2019年 05月 25日
あれっ、トランプとレーガン大統領の類似点?
【 トランプの対中姿勢≒レーガンの対ソ連姿勢 】
2019/5/20、現代ビジネスに、高橋洋一さんが、『米中貿易戦争 検証して分かった「いまのところアメリカのボロ勝ち」』の記事を掲載した。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64731
以下はその概要。
1.中国の典型的な手口
(1)中国当局の輸入制限
・中国への輸出品について、中国当局が輸入を制限する
(2)合弁会社の設立
・輸出企業に対して「中国進出しないか」と、外国資本の支配権はない中国企業との合弁会社を持ちかける
(3)知的所有権・技術の「窃盗」
・立ち上げた合弁企業から技術を盗みだし、中国国内で新たな企業を創設して、その技術の独占を主張する
・また中国が他の先進国に直接投資し子会社を設立してから、投資国の企業や大学などから企業秘密や技術を盗む
2.アメリカの対応
(1)対中関税の引き上げ
・中国による知的所有権・技術の「窃盗」に対して、対中関税を引き上げ
中国のアメリカからの輸入額:1300億ドル
アメリカの中国からの輸入額:5390億ドル
⇒ 報復関税をやりあっても、中国には勝ち目はない
(2)物価への影響
・米中貿易戦争以降も、アメリカの物価はまったく上がっていない(インフレ目標2%の範囲内に収まる
1)中国からの輸入品が他国製品によって代替できているか or
2)価格転嫁ができていないか=輸出側の中国企業が関税上乗せ分の損を被る(一方アメリカ政府は、まるまる関税分が政府収入増になる)
3.中国の物価
・食品を中心として物価が上がっている = 価格転嫁が進んでいる
・中国がアメリカからの輸入品(農産物)に関税をかけ続ければ、そのうちアメリカの輸出農家も影響を受けるだろう
⇒ アメリカ政府は輸出農家に何らかの形で補助金を出せばいい(関税収入があるので、補助金対策の財源には困らない)
4.トランプ大統領とレーガン大統領
・トランプ大統領の対中強硬姿勢
≒ レーガン大統領の対旧ソ連への強硬姿勢
⇒ 1980年代初頭に「力による平和」を旧ソ連に仕掛け、それがきっかけになり、旧ソ連の経済破綻、旧ソ連の崩壊を10年で引き起こした
・トランプ大統領:中国の知的所有権収奪と国家による補助金を問題にしている
・習近平体制:逆に中央集権化の流れを加速
⇒ 知的所有権収奪と国家補助金については、中央政府とともに地方政府もこれまで推進してきたが、それを「アメリカの追及が厳しいから、もうやめよう」と習主席が認めると、地方政府からの突き上げをくらう可能性が高い。だから、習主席としては絶対に認められない
⇒ 米中貿易戦争はしばらく続くことになるが、続けば続くほど、中国にとっては不利で、結局、習近平体制の基盤を揺るがすことにもつながるかもしれない。こうしてみると、ひょっとしたらトランプ大統領は中国の現体制の崩壊まで、この貿易戦争を続けるつもりなのかもしれない
<感想>
米中貿易戦争はどこまで行くのか。
レーガン大統領の対旧ソ連への強硬姿勢とトランプ大統領の対中強硬姿勢。
トランプ大統領の本気度次第では、中国の現体制の崩壊に行き着く可能性も否定できない。
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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