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あれっ、取締役の反対は保身のため?


【 シダックス:敵対的TOBの「敵」 】

 


 2022/9/17、日経電子版に『迷走シダックス、敵対的TOBの「敵」って誰だ』が掲載された。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC103940Q2A910C2000000/

 以下は一部抜粋。

 


「会社は誰のものか」という議論はよくなされ、最近では従業員や地域社会など様々なステークホルダー(利害関係者)のものという論調も勢いを増しているが、資本市場まわりでは一応「会社は株主のもの」というのが定説とされてきた。

 

敵対的案件はイメージもあまり良くないし成功しにくい、と思ったらおそらく間違いだ。じつは株主さえ味方につければ、敵対的TOBは意外と成立に持ち込めることがわかってきている。

 

ここ数年の間でもコロワイドによる大戸屋ホールディングスへのTOB、伊藤忠商事によるデサント、日本製鉄による東京製綱、前田建設工業による前田道路と敵対的TOBが成立した事例が相次いだ。いい条件を出して株主を振り向かせることさえできれば、取締役会が反対する敵対的TOBであっても成功するのだ。

 


実際、敵対的TOBを仕掛けて成立させた上記の企業のトップを見ると、伊藤忠の岡藤正広会長最高経営責任者(CEO)、コロワイドの野尻公平社長、日本製鉄の橋本英二社長ら「押しの強い面々ばかり」(大手証券会社幹部)だ。

 


そもそも敵対的という単語を使うから、TOBをかける側がしり込みする、というのもあるだろう。敵対的TOBを正確に言うと「対象会社の取締役会が反対したTOB」にすぎないのに、だ。

 

こんな例はどうだろうか。企業価値を向上させる努力を長年怠り株価を割安に放置しているA社。そこに目を付けたB社が「うちが買収してテコ入れすればもっと企業価値を上げることができる」とTOBをかけた。A社の取締役会は「B社に買収されたら経営陣が刷新され我々もクビになる」と思って「反対」表明する。かくして敵対的TOBとなった。

 

B社は「敵」呼ばわりされることになるが、投資家からすれば、どう考えても悪いのは企業価値向上に取り組んでこなかったばかりか、保身に走ろうとしているA社の取締役会だろう。誰から見るかで敵は変わる。ただ「会社は取締役会のもの」という主張は聞かない。それなら取締役会から敵と呼ばれようが、あまり気にしなくてもいいのかもしれない。

 


(その他)2022/9/15 シダックス社のプレスリリース
「株式会社コロワイドからの書簡受領のお知らせおよび当社がオイシックス・ラ・大地株式会社の公開買付けに反対している件について」

 

本日、コロワイド社より、2022年6月20日に受けておりました、フード関連事業に関する提案を取り下げる旨の書簡を収受いたしましたのでお知らせいたします。

なお、意見表明報告書及び反対意見表明に係るプレスリリースに記載の通り、当社が、オイシック社による当社株式に対する公開買付け(「本公開買付け」)に対して反対しているのは、本公開買付けが、創業家とオイシックス社の間で当社の意思とは無関係に締結された覚書に基づき、創業家及びオイシックス社による当社株式の所有割合を合計で60.51%以上とした上で、当社のフード関連事業子会社の株式の過半数を当社から取得することを最終的な目的としていることが理由です。

したがって、当社において、フード関連事業子会社の株式の売却の是非、売却する場合における相手方及び売却の条件等について詳細な検討を行う必要がある点に変わりはなく、コロワイド社からの提案の取り下げは、当社の意見表明(反対)に何ら影響を及ぼすものではありません。

 


<感想>
 オイシックス社のシダックス社へのTOBは敵対的なのか。取締役会の反対の理由は保身にあるのか。
 ユニゾン・キャピタルの意思決定はどうなるのか。そろそろ結論が出るものと思われる。

 

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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by tsuruichi1024 | 2022-09-22 08:00 | TOB | Comments(0)