2018年 09月 18日
あれっ、アクセラレーテッド・ブックビルディング・オファリング?
【 アルタバ:ヤフー(4689)株をABOで売却 】
2018/9/14、日経新聞朝刊に、「海外勢、衰えぬ買い意欲 ヤフー株、一夜で需要1兆円」という記事が掲載されていた。
以下は、その概要。
1.アクセラレーテッド・ブックビルディング・オファリング(ABO)
(1)開始日時:9月10日午後4時(東京市場クローズ後)
(2)価格:354円(9/10終値371円の4.5%ディスカウント)
(3)引受主幹事:ゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェース
2.当初計画、需要と結果
(1)当初計画
アルタバ保有分のおよそ半分の7億5000万株、25億ドル分(約2800億円)
(2)需要
時価総額が約2兆円のヤフー株に対し、一晩で集まった買い注文は最終的に約1兆円
(東証1部の売買代金が2兆円に満たない日もあるなかで異例の規模)
(3)結果
アルタバが持つ全株13億6000万株、約4800億円の売却が成立
⇒ 購入した海外勢はヤフーの既存株主や政府系ファンド、代表的な買い持ちの機関投資家、ヘッジファンドなど150超
3.これまでのヤフー株の株価推移
(1)浮動株比率
ソフトバンクグループとアルタバの2社が大株主で浮動株比率は20%と低い
(2)受給不安
「アルタバがいつか売る」という需給不安で上値が重かった
⇒ 大手の投資家が手がけにくかった要因は今回の売却で解消する
⇒「買えるきっかけ」を待つ海外マネーは、成長投資や需給対策などでより踏み込んだシナリオを示す次の企業を探している
4.最近の株価終値推移
9/10 371円、9/11 363円、9/12 382円
9/13 384円、9/14 393円
参考資料:「公募増資を実施するための 多様な発行プロセスを巡る議論」
http://www.camri.or.jp/files/libs/453/201703271810542441.pdf
<感想>
ヤフー株のABOに見る投資家需要の背景には、ヤフー個別株式としての魅力であろう。
当面の需給不安も払拭されたため、今後の株価推移に注目したい。(2014/1の高値@668)
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら http://tsuru1.blog.fc2.com/
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