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あれっ、米国ショッピングセンターが苦境に?


【 米国ショッピングセンターの苦境が鮮明に 】


 今日は、2019/10/1の日経電子版記事「米大型SCの憂鬱 遠のく客足、逃げるマネー」について。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50473500R01C19A0TJ1000/


主旨:米国の消費をけん引してきたショッピングセンター(SC)の苦境が鮮明に


< フォーエバー21:経営破綻 >
・米国の消費をけん引してきたSCを支えてきたテナントの小売店などの集客力が低下
⇒ クレディ・スイス:全米のSCの20〜25%が閉鎖すると予測

・ネット通販に押され、SCに出店する形で店舗網を拡大した、カジュアル衣料の米フォーエバー21が経営破綻


< 米国の商業不動産の価格指数の下落 >
・ネット通販を支える物流施設が上昇する一方でSCが下落
⇒ 投資マネーも逃げつつある


< 主戦場がネットに >
・米アマゾン・ドット・コムなどの台頭で主戦場がネットに移る
⇒ 価格比較や口コミによる商品選びの基準が厳しくなり、郊外に多い「安くてそこそこの品質」のチェーンは消費者の支持を失った


< 店舗の閉鎖計画 >
・米カジュアル衣料の「GAP」やスウェーデンの「ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)」など低価格チェーンが目立つ

・SCの中核テナントだった大手百貨店も大量閉店に追い込まれている(足元ではメーシーズやJCペニーが店舗を閉鎖)

・19年1〜9月の米小売店の閉店数:8500店超(>18年通年の閉店数(約5500店))

・郊外の大型店を中心に閉鎖が増加
⇒ 米国のSCの総面積は2018年1〜3月をピークに減少に転じ、その傾向が続く

・ネットとの競争激化だけでなく「そもそも米国の小売店が多すぎた」

・米消費者1人当たりの小売店舗の面積は、18年に23.5平方フィート(約2平方メートル)と先進国では断トツ(日本の5〜6倍)

・「米小売店の需給調整はまだ終わっていない」
⇒ 小売店をeスポーツなどの娯楽施設や飲食店に切り替える動きもあるが、衣料品などの小売店の閉店でSCが厳しくなる構造は続きそう


(ご参考:オンワード関連記事)
2019/10/4:日経電子版「オンワード、低採算ブランド廃止検討 600店閉鎖へ」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50613960U9A001C1910M00/

2019/10/4:会社発表「グローバル事業構造改革の実施について」
https://www.onward-hd.co.jp/ir/docs/20191004_2.pdf


<感想>
 本件は、今後、日本でも同様の流れになりそうな米国SCの苦境に関する事案。
 オンワードが600店閉鎖を決めたように、今後、同様の動きが加速することが想定される。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら http://tsuru1.blog.fc2.com/ 
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by tsuruichi1024 | 2019-10-08 08:00 | 小売 | Comments(0)