2018年 05月 20日
あれっ、CCCがキタムラ株式をTOB?
【 CCC:キタムラ株式をTOB 】
2018/5/15、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(「CCC」)が、キタムラ(2719)株式に対するTOBを開示した。
https://www.ccc.co.jp/news/2018/20180515_005394.html
1.CCCのキタムラ株式保有比率等
(1)株式保有比率
現状:29.71%(除自己株式)・持分法適用会社
TOB後の最終形:100%・完全子会社
買付予定数の下限:7,721,500株
⇒ 議決権の2/3を確保
(2)TOB価格等
TOB価格:1,230円/株(5/15終値1,026円の20.0%のプレミアム)
TOB総額:約181億円(最大)
TOB期間:2018/5/16~2018/6/26(30営業日)
2.目的:4つの施策の実施
(1)CCCの企画力を基にした革新的な店舗開発等を通じた新たなビジネスモデルの確立
(2)新しい商品・サービスの開発スピードの促進
(3)オムニチャネル化の促進
(4)サービスの利用者拡大及び既存店舗におけるクロスセル等
3.上記4つの施策実施上の問題点
(1)多額の費用が先行する
(2)新たなビジネスモデル、新しい商品・サービス開発等の成否可能性や収益化までの期間を鑑みると、中長期的な視点からの経営が必要
(3)短期的には既存株主の利益を損なうことも想定される
⇒ 非公開化が望ましい
4.現在の所有割合の問題点
CCCグループは、資本業務提携により、実店舗の運営及び既存事業のインターネットでの拡大等の人材・技術・ノウハウ等を提供してきたが、現在のCCCの所有割合では、対象者に共有することのできる人材・技術・データベース等の経営資源が限定されてしまう
⇒ TOBによる完全子会社(間接所有を含む)化が必要
5.完全子会社化/非公開化のメリット
(1)CCCと一体となった経営体制を確立可能
(2)これまで以上に柔軟かつ迅速な意思決定が可能
(3)短期的な収益にとらわれることがない
(4)CCCの経営資源を最大限活用しつつ、より中長期的な視点から市場の急激な変化に対応し、旧来の対象者事業モデルの変革、商品やサービスの企画・開発・投資、不採算店舗の改善、周辺領域への事業拡大等の従前の事業モデルにとらわれない大胆な事業構造改革等が可能
<感想>
本件は、CCCによるキタムラ株式の完全子会社化を目的としたTOB。
資金調達面で問題がないのであれば、親会社との一体運営の観点から、本件のような完全子会社化(非公開化)が望ましいと言えよう。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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