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【 フージャースHD:一部コミットメント型ライツ・オファリング 】


 2018/1/24、フージャースHD(3284)の一部コミットメント型ライツ・オファリングにより発行される新株予約権(WT)の上場日が2/1に決定された。
http://pdf.irpocket.com/C3284/UV5D/iop1/Lmzx.pdf


1.スケジュール
(1) 上場日:2018/2/1
(2) 売買最終日:3/8
(3) 上場廃止日:3/9
(4) WT証券コード:3284-9


2.18/1/19:一部コミットメント型ライツ・オファリングに関するお知らせ
http://pdf.irpocket.com/C3284/u3wX/qycc/CB8D.pdf

(1) 付与割合:1/31時点の株主に対し、普通株1株につきWT1個を割り当てる(1株/1WT行使)

(2) 発行WT総数:27,798,675個

(3) WT行使価格:500円。但し、3/19の終値が555円を下回る場合には、翌日以降、当該終値×90%に修正

(4) WT権利行使期間
・一般投資家:2/1~3/15
・ドイツ証券:3/20~3/22

(5) コミットメント契約:ドイツ証券(引受会社)が全WTの20%を上限として引き受け&WT行使をコミット

(6) 取得条項:当社は、2018/3/19に、1円 or 0円/WT1個で残存WT全てを取得する

・3/16のVWAP ≧ 500円 ⇒ WT1個を1円で取得
・同 < 500円 ⇒ 同0円で取得


< 株価 ≧ 555円 のケース >
・ドイツ証券:(時価-500円)× 行使対象株数(*上限)の収益を獲得可能
(平均時価が700円の例:上限11.1億円)
*上限:27,798,675株 × 20% = 5,559,735株


3.WT価格/株価推移

  始値 高値 安値 終値 出来高

< WT価格推移 >
2/1 277 278 245 263 1,382,900
2/2 255 258 249 251 921,200
2/5 243 245 216 231 748,200

< 株価推移 >
2/1 782 784 746 770 1,072,600
2/2 761 764 752 753 553,400
2/5 742 744 730 738 701,100

⇒ 「株価 ≒ WT価格+ WT行使代金500円」


4.株主の主な選択肢

(1) WTを市場売却
(2) WTを行使して株式を市場売却
(3) 何もしない ⇒ 会社が取得(1円 or 0円/ WT1個)

⇒ 借株して、
「株価>WT価格+500円」の時点で、
「株式売却+ WT市場取得(& WT行使)」のオペレーションが出来れば、
「株価-(WT価格+500円)」の利益確定(諸コストは勘案せず)

⇒ (3)の選択はあり得ない


<感想>
 本件は、通常のライツ・オファリングと*コミットメント契約付WT(上限:全体の20%)を組み合わせたもの。(*ご参照:「ファシリティ契約付WT」
https://ameblo.jp/tsuruichi1024/entry-12345772765.html)

 株価が555円未満に下落した場合にはWT行使価格が時価の90%に修正されるが、商品設計としては、株価水準に関係なく、時価の90%に修正すべきだったように思われる。(ドイツ証券は、コミットメント相当分行使後株式を555円/株以上で売却した場合、10%超の利益を得ることが可能 ⇒ 発行会社・株主双方にとって不利益となるため)

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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http://tsuru1.blog.fc2.com/
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by tsuruichi1024 | 2018-02-06 08:00 | ライツ・イシュー | Comments(0)


【 エー・ディ・ワークス(3250)のライツ・イシュー 】


 以下は、2017/9/21の日経電子版記事*からの抜粋。
 *
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO2133811020092017DTA000/


『 ADワークス、「ライツ・イシュー」で38億円調達

 投資用不動産を手掛けるエー・ディー・ワークスは20日、7~9月に実施した「ライツ・イシュー」と呼ぶ株主割当増資による調達額が38億円だったと発表した。7月12日に株主に割り当てた新株予約権のうち45%が行使された。増資発表前の時価総額は86億円で、市場での規模の割には資金を比較的多く調達できたといえる。

 ライツ・イシューは株主に対し保有株数に応じ、新株予約権を無償で割り当てる。株主は予約権を行使して増資に応じるか、予約権を市場で売却するか選べる。今回は証券会社の審査を受けない「ノンコミットメント型」で、9月12日が予約権行使の最終日だった。

 予約権の行使価格は増資を発表した4月25日の前日終値(39円、普通株ベース)と同額に設定した。これまで実施されたライツ・イシューは増資に応じてもらおうと行使価格を株価より大幅に安く設定して株価が下がる例が多かったが、同社は「既存株主に配慮し、あえて割引しなかった」という。普通株ベースの株価は4月25日以降、39円を下回っていない。

 今回の増資について野村総合研究所の大崎貞和氏は「行使価格を株価より割り引かなくても一定額を調達できると実証した」と話す。ADワークスは調達した資金を主に販売用不動産を仕入れるのに活用する。』


[ 変更報告書(大量保有) ]

 以下は、EDINET**で検索した変更報告書(大量保有)からの一部抜粋。
**
http://disclosure.edinet-fsa.go.jp/ (WT:新株予約権)


月日 種類 数量 割合(%) 市場内外 取得/処分 単価

1.共同保有者1:田中秀夫代表取締役社長
6/29 WT 1,446,000  0.63 市場外 処分 消滅
7/13 WT 48,448,853 21.15 市場外 取得 WT無償割当て
7/13 WT 20,000,000  8.73 市場外 処分 信託譲渡※
7/25 WT 6,462,100  1.97 市場内 処分(始値13円⇒84百万円)
7/26 WT 7,000,000  2.14 市場内 処分(同10円⇒70百万円)
7/27 WT 96,900    0.03 市場内 処分(同8円⇒0.8百万円)
7/28 WT 1,000,000  0.31 市場内 処分(同9円⇒9百万円)
7/31 WT 7,593,200  2.32 市場内 処分(同7円⇒53.1百万円)
8/1  WT 5,000,000  1.53 市場内 処分(同7円⇒35百万円)
9/12 WT 1,296,653  0.40 市場外 処分 WTの行使
9/12 普通株 1,296,653 0.40 市場外 取得(WTの行使。39円/株)
9/20 普通株 1,350,000 0.41 市場内 処分
9/21 普通株 4,850,000 1.48 市場内 処分

2.共同保有者2:有限会社リバティーハウス(田中社長の配偶者が社長)
7/13 WT 9,416,000  4.08 市場外 取得 WT無償割当て
7/13 WT 2,000,000  0.87 市場外 処分 信託譲渡※
7/25 WT 816,000   0.35 市場内 処分(始値13円⇒10.6百万円)
9/12 WT 6,600,000  2.04 市場外 処分 WTの行使
9/12 普通株 6,600,000 2.04 市場外 取得(WT行使。39円/株)

3.共同保有者3:田中弘枝(田中社長の配偶者)
     同   4:田中希幸( 同 長男)
     同   6:森山未来( 同 長女)
7/25 WT  520,000  0.16 市場内 処分(始値13円⇒6.8百万円)
9/12 WT  120,000  0.04 市場外 処分 WTの行使
9/12 普通株 120,000 0.04 市場外(WT行使。39円/株)

4.共同保有者5:田中尚幸(田中社長の次男)
7/25 WT  200,000  0.06 市場内 処分(始値13円⇒2.6百万円)
9/12 WT  120,000  0.04 市場外 処分 WTの行使
9/12 普通株 120,000 0.04 市場外(WT行使。39円/株)


[ ※7/13の信託譲渡に関する想定 ]
共同委託者:田中社長/リバティーハウス
受託者:三井住友信託銀行
信託財産:WT 22,000,000
目的:(受託者裁量による)WTの処分
⇒7/14に現物(WT)移管、7/18に市場内にて売却(始値@18で売却した場合:396百万円)


[ 田中社長の共同保有者(1~6)によるWTの帰趨 ]

1.WTの無償割当 60,104,853(48,448,853+9,416,000+64万×3+32万)
(7/13時点の発行済株式数(224,176,000株)の26.8%)

2.WTの処分 51,728,200(信託譲渡2200万+27,152,200+81.6万+52万×3+20万)
⇒WTを始値で処分した場合のWT処分総額:約681百万円

3.WTの行使 8,376,653(1,296,653+660万+12万×4)(上記1-2)
⇒WT行使割合:約13.9%(3÷1)。WT行使総額:326,689,467円(8,376,653×@39)


[ WT最終行使結果に関するプレスリリース ]
http://contents.xj-storage.jp/xcontents/32500/f27a4f6c/8ec1/4d17/b5d7/4b6d7b206638/140120170920475197.pdf

WTの権利行使期間:2017/7/13~2017/9/12
WTの発行総数:223,136,600 個(WT1個につき、普通株式1株)
行使されたWTの個数:99,714,993個(WT発行総数に対する割合44.7%)
交付株式数:99,714,993株
払込総額:3,888,884,727円


<感想>
 ライツ・イシュー(WT)における、田中社長の共同保有者による(1)WT行使割合は14%弱(全体44.7%)と個人的な想定より少なく、また(2)WT行使総額もWT処分総額を下回っていると想定(上記試算2-3:+約355百万円。除、譲渡益課税・普通株売却)される。本ライツ・イシューは、特に会社によって資金調達面で意義あるディールだったと言えよう。
         
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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
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by tsuruichi1024 | 2017-09-23 08:00 | ライツ・イシュー | Comments(0)