【 ビート・ホールディングス・リミテッド 】


 2018/9/20、日経新聞朝刊に、「ビート、経営権争い激化 香港仮想通貨企業の提案に対抗 豪金融の出資案も提示」の記事が掲載されていた。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO35523090Z10C18A9EE9000/

 以下は、その概要。


< ビート・ホールディングス・リミテッド >
 ケイマン諸島に籍を置き、ヘルスケアやIP(知的財産権)事業を手がける東証2部の上場企業(証券コード:9399)


1.株主提案(10月5日の臨時株主総会)
 ノア・アーク・テクノロジーズ:約1割保有の株主。仮想通貨関連事業会社

⇒ 新株予約権と第三者割当増資でビートの議決権の合計4割強を取得できるよう求める
⇒ アジアなどで仮想通貨技術を使った資金調達(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)を共同での実施を企図
⇒ ノアがビート株の過半を取得して仮想通貨会社に衣替えすれば、取引所の審査を経ない事実上の「裏口上場」に該当する可能性も


< 6月の株主提案 >
 ビートの議決権の過半取得とノアを冠した社名変更を要求

⇒ 8月上旬に態度を軟化させ、出資比率を4割強に抑える
⇒ 株主総会への招集通知にはノアの提案が可決されればビートのレン・イー・ハン社長が辞任すると明記


2.ビートの対抗策
(1)シンガポールのベンチャー企業への第三者割当増資
 「Wowoo(ワオー)」が第三者割当増資で最大3割強をビートに出資する提案


 < Wowoo >
 名証セントレックス上場のQ&Aサイト運営オウケイウェイヴ(3808)がマレーシアの海外子会社を通じて19%を出資する 会社

(2)第3号議案
 8月下旬に仮にノアによる株主提案と、Wowooとの資本提携の両方が総会で否決された場合、豪大手金融マッコーリーがビートの現在の発行済株式数に対して最大48%の議決権を取得できる「第3号議案」を盛り込む


3.株主総会の行方
 ビート経営陣などによるビート株の保有比率:約14%
 総会の議決権獲得に向けたノアとビートの優劣は判然としない。ノアは6月に初めて株主提案を出した際、ビートの議決権の過半取得を狙っていた。しかし、8月上旬に態度を軟化させた。出資比率を4割強に抑えるとともに、ノアを冠した社名変更の要求も取り下げた


<感想>
 本件は、株式会社のステークホルダーの内、株主次第で業態そのものが変更を余儀なくされる可能性を示唆する事案
 株主の構成については、ゴーイングコンサーンの観点からも常に一番ケアすべきであることを再認識された事例である

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by tsuruichi1024 | 2018-09-24 08:00 | 株主提案 | Comments(0)


【 JPHD(2749):株主総会で社長が解任 】


 2018/6/29、日経電子版に「JPHD、混乱収拾が急務 株主総会で社長解任」と題する記事が掲載された。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32372480Y8A620C1L91000/

 以下はプレスリリース等の概要。


1.株主総会決議通知
http://www.jp-holdings.co.jp/wordpress/wpcontent/uploads/2018/06/20180628-2.pdf

(1)会社側提案の取締役

 荻田和宏社長を含む取締役6人の選任が否決
 古川新社長と西井氏の選任のみ可決


(2)株主提案の取締役

 筆頭株主の投資会社マザーケアジャパンの坂井徹代表と福岡氏の選任案が可決


2.大量保有報告書
http://www.kabupro.jp/edp/20180119/S100C5EY.pdf

 提出者:マザーケアジャパン
 報告義務発生日:2018/1/18
 保有株式:24,074,800株(27.4%)
 取得価格:337円/株(6/29終値@353)
 借入:81.1億円全額(未来キャピタルより)
※山口洋前社長から19,931,600株(22.7%)市場外で取得

(ご参考)
 http://tsuru1.blog.fc2.com/blog-entry-328.html


<感想>
 本件は、資本の論理で、株主総会で現社長が解任された事案。
 山口前社長時代からの国内 or 国外主体の経営方針の違いも背景にあったようだが、今後は安定した経営が可能になることを期待している。

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by tsuruichi1024 | 2018-06-30 08:00 | 株主提案 | Comments(0)


【 日本ペイントHD:提携先・筆頭株主から株主提案 】


 2018/1/22、日本ペイントHD(日ぺ)(4612)が、3月末に開催予定の定時株主総会における取締役選任に関する株主提案書を受領した旨の開示をした。
https://www.nipponpaint-holdings.com/ir/document/pdf/news_japanese_20180122_5a652c1a9ec92.pdf

 以下は、添付日経電子版等からの概要のまとめ。
https://www.nikkei.com/nkd/company/article/?DisplayType=1&ng=DGXMZO25945370Q8A120C1000000&scode=4612&ba=1


1.株主提案の概要

(1)提出者:シンガポール塗料大手ウットラムグループ(筆頭株主)

(2)内容:推薦する6人を日ペの取締役候補とする株主提案(取締役の上限は10人)
 ⇒ 総会で可決されれば過半数を占める。日ペの経営陣がウットラム案に反発すれば委任状争奪戦に発展する可能性あり

(3)ゴー氏(ウットラムGのCEO、日ぺの取締役)の狙い
・1株利益(EPS)と配当からなる株主価値の最大化
 ⇒ 今回の5人の社外取締役候補はこの株主価値の最大化という考え方に賛同

(4)その他
・2017年末、日ぺが米塗料大手アクサルタ・コーティング・システムズの買収を断念したことの評価
 ⇒ 断念という判断はよかった(それ以上は守秘義務があるのでコメントできない)


2.NIL*の大量保有変更報告書より
(*ニプシー・インターナショナル・リミテッド)

(1)2014/12/5(下記3に基づく)
・第三者割当増資:60,000千株
・発行価額:1,705円/株

(2)現在の保有状況
・保有株数:126,906千株(保有比率39%)
・取得総額:2,260億円
・取得簿価:1,781円/株
 ⇒ 18/1/22終値@4,110(前日比+315)の時価総額:5,216億円(含み益+2,955億円)

(3)三者間の合意
・ゴー氏、ウットラムGと日ペ間で、NILがグループ企業外に株式を売却する場合は、日ペが自らまたは第三者を売却先に指定できる先買権を有することを合意

(4)保有目的の変更(報告義務発生日:2018/1/19)
http://www.kabupro.jp/edp/20180122/S100C5MK.pdf

・戦略的資本業務提携に関する発行者との合意に基づく株式の保有及び役員選任等の重要提案行為等を行うこと

・これ以前:戦略的資本業務提携に関する発行者との合意に基づく株式の保有
 ⇒ 後段の「役員選任等の重要提案行為等を行うこと」部分を追加


3.2014/2/3:ウットラムGとの協業関係深化に向けた戦略的提携等に関するお知らせ
https://www.nipponpaint-holdings.com/ir/document/pdf/news_japanese_20160225_56ceb2f0d9214.pdf

[ 目的 ]
 当社とウットラムGで運営するアジア地域の合弁会社の更なる企業価値向上と当社とウットラムGとの協業関係の深化、及びそれらを通じた当社の企業価値の向上


<感想>
 本件は、戦略的提携先かつ筆頭株主からの社外取締役選任に関する株主提案。
 両者の関係が良好であれば、このような事態にはならなかったはずであり、株主総会前の両者の話し合いを含めた、今後の動向が注目される。

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by tsuruichi1024 | 2018-01-24 08:00 | 株主提案 | Comments(0)


【 スパークス・グループ:帝国繊維へ株主提案 】


 2018/1/19、スパークス・グループ(8739)が、帝国繊維株式会社(3302)に株主提案したことを開示した。
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1545553


1.概要

 連結子会社のスパーク・アセット・マネジメント(SAM)の運用するファンドは、帝国繊維が3月に開催予定の定時株主総会において以下の2つを株主提案(SAMが傘下の運用ファンドを通じて株主提案を行うのは11年ぶり2回目)

(1)剰余金の配当の件 
 期末配当として、90円/株を配当する(同社計画は30円/株)

 ⇒ 資本効率の更なる低下を防ぐため、 現金同等物の増加を抑制するのに必要な水準の配当の実施を提案


(2)定款の一部変更の件 
 取締役の任期を、現在の「選任後2年以内」から、「選任後1年以内」に短縮する 

 ⇒ 帝国繊維の取締役会が株主からの信任の機会を増やすことによって、巨額の持合い株式に代表される経営上の課題に株主の視点を加味して対処する体制を整えるよう、取締役の任期短縮を提案


2.背景

(1)株式市場での評価
 帝国繊維は優良な防災製品事業を営みながらも、時価総額は約594億円(17/12末)と、予想当期利益30億円、保有する金融資産約425億円*を考慮すると、株式市場で十分な評価を受けていないこと(*17/9末の現預金、有価証券・投資有価証券の合計値)

(2)主な要因
 同社の非効率な資本配分にあること

a)本業とシナジーの薄いヒューリックの持合い株式を約225億円(12/29終値@1,266)も保有している
b)成長投資にも株主還元にも使用されない現預金および有価証券を約208億円5保有
c)過去10年間(17/9 vs 07/12末)で利益剰余金(いわゆる「内部留保」)が約207億円増加

 ⇒ 自己資本利益率(ROE)上昇に対する重石となっている
 ⇒ 利益剰余金の増加分は事業性資産に充てられることなく、ほぼそのまま、現預金・有価証券として蓄積されている


(3)これまで
 過去4年間にわたり同社と対話の努力を継続し、(a)ヒューリック株式を合理的な期間内に売却すること、(b)成長投資と株主還元に関する明確な方針を示すこと、を提案してきた 

 ⇒ 帝国繊維が資本の有効な活用法を検討するよう要望
 

3.数値の比較(17/9末 vs 07/12末)

(億円)   17/9末 07/12末
流動資産
 現金預金   108  18(+89)
 有価証券   100  10(+90)
投資その他の資産
 投資有価証券 217  20(+197)
合 計     425  49(+376)

利益剰余金   286  79(+207)


<感想>
 本件は、SAMが傘下の運用ファンドを通じて、帝国繊維宛て増配と取締役任期短縮の株主提案を行うもの。
 当社に限らず、利益剰余金については、現預金・(投資)有価証券ではなく、より利益率の高い事業への成長投資に活用することが望まれよう。

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by tsuruichi1024 | 2018-01-23 08:00 | 株主提案 | Comments(0)