀行 株式会社三菱UFJ銀行
 第1トランシェ:153.5億米ドル
 第2トランシェ:45億米ドル
 第3トランシェ:75億米ドル
 第4トランシェ:35億米ドル
最終返済日:
 第1トランシェ乃至第3トランシェ:借入の実行日から364日後の日
 第4トランシェ:借入の実行日から90日後の日

⇒ 社債等でのリファイナンスを予定か
 なお、2018/5/9、Moody’s*は「武田薬品の格付をA2に格下げ、さらに格下げ方向で見直し」ているため、調達コストが上昇する可能性あり
*
https://www.moodys.com/researchdocumentcontentpage.aspx?docid=PR_383410


3.本件買収の意義(一部抜粋)
(1)グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーを創出すること

(2)希少疾患及び血漿分画製剤における主導的な地位を確保すること

(3)画期的なイノベーションにフォーカスした研究開発体制を強化すること

(4)本件結合後グループに十分な経済的利益を提供すること


4.武田の株価/時価総額等の比較(株式交換考慮)
      3月23日 5月10日 差額
株価終値 5,487円 4,621円 △866円
発行済株式数 7.95億株 15.67億株 +7.73億株
時価総額 4.36兆円 7.43兆円 ※+2.88兆円 (a)
※3/23株価ベースであれば、+4.24兆円 (b)
 a÷b=68.0% (c)
上記1のプレミアム64.4%考慮前の割合:60.1%(1÷1.644) (d)
 (c) > (d)
⇒ プレミアム考慮前での比較:約+8% (c-d)
⇒ M&Aが評価されたとも考えられる


<感想>
 時価総額約3.7兆円(2018/5/10終値@4,621ベース)の武田薬品工業が、6.8兆円のM&Aを実施する。グラクソ・スミスクライン社コーポレート エグゼクティブ チームメンバーだった現社長(2014/6~)でなかったとしたら、本件に踏み切ることができたであろうか・・・

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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by tsuruichi1024 | 2018-05-12 08:00 | M&A | Comments(0)