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【 SUBARU:燃費・排出ガス測定に関する調査報告 】


 2018/4/27、SUBARU(7270)が「当社群馬製作所における完成検査時の燃費・排出ガス測定に関する調査報告について」を開示した。
https://www.subaru.co.jp/news/2018_0427_4.pdf

 以下は、他社においても参考になると思われる部分の一部抜粋。


< 原因・背景 >
1.現場から経営陣に至る完成検査業務等の持つ公益性・重要性に対する自覚の乏しさ

2.規範意識の欠如

3.教育の不足・不十分な知識・社内ルール等の不備

4.担当部署の閉鎖性

5.コミュニケーション不足・現場に対する無関心

6.監査機能の弱さ

7.測定値の書き換えを可能とするシステムの設定等


< 再発防止策 >
1.既に実施された対応策
(1)測定値の書き換えを不可能とするシステムへの変更

(2)測定データの取扱状況についての監視員による確認


2.今後実施する対応策
(1)抜本的なコンプライアンス活動推進体制の拡充・強化

(2)品質方針の抜本的見直し

(3)燃費・排出ガス測定業務に従事する者への教育・研修

(4)燃費・排出ガス測定業務に関わる社内規程の適正化

(5)現場とのコミュニケーションの強化

(6)監査機能の強化


3.結語
 このような事態を受け、当社は、全ての業務においてコンプライアンスを重視する意識を醸成し、自らの企業体質を根幹から変革していくことが必要であると強く認識している。そして、何が正しいことなのかを全ての役職員一人一人が自分で考え実行するという真に「正しい会社」をつくっていく決意を持って、経営トップが先頭に立ち、全役職員一丸となり、完成検査員問題に対する再発防止策に加え、本報告書記載 の再発防止策を徹底的に遂行していく所存である。
 加えて、これらの不正行為の原因・背景を重く受け止め、将来にわたり風化させないための全社的な取り組みを検討し、これをしっかりと推進していくことで、二度とこのような不正行為を引き起こすことのない真に「正しい会社」に生まれ変わっていく決意である。


<感想>
 本件は、完成検査時の燃費・排出ガス測定に関する不正行為の調査報告。
 本件を他山の石として、コンプライアンスを重視する意識の醸成が重要であるように思われる。

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by tsuruichi1024 | 2018-05-02 08:00 | コンプライアンス | Comments(0)


【 大成建設:独禁法違反該当の有無 】

 2018/3/2、大成建設(1801)顧問と鹿島(1812)専任部長が、独占禁止法違反容疑で逮捕された。両社のプレスリリース等は、次の通り。


1.大成建設
http://www.taisei.co.jp/MungoBlobs/431/216/2018030201.pdf
「当社としましては、嫌疑を受けている内容は独占禁止法違反に該当しないと考えており、今後の捜査の過程において、当社の主張を行ってまいります。」


2.鹿島
https://www.kajima.co.jp/ir/info/pdf/20180302-j.pdf
「当社ではかねてよりコンプライアンスの徹底に向けた社内教育を継続的に行ってまいりましたが、こうした事態に至りましたのは誠に遺憾であり、株主の皆様、お客さまをはじめ、すべてのご関係の皆様に深くお詫び申し上げます」


3.公正取引委員会の課徴金減免制度
http://www.jftc.go.jp/dk/seido/genmen/genmen.html
「課徴金減免制度とは,事業者が自ら関与したカルテル・入札談合について,その違反内容を公正取引委員会に自主的に報告した場合,課徴金が減免される制度です。」

※まず大林組(1802)が、次に清水建設(1803)が、公正取引委員会に自主的に報告したものと思われる。


(ご参考)
http://polestar.0510.main.jp/?eid=876737


<感想>
 本件は、上記(ご参考)によれば、東京地検特捜部と大成建設のヤメ検顧問弁護士との争いのように見える。
 最終的にどう決着するのか、今後の展開を注視して行きたい。

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by tsuruichi1024 | 2018-03-07 08:00 | コンプライアンス | Comments(0)


【 不祥事を防ぐ組織風土の浸透 】


 以下は、本来の制度(社内認定を受けた社員による検査)に違反した日産自動車の不祥事に関連するプレスリリースと記事からの一部抜粋。



1.2017/10/2の日産自動車会社プレスリリース
 当社製造の在庫車(未登録車)の再点検実施、登録再開ならびに既登録車の対応について

 本件に関連する原因調査および再発防止策については現在、第三者を含むチームによる調査を進めております。』

⇒ 原因調査中


2.2017/10/5の日経電子版記事
 日産、無資格検査なぜ起きた? メーカー任せに盲点

 Q 不備が見つかったのはどんな検査工程だったのか。

 A 大量に生産する車を効率良く消費者に届けるために、本来は国の機関で1台ずつ実施するブレーキなどの安全性の検査を車メーカーが代行することが認められている。日産のずさんな検査はこの工程で見つかった。

 法令に基づく通達では、社内の認定を受けた従業員だけが検査できることになっている。日産では認定を受けていない従業員が検査に携わっていた。ルール通りに検査することを前提にメーカーに検査を任せていたことで、結果的にチェックが甘くなった。石井啓一国土交通相は「制度の根幹を揺るがす行為だ」とのコメントを出した。』

⇒ 制度的なコントロール手法(セルフチェック)にも問題あり?


3.2017/10/4の日経電子版記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2183242003102017KE8000/

『 不祥事を防ぐ組織風土追求を
 西村あさひ法律事務所弁護士 木目田裕



[不祥事防止の仕組み]

(1)社内規定**による行動規範の明示と事前チェック手続の整備

(2)役職員に対する研修を通じた社内規定の浸透とコンプライアンス教育

(3)事後監査・内部通報による事後チェックとけん制

 **社内規定:各企業の各部署の具体的・日常的な場面に即した行動規範でなければ役に立ちにくく、不断の見直しも必要


[真のコンプライアンス]

 仕組みの整備に加えて、コンプライアンスを重視する組織風土(文化)を企業の隅々まで浸透させる

⇒ コンプライアンスについて、仕組みに加え、もう一歩踏み込んで考える


例1:「顧客目線で顧客のためを考える」という企業の原点に立ち返る組織風土をつくり、製品などの不適正表示や性能偽装を防ぐ

例2:「とにかく隠すな。それだけでよい」を絶えず繰り返す

⇒ 経営陣たちがシンプルなメッセージを繰り返すことが大事


4.2016/5の三菱自動車との戦略的アライアンス
https://newsroom.nissan-global.com/releases/release-dc1b83f7fb5cb4016e1fe84f81008383-160512-02-j?year=2016&month=5



<感想>
 「やっちゃえ日産」ならぬ「やっちゃった日産」の事例。昨年5月に、燃費データ不正を端緒とした、日産による三菱自動車の救済は記憶に新しい。西村あさひの先生の言うように、真の「不祥事を防ぐ組織風土」を企業グループ全体の隅々にまで浸透させることが、最良の「再発防止策」なのであろう。

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by tsuruichi1024 | 2017-10-07 08:00 | コンプライアンス | Comments(0)