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【 丸井グループのROIC>WACC 】

 2019/4/17の日経新聞に、『投下資金「生かす力」頭打ち 上場企業「ROIC」微増の6.75% 米欧と格差拡大』の記事が掲載されていた。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43773490W9A410C1920M00/

 ここでは、丸井グループ(8252)のROICを確認してみたい。


1.*ROIC(投下資本利益率)
http://www.0101maruigroup.co.jp/pdf/settlement/2019_3q_foh.pdf
 *Return on Invested Capital

 2018/3期 3.2%(前期比+0.1%)

 2019/3期(予) 3.6%

 ROIC = 税引き後営業利益 / 投下資本(割賦売掛金・売掛金 + 営業貸付金 + 商品 + 有形・無形固定資産 + 差入保証金 - 買掛金)


2.ROIC>*WACC(加重平均資本コスト)による企業価値創造
http://www.0101maruigroup.co.jp/ir/pdf/i_report/2018/i_report2018_17.pdf
 *Weighted Average Cost of Capital


(1)2018/3期

 ROIC 3.2% > WACC 3.0%

 ROIC:フィンテック 3.8%、小売 2.8%

 総資産:8,672億円

 負債コスト:0.3%

 株主資本コスト:8.0%


(2)2021/3期(流動化後の見通し)

 ROIC 4% > WACC 2〜3%

 ROIC:フィンテック 4.1%、小売 5.3%

 総資産:9,300億円

 負債コスト:0.3〜1%
 株主資本コスト:7〜8%


3.めざすべきバランスシート

< 2021/3期 >(計画)(億円)
 自己資本  3,000(自己資本比率30%)
 総資産   10,000
 営業債権  6,800
 有利子負債 5,900(営業債権の9割程度)

< 2005/3期 >(参考)
 純資産   4,363(純資産比率61%)
 総資産   7,126
 営業債権  2,493
 有利子負債 1,811(営業債権の7割強)

 ⇒ 調達主体のシフト:株主資本(コスト高い)から負債(コスト安い)へ


(ご参考)

http://tsuru1.blog.fc2.com/blog-entry-421.html


<感想>
 日経の記事によれば、ROICの数値目標を掲げる企業は4%ほどに対し、機関投資家の45%はROICを重視すべきだと考えているという。
 企業側は、丸井のようなROIC>WACCによる企業価値創造を目指すべきであろう。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
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by tsuruichi1024 | 2019-04-18 08:00 | ROIC | Comments(0)


オムロンのROIC経営


以下、「 」内はオムロン(6645)のHP(http://www.omron.co.jp/ir/irlib/pdfs/ar15j/ar15_17.pdf)からの抜粋。太字は追記。

ROICは事業のビジネス形態に関係なく平等に事業のパフォーマンスを測れるという点で優れています。
オムロンでは3年ほど前からこの概念の浸透をはかり、実際に改善活動を推進することでROICを向上させてきました。各事業の経営スタッフの間ではROICの概念が根付いてきたと思います。」

 ROIC1.0 「ROIC=(当期純利益/売上高)×(売上高/投下資金(運転資金+固定資産)」

「以下が社内で用いているROICの式およびその翻訳式です。基本は成長に必要な経営資源(N)を投入し、それ以上にお客さまへの価値(V)を上げ、そのために滞留している経営資源(L)を減らすという単純なロジックです。付加価値を生む経営資源へ投資して成長戦略を実現し、一方で経営資源の滞留(ムリ・ムダ・ムラ)を減らすことが目指す方向です。」

 ROIC2.0 「ROIC≒お客様(ステークホルダー)への価値(V)↑↑/(必要な経営資源(⇒「モノ、カネ、時間」)(N)↑+滞留している経営資源(⇒「ムリ、ムダ、ムラ」)(L)↓)」

                                    
オムロンの想定資本コストとROIC

2014〜2016年度における想定資本コスト:6%http://www.omron.co.jp/ir/irlib/pdfs/20161027_presentation_j.pdf P32)

ROIC:当初目標13%(2014年4月発表)⇒FY2016目標10%(2016年4月発表)(http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/jizokuteki_esg/pdf/002_06_00.pdf P32)


            (単位:百万円)
       2012/3期 2016/9期
売上高    619,461  *765,000 a
当期純利益   16,389   *40,000 b
ROS       2.6%    5.2% c=b/a
受取手形+売掛金 143,304 145,058 d
たな卸資産  92,253   108,091 e
支払手形・買掛金+未払金 79,331 71,783 f
運転資金   156,226   181,366 g=d+e-f
固定資産   120,706   121,686 h
投下資本回転率  2.2     2.5  i=a/(g+h)
ROIC      5.9%   13.2%(2.2倍) j=c×i
株主資本   320,840   419,220 k
発行済株式数 239,121千株 213,958千株 l
自己株式数   18,988千株    150千株 m
除自己株式  220,133千株 213,808千株 n=l-m
12/3末、16/11/22終値 1,762円 4,240円 o
EPS      74.5円   187.1円 p=b/n
PER      23.7倍   19.3倍  q=o/p
ROE      5.1%    9.3%  r=b/k
時価総額   3,878億円 9,065億円(2.3倍) s=n×o
注)2016/9期の売上高・当期純利益=2017/3期予想


ROIC(10%~13%)>想定資本コスト(6%)の目標を掲げ、それに向けた具体的施策を実行することにより、時価総額が向上した好事例であるように思われる。


by tsuruichi1024 | 2016-11-27 08:00 | ROIC | Comments(0)