<   2018年 01月 ( 31 )   > この月の画像一覧


【 日銀総裁記者会見要旨 】


 2018/1/24、1/23に実施された日銀の金融政策決定会合に関する総裁記者会見要旨が公表された。
http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2018/kk180124a.pdf


1.日銀の金融政策決定会合

[ 金融市場調節方針の維持 ]

長短金利操作、いわゆる「イールドカーブ・コントロール」のもとで、これまでの方針を賛成多数で決定

1)日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する

2)消費者物価指数(除、生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する

3)今後とも、経済・物価・金融情勢を踏まえ、「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う

4)「貸出増加を支援するための資金供給」、「成長基盤強化を支援するための資金供給」、東日本大震災および熊本地震にかかる「被災地金融機関を支援するための資金供給オペレーション」等の措置について、受付期間を1年間延長する


< 短期金利 >
日本銀行当座預金のうち政策金利残高に-0.1%のマイナス金利を適用

< 長期金利 >
10 年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行う


2.展望レポート:先行きの経済・物価見通しと金融政策運営の基本的な考え方

[ わが国の景気の現状 ]

「所得から支出への前向きの循環メカニズムが働くもとで、緩やかに拡大している」

(1)輸出:増加基調(←海外経済:総じてみれば緩やかな成長が継続)
(2)設備投資:増加傾向継続(←企業収益や業況感が改善)

(3)個人消費:緩やかに増加(←雇用・所得環境の着実な改善)
(4)住宅投資:横這い圏内の動き

(5)公共投資:高めの水準を維持しつつ、横這い圏内で推移
(6)鉱工業生産:増加基調

(7)労働需給:着実な引締まりを継続
(8)金融環境:極めて緩和した状態

< 2018年度までのわが国経済の先行き >
1.海外経済が緩やかな成長を継続
2.極めて緩和的な金融環境
3.政府の既往の経済対策による下支えなど

⇒ 景気の拡大が続き、潜在成長率を上回る成長を維持するとみられる

< 2019年度 >
1.設備投資の循環的な減速
2.消費税率引上げの影響

⇒ 成長ペースは鈍化するものの、景気拡大が続くと見込まれる


< 実質GDP成長率に関する今回の見通し >

従来の見通しと比べると、概ね不変


[ 物価面 ]

< 今回の物価見通し >
従来の見通しと比べると、概ね不変

企業の賃金・価格設定スタンスがなお慎重
⇒ 弱めの動きが続く(除、エネルギー価格上昇の影響)

マクロ的な需給ギャップが改善を続けるもとで、企業の賃金・価格設定スタンスが次第に積極化
⇒ 中長期的な予想物価上昇率も上昇するとみられる

  ↓↓↓

この結果、消費者物価の前年比は、プラス幅の拡大基調を続け、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられるが、なお力強さに欠けており、引き続き注意深く点検していく必要がある


<感想>
 本件は、黒田日銀総裁の、消費者物価の前年比+2%達成までは、現状の長短金利操作(「イールドカーブ・コ ントロール」)を維持するという強い意思が感じられる。
 が、デフレ脱却のためには、テクニカルな話ではなく、消費(支出)しても問題ないと思える、国民マインドの変革に繋がる、もっと踏み込んだ政策の導入が望まれる。

(ご参考)
https://ameblo.jp/tsuruichi1024/entry-12344393809.html

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by tsuruichi1024 | 2018-01-31 08:00 | 日銀 | Comments(0)


【 金融庁:コインチェック社に対する行政処分 】

 2018/1/29、関東財務局長がコインチェック社に対して行政処分を行った。
http://kantou.mof.go.jp/rizai/pagekthp0130000001_00004.html


1.コインチェック株式会社(資金決済に関する法律附則第8条に基づく仮想通貨交換業者)(以下、「当社」という。)においては、平成30年1月26日(金)に当社が保有していた仮想通貨(NEM)が不正に外部へ送信され、顧客からの預かり資産5億2,300万XEMが流出するという事故が発生した。
 これを踏まえ、同日(26日(金))、同法第63条の15第1項の規定に基づく報告を求めたところ、発生原因の究明や顧客への対応、再発防止策等に関し、不十分なことが認められた。


2.このため、本日、同社に対し、同法第63条の16の規定に基づき、下記の内容の業務改善命令を発出した。
(1) 本事案の事実関係及び原因の究明
(2) 顧客への適切な対応
(3) システムリスク管理態勢にかかる経営管理態勢の強化及び責任の所在の明確化
(4) 実効性あるシステムリスク管理態勢の構築及び再発防止策の策定等
(5) 上記(1)から(4)までについて、平成30年2月13日(火)までに、書面で報告すること。

< 資金決済に関する法律 >
(立入検査等)
第六十三条の十五 内閣総理大臣は、仮想通貨交換業の適正かつ確実な遂行のために必要があると認めるときは、仮想通貨交換業者に対し当該仮想通貨交換業者の業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該仮想通貨交換業者の営業所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

(業務改善命令)
第六十三条の十六 内閣総理大臣は、仮想通貨交換業の適正かつ確実な遂行のために必要があると認めるときは、その必要の限度において、仮想通貨交換業者に対し、業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置その他監督上必要な措置をとるべきことを命ずることができる。


<感想>
 コインチェック社の預かり資産流出事故が発生したのが1/26、金融庁の行政処分が翌営業日の1/29。
 仮想通貨交換業者に関する法律が用意されていることも知らなかったが、行政処分(業務改善命令)発出の早さには下を巻いた。
 金融庁は、民間からかなりの人数を採用していると聞くが、本件のような迅速な動きは評価に値すると思われる。

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by tsuruichi1024 | 2018-01-30 08:00 | 金融庁 | Comments(0)


【 日本郵船:郵船ロジスティクスの完全子会社化 】


 2018/1/26、日本郵船(9101)の株式売渡請求に関する、郵船ロジスティクス(9370。「郵船ロジ」)の取締役会承認に伴う、上場廃止が開示された。
http://v4.eir-parts.net/DocumentTemp/20180128_070528413_3dbrtl45qhjbgcf0hge5oj55_0.pdf


1.特別支配株主*による株式売渡請求

[ 会社法改正により2015/5/1から利用可能に ]


「*議決権の90%以上を有する株主」(日本郵船)が、他の株主の全員(少数株主) に対し、その保有するその会社(郵船ロジ)の株式の全部を売り渡すことを請求できる会社法上の制度(スクイーズ・アウト、キャッシュ・アウトと呼ばれるM&A手法の一種)

(ご参考)
http://www.dir.co.jp/research/report/law-research/commercial/20150619_009841.pdf


2.17/10/31:日本郵船による当社(郵船ロジ)株式に対するTOB賛同の意見表明等
http://v4.eir-parts.net/DocumentTemp/20180128_065441133_hl2eg2v3hb2bh045dmneno55_0.pdf


(1)日本郵船がTOB実施に至った経緯

[ これまで ]
企業価値向上を目的とした事業戦略を独自に進め、それぞれにおいて顧客接点の拡大と営業力の強化を図ってきた

[ これから ]
日本郵船の中核事業に位置付けてきた物流事業をより一層強化することが不可欠であり、両社が従来以上に一体となった運営を行うことにより、事業戦略の一元化と意思決定のスピードアップを図るとともに、グループ力の更なる強化を通じた付加価値の向上並びに差別化戦略を推進することが可能に

⇒ TOBによる完全子会社化が、日本郵船グループ全体の企業価値向上に最適であるとの結論に至る

[ TOB後に検討している事業戦略 ]
A) 運賃安定型事業である自動車関連物流の融合を通じた高付加価値化と収益安定性の向上

B) グローバルネットワークの相互活用による顧客接点の拡大と営業力強化を通じた競争力向上

C) 日本郵船グループ内の事業連携の深化を通じた収益力と競争力の強化

D) 日本郵船・郵船ロジを含むグループ各社における経営資源の有効活用によるコーポレートガバ ナンスとグループ経営力の強化


(2)当社(郵船ロジ)がTOB賛同に至った経緯

TOBによる完全子会社化により、フォワーディング事業とロジスティクス事業を中心とした事業戦略並びに地域戦略の強化、組織体制の最適化やビジネスプロセスの効率化などの抜本的な事業改革の実行、及び成長領域への積極的な投資等の重要施策の実現が容易になり、当社の企業価値の一層の向上に資するものであるとの結論に至る


<感想>
 本件は、郵船ロジのTOB後に特別支配株主(議決権90%以上)となった日本郵船の株式売渡請求に基づいて、郵船ロジが上場廃止となるもの。
 ソフトバンクグループのように、これから、新たに親子上場を検討する会社(⇒資金調達メリット)もあるが、本件のような(TOBを通じた)完全子会社化(⇒意思決定の迅速化等のメリット)の方が相対的には増えるように思われる。

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by tsuruichi1024 | 2018-01-29 08:00 | TOB | Comments(0)


【 テクマトリックス:新設分割で三井物産と提携 】


 2018/1/22、テクマトリックス(3762。「テ社」)が、新設分割を通じた、三井物産(8031)との合弁事業を開示した。
https://www.techmatrix.co.jp/ir/gk3doh000000d431-att/20180122.pdf


1.テ社:これまで、これから、狙い

(1)これまで
平成10年:医療機関向けに医用画像システムを開発、販売開始
平成24年:クラウドサービス「NOBORI」のサービスを開始

⇒ 累積契約施設数は720、「NOBORI」が保管する画像データの量は延べ2,000万人分、検査数は1億検査、総容量4PB(ペタバイト)と、大量の画像情報を蓄積


(2)これから
新しいサービスを開発、展開する上で、広範な提携も視野に検討を進めてきた

⇒ 三井物産との間で、事業を共同で推進することを目的として、合弁会社設立を伴う業務提携を行うことに合意


(3)狙い
(a)三井物産のグループ会社やその投資先との連携を進めるとともに、海外を含めたネットワークの活用が可能となる

(b)第三者割当増資(下記2(2))により、「NOBORI」サービスの拡販に向けた設備投資、新しいサービスの開発、さらには M&Aを含めた事業投資のための資金を得られる


2.新設分割と第三者割当増資

(1)新設分割
分割の効力発生日:18/4/1(予定)

テ社の100%子会社として(株)NOBORI を新たに設立し、医療システム事業・権利義務をNOBORI に承継させる分割について、NOBORI との間で分割契約を締結


(2)第三者割当増資等
第三者割当増資の払込日:18/4/19(予定)
払込金額:22億円(予定)
⇒ 三井物産の出資比率:33.34%(テ社:66.66%)

(a)NOBORIが行う第三者割当増資を三井物産が引き受ける出資契約
(b)NOBORIの運営等に関する株主間契約、を締結


<感想>
 本件は、テ社が三井物産との提携により、新設分割による連結子会社(議決権の2/3を保有)を通して、第三者割当増資(22億円。議決権1/3)をしたもの。

 今後、医療分野のクラウドサービス拡販に当たり、(1)自社1社で取り組む、or (2)三井物産と提携+1/3の議決権を渡して22億円調達する、ことを比較衡量して、(2)を選択するに至った。

 商社の持つ、海外を含めたネットワークの活用は、テ社にとっては大きなメリットでもあり、企業の特定分野における新設分割+他社との資本業務提携は、有効な選択であるように思われる。

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by tsuruichi1024 | 2018-01-28 08:00 | 資本業務提携 | Comments(0)


【 KDDI:ナレッジスイート株式をIPO直後に市場売却 】


 2018/1/16提出の大量保有変更報告書で、KDDIが、ナレッジスイート(3999)株式を市場売却したことを開示していた。


1.KDDI:大量保有変更報告書

(1)報告義務発生日:2018/1/15

(2)保有株式数:115,300株(発行済の4.85%)

(3)保有目的:当社とナレッジスイート社との協業関係を維持し、当社法人向け通信サービスの拡充を図るため

(4)重要な契約:17/12/18後90日目(19/3/17)までの期間中、いちよし証券の事前の書面による同意なしには、ナレッジスイート株式の売却(※ただし、その売却価格が募集・売出価格の1.5倍以上であって、いちよし証券を通じて行う東証における売却等は除く)等を行わない旨を合意

※ 通常、株価水準(上昇)をトリガーとして、ロックアップ条項(90日~180日間程度、大株主が主幹事の同意なしでは株式を売却できない条項)が解除されることはない

⇒ 株価が1.5倍以上に上昇した場合は、大株主から相当数の株式売却があっても、需給への影響は限定的との判断か


(5)売却株数等

(a)売却日:17/12/19~18/1/15

(b)累計売却株数:234,700株

(c)累計売却価格:974.4百万円(平均単価@4,152)


(6)当初大量保有報告書

(a)保有株式数:350,000株

(b)取得資金:357.0百万円(簿価@1,020)

⇒ *売却総額:1,453.1百万円(売却差益:1,096.1百万円)
(*平均単価@4,152で売却したものと仮定)


2.ナレッジスイートのIPO概要

(1)主幹事:いちよし証券

(2)IPO価格:2,000円

(3)株価推移:初値5,010円
上場来高値:5,110円(12/19)、同安値3,655円(1/9)

(4)その他:1/25終値4,185円(前日比+295円)


<感想>
 本件は、株価水準(IPO価格の1.5倍以上)をトリガーとしたロックアップ条項解除後に、大株主のKDDIが市場売却した事例。

 KDDIは、保有株式を、(1)IPO時の売出し(@2,000)ではなく、(2)IPO以降の株価上昇後の市場での売却を、早い段階から考えていた模様。(現状、IPO価格の倍以上(平均@4,152)で売却)

 IPO時のプライシング(条件決定)は、通常、タイト目な価格設定になることが多く、今後、このような株価トリガーのロックアップ解除条項付きIPO(PO)が増える可能性があるかもしれない。

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by tsuruichi1024 | 2018-01-27 08:00 | ロックアップ条項 | Comments(0)


【 日本リテールファンド:自己投資口の取得 】


 2018/1/23、日本リテールファンド(8953)が、自己投資口の取得終了に関する開示をした。
http://www.jrf-reit.com/upd3/irpr_news/pdf/xjs0215A66F3DE313961.pdf


1.自己投資口取得の概要

取得投資口の総数:49,181口(発行済の1.8%)
投資口の取得総額:約100億円
(平均取得価格:203,330円/口)
取得期間:2017/10/17~18/1/23
取得方法:証券会社との取引一任契約に基づく東証における市場買付け


2.2017/10/16:自己投資口取得に係る事項の決定に関するお知らせ
http://www.jrf-reit.com/upd3/irpr_news/pdf/xjs14159E45B325FE615.pdf

(1)取得理由
a)足元における「質・収益性を兼ね備えた物件」の取得機会減少

b)潤沢なフリーキャッシュの活用

c)相対的に割安な投資口価格水準における有用な投資主還元


(2)ご参考
投資口総口数:2,667,198口(消却前)
1口当り分配金:4,330円

< 消却後の予想分配金 >
2018/2期:4,391円(+61円)
2018/8期:4,424円(+94円)


3.投資法人に関する制度改正(KPMGの参考資料)
https://assets.kpmg.com/content/dam/kpmg/pdf/2016/03/jp-j-reit-effect-20140715.pdf

・REITは大半を配当に回すため、利益剰余金がない状態で投資口を取得
⇒ 取得した投資口を決算期前に消却
⇒ 配当可能利益の90%以上を配当


<感想>
 本件は、一般事業会社の自己株式取得&消却と同様の、REITにおける実施事例。

 相対的に株価が割安時に、自己投資口取得&期末までの自己投資口消却により、1口当りの分配金を増やすことが可能。

 平均取得価格203,330円は、2016/3/23の高値274,800円の△26%。上記2(1)(c)にある通り、相対的に割安な投資口価格水準での自己投資口取得は、有用な投資主還元策と思われる。

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by tsuruichi1024 | 2018-01-26 08:00 | 自社株買い | Comments(0)


【 払込代金1円/株の有償ストックオプション 】


 2018/1/22、スターマイカ(3230)が、報酬としてではない、各者の投資判断に基づいて引き受けが行われるストックオプション(新株予約権(WT ))の開示をした。
https://www.starmica.co.jp/wp/wp-content/uploads/2018/01/180122-01.pdf


1.WT発行概要

(1)WT数:9,000個(100株/WT1個。90万株)
⇒全WT行使時の増加株式総数:90万株(発行済株式総数の4.7%)

(2)WT発行価額:100円/個(1円/株。1/29終値@1,781の0.06%)
⇒公正価格にて有償で発行(有利発行ではないため株主総会特別決議の承認不要)

(3)行使価額:1,781円/株(1/29終値)

(4)行使期間:2023/3/1~26/2/8

(5)行使の条件:

(a)18/11期~22/11期の連結営業利益の合計額が230億円を超過した場合、全てのWTを行使可能
(17/11期の連結営業利益:35.75億円。18/11期(予):36.69億円)

(b)WT行使時においても、当社・関係会社の役社員等であること(定年退職等、取締役会が認めた場合はOK)

(6)譲渡制限:WT譲渡は取締役会決議による承認が必要

(7)割当者:取締役 3名 7,400個、従業員15名 1,600個


2.会社の考え

(1)行使の条件(上記1(5)(a))は、過去の業績水準から相当程度高い水準となっており、その目標が達成されることは、 当社の企業価値・株主価値の向上に資するものと認識

(2)株式の希薄化(4.7%)への影響は合理的なものであると考えている


<感想>
 本件は、今後5年間の累計連結営業利益が230億円(単純平均46億円(17/11期対比+10億円超))超となった時に行使が可能となるWT発行事例。

 かなりストレッチした数値⇒WT価値抑制⇒100円/WT1個(1円/1株)という少額の払込でストックオプションを取得可能。

 100個のWT(WT行使で1万株取得)がたった1万円(100個×100円)であれば、取得しない選択肢はないだろう。
(仮に、5年後に株価が千円上昇していれば、グロスで1千万円(千円×1万株)の儲け)

 有償WTであれば、税制適格(無償)WTにおける行使金額の制限(WT行使価額/年≦1,200万円)もないため、今後、このような枠組のストックオプションが増えるかもしれない。

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by tsuruichi1024 | 2018-01-25 08:00 | ストックオプション | Comments(0)


【 日本ペイントHD:提携先・筆頭株主から株主提案 】


 2018/1/22、日本ペイントHD(日ぺ)(4612)が、3月末に開催予定の定時株主総会における取締役選任に関する株主提案書を受領した旨の開示をした。
https://www.nipponpaint-holdings.com/ir/document/pdf/news_japanese_20180122_5a652c1a9ec92.pdf

 以下は、添付日経電子版等からの概要のまとめ。
https://www.nikkei.com/nkd/company/article/?DisplayType=1&ng=DGXMZO25945370Q8A120C1000000&scode=4612&ba=1


1.株主提案の概要

(1)提出者:シンガポール塗料大手ウットラムグループ(筆頭株主)

(2)内容:推薦する6人を日ペの取締役候補とする株主提案(取締役の上限は10人)
 ⇒ 総会で可決されれば過半数を占める。日ペの経営陣がウットラム案に反発すれば委任状争奪戦に発展する可能性あり

(3)ゴー氏(ウットラムGのCEO、日ぺの取締役)の狙い
・1株利益(EPS)と配当からなる株主価値の最大化
 ⇒ 今回の5人の社外取締役候補はこの株主価値の最大化という考え方に賛同

(4)その他
・2017年末、日ぺが米塗料大手アクサルタ・コーティング・システムズの買収を断念したことの評価
 ⇒ 断念という判断はよかった(それ以上は守秘義務があるのでコメントできない)


2.NIL*の大量保有変更報告書より
(*ニプシー・インターナショナル・リミテッド)

(1)2014/12/5(下記3に基づく)
・第三者割当増資:60,000千株
・発行価額:1,705円/株

(2)現在の保有状況
・保有株数:126,906千株(保有比率39%)
・取得総額:2,260億円
・取得簿価:1,781円/株
 ⇒ 18/1/22終値@4,110(前日比+315)の時価総額:5,216億円(含み益+2,955億円)

(3)三者間の合意
・ゴー氏、ウットラムGと日ペ間で、NILがグループ企業外に株式を売却する場合は、日ペが自らまたは第三者を売却先に指定できる先買権を有することを合意

(4)保有目的の変更(報告義務発生日:2018/1/19)
http://www.kabupro.jp/edp/20180122/S100C5MK.pdf

・戦略的資本業務提携に関する発行者との合意に基づく株式の保有及び役員選任等の重要提案行為等を行うこと

・これ以前:戦略的資本業務提携に関する発行者との合意に基づく株式の保有
 ⇒ 後段の「役員選任等の重要提案行為等を行うこと」部分を追加


3.2014/2/3:ウットラムGとの協業関係深化に向けた戦略的提携等に関するお知らせ
https://www.nipponpaint-holdings.com/ir/document/pdf/news_japanese_20160225_56ceb2f0d9214.pdf

[ 目的 ]
 当社とウットラムGで運営するアジア地域の合弁会社の更なる企業価値向上と当社とウットラムGとの協業関係の深化、及びそれらを通じた当社の企業価値の向上


<感想>
 本件は、戦略的提携先かつ筆頭株主からの社外取締役選任に関する株主提案。
 両者の関係が良好であれば、このような事態にはならなかったはずであり、株主総会前の両者の話し合いを含めた、今後の動向が注目される。

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by tsuruichi1024 | 2018-01-24 08:00 | 株主提案 | Comments(0)


【 スパークス・グループ:帝国繊維へ株主提案 】


 2018/1/19、スパークス・グループ(8739)が、帝国繊維株式会社(3302)に株主提案したことを開示した。
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1545553


1.概要

 連結子会社のスパーク・アセット・マネジメント(SAM)の運用するファンドは、帝国繊維が3月に開催予定の定時株主総会において以下の2つを株主提案(SAMが傘下の運用ファンドを通じて株主提案を行うのは11年ぶり2回目)

(1)剰余金の配当の件 
 期末配当として、90円/株を配当する(同社計画は30円/株)

 ⇒ 資本効率の更なる低下を防ぐため、 現金同等物の増加を抑制するのに必要な水準の配当の実施を提案


(2)定款の一部変更の件 
 取締役の任期を、現在の「選任後2年以内」から、「選任後1年以内」に短縮する 

 ⇒ 帝国繊維の取締役会が株主からの信任の機会を増やすことによって、巨額の持合い株式に代表される経営上の課題に株主の視点を加味して対処する体制を整えるよう、取締役の任期短縮を提案


2.背景

(1)株式市場での評価
 帝国繊維は優良な防災製品事業を営みながらも、時価総額は約594億円(17/12末)と、予想当期利益30億円、保有する金融資産約425億円*を考慮すると、株式市場で十分な評価を受けていないこと(*17/9末の現預金、有価証券・投資有価証券の合計値)

(2)主な要因
 同社の非効率な資本配分にあること

a)本業とシナジーの薄いヒューリックの持合い株式を約225億円(12/29終値@1,266)も保有している
b)成長投資にも株主還元にも使用されない現預金および有価証券を約208億円5保有
c)過去10年間(17/9 vs 07/12末)で利益剰余金(いわゆる「内部留保」)が約207億円増加

 ⇒ 自己資本利益率(ROE)上昇に対する重石となっている
 ⇒ 利益剰余金の増加分は事業性資産に充てられることなく、ほぼそのまま、現預金・有価証券として蓄積されている


(3)これまで
 過去4年間にわたり同社と対話の努力を継続し、(a)ヒューリック株式を合理的な期間内に売却すること、(b)成長投資と株主還元に関する明確な方針を示すこと、を提案してきた 

 ⇒ 帝国繊維が資本の有効な活用法を検討するよう要望
 

3.数値の比較(17/9末 vs 07/12末)

(億円)   17/9末 07/12末
流動資産
 現金預金   108  18(+89)
 有価証券   100  10(+90)
投資その他の資産
 投資有価証券 217  20(+197)
合 計     425  49(+376)

利益剰余金   286  79(+207)


<感想>
 本件は、SAMが傘下の運用ファンドを通じて、帝国繊維宛て増配と取締役任期短縮の株主提案を行うもの。
 当社に限らず、利益剰余金については、現預金・(投資)有価証券ではなく、より利益率の高い事業への成長投資に活用することが望まれよう。

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by tsuruichi1024 | 2018-01-23 08:00 | 株主提案 | Comments(0)


【 ヒューリック:ハイブリッド社債の発行 】



 2018/1/19、ヒューリック(3003)が、ハイブリッド社債の条件決定を開示した。
http://v4.eir-parts.net/DocumentTemp/20180120_064623283_cl0vwgvfwudz03rd1ekvbxfw_0.pdf



1.公募ハイブリッド社債(公募劣後特約付社債)の発行条件決定に関するお知らせ


 発行金額:500億円
 当初利率:年0.99%


 償還期限:2053/1/26
 期限前償還:2023/1/26以降の各利払日に当社の裁量で期限前償還可能


 資本性:日本格付研究所(JCR)・資本性「中・50%」

 取得格付:A-(JCR)(長期債格付A+から2ノッチ下)


 引受証券会社:みずほ証券(事務主幹事)、野村證券(共同主幹事)、 大和証券(共同主幹事)、SMBC 日興証券(シ団)


(注1) 負債であり株式の希薄化は発生しない
(注2) 2018/1/27~/1/26までは固定利率、2023/1/27以降は変動利率(23/1/27に金利のステップアップが発生)
(注3) 当社は、本社債を期限前償還する場合は、JCRから本社債と同等以上の資本性が認定される商品により、本社債を借り換えることを想定
 ただし、以下をいずれも満たす場合には、同等以上の資本性が認定された商品による借り換えを見送る可能性あり
1)連結BS上のデット・エクイティ・レシオ(D/Eレシオ)が3.00倍以下
(17/9末のD/E*レシオ:2.52倍)
2)連結BS上の自己資本の金額が、2017/9末対比で250億円以上増加(自己資本*17/9末vs16/9末:+351億円)
 (*:E=自己資本=純資産と仮置)



2.17/12/1:公募ハイブリッド社債(公募劣後特約付社債)の発行に関するお知らせ
http://v4.eir-parts.net/DocumentTemp/20180121_053137707_hgtwju451unzkein4pwq2u45_0.pdf


(1)目的・背景
 更なる成長戦略を推進する上で、株式希薄化による資本効率低下を回避しつつ、財務基盤の増強に資する資金調達手段として、本ハイブリッドファイナンスを検討・発行を決定


(2)特徴
 本社債は、資本と負債の中間的な性質を持ち、負債であり株式の希薄化は発生しない一方で、利息の任意繰延、超長期の返済期限、清算手続き及び倒産手続きにおける劣後性等、資本に類似した性質・特徴有り(格付機関(JCR)より資金調達額の 50%に対して資本性の認定予定)


(3)スケジュール・金額
 需要状況を見ながら、2018/1に発行金額等の条件を決定予定
 調達資金は、現時点では総額1,000~1,500億円程度の規模を目途としており、最終的な調達金額は需要状況や金利動向等の諸般の事情を総合的に勘案した上で決定予定



<感想>
 本件は、不動産業を営むヒューリックが、ハイブリッド社債の発行により、株式の希薄化なしの資本性(50%)認定により、財務基盤の増強を企図したもの。5年後以降に金利がステップアップする前の期限前償還を前提としている。


 発行金額(500億円)は、当初予定金額の1/3~1/2に留まり、大手証券4社でも需要の積み上げに苦労した模様。


 引き続き、金余り状況が続いていると思われる中、(1)投資家の運用スタンスが変化したのか、(2)(単に)発行会社のリスクテイクの問題なのか、需要が積み上がらなかった背景に興味がある。


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by tsuruichi1024 | 2018-01-22 08:00 | ハイブリッド社債 | Comments(0)