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カテゴリ:トランプ( 25 )


【 データが示す「Summer of Fear (恐怖の夏)」 】


 2019/8/14の日経新聞に、『[FT]データが示す「恐怖の夏」 世界景気に収縮の予兆 』の記事が掲載された。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48494050T10C19A8TCR000/

 以下はその概要。


< 先週の市場の乱高下 >
・表向き:米中貿易摩擦が全面的な通貨戦争に発展したことがきっかけ

・本質的な原因:米連邦準備理事会(FRB)が7月に実施した利下げの理由が、将来の景気減速に対する「保険」だということに、世間が納得しなかったから

⇒ 米国、スペイン、イタリア、フランス、ドイツの購買担当者景気指数の低迷に企業の倒産件数の増加、米国のレイオフ(一時解雇)急増まで、今やいくつもの指標が示しているように、世界的な景気下降局面はすでに始まっている


< 為替調査会社AGビセット・アソシエーツのウルフ・リンダール最高経営責任者(CEO)>
・「恐怖の夏」を迎えようとしている

⇒ 2018年1月から長期平均に回帰し始めたダウ平均が、10年続く弱気相場に発展するとみている


< 過去のデータ >
・ダウ平均が現在のようにトレンドライン(傾向線)から130%以上乖離した時期は、1906年以降、20カ月間しかない

・大恐慌が起きた29年、ITバブル崩壊前の99年、そして2018年近辺に集中

⇒「米国株は過去150年間で2番目の高値をつけている」とリンダール氏は言う。「株価が下がるのは必然だ」


< なぜ暴落がまだ起きていないか >
・実際、不安を募らせている市場参加者は大勢いる。マイナス利回りの債券が全世界に14兆ドル相当も存在することが何よりの証拠

・大損に対するヘッジとして少しだけ損をする「安心感」にお金を払う意思がある人がこれほど多ければ、世界がかなりおかしい状態にあることは明白

・より急激で持続的な調整がなぜまだ起きていないのか。先週まで、市場があえて3つの事象について目をつぶってきたため


1.米中間の貿易協定は成立しない
・両国とも協定を切実に必要としているが、中国は対等な立場でなければ取引には応じない。ただ、トランプ米大統領は心理的にこれを受け入れられない。過去の経歴をみると、トランプ氏は相手を一方的に倒せたと感じられる欲求を求め続けてきた。株価が下がるにつれて、この負けを認めない病的心理の傾向は激しくなる一方だろう。

・大統領の予測不能な行動の結果、株価が下げるたびに買いに回るアルゴリズム売買プログラムによっていくばくか覆い隠されてきた。そのため、市場が持続不能であることを示す現状に対する継続的なシグナルがかき消されてしまった。


2.トランプ氏が中国を「為替操作国」に指定した後、中国は元安を容認
・これにより、米大統領がフェアに戦わずに強硬策に出ようとした場合、中国は米国市場を打ち倒し、どんな痛みをも受け入れる覚悟があることを示した。誰もが無視しがたい新しい現実だ。

・新興国が覇権国に挑戦するとき、折り合えずに戦争が起きる「トゥキディデスの罠(わな)」が現実に起きているのだ。米国の外交政策は20年の大統領選挙後に大きな変化があるどころの情勢ではない(なお、民主党の有力大統領候補は誰も対中政策をはっきり示していない)。米国と中国は現在、今後数十年続き、世界の経済と政治を塗り替える冷戦に入っているのだ。


3.FRBの10年来の対策、つまり経済をお金であふれさせて市場を安心させ、正常化を期待する策は失敗
・そして次善策は存在しない。だからこそ、金の需要が旺盛になっている。一部のヘッジファンドが現金化への防衛策を備え始め、利回りが大幅なマイナス領域に入っている投資適格債をトレーダーが空売りして、過去10年間の米国株・米ドルへの資金流入が今にも反転しようとしているのもこれが要因だ。リンダール氏は、米ドルは今、ユーロに対して25%過大評価されていると考えている。

・FRBは間違いなく、追加利下げによってこうした状況を取り繕おうとするだろう。だが、資産運用会社グラスキン・シェフのストラテジストのデービッド・ローゼンバーグ氏が指摘するように、「米国の民間部門は大量の債務で窒息寸前で、信用コストを引き下げても、需要の反応は大して起きないだろう」。

・緩和策は当時もうまくいかなかったし、現在もうまくいかないだろう。債務の問題をさらに債務を積み上げて解決はできない。

・設備投資計画は延期され、住宅ローン金利が低いにもかかわらず、中古住宅の販売が減少している。グラスキン・シェフが指摘しているように、米国の消費者がクレジットカードの借入残高と自動車燃料の使用の両方を減らしている。この2つの支出の削減はどんな時期であっても珍しく、ましてや休暇シーズンの最中には、めったにないことだ。まさしく恐怖の夏だ。(12日付)


<感想>
 今後の世界経済がどちらの方向に向かうのか。
 私も、FTのグローバル・ビジネス・コメンテーターのラナ・フォルーハーの言う、恐怖の夏が(来て欲しくはないが)来つつあるように思う。

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by tsuruichi1024 | 2019-08-20 08:00 | トランプ | Comments(0)


【 日米首脳の仲の良い「絵」 】


 2019/5/27、現代ビジネスに、高橋洋一さんが、『日米「ゴルフ外交」の意外な効果についての話をしよう』の記事を掲載した。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64853

 以下はその概要。


1.安倍政権の国際的なプレゼンス

・日米の強固な関係を国際社会に示すためには、会談は不要
・それよりも「蜜月」をアピールする「絵」のほうが必要
・このため、「令和初の国賓」「ゴルフ」「相撲観戦」「護衛艦乗艦」というテレビ映りのいい「絵」をつくることを優先

(トランプ米大統領の訪日予定)
25日:パレスホテルに宿泊

26日:午前)千葉県茂原カントリー倶楽部でゴルフ
 午後)国技館で大相撲観戦、夕食は六本木の田舎家東店で会食

27日:午前)皇居で天皇、皇后両陛下に謁見。その後迎賓館で日米首脳会談
 午後)北朝鮮による拉致被害者家族との面会。夕食は宮中晩餐会

28日:午前)横須賀基地で海上自衛隊ヘリコプター搭載「護衛艦かが」に乗艦
 午後)羽田空港から帰国

⇒ 実質的な会議(会談)をしないことを前提としたスケジュール


2.アメリカ人のゴルフ

・アメリカ人は、ビジネスランチは比較的誰とでも行うが、ゴルフは基本的には好きな人としかやらない
・アメリカ人がゴルフをするのは、その相手に好意を持っている証

(安倍首相とトランプ大統領のゴルフ)

2017年2月:27ホール(フロリダ)
2017年11月:9ホール(埼玉)

2018年4月:18ホール(フロリダ)
2019年4月:18ホール(ワシントン)

2019年5月:16ホール(千葉)
合計:88ホール、15時間程度

(先日の韓国の文大統領とトランプ大統領の会談時間は」たった2分」)


<感想>
 安倍首相とトランプ大統領のツーショットの「絵」。
 強固な日米関係の国際社会へのアピールに留まらず、今後の具体的な国益に繋がることを祈念している。

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by tsuruichi1024 | 2019-05-30 08:00 | トランプ | Comments(0)


【 トランプの対中姿勢≒レーガンの対ソ連姿勢 】

 2019/5/20、現代ビジネスに、高橋洋一さんが、『米中貿易戦争 検証して分かった「いまのところアメリカのボロ勝ち」』の記事を掲載した。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64731

 以下はその概要。


1.中国の典型的な手口

(1)中国当局の輸入制限

・中国への輸出品について、中国当局が輸入を制限する


(2)合弁会社の設立

・輸出企業に対して「中国進出しないか」と、外国資本の支配権はない中国企業との合弁会社を持ちかける


(3)知的所有権・技術の「窃盗」

・立ち上げた合弁企業から技術を盗みだし、中国国内で新たな企業を創設して、その技術の独占を主張する

・また中国が他の先進国に直接投資し子会社を設立してから、投資国の企業や大学などから企業秘密や技術を盗む


2.アメリカの対応

(1)対中関税の引き上げ

・中国による知的所有権・技術の「窃盗」に対して、対中関税を引き上げ

 中国のアメリカからの輸入額:1300億ドル

 アメリカの中国からの輸入額:5390億ドル

 ⇒ 報復関税をやりあっても、中国には勝ち目はない


(2)物価への影響

・米中貿易戦争以降も、アメリカの物価はまったく上がっていない(インフレ目標2%の範囲内に収まる

 1)中国からの輸入品が他国製品によって代替できているか or

 2)価格転嫁ができていないか=輸出側の中国企業が関税上乗せ分の損を被る(一方アメリカ政府は、まるまる関税分が政府収入増になる)


3.中国の物価

・食品を中心として物価が上がっている = 価格転嫁が進んでいる

・中国がアメリカからの輸入品(農産物)に関税をかけ続ければ、そのうちアメリカの輸出農家も影響を受けるだろう

 ⇒ アメリカ政府は輸出農家に何らかの形で補助金を出せばいい(関税収入があるので、補助金対策の財源には困らない)


4.トランプ大統領とレーガン大統領

・トランプ大統領の対中強硬姿勢

 ≒ レーガン大統領の対旧ソ連への強硬姿勢

 ⇒ 1980年代初頭に「力による平和」を旧ソ連に仕掛け、それがきっかけになり、旧ソ連の経済破綻、旧ソ連の崩壊を10年で引き起こした


・トランプ大統領:中国の知的所有権収奪と国家による補助金を問題にしている

・習近平体制:逆に中央集権化の流れを加速

 ⇒ 知的所有権収奪と国家補助金については、中央政府とともに地方政府もこれまで推進してきたが、それを「アメリカの追及が厳しいから、もうやめよう」と習主席が認めると、地方政府からの突き上げをくらう可能性が高い。だから、習主席としては絶対に認められない

 ⇒ 米中貿易戦争はしばらく続くことになるが、続けば続くほど、中国にとっては不利で、結局、習近平体制の基盤を揺るがすことにもつながるかもしれない。こうしてみると、ひょっとしたらトランプ大統領は中国の現体制の崩壊まで、この貿易戦争を続けるつもりなのかもしれない


<感想>
 米中貿易戦争はどこまで行くのか。
 レーガン大統領の対旧ソ連への強硬姿勢とトランプ大統領の対中強硬姿勢。
 トランプ大統領の本気度次第では、中国の現体制の崩壊に行き着く可能性も否定できない。

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by tsuruichi1024 | 2019-05-25 08:00 | トランプ | Comments(0)


【 ペンス副大統領の演説:本気の対中宣戦布告 】


 2018/10/12、長谷川幸洋さんが、現代ビジネスに『米副大統領の演説は、実は対中国への「本気の宣戦布告」だった』と題する記事を掲載していた。(その2)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57929


(ペンス副大統領による対中政策の演説)
https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/remarks-vice-president-pence-administrations-policy-toward-china/


[ 長谷川さんの要約 ]

・中国は政治、経済、軍事的手段、プロパガンダを通じて米国に影響力を行使している。

・米国は中国に自由なアクセスを与え、世界貿易機関(WTO)に招き入れた。経済だけでなく政治的にも、中国が自由を尊重するようになると期待したからだ。だが、期待は裏切られた。

・中国政府はあらゆる手段を使って米国の知的財産を手に入れるよう指示している。安全保障に関わる機関が「窃盗」の黒幕だ。

・習近平国家主席はホワイトハウスで「南シナ海を軍事化する意図はない」と言った。だが、実際には人工島に対艦、対空ミサイルなどを配備している。

・最近も中国海軍の艦艇が米海軍のイージス艦に異常接近した。

・中国は国民を監視し、反政府的人物は外を一歩、歩くのも難しい。

・中国最大の「闇(underground)教会」は閉鎖され、キリスト教徒や仏教徒、イスラム教徒が迫害されている。

・中国はアジア、アフリカ、欧州、南米で借金漬け外交を展開している。負債が払えなくなったスリランカには、港を引き渡すよう圧力をかけた。中国の軍港になるだろう。

・米国は台湾の民主主義を支持する。

・中国は米国の企業や映画会社、大学、シンクタンク、学者、ジャーナリスト、地方や連邦政府当局者に圧力をかけたり、見返りの報酬を与えている。

・最近も、ある大企業を「米国の通商政策を批判しなければ、事業の許可を与えない」と脅した。

・米地方紙の「デモイン・レジスター」に中国政府のPR記事を挿入し、米国の通商政策を批判した。だが、米国民は騙されない。

・米国のジョイントベンチャーには、社内に「共産党組織」を設置するよう要求した。

・ハリウッドには中国を好意的に描くよう、日常的に要求している。

・中国は英語放送を通じて米国民に影響を与え、学会や大学にも資金提供を通じて圧力をかけている。メリーランド大学で学んだ中国人学生は卒業式で「自由な言論の新鮮さ」と語っただけで、共産党機関紙が彼女を非難し、中国の家族も嫌がらせを受けた。

・ハドソン研究所も中国政府が好まない講演者を招いただけでサイバー攻撃された。

・我々のメッセージは「大統領は引き下がらない。米国民は惑わされない」だ。

・トランプ政権は米国の利益と雇用、安全保障を守るために断固として行動する。


<感想>
 先週、GEからの産業スパイ活動によりベルギーで拘束されていた中国国家安全省の幹部が、米国に移送されたのもこの方針に基づいたものであるように思われる。
 経済活動への悪影響も考慮した、中国サイドの米国への歩み寄りに期待したい。

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by tsuruichi1024 | 2018-10-16 08:00 | トランプ | Comments(0)


【 Remarks by Vice President Pence on the Administration’s Policy Toward China 】

 2018/10/12、長谷川幸洋さんが、現代ビジネスに『米副大統領の演説は、実は対中国への「本気の宣戦布告」だった』と題する記事を掲載していた。(その1)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57929


[ ペンス副大統領による対中政策の発表 ]

Remarks by Vice President Pence on the Administration’s Policy Toward China
FOREIGN POLICY
Issued on: October 4, 2018
https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/remarks-vice-president-pence-administrations-policy-toward-china/


< 日本絡みの部分 >
Chinese ships routinely patrol around the Senkaku Islands, which are administered by Japan.

And we will soon begin historic negotiations for a bilateral free-trade deal with Japan.


< willを使った強い口調 >
China wants nothing less than to push the United States of America from the Western Pacific and attempt to prevent us from coming to the aid of our allies. But they will fail.

Despite such reckless harassment, the United States Navy will continue to fly, sail, and operate wherever international law allows and our national interests demand. We will not be intimidated and we will not stand down.

And while our administration will continue to respect our One China Policy, as reflected in the three joint communiqu?s and the Taiwan Relations Act, America will always believe that Taiwan’s embrace of democracy shows a better path for all the Chinese people.

And as the President has also made clear, we will levy even more tariffs, with the possibility of substantially more than doubling that number, unless a fair and reciprocal deal is made.

But the United States wants Beijing to pursue trade policies that are free, fair, and reciprocal. And we will continue to stand and demand that they do.

But our message to China’s rulers is this: This President will not back down. (Applause.) The American people will not be swayed. And we will continue to stand strong for our security and our economy, even as we hope for improved relations with Beijing.

As we rebuild our military, we will continue to assert American interests across the Indo-Pacific.

As we respond to China’s trade practices, we will continue to demand an economic relationship with China that is free, fair, and reciprocal.
We will demand that Beijing break down its trade barriers, fulfill its obligations, fully open its economy -- just as we have opened ours.

We’ll continue to take action against Beijing until the theft of American intellectual property ends once and for all. And we will continue to stand strong until Beijing stops the predatory practice of forced technology transfer. We will protect the private property interests of American enterprise.

We’ll be giving foreign nations a just and transparent alternative to China’s debt-trap diplomacy. In fact, this week, President Trump will sign the BUILD Act into law.

And on behalf of the President, I will deliver the message that America’s commitment to the Indo-Pacific has never been stronger.

And when it comes to Beijing’s malign influence and interference in American politics and policy, we will continue to expose it, no matter the form it takes.
We will work with leaders at every level of society to defend our national interests and most cherished ideals.
The American people will play the decisive role -- and, in fact, they already are.

And we hope that soon, Beijing will reach back with deeds, not words, and with renewed respect for America. But be assured: we will not relent until our relationship with China is grounded in fairness, reciprocity, and respect for our sovereignty.


<感想>
 ペンス副大統領の対中政策の本気度をひしひしと感じる内容。先週の株安の一因が本政策発表にあったとすれば、今後の市況が心配だ。

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by tsuruichi1024 | 2018-10-14 08:00 | トランプ | Comments(0)


【 日米首脳会談:対中包囲網での漁夫の利 】


 2018/10/1の現代ビジネスで、高橋洋一さんが、『日米首脳会談で日本が得た「見た目以上に大きな成果」の中身』と題する記事を掲載していた。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57761?page=4

 IMFの『G20 Surveillance Note』(7月21日〜22日、アルゼンチンでのG20財務相・中央総裁会議で議論するための参考資料)

・「The Global Impact of Escalating Trade Actions」(貿易戦争によるグローバルなインパクト)という試算


< 試算の前提となる4つのシナリオ >

シナリオ1:既に実行済みの関税:鉄鋼(25%)+アルミ(10%)と、対中追加関税500億ドル(25%)、それに中国からの報復関税500億ドル(25%)などによる影響

シナリオ2:今後追加される関税:対中輸入2000億ドル(10%)と、中国による同規模の報復関税による影響

シナリオ3:自動車輸入関税:アメリカが全自動車輸入にかける追加関税(25%)と、各国の報復措置による影響

シナリオ4:信用危機:貿易戦争がグローバルなショックを与え、投資に対するリスクプレミアムを引き上げてしまうことによる影響

⇒ 日本の経済成長率は「シナリオ3」の自動車輸入すべてにアメリカが関税をかけた場合にややマイナスになるだけ。大きな影響を受けるのは「シナリオ4」の信用危機が起きた場合のみ


< 日本の自動車 >

・アメリカへの輸出 174万台

・アメリカ国内での生産 377万台

⇒ アメリカ国内での雇用創出 150万人

⇒ アメリカからの輸出総額 757億ドル


< アメリカに雇用をもたらす対米投資 >

 中国とは違い「知的財産の収奪」はなく、多額のロイヤリティをアメリカに払っている


< アメリカの対日投資 >

 アメリカ企業の対中投資の際のように、中国当局が何らかの調査を口実として「強制的技術移転」を強いることはあり得ない(この点から、アメリカに攻められることはない)


< 9月28日の日米首脳会談 >

1.二国間の貿易交渉を物品に限定したこと(アメリカの有利なサービス除外)

2.交渉中は日本に打撃の大きな自動車関税の話はないこと

3.交渉時間を確保したこと

4.対中包囲網で日本は"漁夫の利"を得ること

⇒ 今のところ、アメリカとの協議は日本には悪くない結果となっている

⇒ しかし、中間選挙をにらみながら、アメリカでは、今後議会が政府に通商交渉権限を与える際に、日本への追加要件もあるかもしれないのは多少気がかり


<感想>
 高橋さんのご指摘のように、今般のTAG(二国間貿易協定)が、対中包囲網で日本が漁夫の利を得られることを祈念している

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by tsuruichi1024 | 2018-10-04 08:00 | トランプ | Comments(0)


【 非論理的なトランプ政権の政策 】


 2018/8/23、日経新聞の「大機小機」に、『孫悟空とトランプ』の記事が掲載されていた。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34452910S8A820C1920M00/
 以下はその概要。


・トランプ米大統領の貿易赤字(経常赤字)の削減策
⇒ 貿易赤字はもっと別のところで決まっているから、失敗するだろう

・貿易(経常)収支
(参考:
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/sentaku/s2_6.html)
 貿易(経常)収支 ≒ 中長期的にはその国の総貯蓄と国内投資の差額
「貯蓄>投資」:超過分が貿易黒字
「投資>貯蓄」:超過分が貿易赤字
 貯蓄率や投資比率は長期的にはその国の制度や慣行、潜在成長率などに左右される。完全雇用なら供給制約で国内総生産や貯蓄は動きにくい
⇒ 輸出や輸入額が多少変動しただけでは、簡単には貯蓄や投資がそれに見合う水準に変化しない。貿易収支も元の水準に戻ることになる。

・自動車の対日輸入関税を引き上げた場合(例)
⇒ 日本からの自動車の輸入はひとまず減る
⇒ 減ると消費者が困る。米国内生産に切り替えようとしても生産体制はすぐには整わない。他の国からの輸入に頼らざるを得ず、赤字全体は減らない
⇒ 国内生産に切り替えられたとしても、米国全体の生産資源量は限られている。自動車生産に集中すれば、ほかの商品の生産は減る。輸出余力は低下し、新たな赤字要因となる

・トランプ大統領の経済活性化策
1.大胆な法人税減税を実施
2.向こう10年で1.5兆ドル(160兆円)のインフラ投資
= 財政赤字拡大・投資拡大策
⇒ 貿易赤字縮小とは逆行、論理的整合性はゼロ

・識者コメント
 ノーベル経済学賞受賞者P・クルーグマン氏「彼は純粋に無知なのだ」
 サマーズ元米財務長官「呪術経済学よりひどい」
 マンキュー米ハーバード大教授「彼を学問的成果で説得できるとは思えない」

・孫悟空とお釈迦様
 めったやたらに如意棒を振り回した孫悟空はしばしば喝さいを浴びた。だが結局は、お釈迦様の手のひらの上で、やった気になっているだけだった
⇒ トランプ氏はどこか孫悟空に似てはいないだろうか


<感想>
 輸入関税を引き上げて貿易赤字の削減を目指しながら、一方で、大規模な法人税減税やインフラ投資を拡大する。
 因果関係を無視した、現状のトランプ政権の政策は、非論理的で無意味なように思われる。

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by tsuruichi1024 | 2018-08-25 08:00 | トランプ | Comments(0)


【 ロス米商務長官:貿易赤字の減少等 】


 2018/4/11、日経新聞に「ロス米商務長官の今と昔」と題する記事が掲載された。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO29216720Q8A410C1TCR000/

 以下はロス長官の「今」に関する部分の抜粋。


1.ウィルバー・ロス商務長官

・ホワイトハウスでも大統領の近くに寄り添い、論理的な話しぶりで知られる80歳の元投資家
・大統領選前の2016年9月、トランプ氏の選挙参謀として現在のナバロ通商製造政策局長と共同執筆した資料

⇒ 「(GDPは)4つの要素で動く。消費、政府支出、投資の伸び、そして純輸出だ」

※ 国内総生産(GDP)=個人消費+民間投資+政府支出+純輸出(輸出-輸入)

・米国は貿易赤字を抱え、純輸出がマイナス

⇒ 貿易赤字を減らせば、GDPは上向き、雇用も増える
= 政策の根底

・翌10月には、資料を基にした米紙への寄稿で過去の通商政策を批判
・貿易赤字を膨らませた「史上最悪の3通商政策」

1)クリントン政権が1990年代に進めた北米自由貿易協定(NAFTA)
2)中国の世界貿易機関(WTO)加盟
3)大統領の座を争っていたヒラリー・クリントン氏が国務長官として進めた米韓FTA(+環太平洋経済連携協定(TPP))

⇒ トランプ政権の通商政策は、これら「失策」の抜本的な見直し
= TPPから離脱し、NAFTAと米韓FTAは再交渉し、中国を「最大の貿易詐欺師かつ、最大の貿易赤字先」と標的にした

⇒ 中国経済が米市場に依存しているので2国間交渉が有利とも分析し、関税を「交渉の道具」にすると予告し、中国とのやりとりはまさに、ここに書いたように運んでいる

・大口貿易赤字先の日本やドイツへの圧力も強まっていくだろう


2.米通商政策の2つの限界

(1)長期的な視点に欠くこと

・GDPの定義式に沿って米国が貿易赤字を減らせば目先のGDPは上向く

⇒ 貿易相手は黒字もGDPも減る
⇒ 購買力は落ち、米国の輸出は減っていく

(世界のGDPに対する貿易の比率は、1990年の14%から昨年の22%まで拡大)


(2)米国だけで解決できると考えていること

・経済の「米1強時代」は終わりつつあり、自信を蓄えた中国が、米国の主張を安々と受け入れるはずがない

⇒ 知財でも技術を盗むサイバー攻撃でも、各国は中国への不満を共有する、日欧は米国の敵でなく味方


<感想>
 トランプ大統領は、TPP復帰に向けた条件を検討するようUSTR(米通商代表部)に指示したとされる(ツイッター*)一方、4/17の日米首脳会談後のツイッター(**)では日本との間では二国間の自由貿易協定(FTA)を強調した。
 中間選挙を考えると、2016年の公約を翻しての(対中国の包囲網を築くための)TPP復帰は難しく、あくまでFTAを目指して行くものと思われる。

Donald J.Trump
@realDonaldTrump


*Would only join TPP if the deal were substantially better than the deal offered to Pres. Obama. We already have BILATERAL deals with six of the eleven nations in TPP, and are working to make a deal with the biggest of those nations, Japan, who has hit us hard on trade for years! 午後0:15 ? 2018年4月13日

**While Japan and South Korea would like us to go back into TPP, I don’t like the deal for the United States. Too many contingencies and no way to get out if it doesn’t work. Bilateral deals are far more efficient, profitable and better for OUR workers 午前11:49 ? 2018年4月18日
⇒そもそも韓国(South Korea)はTPP11のメンバーではないため、韓国がTPP復帰を望んではいないと思うのだが・・・

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by tsuruichi1024 | 2018-04-20 08:00 | トランプ | Comments(0)


【 独ソ不可侵条約と米朝会談 】


 208/3/10、日経新聞1面の「春秋」に、独ソ不可侵条約と米朝会談の話を載せていた。以下はそのポイント。
https://r.nikkei.com/article/DGKKZO27966770Q8A310C1MM8000


1.独ソ不可侵条約

・1939/8/21、ドイツ国営放送は通常の音楽番組を中断し、ソ連との不可侵条約成立という驚愕のニュースを流し始めた

⇒ ポーランドを挟んでにらみ合っていたヒトラーとスターリンが、誰も予想しなかった融和に転じた

⇒ 不可侵条約には、じつはポーランド分割を決めた秘密議定書が付属


< 当時の日本の状況 >

・ノモンハンでソ連と戦っている最中

⇒ 仲間と頼んでいたドイツが、敵のソ連と握手

⇒ 平沼騏一郎首相は「欧州の天地は複雑怪奇」なる言葉を残して退陣


2.米朝会談

・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩氏が会談へ

⇒ 戦争の危機が遠のき、拉致問題解決にも弾みがつけばいい


<感想>
 本件は、米朝会談を79年前の独ソ不可侵条約と対比したもの。
 米朝会談により、北朝鮮の核放棄と拉致問題解決が実現することを祈りたい。

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by tsuruichi1024 | 2018-03-14 08:00 | トランプ | Comments(0)


【 マネックスグループ:米国の税制改革に伴う利益計上 】


 2018/1/10、マネックスグループ(8698)が、「米国の税制改革に伴う利益計上」の開示をした。
http://file.swcms.net/file/monexgroup/jp/news_release/auto_20180110448238/pdfFile.pdf


1.米国での減税⇒当期利益の増加

(1)米国での減税
・2017/12/22:米国における税制改革法の成立
⇒ 連邦法人税の最高税率:35%から21%へ引き下げ

(2)当期利益の増加
・米国セグメント:繰延税金資産・繰延税金負債の一部取崩し
・2018/3期第3Q連結決算
⇒ 法人所得税費用:約8百万ドル(約9億円*)減少
⇒ 当期利益:増加する見通し
*2017/12末レートで円換算


2.各種数値の確認

(1)連結BS(17/9末)
・繰延税金資産:ー
・繰延税金負債:3,019百万円

(2)連結当期利益(18/3期:予想非開示)
16/3期:3,516百万円
17/3期: 161百万円

(3)セグメント利益(百万円)
     日本  米国 アジア
16/3期:5,887 △525 △30
17/3期:1,768 △457 △97
(アジア:アジア・パシフィック)


<感想>
 本件は、先月成立した、トランプ政権による税制改革法(連邦法人税率引き下げ)の恩恵を受けたもの。
 マネックスグループの米国の法人所得税額は、全て最高税率として逆算すると57百万米ドル(8mil÷(35%-21%))。
 米国での事業利益が大きい会社においては、減税相当分(繰延税金負債)の戻入益に伴い、今後業績上方修正もあり得ると思われる。

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by tsuruichi1024 | 2018-01-12 08:00 | トランプ | Comments(0)