【 アルタバ:ヤフー(4689)株をABOで売却 】



 2018/9/14、日経新聞朝刊に、「海外勢、衰えぬ買い意欲 ヤフー株、一夜で需要1兆円」という記事が掲載されていた。
以下は、その概要。


1.アクセラレーテッド・ブックビルディング・オファリング(ABO)
(1)開始日時:9月10日午後4時(東京市場クローズ後)
(2)価格:354円(9/10終値371円の4.5%ディスカウント)
(3)引受主幹事:ゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェース


2.当初計画、需要と結果
(1)当初計画
アルタバ保有分のおよそ半分の7億5000万株、25億ドル分(約2800億円)

(2)需要
時価総額が約2兆円のヤフー株に対し、一晩で集まった買い注文は最終的に約1兆円
(東証1部の売買代金が2兆円に満たない日もあるなかで異例の規模)

(3)結果
アルタバが持つ全株13億6000万株、約4800億円の売却が成立
⇒ 購入した海外勢はヤフーの既存株主や政府系ファンド、代表的な買い持ちの機関投資家、ヘッジファンドなど150超


3.これまでのヤフー株の株価推移
(1)浮動株比率
ソフトバンクグループとアルタバの2社が大株主で浮動株比率は20%と低い

(2)受給不安
「アルタバがいつか売る」という需給不安で上値が重かった

⇒ 大手の投資家が手がけにくかった要因は今回の売却で解消する
⇒「買えるきっかけ」を待つ海外マネーは、成長投資や需給対策などでより踏み込んだシナリオを示す次の企業を探している


4.最近の株価終値推移
9/10 371円、9/11 363円、9/12 382円
9/13 384円、9/14 393円


参考資料:「公募増資を実施するための 多様な発行プロセスを巡る議論」
http://www.camri.or.jp/files/libs/453/201703271810542441.pdf


<感想>
 ヤフー株のABOに見る投資家需要の背景には、ヤフー個別株式としての魅力であろう。
 当面の需給不安も払拭されたため、今後の株価推移に注目したい。(2014/1の高値@668)

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by tsuruichi1024 | 2018-09-18 08:00 | 株式売出し | Comments(0)


【 コンブァノ:IPO時の売出株数 】


 2018/4/11、ネイルサロンを展開するコンヴァノ(6574)が、東証マザーズに新規上場(IPO)した。
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120180410408521.pdf


1.IPO概要

(1)公募増資:75,000株

(2)公募売上:755,000株
*インテグラル2号 679,900株
**Integral Fund (A) 75,100株

(3)OA:124,500株(GSO(推定):*112,100株、**12,400株)

※(1)+(2)+(3)=954,500株

(4)発行価格/引受価額:930円/855.60円(引受手数料8%)


2.上場日の株価推移等

 初値:2,189円(14:29)(発行価格の2.35倍)
 安値:2,140円(14:30)(同 2.30倍)
 高値:2,589円(14:38)(同 2.78倍)
 終値:2,230円(同 2.40倍)

 出来高:1,901,400株(※の2.0倍)


3.インテグラル2号の所有比率

[ 発行済株式数:2,136,810株 ]
 売出前:80.61%
 売出後:42.06%(含む公募増資75千株)


<感想>
 本件の上場日初日において、株価は発行価格の2.30~2.78倍、出来高はIPO対象株数の2.0倍であった。
 現時点の株価(>発行価格×2)を見る限り、IPO時に、所有株式の売却を「半分未満」に留めたインテグラル2号投資事業有限責任組合の戦略は、正しかったと言える。

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by tsuruichi1024 | 2018-04-12 08:00 | 株式売出し | Comments(0)


【 アクシーズ :公募売出しにおける売り先指定 】


 2018/3/13、アクシーズ(1381)が、「日本ハム株式会社による当社株式の取得完了に関するお知らせ」を開示した。
http://www.axyz-grp.co.jp/wp/wp-content/uploads/2018/03/press_h300313.pdf


1.日本ハム(2282)による株式取得概要
(1)株式数:500,000株(発行済株式総数の 8.90%)
(2)取得価額:4,702円/株(総額2,351百万円)


2.日本ハムとの資本業務提携
http://www.axyz-grp.co.jp/wp/wp-content/uploads/2018/02/press_h300223_1.pdf

目的:日本ハムグループと戦略的パートナーとしての繋がりの強化
⇒ 今後、当社が増産した製品を中心に日本ハムグループの販売網を活用し販路を拡大


3.売り先指定
・「株券等の募集等の引受け等に係る顧客への配分に関する規則*」
*http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/shinkikoukai/files/haibun_kisoku_121001.pdf

< 第2条第2項 >
・親引け(発行会社が指定する販売先への売付け)が例外的に認められるケース

(1)合理的な理由がある場合
・上記2参照

(2)親引け予定先の状況等を適切に公表する場合
http://www.axyz-grp.co.jp/wp/wp-content/uploads/2018/02/press_h300226.pdf

(3)180日間継続保有する場合
・「指定先が保有した株式については、特段の事情がない限り、保有を継続する意向であることを確認しています」


<感想>
 本件は、大株主の売出しに際して、資本業務提携絡みの「売り先指定」があったもの。業務提携に際しては、今だに株式を(相互)保有するケースが相対的に多いように思う。
 コーポートガバナンス上では持合解消に動く一方で、提携まで踏み込んだ場合は別ということなのであろうか。

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by tsuruichi1024 | 2018-03-16 08:00 | 株式売出し | Comments(0)


【 ダノン:ヤクルト本社株式の売出し 】

 2018/2/16、ヤクルト本社(2267)が売出株数変更に関する開示をした。
http://www.yakult.co.jp/news/file.php?type=release&id=151858858643.pdf


1.開示スケジュール
(1)2/14 15:30
 ダノンとの覚書の改定
 ダノンの株式売出(議決権割合:21.52%⇒7.66%)
 自己株式の取得・消却(500万株(3.02%)・360億円(上限))

(2)2/15 17:00
※自己株式取得(ToSTNeT-3)(4,864,800株、終値7,400円)

(3)2/16 11:45
 上記の結果(4,864,800株・約360億円。内、ダノン:4,691,200株)

(4)2/16 16:40
 冒頭の開示はこのダノン分に伴うもの

※目的:株主還元を強化し、資本効率を改善するとともに、2/14公表した国内・海外売出しに伴う当社株式需給への影響を緩和する観点から、 自己株式の取得を実施


2.ダノンの売出概要
 国内売出 10,387,200株
     OA 1,558,000株(ダノンからの借株)
 海外売出  6,925,000株
     OA 1,038,600株


3.覚書の改定(戦略提携契約締結日:2004/3/4)
 これまで協同して行ってきた合弁事業、プロバイオティクス振興活動及び研究活動を継続することに合意

(i)当社が現在本格的に進出していないヨーロッパ市場(まず、スペインをテスト市場とする)におけるダノンによる当社商品の販売

(ii)医食同源プログラムを基礎として食と健康の関連に対する理解を深めるためのシンポジュームその他のイベントの開催等

 新しい協働事業の実現可能性の検討に加えて、当社が今後ダノンから取締役候補の推薦を受け入れることを確認


4.ダノンの大量保有変更報告書より
 保有株数:35,212千株(保有割合20.02%)
 取得資金:134,483,730千円
 取得簿価:3,819円/株
(配当:34円/株、配当利回り:0.9%)


5.ヤクルト本社の株価推移
  2/1   14   15   16 
 9,120 7,940 7,400 7,450


<感想>
 本件は、戦略提携契約の見直しに伴う、ダノンのヤクルト本社株式の売出しに関するもの。
背景には、ダノン株を保有する米アクティビストファンド、コーベックス・マネジメントがヤクルトとの関係解消を求めていたこともあった模様。
 コーポレートガバナンス上、政策保有株式の方針の開示が求められる時代。これからのは持合株式を前提としない提携が主流になるように思われる。

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by tsuruichi1024 | 2018-02-18 08:00 | 株式売出し | Comments(0)


【 SGホールディングス:東証1部新規上場 】


 2017/12/13、SGホールディングス(9143)が初値1,900円で東証1部に新規上場した。


1.IPOの条件決定
http://www2.sg-hldgs.co.jp/uploads/resources/newsrelease/2017/pdf/20171204_1.pdf

(1)売出し価格:1,620円

(2)売出株式数:78,775,400株
   国内 55,142,800株(OA 7,192,500株)
   海外 23,632,600株
  (国内:海外=7:3)

(3)価格決定の理由等
・売出価格等の決定に当たっては、仮条件(1株につき1,540円~1,620円)に基づいて国内外の機関投資家等を中心にブックビルディングを実施

[ 当該ブックビルディングの特徴 ]
1.申告された総需要株式数が、公開株式数を十分に上回る状況であったこと
2.申告された総需要件数が多数にわたっていたこと
3.申告された需要の相当数が仮条件の上限価格であったこと

⇒ 上記ブックビルディングの結果、売出株式数以上の需要が見込まれる価格であり、現在の株式市場の状況、最近の新規上場株の株式市場における評価及び上場日までの期間における価格変動リスク等を総合的に勘案して、1株につき1,620円と決定

(4)引受価額:1,543.86円(引受手数料4.7%)

(5)申込期間:2017/12/5~12/8

(6)株式受渡期日:2017/12/13


2.上場日当日(12/13)の価格
(1)まとめ
初値:1,900円(9:33)(売出価格の17%アップ)
高値:1,945円(9:45)
安値:1,867円(11:13)
終値:1,906円
出来高:56,530,100株

(2)特別買い気配値の推移等(一部抜粋) 
https://www.nomura.co.jp/terms/japan/to/tokukaikehai.html

時間 気配値 売数量・買数量(千株)
9:28 @1,782 9,958・19,612
9:32 @1,863 13,238・16,705

[ 初値時点の画面上数値 ]
9:33 始値1,900 高値1,928 安値1,900
   出来高15,575千株


3.各種指標
当期純利益:330億円(18/3期予想)(a)
発行済株式数:320,197,200株(自己株式含む)(b)
純資産:3,229億円(17/9末)(c)

・ROE:10.2%(a÷c)
・EPS:103.1円(d=a÷b)
・PER:18.5倍(12/13終値1,906円÷d)


<感想>
 時価総額6,103億円(上場日終値ベース)は、今年上場した銘柄では最大だと言う。
 上場初日の出来高は、OA含めた売出株数約79百万株/国内約55百万株の72%/103%に相当。売出しに申し込んだ(国内)投資家のかなりの数量が初日に売買されたものと思われる。

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by tsuruichi1024 | 2017-12-15 08:00 | 株式売出し | Comments(0)


【 コメダホールディングスの売出し 】

 2017/6/9、コメダホールディングス(3543)の売出しが発表された。
 
http://v4.eir-parts.net/DocumentTemp/20170612_083715446_svjn1yzbkpla4qvrsbeft1bi_0.pdf


[ 売出し概要 ]
 売出人:MBKP III Limited

1.IPO時点(2016/6)
(1)売出株数:26,700千株(発行済株式 43,800株の60.96%)+GSO* 3,350.7千株(同7.65%)* https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ku/greenshoeoption.html
(2)売出価格:1,960円(仮条件:1,780~1,960円)
(3)当初決算短信の当期利益:4,467百万円 ⇒ EPS 102.0円、売出価格ベースのPER 19.2倍


2.今回(2017/6)
(1)売出株数:11,956千株(発行済株式 44,206株(IPO時点からの増加分 406千株はストックオプション行使に伴う新株発行)の 27.1%)+OA 1,793千株(同 4.1%)
(2)決算短信の当期利益:4,876百万円 ⇒ EPS 110.3円、上記1,960円ベースのPER 17.8倍


[ 東証1部上場企業の平均PER(2012年以降の月末、一部抜粋) ]
  出所:
http://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/04.html (長期データ総合。当期利益は決算期末の3ヶ月毎更新)


 < PER(日経平均、TOPIX)>
 最低:2012/5末 14.8倍(8,542.73、719.49)
 最高:2013/4末 23.8倍(13,860.86、1,165.13)
 2016/6末:16.0倍(15,575.92、1,245.82)
 2017/5末:20.7倍(19,650.57、1,568.37)


<感想>
 ファンドは、IPO時の売出価格(1,960円)を意識した売出のタイミング(最安値2016/9/21:1,555円)を探っていたように思われる。

 なお、売出株式数が月間単純平均出来高(2017/3~5)517万株の2.6倍超(GSO全て行使時)であり、当面流動性的には価格下落圧力がかかりそうだ(6/12終値 1,878円、6/9終値1,974円比▲4.9%)。

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by tsuruichi1024 | 2017-06-13 08:00 | 株式売出し | Comments(0)


三井住友銀行がSMFG株を売出し


三井住友フィナンシャルグループ(8316、SMFG)は、株式売出し(売出人:三井住友銀行)に関して、2017/3/3に決議※し、3/13にプライシング※※した。http://www.smfg.co.jp/news/j920013_01.html

<売出概要>
売出人:三井住友銀行
売出株数:37,235,500株(発行済株式数の2.6%。2012年のグループ再編で保有したもの)
オーバーアロットメンとによる売出し: 5,585,300株(売出株数×15%)
売出価格:4,231円(3/13終値4,362円(3/3終値4,453円から2%下落)の3%ディスカウント)
目的:資本の拡充(売出価格ベースで約1,624億円)
引受価額:4,056.52円(引受手数料4%)


<会社法153条第3項
子会社は、相当の期間にその有する親会社株式を処分しなければならない。


<感想>
会社法の「相当の期間」というのは、法律にしては大雑把な表現という印象。(今回は約5年)

グローバルベースの銀行は、今後、資本の拡充が要請されるため、今般の売出しは止むを得ないように思われる。

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by tsuruichi1024 | 2017-03-16 08:00 | 株式売出し | Comments(0)