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【 単元株100株への変更に伴う株式併合 】

 最近、「1株未満の端数処理に伴う自己株式買取」のプレスリリースをよく見る。先月、日経平均225銘柄の内、35銘柄が株式併合に伴ってみなし額面変更されていた。その率15%超。株式併合する理由とは?


1.株式併合(以下の野村證券の添付HPからの概要)
 
https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ka/kabu_heigo.html

・既存の数個の株式を1株に統合すること
 ⇒ 発行済み株式数を減らす方法(理論上、株式併合自体は株式価値には影響を及ぼさない)

・日本:2001年の商法改正により、単位株制度廃止⇒単元株制度が新たに導入されるなど、株主制度の自由度が高まる中、株式併合を必要とする理由を開示して、株主総会の特別決議による承認を得れば、さまざまな目的で実施することが可能に

・米国:2000年以降、株価が低迷すると、株式併合する企業が増加(1990年代の株価上昇局面では、個人投資家の株式投資を促進するために、株式分割を積極的に行い、株価を引き下げた)


2.証券取引所の方針

(1)「売買単位の集約に向けた行動計画」(「計画」)
 
http://www.jpx.co.jp/equities/improvements/unit/tvdivq00000050ft-att/20151217-1.pdf

・上場する国内会社によって異なる普通株式の売買単位(単元株式数)を投資家にとって分かりやすく、売買し易くするため、100株に統一する(期限:2018/10/1)

(2)望ましい投資単位の水準:5万円~50万円
 
http://www.jpx.co.jp/equities/improvements/unit/02.html

・投資単位は株価によって変動するため、強制はしていない


3.住友金属鉱山(5713)の例(5/24付プレスリリースより)
 
http://www.smm.co.jp/news/release/uploaded_files/170524-1.pdf

(1)単元株式数の変更の理由
上記取引所の計画に基づき、東京証券取引所に上場する企業として、単元株式数を100株に変更するもの

(2)株式併合の目的
 単元株式数を100株に変更するにあたり、投資単位(単元株式数あたりの購入金額)を適切な水準に調整すること


4.同社の9/14付プレスリリースより
 
http://www.smm.co.jp/notice/pdf/170914.pdf

(1)単元株式数の変更と株式併合
 効力発生日:2017年10月1日
 単元株式数:1,000株から100株に変更
 株式併合:当社普通株式2株を1株にする

(2)株式併合(2株→1株)に伴う株価水準の変動(併合前株価の前提:1800円)
 理論上株価は2倍に:1800円 ⇒ 3600円
 (時価総額不変で発行済株式数が半分になるため)

(3)単元株式数変更(1,000株→100株)に伴う投資単位の低下
 100株単位で売買が可能に:株式併合前180万円 ⇒ 株式併合後36万円

(4)株価(終値)推移(調整後)
 5/24:2,763円 ⇒ 6/5:2,642円(安値) ⇒ 10/19:4,221円(高値)


5.参考記事
(1)日経電子版
 
http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXLASGD05H2C_V00C17A9EN2000

『 日経平均35銘柄、みなし額面変更 27日から

 日本経済新聞社は5日、日経平均株価を構成する35銘柄のみなし額面を変更すると発表した。

 各社が実施する株式併合に対し、それぞれの併合比率に応じてみなし額面を変更する。35銘柄の現在のみなし額面はすべて50円。変更後のみなし額面は次の通り。実施は27日の算出から。

【変更後のみなし額面が100円】東ソー、住友金属鉱山、大日本印刷、三菱倉庫

【同250円】大成建設、トクヤマ、デンカ、三井化学、DOWAホールディングス、オークマ、住友重機械工業、東武鉄道、京王電鉄、東京ガス、大阪ガス

【同500円】東洋紡、ユニチカ、宇部興産、太平洋セメント、大平洋金属、三井金属、東邦亜鉛、古河機械金属、NEC、三井造船、三菱重工業、川崎重工業、IHI、新生銀行、あおぞら銀行、日本通運、日本郵船、商船三井、川崎汽船、ANAホールディングス 』

(2)Newsweek日本版
 
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2017/08/post-8114_3.php


<感想>
 端株の買い取りは、証券取引所の方針に沿った、(1)単元株数の変更(1,000株→100株)及び(2)望ましい投資単位の水準(5万円~50万円)に合わせた、株式併合(2株→1株、5株→1株、10株→1株)によるもの。投資単位を小さくすることは、株式流動性向上の観点からも意義があるものと思われる。

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元証券マンが「あれっ」と思ったこと
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by tsuruichi1024 | 2017-10-20 08:00 | 株式併合 | Comments(0)