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【 大塚家具:一族の株式保有比率 】


 親子対立に伴い、一族の株式保有比率がどれほど減少する結果となったのか。個人的に確認可能な範囲で、大量保有変更報告書を追ってみた。


1.大量保有変更報告書(保有比率)
                (千株)
(1)大塚勝久+千代子=計
2008/3/27   4,800+370=5,170(26.7%)
2008/3/28  △1,300(市場外,@1,183)(a)
15/8/11-12/25△1,637
16/2/17- 3/23 △200
16/3/27- 5/30 △654
16/8/ 3 -8/12 △350
2016/8/12時点 600+306=906(4.7%)

(2)ききょう企画(社長:久美子(当初))
2008/3/27   592(3.05%)
2008/3/28 +1,300(市場外,@1,183)(a)
2016/5/12 △ 600(市場外,@1,232)(b)
同時点    1,292(6.7%)

(3)レオス・キャピタルワークス(ひふみ投信)
2016/5/12  + 600(市場外,@1,232)(3.1%)(b)
2016/5/31   984(平均@1,224)
2016/6/17  1,183(同@1,213)
2017/3/ 3  1,607(同@1,165)(8.3%)


2.まとめ(保有比率の変化)

(1)大塚勝久(匠会長)夫妻:26.7%⇒4.7%
(2)ききょう企画(久美子社長系):3.1%⇒6.7%
(3)レオス・キャピタルワークス:0%⇒8.3%


<感想>
 親子対立により、保有比率の変化は、(1)父母:△22%(16/8時点)、(2)ききょう企画(久美子社長系資産管理会社):+4%弱(16/5時点)、(3)レオス・キャピタルワークス(ひふみ投信):+8%強(17/3時点)。

 一族の保有比率は△18%強。結果的に、父(匠会長)が言っていた通り、資本と経営の分離が進み、株式保有を通じた経営の安定化が損なわれたことは否めまい。

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by tsuruichi1024 | 2018-01-14 08:00 | 事業承継 | Comments(0)


【 匠大塚会長が“父娘げんか”を経て語る「事業承継ここを誤った」】


 2018/1/9のDIAMOND ONLINEに、匠大塚会長の掲題記事が掲載されていた。
http://diamond.jp/articles/-/155073?display=b

 今日はこの記事の概要を、明日以降は具体的にどのような動きがあったのかを確認してみたい。


[ 記事の概要 ]


1.5人の自慢の子どもたち

・学校も自由に選び、皆が父親の仕事を手伝いたいと思っていた

< 大学での専攻 >
長女:経済(久美子社長。一橋大学経済学部塩野谷ゼミ)
長男:彫刻科(匠大塚の勝之社長)
二女:法律
三女:芸術学部
次男:建築

・誰もが「大塚家具のために役に立つだろう」と考えての選択だったようだ

⇒ 私は心の中では、長女と長男が協力してやっていくのが一番だと思っていた(長男の勝之が営業を担うなら、長女の久美子は財務を担うといった具合)


2.株式(資本)の承継

・将来的には大塚家が大塚家具の経営から身を退き、いわゆる「資本と経営の分離」の体制をつくることが望ましいと考えていた


・株式を5人の子どもたちに均等に承継(19%ぐらいずつ)

⇒ 後に私や長男の役員解任につながる結果に


3.バブル崩壊後

(1)大規模小売店舗法が改正
(2)完成建物で借りるテナントがなく、家賃は下がり続けた

⇒ この2つの流れを追い風に、大塚家具は全国に店舗網を拡大、急速に社員が増えたりして組織体制の構築が急務に


4.1994年

 長女(久美子社長)大塚家具入社

・富士銀行(現みずほFG)に初の女性総合職として入行

⇒ 人材育成などの内部体制づくりを任せるため大塚家具に入社


5.2009年

 事業(経営)の承継

・「それほどやりたいのならばやらせてみよう。なにしろ長女で、5人姉弟の一番上だし、長男は営業部門で頑張っているから大丈夫だろう」と考え、2009年、社長を譲ると決めた


6.2013年

 久美子社長との軋轢

・私が、会社を離れていた長男の復帰を求めたのに対して、ある社外取締役の就任を提案。自分の思う経営路線、私とは違う経営方針を推し進めるための準備であったのだろう。しかも、「その選任案が認められないのであれば、私は社長を辞める」という条件まで付いていた


7.2015年前後

 以後は、久美子社長解任と私の社長復帰、そして2015年の私の解任へと争い続く

・「姉弟の役割分担」を学ばせなかったことを深く反省する気持ちもある

・匠大塚の社長を務める長男の勝之は、すでに四半世紀にわたって私のそばで私の経営を見ている。久美子とは逆に、私の感性や営業への姿勢などは十二分に学んできた

⇒ いったい「私と長男」、「久美子」のどちらが今後の家具販売の潮流をつくれるのか


感想>
 本件は、資本と経営を分離した結果、(1)資本(議決権)を押さえた長女(久美子社長)が大塚家具の経営権を握る一方、(2)父(匠会長)・長男(匠社長)はライバル会社(匠)を立ち上げる事態にとなった事例。

 今後益々、親子間で事業(会社経営)や資産(含む株式)の承継を検討するケースが増えて行くだろうが、身内同士で軋轢が生じない対策が望ましい。

 上場会社においては直接的な導入は難しいが、例えば、大株主の資産管理会社において、(1)無議決権(種類株式)の活用(現状の税法上、議決権/無議決権の価額は同一)や、(2)管理信託+議決権指図特約(受益権者:子ども、議決権指図者:親のまま)の活用などにより、元気でいる限り、親サイドに議決権をキープ可能な枠組が良いように思われる。

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by tsuruichi1024 | 2018-01-13 08:00 | 事業承継 | Comments(0)