人気ブログランキング |


【 ユーグレナ:ファシリティ契約付新株予約権 】

 2018/9/20、ユーグレナ(2931)が、ファシリティ契約付新株予約権(「WT」)をローンチした。
http://v4.eir-parts.net/DocumentTemp/20180921_080131239_aap3obi1w2qajr45jaiq4drj_0.pdf

 以下はその概要。


1.ファシリティ契約
(1)SMBC日興証券(「日興」)によるWT行使に関する努力義務及び任意行使
 日興は、行使可能期間中、下記(2)記載のWT行使が制限されている場合を除き、残存するWTを行使するよう最大限努力する。ただし、日興は、いかなる場合も、WTを行使する義務を負わない

(2)当社による行使停止要請通知(行使停止指定条項)
 日興は、行使可能期間において、当社からの行使停止要請通知があった場合、行使停止期間中、行使停止期間の開始日に残存するWTの全部について行使ができない。なお、当社は、かかる行使停止要請通知を随時、何回でも行うことができる。 具体的には、以下のとおり

・当社は、日興がWTを行使することができない期間(「行使停止期間」)として、行使可能期間の間の任意の期間を指定することができる

・当社は、行使停止期間を指定するにあたっては、当該行使停止期間の開始日の3 取引日前の日までに、日興に通知(「行使停止要請通知」)を行う

・当社は、日興に対して、当該時点で有効な行使停止要請通知を撤回する旨の通知を行うことにより、 行使停止要請通知を撤回することができる


2.WT発行概要
(1)WT数:60,000個(潜在株式数600万株)
(2)WT発行価額:740円/WT1個(7.4円=9/19終値837円×0.9%)
(3)WT行使価額の修正条項
 行使価額(当初行使価額837円)は、WTの各行使請求の効力発生日に、当該効力発生日の前取引日のVWAP×92%に修正される
 但し、下限行使価額586円(9/19終値837円×70%)


3.株価終値
 9/19:837円
 9/20:872円(+35円)
 9/21:860円(△12円)


<感想>
 ローンチ翌日の株価終値を見る限り、投資家には、本調達の意義を概ね認められたように思われる。

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------


by tsuruichi1024 | 2018-09-22 08:00 | 新株予約権 | Comments(0)


【 サムティ:一部コミットメント型ライツオファリング 】

 2018/9/18、サムティ(3244)が、一部コミットメント型ライツオファリングをローンチした。
https://www.samty.co.jp/news/auto_20180918407922/pdfFile.pdf

 以下は、その概要。


1.本資金調達方法を選択した理由
(1)既存株主の利益保護
・公募増資、第三者割当による株式又は新株予約権(「WT」)等の発行により一度に調達する場合には株式の希薄化が不可避的に生じる

・株式等の第三者割当増資により調達する場合は、かかる既存の株主への希薄化の影響に加え、当社の取締役会が決定する特定の者に相当数の株式等が割り当てられることにより当社の支配権に影響を及ぼす株主が出現し得る

⇒ ライツ・オファリングでは、一定の日における当社以外の全ての株主に対し、その保有割合に応じてWTを無償で割り当てるため、増資後も持分割合の維持を希望する既存の株主は、割り当てられたWTを行使し、行使代金として必要な金銭を払い込むことによって株式を取得することにより希薄化の影響を回避できる。
同時に、発行されたWTが東証で上場される予定のため、 既存の株主がWTの行使を望まない場合には、WTを市場取引等により売却することも可能。なお、当社は、2018/11/21に、交付財産(WT1個当たり1円 or 2018/11/20のVWAP価格×0.5-615円(行使代金)<0円⇒0円)と引換えに、同日において残存するWTの全部(一部は不可)を取得する

(2)資金調達の規模と確実性
 本件では、当社グループの資金調達額及びその使途、我が国における過去のライツ・オファリングの事例における行使率の結果、当社の株式の流動性等を踏まえれば、本ライツ・オファリング行使代金を615円(WT発行決議日の前営業日の2018/9/14の東証終値×0.5対比のディスカウント率=「39.4%」)とし、また当社がWTを取得する際の交付財産を1円又は0円とすることで、一般投資家によるWTの行使率を相当程度高めることができると考えられる。

 その上で、一般投資家によって行使されなかったWTについて、 当社が取得条項に基づき取得した上で、そのうち5,075,432個(発行WT総数25,377,159個×20%)(但し「取得WT≦5,075,432個」⇒取得WT全部)について、コミットメント契約に基づき、
原則として引受会社に譲渡し、引受会社は、当社から譲渡を受けたWTの全てを行使することを合意することで、資金調達コストを適切な水準に抑えつつ、当社が予定している資金調達額全額の調達の蓋然性を相当程度高めることができると判断


2.行使代金修正条項
 WTには、行使代金の修正条項が付されており、引受会社権利行使期間における行使代金は、「2018/11/21の東証終値≦1,367円」
⇒「2018/11/22以降、当該終値×0.5×90%」に修正される(下限行使代金の設定なし)

⇒ 仮に引受会社によるWTの取得までに株価が著しく下落した場合には、引受会社によるWTの行使代金が低く修正
⇒ そのような低い行使代金で引受会社による権利行使が行われる
⇒ 1)既存株主様は希薄化の影響を受け、また、2)実際の資金調達額が当初の予定よりも低くなる可能性がある

しかしながら、
1)引受会社による権利行使が行われるWTの数は発行WT総数25,377,159個×20%の5,075,432個が上限であって、それを超えて上記のような低い行使代金での権利行使が行われるものではなく、希薄化について一定の歯止めがかけられている

2)そのような場合であっても、上記で述べた事業投資のための資金調達を行うことで、 当社グループの今後の成長に向けた事業展開を促進し、ひいては株主価値の増大に寄与するものと考えている。さらに、行使代金の修正条項を付すことにより、本ライツ・オファリングに係る引受手数料を相対的に低い金額とすることができる


3.調達資金の額
 WT全てが行使され、かつその全てが行使代金615円(出資価額は589円)でなされた場合に最大約148億円
⇒ 開発アセットの多様化(マンション⇒ホテル及びオフィス)を企図した収益不動産用開発用地の取得等に充当予定


<感想>
 本件は、一部コミットメント型ライツオファリング。ローンチ翌日の株価は、1,803円(前日比△283円、△13.6%)で、1)ディスカウント率39.4%、2)株主割当:1対0.5を考慮すれば、本調達が投資家には好感されたものと思われる。

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------


by tsuruichi1024 | 2018-09-20 08:00 | 新株予約権 | Comments(0)


【 JVCケンウッド:行使停止&行使停止付き新株予約権 】


 2018/5/31、JVCケンウッド(6632)が第三者割当新株予約権(「WT」)の発行を開示した。


1.発行概要
(1)WT:25万個(100株/WT1個。2500万株(発行済株式の18%)相当)

(2)割当先:野村證券

(3)WT行使価格:当初361円(5/31終値)。2018/6/20以降、WT行使請求通知日直前の終値の92%に修正される。下限価格289円(361円×80%)

(4)行使期間:3年

(5)当社による行使指定:2021/5/21までの間、当社の判断により、割当先に対してWTを行使すべき旨及び行使すべきWTの数を指定することができる

(6)当社による行使停止:2018/6/22~2021/5/18、当社はWTの全部or一部を行使できない期間を指定することができる

(7)資金使途:各種開発・事業投資


2.主な特徴
 約3年間にわたり発生する資金調達ニーズへの柔軟な対応が可能

⇒ WTは、発行後の株価や当社の資金ニーズが高まるタイミングを考慮し、行使指定や停止指定を行うことを通じて、臨機応変に資金調達を実現することが可能な設計になっている


3.株価推移
 5/31 361円、6/1 321円(△11.1%<希薄化率18%)


<感想>
 本件は、所謂MSWT(Moving Strike型WT。8%ディスカウント)であるが、会社からWT行使停止や行使指定が可能なタイプ。
 株価水準や資金ニーズに応じてエクイティ調達が可能で、会社にとってはフレキシブルな仕組みであると言えよう。

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------

by tsuruichi1024 | 2018-06-03 08:00 | 新株予約権 | Comments(0)


【 日医工:ファシリティ契約付新株予約権 】


 2018/4/4、日医工(4541)が、ファシリティ契約付新株予約権(WT)の発行を開示した。
http://www.nichiiko.co.jp/finance/gif/4541_20180404_02.pdf


1.WTの概要
(1)WT数:113千個

(2)発行価額:470円/WT1個(総額53,110千円)

(3)潜在株式数:11,300千株(100株/1WT)
⇒ 17/9末時点の総議決権数の20%弱
※2/28時点の自己株式:3,627千株
⇒ WT行使時(一部)に自己株式を充当予定

(4)WT行使価格の修正:(4/3終値=*1,704円)
・効力発生日前日のVWAPの92%に修正
・下限:1,185円(*×70%)
(当初行使価格:1,874円(*×110%))

(5)割当先:SMBC日興証券
⇒ 株価動向等を注視しつつ、WTを適切に行使するよう最大限努力する

(6)資金使徒
M&Aに伴う株式取得資金等


2.ファシリティ契約の概要
(1)ターゲット・プライス条項
対象個数:WTの半数(56,500個)
ターゲット・プライス:2,045円(*×120%)
⇒ 2,045円以上となった場合に限り、WT行使が可能となる(2020/5/1~21/4/30は解除)
※但し、M&A等喫緊の資金需要発生時には本条項の解除が可能となる

(2)WT行使停止指定条項
当社からの行使停止要請通知により、行使停止期間中のWT行使は不可となる


3.スキームの説明
http://www.nichiiko.co.jp/finance/gif/4541_20180404_03.pdf


<感想>
 本件は、M&A資金需要に対するエクイティファイナンスをファシリティ契約付WTで調達したもの。
 所謂Moving Strike(価格修正条項)のタイプではあるが、翌日(4/5)の株価終値は
1,713円(前日比△7円、△0.41%)であった。希薄化率対比で見れば株価への影響は限定的で、機動性等の観点では一定のメリットありとの市場評価だったように思われる。

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------

by tsuruichi1024 | 2018-04-06 08:00 | 新株予約権 | Comments(0)


【 コミット・イシュー・プラスの新株予約権 】


 2018/3/30、RIZAPグループ(2928。「RIZAPG」)の子会社・夢展望(3185)が、EVO FUNDと新株予約権の第三者割当契約(コミット・イシュー・プラス)を締結した。
http://v4.eir-parts.net/DocumentTemp/20180402_072234456_21cho355nraguzruavp0glas_0.pdf


1.新株予約権(WT)の概要
 割当先:EVO FUND(EVOLUTION JAPAN証券株式会社を代理人とするよるケイマン法人)

 資金使徒:システム投資、新店舗の出店、M&A等

 目的:17/3期末の債務超過(△432百万円)の解消 (現在、上場廃止に係る猶予期間入り銘柄)

(1)WT個数:265万個(普通株式1株/WT1個)
 (潜在株式265万株:発行済株式数の24.98%)

(2)期間:原則約15ヶ月(2018/4/17~19/8/9)

(3)修正回数(原則):通算で61回(予定)(5価格算定日毎に修正)

(4)WT行使価額の修正等
 当初行使価額:1,040円
 下限行使価額:578円(3/29終値×50%)

 行使価額の修正:2018/4/18に初回の修正がされ、直前に行使価額が修正された日から起算して5価格算定日目の日の翌取引日(「修正日」)に、修正日に先立つ5連続価格算定日の各価格算定日の当社のVWAP(売買高加重平均価格)の単純平均値の90%に相当する金額に修正される

(4)その他
 大株主であるRIZAPGは、保有する当社株式の一部について割当予定先への貸株を行う予定


2.第三者割当契約(コミット・イシュー・プラス)の概要
(1)全部コミット
 価格算定日の売買高加重平均価格(VWAP)に基づき、WTの払込期日の翌取引日以降、原則として 302価格算定日以内に、割当予定先がWTの全てを行使する

(2)前半コミット
 WTの払込期日の翌取引日以降、原則として 152価格算定日以内に、100万株相当分以上の行使をコミットする

(3)コミット期間短縮
 当社の株式が市場で活発に売買される環境において、出来高が現在より大きく上回った場合、その高い流動性を活かして、より速やかに資金調達を完了する


3.主な特徴
 株価上昇時に調達額が増額
 ⇒ WT行使価額が、株価に連動して修正されるため、株価が上昇した場合に資金調達額が増額される


4.過去のRIZAPG宛第三者割当増資の概要
(1)払込期日:2015/3/31
(2)発行価額:192円/株(17/7:分割1→2勘案前)

(3)割当株数:390万株(同上、出資比率:73.5%)
(4)WT希薄化前後の出資比率:73.5%⇒58.8%


<感想>
 本件は、RIZAPGの子会社・夢展望の債務超過目的を企図した(と思われる)新株予約権の発行。
 RIZAPGとしては、
1.現状の株価水準での資本支援は選択肢になく
2.50%超の連結子会社をキープ(上記4(4)参照)しつつ
3.最も有効な調達手段がWT(資本/株式市場)を活用した本件
だったものと思われる。
(ご参照)
https://ameblo.jp/tsuruichi1024/entry-12239741620.html

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------

by tsuruichi1024 | 2018-04-04 08:00 | 新株予約権 | Comments(0)


【 IBJ:株価への影響を抑えた新株予約権の活用 】


 2018/2/26、IBJ(6071)が、第三者割当による新株予約権(「WT」行使価額修正条項付)の発行を開示した。
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120180226478131.pdf


1.WTの概要
(1)WT発行数:総計32,144個
(第3回WT17,858個、第4回WT14,286個)

(2)発行価額:総額29,765,394円
(第3回WT:1,026円/WT1個⇒10.26円/株
第4回WT:801円/WT1個⇒8.01円/株)

(3)潜在株式数:3,214,400株(100株/WT1個)
(発行済株式の7.9%)

(4)行使価額(2/23終値:1,163円)
第3回WT:当初行使価額1,400円。但し、条件決定日の直前取引日の終値(「条件決定基準株価」) > 1,400円 ⇒ 当初行使価額は条件決定基準株価の100%
下限行使価格:当初行使価額の100%
上限行使価格:なし

第4回WT:当初行使価額1,750円。但し、条件決定基準株価>1,750円 ⇒ 当初行使価額は条件決定基準株価の100%
下限行使価額:当初行使価額の100%
上限行使価額:なし

(5)第三者割当先:UBS AG London Branch


< 当社グループ >
これまで:
婚活事業やライフデザイン事業におけるサービス強化や積極的なM&A及び資本・業務提携を通じて、事業規模や多角化の面で急速な変化を遂げきた
⇒ 18/12期の成婚組数は、日本国内全体の約1%を実現する見通し

今後:日本国内における成婚組数の3%を目指す(22/12期までの本中期経営計画:
http://www.ibjapan.jp/pdf/ir/ir-data/plan/20180226.pdf)

1)婚活事業:全国に配置する結婚相談所ネットワークを更に拡大する
2)ライフデザイン事業:婚活事業とシナジーの高い領域を拡大
3)更に、人工知能(AI)を活用した新たなサービスの開発、シニア層向けの婚活マーケットや国際結婚マーケットへの積極的な進出も開始


[ 定量目標 ]
売上高300億円、営業利益50億円
(18/12期予:同106.2億円、同17.5億円)

⇒ 今後、大規模なM&A及び資本・業務提携も視野に


[ M&A、資本・業務提携の対象 ]
1)既存事業とのシナジーを重視し、それらに関連した企業、また既存事業との直接的な事業シナジーを生じさせる企業
2)当社会員ネットワークの拡大に繋がる個人顧客データベースを保有する企業
3)当社サービスの技術的な補完や新たな技術サービスの提供が可能なIT企業を想定


< 資金調達方法の選択理由等 >
(1)資金調達手法の概要
・当社がUBSに対しWTを割り当て、WTの払込金額に加え、UBSによるWTの行使に伴って当社が資金を調達する仕組み

・WTの当初行使価額:発行決議基準株価を上回る1,400円(第3回)及び1,750円(第4回)又は条件決定基準株価の100%に相当する金額の高い方の金額>「2/23終値1,163円」

・行使価額修正条項付き
⇒ 株価上昇時:行使価額を上方修正
株価下落時:下限行使価額が当初行使価額の100%に相当する金額(行使価額が当初行使価額より下方には修正されない)


< WTの仕組み >
1)行使指定
・原則:通常WT
⇒ 株価>行使価額 ⇒ WT行使が進行

[ 機動的な資金調達を希望時 ]
一定の条件に従ってWTを行使すべき旨及び行使すべきWTの数を当社が指定(「行使指定」)可能
⇒ 割当予定先は、かかる行使指定に従って一定の条件・制限の下で、指定された数のWTを20取引日の期間中に行使することをコミット

2)行使停止指定
当社は、割当予定先に対して、WTの全部又は一部につき、行使できない期間を指定可能
⇒ 当社の自主的な判断により、当社の資金需要、株価動向・希薄化の進展等を総合的に判断した上で、柔軟な資金調達が可能

3)買戻義務 (当社は、2020/3/20に、残存WTを発行価額と同額で買い取る義務あり)

4)譲渡制限WTの譲渡(当社の取締役会の承認が必要)

5)180日間のロックアップ


2.他の調達手段が適さないと判断した理由
(1)公募増資
・新株の発行は、資金調達が一時に可能となるが、同時に1株当たり利益の希薄化も一時に引き起こす
⇒ 株価に対する直接的な影響が大きい

(2)第三者割当増資
・当社の株主構成及び会社経営・支配権に割当先からの影響を及ぼされること、また上記(1)同様、即時の株式発行を伴うものであり、1株当たり利益の希薄化を一度に引き起こす
⇒ 株価に対する直接的な影響が大きい

(3)MSCB(転換価額修正条項付転換社債)
株価に連動して転換価額が修正されるMSCBは、発行条件・転換条件等は多様化しているが、一般的には、転換の完了まで転換により交付される株式総数が確定しない
⇒ 希薄化率が大きく変化し、株価に対する直接的な影響が大きい

(4)WT無償割当による増資(ライツ・オファリング)
・コミットメント型ライツ・オファリング
⇒ 国内で実施された実績が乏しく、未成熟なため、引受手数料等のコストが増加することが予想される

・ノンコミットメント型ライツ・オファリング
⇒ 割当先である既存株主の参加(WT行使)率が不透明で、十分な額の資金調達を実現できるかどうかが不透明

(5)社債又は借入れ
・調達金額が全額負債となるため、当社の財務健全性が低下し、今後の借入れ余地が縮小する可能性がある


<感想>
 本件は、WTを活用して、時価を超える株価での資金調達を企図するもの。
 株価の動きを見ながら、発行会社のオプションで、WT行使をストップされることやWT行使をコミットされることが可能なため、公募増資やCBよりも発行会社にとってはメリットがある枠組とも考えられる。

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------

by tsuruichi1024 | 2018-02-28 08:00 | 新株予約権 | Comments(0)



【 フィシリティ契約付新株予約権 】


 最近、新株予約権(WT)を活用した資金調達をよく見かける。今日は、萩原電気(7467)のファシリティ契約付WTをサンプルとして、概要を確認してみる。


1.18/1/18:WT大量行使に関するお知らせ
http://v4.eir-parts.net/DocumentTemp/20180119_075701972_uztt5hmnnnwsdd55dig1vu45_0.pdf

(1)月初からの行使株式数:78,800株(WT788個。WT総発行数の11.3%)

(2)平均行使価格:3,309円
(行使総額53,307千円÷78,800株)

※12/18以降の平均行使価格:3,253円
(行使総額365,633千円÷112,400株)


2.17/12/14:WT行使要請通知に関するお知らせ
http://v4.eir-parts.net/DocumentTemp/20180119_080246171_gveek555stvz5uabqknlppft_0.pdf

(1)WT行使要請期間:17/12/15~18/2/28

(2)WT行使要請個数:2,000個

(3)資金使途(概要):在庫量変動に対応可能な運転資金の確保


3.17/11/28:第三者割当による第2回WT(行使価額修正条項付)・ファシリティ契約に関するお知らせ
http://v4.eir-parts.net/DocumentTemp/20180119_102439106_vb2tpdfz0x3jms55bbvgin45_0.pdf

(1)WT個数:7,000個(100株/WT1個。潜在株式数は70万株。総議決権数の8.62%)

(2)WT発行価額:1,247円/WT(12.47円/株。11/24終値@3,500の0.36%)

(3)行使価額の修正:WT行使請求の効力発生日前日のVWAP(売買高加重平均価格)×91%(9%ディスカウント)

(4)行使可能期間:17/12/15~19/12/30

(5)ファシリティ契約の内容
・期間:17/12/15~19/9/30
・行使要請:SMBC日興証券(WT割当先)に対して、WT行使要請(期間:20取引日以上。個数:100個以上7,000個以内)することができる

⇒ 行使要請のオプションは、発行会社サイドにある(株価低迷時は行使要請をしなければ良い)


<感想>
 本件は、発行会社の行使要請に基づいて、割当先のWT行使を通じて、資金(エクイティ)調達をするもの。
 発行会社が、株価上昇局面で行使要請することで、結果的に、公募増資よりも調達額が大きくなることもあり得る。最大希薄化株数(本件70万株)も予め決定されてもあり、所謂MSCB(Moving Strike型CB)とは異なるものと考えられる。

(例)公募増資:引受手数料4%+販売ディスカウント率3%=7%
・11/24終値@3,500の7%ディスカウント=3,255円<3,309円(上記1(2))

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------




第2回プラチナブロガーコンテスト






第2回プラチナブロガーコンテスト



by tsuruichi1024 | 2018-01-21 08:00 | 新株予約権 | Comments(0)


【 ザッパラス:業務委託報酬としての新株予約権 】

 2018/1/12、ザッパラス(3770)が、新株予約権(「WT」)の条件決定を開示した。


1.1月12日:WT条件決定時の開示
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120180112449888.pdf

(1)WT条件決定概要
・割当先:1名(田中泰延)
・WT総数:264個 (普通株式100株/WT1個)
(全WT行使時:26,400株)
・WT払込金額:37,714円/WT1個(377.14円/株(a))
・WT行使価額:1円/株(b)(100円/WT1個)

(2)WT行使の条件に伴うディスカウント
・(a)+(b)=378.14円/株(c)
・1/12終値:413円(d)
・WT行使の条件(下記2(2))に伴うディスカウント:34.86円/株(d-c)


2.12月28日:WTローンチ時の開示
http://www.zappallas.com/wp-content/uploads/2017/12/ir_201712_stockoption_03ir-1.pdf

(1)目的及び理由
・現在当社は、潜在顧客層との新たな接点作りに向けて「占い TV」及び「占いフェス」(「本サービス」)へ集中的に資本を投下

・本サービスの制作に関する業務委託契約を締結するにあたり、当該業務委託先からその対価を将来における企業価値向上に紐づく形で受け取りたい旨の申し出があり、対価の支払い方法を現金の支払いに代えてWTを付与する事とした

・※発行するWTの数に発行価格を乗じた金額が本件業務委託報酬と同額になるようWTの個数を決定。また、行使価額を1円に設定することで、WTの公正価値が現在の当社株式価値に可能な範囲で近似するようにした

・WTがすべて行使された場合の増加株式総数は、発行済株式総数の0.19%に相当。業務委託先による企業価値向上への取り組みが期待できることから、WT発行による株式の希薄化規模は合理的であると考えている

※「業務委託報酬=WT個数×発行価格」の意味:私には理解できず


(2)WT概要
・行使期間:2018/2/1~2023/1/31
・行使の条件
(a) 2018/2/1~5/31:WT総数の40%まで
(b) 2018/6/1~9/30:同70%まで
(c) 2018/10/1~:同100%(制限なし)


3.株価水準⇒利益(報酬額)の関係例(除、株式売却手数料)

(1)株価:1,000円
・26,400株×(1,000円-378.14円)=16,417千円

(2)株価:500円
・26,400株×(500円-378.14円)=3,217千円

(3)株価:250円
・26,400株×△378.14円=△9,983千円(WT行使せず)


<感想>
 本件は、業務委託報酬を、現金の支払い(PL(費用)にヒット)に代えて、WTで支払う(PLにヒットしない資本取引)もの。

 割当先は個人であるため、報酬が「総合課税」(最高税率:55%(所得税45%+住民税10%))ではなく、「分離課税」(20.315%)で済むため、株価上昇時(上記3)の税効果考慮後のネット手取額は大幅に大きくなる。

 費用に関する、支払い側(PLにヒットしない)・受け取り側(株価上昇時のネット手取額は大幅にプラス)の双方にメリットのあるWTの活用は、新手の取り組みとして今後増える可能性があるようにも思われる。

----------------------------------------------------------------------
元証券マンが「あれっ」と思ったこと
発行者HPはこちら
http://tsuru1.blog.fc2.com/
----------------------------------------------------------------------





第2回プラチナブロガーコンテスト



by tsuruichi1024 | 2018-01-15 08:00 | 新株予約権 | Comments(0)