あれっ、無意味なトランプの貿易赤字削減策?


【 非論理的なトランプ政権の政策 】


 2018/8/23、日経新聞の「大機小機」に、『孫悟空とトランプ』の記事が掲載されていた。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34452910S8A820C1920M00/
 以下はその概要。


・トランプ米大統領の貿易赤字(経常赤字)の削減策
⇒ 貿易赤字はもっと別のところで決まっているから、失敗するだろう

・貿易(経常)収支
(参考:
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/sentaku/s2_6.html)
 貿易(経常)収支 ≒ 中長期的にはその国の総貯蓄と国内投資の差額
「貯蓄>投資」:超過分が貿易黒字
「投資>貯蓄」:超過分が貿易赤字
 貯蓄率や投資比率は長期的にはその国の制度や慣行、潜在成長率などに左右される。完全雇用なら供給制約で国内総生産や貯蓄は動きにくい
⇒ 輸出や輸入額が多少変動しただけでは、簡単には貯蓄や投資がそれに見合う水準に変化しない。貿易収支も元の水準に戻ることになる。

・自動車の対日輸入関税を引き上げた場合(例)
⇒ 日本からの自動車の輸入はひとまず減る
⇒ 減ると消費者が困る。米国内生産に切り替えようとしても生産体制はすぐには整わない。他の国からの輸入に頼らざるを得ず、赤字全体は減らない
⇒ 国内生産に切り替えられたとしても、米国全体の生産資源量は限られている。自動車生産に集中すれば、ほかの商品の生産は減る。輸出余力は低下し、新たな赤字要因となる

・トランプ大統領の経済活性化策
1.大胆な法人税減税を実施
2.向こう10年で1.5兆ドル(160兆円)のインフラ投資
= 財政赤字拡大・投資拡大策
⇒ 貿易赤字縮小とは逆行、論理的整合性はゼロ

・識者コメント
 ノーベル経済学賞受賞者P・クルーグマン氏「彼は純粋に無知なのだ」
 サマーズ元米財務長官「呪術経済学よりひどい」
 マンキュー米ハーバード大教授「彼を学問的成果で説得できるとは思えない」

・孫悟空とお釈迦様
 めったやたらに如意棒を振り回した孫悟空はしばしば喝さいを浴びた。だが結局は、お釈迦様の手のひらの上で、やった気になっているだけだった
⇒ トランプ氏はどこか孫悟空に似てはいないだろうか


<感想>
 輸入関税を引き上げて貿易赤字の削減を目指しながら、一方で、大規模な法人税減税やインフラ投資を拡大する。
 因果関係を無視した、現状のトランプ政権の政策は、非論理的で無意味なように思われる。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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by tsuruichi1024 | 2018-08-25 08:00 | トランプ | Comments(0)