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カテゴリ:読書( 33 )


【 堀江貴文:遊ぶが勝ち! 】


 2020/1/4、現代ビジネスに、『堀江貴文さんが語る2020年、「本気で遊び尽くす人」が生き残る』が掲載された。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/69550

 以下はそのキーワード。


・大切にしているもの:「時間」「自由」「情報」「健康」、そして「遊び」

・大切にしていること:人生を遊び尽くすこと──

・常になにか理由を持ち出して、自分ができないことの言い訳にしている人こそ、人生を無駄にして生きている人だと思う

・時間:人生で「やりたいこと」をするためになにより必要な資源

・「好奇心」:「やりたいこと」を駆動させる原動力。時間の次に大切

・もっとも大切なのは「行動」すること

・他人と差別化できるかどうかは、ひとえに「情熱」にかかっている

・いまなにかに徹底的にハマること。そして、情熱の赴くままに続けていくこと
⇒ やがて思いがけない成功につながっていく

・がまんするな
・嫌々やるな
・楽しいことだけをしろ

・まわりからどう見られるかなんて、一切気にするな

・やりたいことをしているだけで他人から叩かれたなら、それは最高の宣伝になったと考えたほうがいい

・常識なんか捨て去って、レールから外れて、自分だけの考えに従って生きてみよう

・人生を、目一杯遊び尽くせ!


<感想>
 ここに記されているように、今年も(上司にどう思われようが)やりたいことをやり続けて行きたいと思う。

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by tsuruichi1024 | 2020-01-05 08:00 | 読書 | Comments(0)


【 伯父と漱石 】


 本家を元日の挨拶に訪ねた際、(この1月に91歳になる) 酔った伯父から夏目漱石の話などを聞いた。


 昔は「明暗」などをよく読んだものだが、最近は「吾輩は猫である」が面白い。(理由は聞かなかったが、国内外情勢に対する漱石の考えが分かることもその背景か)

 森鴎外も「舞姫」、「ヰタ・セクスアリス」など読んで文章は良いと思ったが、漱石が素晴らしい。

〜「今、日経新聞の小説が、伊集院静による漱石(「ミチクサ先生」)で、ちょうど正岡子規と出会った頃の話」との私の返しに〜

 その頃、房総の旅行を書いたものが『木屑録』で、英文科ながら漢文で記したもの。これには子規も驚いた。
 本来、朝日新聞で連載されるべきかなぁ。

〜12月30日の「ミチクサ先生」より〜
『木屑録(ぼくせつろく)』と題された旅行記は、金之助が初めて創作したまとまったものである。しかしこれはたった一人の読み手のために創作された作品であった。
読み手とは、勿論(もちろん)、子規こと正岡常規である。


 人生とは難しい。長年連れ添っている嫁のことも未だによく分からない。

 自分で年齢毎に決めてきた。花屋を止める、車の免許の返上・・・


<感想>
 祖父が商売をやっていたためか、商学部に行った伯父。機織り屋をたたみ、長年花屋をやっていたが、でもしか先生と馬鹿にしていた、文学の先生などをしていたらどうだったのだろうか。

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by tsuruichi1024 | 2020-01-03 08:00 | 読書 | Comments(0)


【 井上陽水:媚売る作家 】


 以下は、井上陽水著の「媚売る作家」(角川書店)より。


 『氷の世界』っていうアルバムは、『オリジナル・コンフィデンス』とかで一位になったんですよ。すごく売れた。最初に一位になった時はすごく感激して、次の週もその次の週も一位でいいなぁって思って。それが十週、二十週なんていうと、どこかで「間違ってる」って感じになって(笑)、「嫌だ、こういう場所、ちょっとおかしいよ」ってなもんで、なんかクール・ダウンしないと、ちょっと冷やさないといけないみたいな気持ち、すごく芽生えました。

 そこで二つ選択があって、「まだまだ畳み込めるんだ」という方法もあるんだけど、僕はアルバムがひと月以上も一位になって、ちょっと「ご破算に願いましては」にしたくなった。コンサートもたくさんやって嫌になって、すっかりコンサートもしなくなって、あんまり外にも出るようなこともなくなったんですよ。


1969年9月
実家の歯科医を継ぐため大学の歯学部を受験するが再度失敗。当時流行していたフォーク・クルセイダーズの「帰ってきたヨッパライ」を深夜放送で聞き、「カンドレ・マンドレ」という曲を自宅録音。”一発当てよう!”と地元のRKB毎日放送に持ち込む。これがローカルヒットとなり、晴れてCBSソニーからデビューを果たし、編曲は小室等が担当する。しかし残念ながら全国ヒットにはならず。当時のアーティスト巻は、アンドレ・カンドレ、だった。

1976年12月
アルバム『東京ワシントン・クラブ』をリリース
「『氷の世界』でギャンブルに大勝して、『二色の独楽』『招待状のないショー』と続いて、”もういいかな”って気分が、”もう、どうでもいいや”にまでなってた時期ですからね。この辺のアルバムは、何度もいうけどよく覚えてなくてね。


その場で書いた20のインスピレーション
1992.3.4 パラダイス・スタジオにて

「色川武大」
どこへ出しても
その場に馴染んでしまうし、
そぐわない人だった。
若い人にとって、
どんな人かわからないかも
知れないけど、
ぼくがこの人生で
一番、興味が持てた人。
今のところの話。


<感想>
 だいぶ前に録画していた、井上陽水のNHK SONGSを見た。
http://www6.nhk.or.jp/songs/prog.html?fid=190406
 井上陽水の自然体の生き方に魅力を感じる。

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by tsuruichi1024 | 2019-12-11 08:00 | 読書 | Comments(0)


【 犬養道子にとっての五・一五事件 】


 以下は、「昭和の怪物 七つの謎」(保坂正康著、講談社現代新書)より。


第四章 犬養毅は襲撃の影を見抜いていたのか


 犬養毅が政友会の総裁として首相に擬せられたのは、昭和六年十二月である。このとき犬養は七十六歳であった。すでに政界を引退してもいい年齢なのに政友会総裁であったのは、政争の激しい政党をまとめるには長老級の重みが必要とさらていたからだった。元老西園寺公望から、若槻礼次郎退陣のあとを受けて後継首班の指名を受ける折に、昭和天皇は犬養に同情を示し、「軍部が内政、外交に立入ってかくの如きまでに押しを通すということは国家のために頗る憂慮すべき事態である」と西園寺に伝えていた。

 昭和六年九月の満州事変から三ヵ月、軍部がゴリ押しして政治に介入してくる事態をとにかく犬養で乗りきってほしいと天皇は考え、大任を託したのである。


 道子氏は書いている。

「犬養内閣は本質的な矛盾と弱さをはらんでいたとよく言われる。陸軍大臣にその荒木中将を据え、内閣書記官長に関東軍と同じく関東軍路線を支持するのみならず推薦するほどの、曾ての三井物産の切れ手、森恪を置いていたからである」

 道子氏は満州事変や青年将校などの不穏な動きの背後にいる軍事指導者を荒木貞夫と見ている。


「しかしいま、私は思うのであるーー荒木・森の二人を内閣中枢に据えたこと自体、お祖父ちゃまのーー追いつめられたお祖父ちゃまのーー最後に打った手なのであったと。俗に、虎穴に入らずんば虎子を得ずと言うではないか。最も『危険な』ふたりを己が懐中に抱えることによって彼らの動きを牽制したいと彼は叶わぬ望みを望んだのであった。」


 話してわからぬ時代だから五・一五事件があり、高橋是清、斉藤実などが亡くなった二・二六事件が起こったのである。それだからこそ「話せばわかる」の一語だけで、後世に伝えようとするのは、どこかおかしいのではないか、この一言で世の中がよくなると考えるのは歴史の本質を忘れさせてしまうと道子氏は言っている。私もまったく同じ論理で同調する。

 道子氏はさらにその著(『花々と星々と』)で記す。肉親の一人(女性)が、見舞いや善後策の打ち合わせに来る閣僚の中に荒木陸相を見つけ、近づいていき低いが強い声で「荒木さん、あなたがやった!」と迫った。「とたんに正装の大臣が崩れ折れて畳廊下に両手を突き、長い間背を震わせていた」。道子氏の記憶の中に一片一片の絵が刻まれている。


<感想>

 五・一五事件の犬養道子と二・二六事件の渡辺和子。
 事件の現場にいた二人。事件が二人のその後の人生に与えた影響は如何許りかと思いやる。

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by tsuruichi1024 | 2019-12-08 08:00 | 読書 | Comments(0)


【 渡辺和子は死ぬまで誰を赦さなかったのか 】


 以下は、「昭和の怪物 七つの謎」(保坂正康著、講談社現代新書)より。


  渡辺和子は死ぬまで誰を赦さなかったのか

 晩年に上梓したエッセイ集『置かれた場所で咲きなさい』はベストセラーとなっていた。

 わずか九歳で青年将校や兵士たちに父が機関銃で撃たれたその現場にいて、一部始終を目撃したのが渡辺和子だった。

 「ニ・ニ六事件は、私にとっての赦しの対象からは外れています」


  凶弾に倒れた渡辺錠太郎陸軍教育総監

 昭和の軍内にあっては、天皇を神権化するグループとはいっせんを画し、むしろ美濃部達吉の天皇機関説を評価していた。永田鉄山らにも期待されていた指導者でもあったのである。

 そういう理知的な性格や仕事ぶりが、荒木貞夫や真崎甚三郎を頂点とする皇道派の軍人たちには目障りだったのだ。


渡辺 私がもし腹を立てるとすれば、父を殺した人たちではなく、後ろにいて逃げ隠れをした人たちです。

保坂 荒木、真崎など陸軍の指導者ですね。

渡辺 はい。私が本当に嫌だと思うのは、真崎大将が事件直後、青年将校に対し、「君たちの精神はよく判っている」と理解を示しながら、昭和天皇が断固鎮圧をお命じになると、態度を一変させたことです(真崎は軍法会議では無罪)。軍人なのになぜ逃げ隠れなさったのか。そういう思いは今も持っています。

 事件の発生当初、政府と軍部は青年将校たちに優柔不断な姿勢だったのに、昭和天皇が自ら兵を率いて鎮圧にあたるといってくださったから、青年将校たちは反乱軍になったのだというのです。本当にそうでした。母は、昭和天皇の厳しい姿勢に心から感謝しておりました。


<感想>
 ノートルダム清心学園理事長のポストに就いていたシスター渡辺和子が赦さなかったのは、ニ・ニ六事件で逃げ隠れした陸軍の指導者だった。

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by tsuruichi1024 | 2019-12-04 08:00 | 読書 | Comments(0)


【 吉田茂のサンフランシスコ講和条約に至る信念 】


 以下は、「昭和の怪物 七つの謎」(保坂正康著、講談社現代新書)より。


 第七章 吉田茂はなぜ護憲にこだわったか

 吉田の投獄体験


 結局、吉田は5月25日まで監房に閉じこめられていたが、該当する罪名はないと釈放になっている。

 「御感想はいかがですか」と吉田に尋ねると、「いや、人間一生に一度は入って見るのもよい処だよ」と笑ったと書いている。

 吉田のこの投獄事件は、GHQの占領政策のもとでは勲章でもあった。これほど軍に対抗したのだから、この男はわれわれの味方にないうると、GHQのG2(参謀第二部)のウィロビーなどには信頼されたのである。むろん近代日本の歴史上にあっても、吉田はこれを勲章として利用している。吉田の周辺の人びとは、こういうときの吉田の肚の据わった態度には尊敬の念を抱いている。


 私が麻生和子に話を聞いたときも、「戦後は彼とその同志の時代になるとの考えはあったと思いますよ」と明かしていたが、まさにそれは現実となったのである。


 帝国議会の憲法論議の中で、吉田が最も強調したのは、天皇の地位である。そのうえで主権在民、基本的人権の尊重、民主政治の確立、そして戦争放棄について、この憲法の特徴を説明している。吉田は、9条の戦争放棄についてさほど詳しく答弁はしていない。自衛権を否定しているわけではなく、自衛の名のもとに行われる戦争そのものを否定しているのだ、との枠内での答弁であった。


「今日わが国に対する疑惑は、日本が好戦国であり、何時復讐戦をして、世界の平和を脅かすかも知れぬということが、日本に対する大きな疑惑となっている。先ずこの誤解を正すのが、今日われわれとして為すべき第一のことである」


 素朴な非戦思想が凝縮

 9月14日に、吉田は日本に戻ってきて政府声明を発表した。その中の一節である。この部分が最も重要な意味を持っていた。

「国民は一致団結して講和条約の履行はもちろん、ますます民主自由主義に徹して列国との理解を深め、世界の平和、文化、繁栄に努力して列国の期待に背かないことに注意することが新日本再建に資する所以であると信ずる」

 講和条約の発効は、調印から8ヶ月後の昭和27(1952)年4月28日であった。つまるところ日本はこの講和条約と引き換えに戦争の清算を行い、国際社会に復帰することになった。


<感想>
 サンフランシスコでの「対日講和条約締結調印会議」に至る吉田茂の信念なかりせば、今日の日本はないに違いない。

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by tsuruichi1024 | 2019-12-03 08:00 | 読書 | Comments(0)


【 百田尚樹のブス談義 】


 知人から百田尚樹著の「モンスター」の話題が出たので、「恐い終わり方だった」と印象を述べたが、それは「幸福な生活」(詳伝社文庫)に収録された「ブス談義」という短編だった。

 以下は最終部分。


『 由宏は谷口と一緒に笑おうとしたが、自分の顔が引きつるのがわかった。「牛島」という姓は、妻の旧姓だった。まさか、そんなことがーー。

 その時、娘の真由美が梶川真美に似ていることに初めて気が付いた。あの腫れぼったい恨みがましい目はまさに瓜二つだ。なぜ今までそのことに気付かなかったのだ!

 由宏は隣に座る真美の顔を見た。鈴木京香に似た美しい妻はにっこりと微笑んだ。

 「私の顔、好きでしょ?」』


<感想>
 「ブス談義」の最終部分の印象が文字通り「モンスター」だった。
 記憶は曖昧なものであることに改めて気付かされる。加齢の影響ではないと祈りたい。

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by tsuruichi1024 | 2019-11-29 08:00 | 読書 | Comments(0)


【 伊坂幸太郎の砂漠 】


 以下は、伊坂幸太郎著の「砂漠」(実業之日本社)の最終部分。


 四月、働きはじめた僕たちは、「社会」と呼ばれる砂漠の厳しい環境に、予想以上の苦労を強いられる。砂漠はからからに乾いていて、愚痴や嫌味、諦観や嘆息でまみれ、僕たちはそこで毎日必死にもがき、乗り切り、そして、そのうちその場所にも馴染んでいくに違いない。

 鳥井たちとは最初のうちこそ、定期的に連絡を取るけれど、だんだんと自分たちの抱える
仕事や生活に手一杯で、次第に音信不通になるだろう。

 僕は、遠距離で交際を継続することに疲労を覚え、鳩麦さんと半年もしないうちに別れるかもしれない。そして、さらに数年もすれば、鳥井や西嶋たちと過ごした学生時代を、「なつかしいなあ」「そんなこともあったなあ」と昔に観た映画と同じ程度の感覚で思い返すくらいになり、結局、僕たちはばらばらになる。

 なんてことはまるでない、はずだ。


<感想>
 本書は、伊坂幸太郎の母校である東北大学のある仙台を舞台とする大学生の物語。
 北村と鳩麦、西嶋と東堂、鳥井と南のその後はどうなったのだろうか。

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by tsuruichi1024 | 2019-11-21 08:00 | 読書 | Comments(0)


【 許永中におけるイトマン事件 】


「海峡に立つ 泥と血の我が半生」(許永中著、小学館電子書籍版)を読んだ。


経歴(略)
 91年にイトマン事件、00年に石橋産業事件で逮捕。12年12 月、母国での服役を希望し、ソウル南部矯導所に入所。13年9月に仮釈放。現在はソウル市内にて、介護や都市開発など様々な事業を手掛ける。


 世間では「イトマン事件」といわれているが、私にとっては「事件」ですらなかった。後に私が「不当に高くつり上げた金額でイトマンに絵画を買い取らせ、損害を与えた」として大阪地検は特別背任とした。しかし、これらの絵画取引は、あくまでイトマンから私への融資でしかない。それもイトマンから頼まれたことである。

 検察の主張によれば、イトマンに持ち込まれた絵画は211店、総融資額は約557億円。うち340億円はイトマンへの損害だとした。しかし絵は全て担保としてイトマンにあった。

 私が相場の何十倍、甚しくは90倍の価格をつけたなどと報じられているが、事実無根であることは裁判でも明らかになっている。

 繰り返すが、担保にした全ての美術品の中に、贋作は一点もない。出所も全てはっきりしている。イトマンに言われた通り、請求書「持って行って品物を届けた。

 1990年(平成2年)2月から取引が始まり、9月で終わる。検察は私とイトマンとの7か月間の絵画取引のうち、最初の2か次は「融資」で後の5か月は「売買」だと分類している。この線引きが何だったのか、いまもって不明である。裁判で弁護士が何度となく主張したことだが、これらは全部融資であり貸借である。融資と売買を分ける根拠を出してくれと言っても、何も出てこない。

 結局私が問われた罪名は、商法の特別背任のみ。特別背任とは、その会社の役員などが問われる「身分犯」である。代表権や決裁権を持っている人間が、会社に損害を与えた場合にのみ成立する。

 裁判所で繰り返し述べたが、私はイトマンの役員でもなく、部外者で代表権もない。身分なき人間を商法の特別背任に問う場合は、最高裁の判例がある。「結局的な加行」があったかどうかだ。積極的にその決済に関与して、会社の経営に影響を与えた場合にのみ罪に問うことができる。本来、私に適用できる罪状でさえなかったのだ。


<感想>
 バブル崩壊後の大きな事件として記憶する「イトマン事件」。
 著者においては「事件」でさえないというのは、本書を読めばよく分かる。

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by tsuruichi1024 | 2019-11-09 08:00 | 読書 | Comments(0)


【 姫野カオルコ:彼女は頭が悪いから 】


 以下は、「彼女は頭が悪いから」(姫野カオルコ著、文藝春秋)からの一部抜粋。


 美咲の示談の条件は、一つだった。
 國枝の母や、和久田の父母が、「そんなことでいいの?」と言い、つばさの兄が「お一人好し」と言った条件とは、東大を自主退学すること。
 國枝と和久田にとっては、実に「そんなことでいいの」だった。
 國枝も和久田も大学院生であり、すでに東大は卒業している。自主退学したところで「東大卒」の肩書はそのままだ。


 災難。
 譲治とつばさも、事件をそうとらえていた。譲治の父母も、つばさの父母も。
 逮捕は災難。訴えられたのも災難。
 そう思うからこそ、美咲の示談条件を拒んだ。
 示談に応じた者も、5人の東大生と、その父母全員に通ずるのは、
「強姦しようとか、輪姦しようとか、そんな気持ちは皆無だった。ふざけただけ。痛飲により、ふざけの度合いが過ぎた。こんなことで逮捕されるのは遺憾だ」
 という思いである。
「これが罪になるというのであれば、そんなんでしょう」
 と、勾留時にエノキが警察に語ったのは、開き直りではないのだ。
 強姦目的は皆無だから逮捕は遺憾だ。女子学生の洋服を脱がせて全裸にした。背中や尻を平手で叩いた。罪になるというのであれば、これなのだろう。罪名が強制わいせつだというからそうなのだろう。法律も、強姦未遂ではないとみなしたのだ。叩いた譲治とつばさには暴行罪が加わり、美咲にはわずかにしかふれていないエノキには暴行罪は加わらなかった。


 譲治は有罪となった。懲役2年、執行猶予4年の判決である。のちに東大は退学処分となる。

 譲治、つばさに比するといくぶん軽く、懲役1年、執行猶予3年の判決だった。エノキものち東大は退学処分となる。

「とくに被告人は、被害者から好意を寄せられ、被告人に対して従順であることをいいことに、被害者を現場に連れていったのであり、他の被告人の行為を制止しようとするどころか煽りたてていた。被告人中、最も悪質といえよう。学生の悪ふざけと評価することは、とうていできない」
 と断罪し、有罪となった。懲役2年、執行猶予4年。2016年10月5日の判決だった。こののち、つばさも東京大学院を退学処分となる。


 一方、以下は「姫野カオルコ『彼女は頭が悪いから』について語ろう!【インスタ読書会】」(2018.11.20)からの一部抜粋。
https://mi-mollet.com/articles/-/14611 

 この作品は2016年に起こった実際の事件「東大生集団わいせつ事件」を元にしたフィクションです。東大生5人が酒に酔った同年代の女の子を裸にし、カップラーメンをこぼすなどといった恥辱的でわいせつな行為をしたとして逮捕され、その非道な行為に世間の注目が集まりました。小説では、実際の事件をモチーフにしながら、あくまでフィクションとして、被害者になった神立美咲ちゃんと加害者の一人つばさ君を中心に、その成長過程から事件、事件後を描いています。

バタやん:ホモソーシャルもこの小説の大事なキーワードですね。一人ずつなら悪人ではないのに、集団になることで役割を演じ合う。ある種、性欲よりも男子社会の中でウケたい気持ちが優ってる。

島田:男性から見ても、お前ら何やってるんだよとモヤモヤはする。なんだけど、このくらいの年齢でこの場にいたら「やめろよ」とはなかなか言えないでしょうね。黙って出て行くとかはあるでしょうが。


<感想>
 本書は「東大生集団わいせつ事件」を元にしたフィクション。
 東大生に関係なく、集団の中にあっても人としてどうあるべきかが問われた作品のように思われた。

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by tsuruichi1024 | 2019-10-15 08:00 | 読書 | Comments(0)