【 スシローグローバルHD:株価条件付株式報酬型ストックオプション 】


 2018/2/2、スシローグローバルHD(3563)が、対TOPIXの株価上昇率で行使可能割合が決定されるストックオプション(WT)の条件を決定した。
http://v4.eir-parts.net/DocumentTemp/20180203_110140098_sjuhpj45ugk0vk55gberr445_0.pdf


1.WT条件決定

・募集WTの総数 367個

・WTの払込金額※(下記2(5)参照)

1)下限権利確定率 16.60%(151個) :196,800円/WT1個(1,968円/株)
2)下限権利確定率 20.75%(106個) :203,600円/WT1個(2,036円/株)
3)下限権利確定率 27.66%(110個) :215,100円/WT1個(2,151円/株)

※払込金額の総額に相当する金銭報酬を支給した上で、当社が当該金銭報酬請求権を債務引受した上で、WTの払込金額の払込債務と相殺する

・募集WTの割当ての対象者
 取締役 4名 (計 257個)
 執行役員3名 (計 65個)
 子会社取締役 1名 (計 25個)
 子会社執行役員 1名 (計 20個)


2.WT発行概要
http://v4.eir-parts.net/DocumentTemp/20180203_105703181_atw4zwickxdpfdnviuij353i_0.pdf

(1)目的
 当社の業績や株価と対象取締役等の報酬を連動させることにより、企業価値の持続的な向上と経営者と株主との一層の価値共有を進めることを目的に、中長期インセンティブとして新たに株式報酬型WTを付与するもの

(2)WTの権利行使期間:2018/2/3~2058/2/2

(3)WT行使の条件
・行使期間内において、取締役/執行役員の地位を喪失した日の翌日から10日までの間に限り、WTを一括してのみ行使可能

・行使できるWTの数は、割当てを受けたWT数に、相対的TSRに応じて算出される権利確定率を乗じた数とする

・また、割当日から3年を経過する日よりも前に取締役/執行役員の地位を喪失した場合には、算出される権利確定率に、割当日からの在任月数を36で除した割合を乗じて、権利確定率を算出する


(4)相対的TSR*の算式(*Total Shareholder Return)

 相対的TSR=絶対的TSR÷TOPIX成長率

・絶対的TSR={期末の株価+配当金総額}÷期首の株価

・期末の株価:割当日から3年を経過する日(対象取締役及び執行役員のいずれの地位を喪失した場合には当該地位喪失日) の属する月の前月の各日の終値平均値

・期首の株価:割当日の属する月の各日の終値平均値

・配当金総額:割当日から3年を経過する日までの間における配当金/株の総額

・TOPIX成長率=期末のTOPIX÷期首のTOPIX
期末のTOPIX:割当日から3年を経過する日の属する月の前月の各日のTOPIXの終値平均値

・期首のTOPIX:割当日の属する月の各日のTOPIXの終値平均値


(5)相対的TSRと権利確定率の関係

・相対的TSR 80%時:権利確定率 0%
・同 100%時:同 50%
・同 150%時:同100%

⇒ 期末の株価(+配当金総額)の株価上昇率がTOPIX上昇率の1.5倍以上時に、初めてWTが100%権利可能
(1倍では50%しかWT権利行使できない)

※ 絶対的TSRが1(100%)を下回った場合又は期末の株価が期首の株価を下回った場合には、下限権利確定率が適用される

・下限権利確定率:16.60%~27.66%
(WTを引き受ける者の役位に応じる。就任より1年以内に退任する場合には下限権利確定率は調整される)


<感想>
 本件は、株主との価値共有を進めるための、対TOPIXの株価(+配当金総額)上昇率に応じて権利行使可能な比率が変わる、役員退職金代わりの株価条件付ストックオプション。(株価下落時:下限権利確定率)
 相対的な株価上昇率にリンクする形態は、役員退職金以外の通常のストックオプションでも、今後、増えて行くように思われる。

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by tsuruichi1024 | 2018-02-05 08:00 | ストックオプション | Comments(0)


【 払込代金1円/株の有償ストックオプション 】


 2018/1/22、スターマイカ(3230)が、報酬としてではない、各者の投資判断に基づいて引き受けが行われるストックオプション(新株予約権(WT ))の開示をした。
https://www.starmica.co.jp/wp/wp-content/uploads/2018/01/180122-01.pdf


1.WT発行概要

(1)WT数:9,000個(100株/WT1個。90万株)
⇒全WT行使時の増加株式総数:90万株(発行済株式総数の4.7%)

(2)WT発行価額:100円/個(1円/株。1/29終値@1,781の0.06%)
⇒公正価格にて有償で発行(有利発行ではないため株主総会特別決議の承認不要)

(3)行使価額:1,781円/株(1/29終値)

(4)行使期間:2023/3/1~26/2/8

(5)行使の条件:

(a)18/11期~22/11期の連結営業利益の合計額が230億円を超過した場合、全てのWTを行使可能
(17/11期の連結営業利益:35.75億円。18/11期(予):36.69億円)

(b)WT行使時においても、当社・関係会社の役社員等であること(定年退職等、取締役会が認めた場合はOK)

(6)譲渡制限:WT譲渡は取締役会決議による承認が必要

(7)割当者:取締役 3名 7,400個、従業員15名 1,600個


2.会社の考え

(1)行使の条件(上記1(5)(a))は、過去の業績水準から相当程度高い水準となっており、その目標が達成されることは、 当社の企業価値・株主価値の向上に資するものと認識

(2)株式の希薄化(4.7%)への影響は合理的なものであると考えている


<感想>
 本件は、今後5年間の累計連結営業利益が230億円(単純平均46億円(17/11期対比+10億円超))超となった時に行使が可能となるWT発行事例。

 かなりストレッチした数値⇒WT価値抑制⇒100円/WT1個(1円/1株)という少額の払込でストックオプションを取得可能。

 100個のWT(WT行使で1万株取得)がたった1万円(100個×100円)であれば、取得しない選択肢はないだろう。
(仮に、5年後に株価が千円上昇していれば、グロスで1千万円(千円×1万株)の儲け)

 有償WTであれば、税制適格(無償)WTにおける行使金額の制限(WT行使価額/年≦1,200万円)もないため、今後、このような枠組のストックオプションが増えるかもしれない。

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by tsuruichi1024 | 2018-01-25 08:00 | ストックオプション | Comments(0)


【 株式報酬型1円ストック・オプション 】

 2017/11/14、日本BS放送(9414)が1円ストック・オプション発行に関するプレスリリースをした。


1. 株式報酬型ストック・オプション(新株予約権)の発行について
 
http://file.swcms.net/file/bs11/ir/irnews/auto_20171110415029/pdfFile.pdf


<WTを発行する理由 >

 取締役の中長期的な業績向上と企業価値向上に対するインセンティブを従来以上に一層高めることを目的として、取締役(社外取締役を除く)に対して株式報酬型ストック・オプション(新株予約権)(WT)を発行するもの

 WT割当対象者:取締役6名(除社外取締役)
 WT割当個数:42個(1個当たり100株)
 WT払込金額:ブラック・ショールズ・モデルで算出した時価(有利発行には該当しない)。なお、当該払込金額の払込みに代えて、当社に対する報酬債権をもって相殺する(金銭の払込みを要しない)
 WT行使価格:1円/株(行使総額:4,200円)
 行使期間:2017/11/30~2047/11/29
 行使条件:取締役の地位を喪失した日の翌日から10日以内に限り、WTを一括して行使可能(当人が死亡した場合、相続人は、WTを一括してのみ行使可能)

 ⇒ 役員宛て、現金による退職金(の一部)としての位置付け


2.WT行使時/株式売却時の税金

(1)WT行使時
 ・退職所得課税*:行使対象株数×(行使時点の株価-1円)

  ⇒ 株式を売却していなくても、課税される(退職所得控除後の半分が退職所得金額)

 *
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1420.htm

(2)株式売却時
 ・譲渡益課税:行使対象株数×(売却時株価-行使時株価)

 ⇒ 通常の株式譲渡時の(申告)分離課税
 
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1463.htm


3.ご参照

(1)「各種株式報酬のインセンティブ等の比較」(P8)
 
http://www.dir.co.jp/research/report/law-research/tax/20161121_011424.pdf


(2)業績目標型ストックオプション
 
https://ameblo.jp/tsuruichi1024/entry-12324239754.html?frm=theme


<感想>

 日本は、欧米に比べると変動報酬(資本市場を活用した株式報酬等)に比べ、固定報酬の割合がまだまだ高い(*P6 固定報酬割合:日本58%、英国25%、米国11%)。

 経営陣に中長期的な企業価値向上のインセンティブを与え(海外を含めた機関投資家も要望)、我が国の「稼ぐ力」向上につながるよう、経済産業省も株式報酬の導入を後押し*している。

 1円ストック・オプションもその枠組みの一形態(現金による役員退任時報酬の代替)として、今後も各社で同様の取り組みが続いて行くことが想定される。

*「攻めの経営」をうながす役員報酬~企業の持続的成長のためのインセンティブプランの手引き~
http://www.meti.go.jp/press/2017/09/20170929004/20170929004-1.pdf

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by tsuruichi1024 | 2017-11-16 08:00 | ストックオプション | Comments(0)


【 業績目標連動型ストック・オプション 】



 以下は、駐車場の上部空間店舗をプロデュースするフィル・カンパニー(3267)が発行したストック・オプションの概要。


1.ストック・オプション

(1)第7回新株予約権(#7回「WT」)
 a)WT数:151個(151,000株:1→2分割後302,000株)
 b)発行価格:無償
 c)行使価格:330円/株(分割後@165)
 d)割合対象:取締役2名、従業員7名
 e)行使期間:2016/2/20~2023/11/15

(2)第8回WT
 a)WT数:69個(69,000株:分割後138,000株)
 b)発行価格:無償
 c)行使価格:330円/株(分割後@165)
 d)割合対象:取締役2名、従業員8名
 e)行使期間:2016/2/20~2023/11/15

(3)第9回WT
 a)WT数:2,330個(233,000株:分割後466,000株)
 b)発行価格:有償600円/WT1個(6円/株)
 c)行使価格:3,370円/株(1→2分割後@1,685円)
 d)割合対象:取締役4名1500個、監査役3名160個、従業員10名650個、子会社従業員2名20個)
 e)行使期間:2019/2/1~2027/1/31
 f)業績目標(経常利益)⇒行使可能割合
 (i)2018 or 19/11期(5億円)⇒50%
 (ii)同(10億円)⇒100%



2.能見社長のWT等保有状況(大量保有報告より)


(1)WT取得状況(分割前)
 ・2014/ 2/19(#7回):24,000株(無償)
 ・2014/11/14(#8回):10,000株(無償)
 ・2017/ 1/30(#9回):100,000株(有償)

 ・2017/2/22:25,000株売却(×@3,986=99.7百万円)
 ⇒ 下記(2)の一部:25,000株×@330=8.3百万円
 ⇒ 上記差額:91.4百万円(25,000株の売買に対してのグロス手元資金)

(2)2017/3/22:WT行使(@330)により36,000株取得(⇒11.9百万円)

(3)保有株式
 ・65,000株(×@200.2円=13,010千円)
 ・134,000株(潜在株×@6=804千円⇒36,000株行使済⇒潜在株は98,000株?)
 ・合計 199,000株(7.68%。⇒163,000株?取得資金合計13,814千円⇒13,598千円?)


<感想>
 有償ストック・オプションは、本件のように自由な条件設定(業績目標連動型等)も可能で、かつ、行使金額の制限もないため、今後も取組件数の増加が想定される。

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by tsuruichi1024 | 2017-10-31 08:00 | ストックオプション | Comments(0)


Klabの受益者不存在の法人課税信託を活用した後決め「有償ストックオプション」


Klab(3656)が、2016年3月に受益者不存在の法人課税信託を活用した有償ストックオプションを発行した。
(出所:https://www.facebook.com/tetsuya.sanada?fref=nf&pnref=story「2016年3月7日」)

あれっ、割当者が決まってないストックオプション? そんなのあるんだ。

有償、無償を問わず、通常、ストックオプション(新株予約権=WT(Warrant))は、発行した時点で、①WTの割当者と②WTの割当個数を決めるもの。

本件は、発行時は信託銀行に割り当て、予め策定された社内のマニュアルに沿って、将来の稼ぎ等に応じた獲得ポイントに従って、①割当者と②割当個数を、後から公平に決定することが可能なスキームになっている。

現在では、当初、信託銀行に割り当てるのではなく、民事信託を活用して顧問税理士等に無報酬で割り当てる方式が主流になりつつあるようだ。

私もこのような新しい枠組みに挑戦してゆきたい。


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by tsuruichi1024 | 2016-11-19 04:44 | ストックオプション | Comments(0)