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【 金融機関による情報の利活用 】


2017/12/20、金融審議会「金融制度スタディ・グループ」で、金融機関による情報の利活用に関する討議(第5回)がなされていた。
https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/seido-sg/siryou/seido_sg30-5.html

一方、10/25(第2回)で銀行協会からの説明資料、「銀行が果たすべき役割と 課題認識について ~課題解決先進国・日本をめざして~」が添付されていた。
https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/seido-sg/siryou/20181025/JBA.pdf

以下は、その概要。


< 社会的課題 >
少子・超高齢化、人口減少・人手不足など


< 新たな付加価値の創造 >
1.キャッシュレス化とデータ利活用
2.「情報銀行(情報信託機能)」と銀行の本業との親和性
3.データビジネスと業務範囲規制


< 銀行(グループ)が果たすべき役割 >
・社会的課題をより効果的に解決し、新たな付加価値を創造していくためには、デジタルテクノロジーも活用しつつ金融・非金融サービスが有機的に繋がった「シームレス」なソリューションやサービスを提供することが重要
・経済の血脈たる金融の大部分を担い、これまで培った信頼や厚い顧客基盤等を強みとしてもつ銀行(グループ)は、課題解決・付加価値創造をリードしていくことが社会的使命


<感想>
銀行が生き残るための一つの施策として、グループのクレジットカード会社が保有する個人の決済情報に関する信託機能活用が考えられるように思う。

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by tsuruichi1024 | 2018-12-28 08:00 | 安倍政権 | Comments(0)


【 産業革新投資機構:官民ファンドの限界 】


2018/12/17、現代ビジネスに、高橋洋一さんが、『何千億円もムダにしてきた「官民ファンド」失敗の歴史をご存じか?』と題する記事が掲載されていた。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59026?page=3

以下はその概要。


1.産業革新投資機構発足の経緯
2009年 「産業革新機構」誕生(産業革新投資機構の前身)
⇒ リーマンショック後の企業救済

・設置期間:15年(2025年には解消)
⇒ 昨年9年延長(〜2034年)

2018/9 産業革新投資機構発足


< 産業競争力強化法 >
http://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/


2.経産省の狙い

経産省:「不要な組織でも温存させたい」という欲望がある
⇒ 役人の天下り先をつくるということ

官民ファンドに来る民間人:「公的資金で投資をしたい」という欲が見える

建前:「別の目的がある」ということはできるが、内心は「スケベ心」がまったくないとは言えないだろう


3.「官民ファンド」の限界

官が関わるファンドでは公的資金を扱うので、資金の扱いに一定の手続きを経ねばならず、そのために結構な時間が必要になる(これは、公的資金であるのでやむを得ない)

⇒ 株式運用では即断即決が求められるのに、そもそもそれがやりにくい

⇒ 時間の問題を克服できない。だから、官民ファンドというスキーム自体が無理がある


<感想>
高橋さんの主張は、そもそも官が関わるファンドには限界があるため、官民ファンドなどやめてしまえ、というもの。
日本独自の技術を守るための枠組みは大切であるため、その取組手法については再考する必要がありそうだ。

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by tsuruichi1024 | 2018-12-24 08:00 | 安倍政権 | Comments(0)


【 GMO:GMOペイメントゲートウェイ(GMO-PG)株式を売却 】


2018/12/18、GMO(9449)がGMO-PG(3769)株式を売却した。
https://ir.gmo.jp/pdf/irlibrary/gmo_disclose_info20181218.pdf

以下はその概要。


1.株式売却の目的 
GMOグループは、インターネット金融事業を擁する企業グループとして、潤沢な手元流動性の確保と適切な資本水準の維持により更なる財務基盤の強化を図ることが必要と考えている
⇒保有資産の時価、流動性等を含む様々な点を勘案した上で、本取引を決議


2.株式売却の概要
(1)売却株式数:720万株(議決権総数の9.7%)
⇒議決権総数比率:51.7%⇒42.0%へ

(2)売却方法:SMBC日興証券との間の相対取引
⇒SMBC日興証券は本株式を取得後、直ちに転売する予定

(3)売却額:38,363百万円(@5,328円。17日終値@5,820より約8.5%ディスカウント)
⇒単体では374億円の特別利益(関係会社株式売却益) を計上


3.株価終値推移
12/7 7,000円、12/17 5,820円
12/18 4,990円、12/19 5,090円


<感想>
本件は、株式売却に際して、売出しではなく、証券会社へのブロックトレードを選択したもの。
売出しにおける値決め(プライシング)までの期間の株価の下落を避けたものと思われるが、ブロックトレードまでの株価の下げ方も気になるところである。

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by tsuruichi1024 | 2018-12-20 08:00 | 株の売り時 | Comments(0)



【 水道事業:民営化ではなく民営委託 】


2018/12/10、現代ビジネスに、高橋洋一さんが、『「水道民営化」のあまりに雑な議論に覚える強い違和感』と題する記事が掲載されていた。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58900?page=4


以下はその概要。

1.水道事業体:経営形態での分類
(1)直轄公営
(2)公営委託:特殊会社化
(3)民営委託:官民連携
(4)民間会社:民営化(privatization)

⇒日本で上水道をみると、上水道と簡易水道を合わせると、7000ほどの「事業」があり、そのほとんどは、(1)直轄公営


2.今回成立の水道法改正への経緯
1999年のPFI法

2001年の水道法改正

2011年の改正PFI法(民主党政権下)⇒民間に委託する地方自治体が水道事業免許を返上せざるを得なくなるため、万が一のことが起きた時に行政が対応できなくおそれがあり、それが問題視されていた

⇒今回の法改正は、2011年法で認められた(3)民営委託をやりやすくするためのもの

厚労省が提出した法案
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/196.html



3.ドイツの事例
ドイツの事業数は6000程度の内訳

(2)公営委託:3900程度

(3)民営委託:2100程度⇒そのうちの8件が(2)公営委託に移行=(これを失敗して移行した、とするならば)失敗率は、2100分の8で0.4%

⇒すくなくとも「官民連携」は失敗確率の低い政策である、とは言える


4.高橋さんの結論
設備固定費:人口減少で割高になる

⇒このままでは、日本の各自治体では人口減少が進んで、水道事業はじり貧になる

⇒水道事業は、当面広域化で対応するが、経営形態の見直しに対応しないと、じり貧のまま

< 地方の首長の選択肢 >

(1)直轄公営のまま「じり貧でドボン」するのか、(2)公営委託か(3)民営委託でじり貧を緩和するか


<感想>
水道事業については、官民の知恵を絞った「民営委託」により、じり貧の状況から脱することが必要であるように思われる。


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by tsuruichi1024 | 2018-12-18 08:00 | 安倍政権 | Comments(0)



【 鴻上尚史著:不死身の特攻兵 】


先日、「不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか」(鴻上尚史著、講談社現代新書)を読了した。
以下、その一部から概要をピックアップしてみた。


岩本隊長の作戦

陸軍航空隊初の特別攻撃隊、万朶隊の隊長、岩本大尉は、独断で、爆弾を投下できなかった仕様を投下できるように変更した。

「体当たり機は、操縦者を無駄に殺すだけではない。体当たりで、撃沈できる公算は少ないのだ。こんな飛行機や戦術を考えたやつは、航空本部か参謀本部か知らんが、航空の実際を知らないか、よくよく思慮の足らんやつだ」

1944年11月の第一回の特攻作戦から、9回の出撃。陸軍参謀に「必ず死んでこい!」と言われながら、命令に背き、生還を果たした特攻兵が佐々木伍長であった。


リーダーとしての器

著者の鴻上尚史氏は、22歳で劇団を旗揚げして以来、演劇の演出家として集団の長である「命令した側」にいた。
「命令した側」の経験のある人なら、「精神」だけを語るのはとても簡単であるが、自分達を分析し、相手を分析し、必要なことを見つけだすことがリーダーの仕事だという。


特攻を拒否した美濃部少佐

赤トンボと呼ばれた「九三式中間練習機」を特攻に出そうという参謀に、美濃部正少佐はこう言ったと紹介されている。

「私は箱根の上空で(零戦)一機で待っています。ここにおられる方のうち、50人が赤トンボに乗って来て下さい。私一人で全部たたき落として見せましょう」

美濃部少佐は、芙蓉部隊という夜間攻撃専門の部隊の隊長。特攻を生んだ大西中将の部下であったが、徹底して特攻を拒否、部下を誰も特攻に出さなかった。代わりに、夜間襲撃の激しい訓練を積み、芙蓉部隊は確実な戦果を挙げた。

「いまの若い搭乗員のなかに、死を恐れる者は誰もおりません。ただ、一命を賭して国に殉ずるためには、それだけの目的と意義がいります。しかも、死にがいのある戦功をたてたいのは当然です。精神力一点ばかりの空念仏では、心から勇んで発つことはできません。同じ死ぬなら、確算のある手段を講じていただきたい」

美濃部少佐にとって、「不可能を可能とすべき代案」とは、夜間襲撃の芙蓉部隊だった。


<感想>
「命令した側」の猪口大佐・中島中佐による『神風特別攻撃隊』が、自己弁護に過ぎず、他人への共感能力やリーダーの資質がまったくないと思ったことが、本著作の契機になったように思われる。
「命令した側」の仕事の中味について改めて考えさせられる内容であった。

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by tsuruichi1024 | 2018-12-15 08:00 | 読書 | Comments(0)


【 パイオニア:上場廃止 】


 2018/12/7、パイオニア(6773)が、「第三者割当による新株式発行(現物出資(デット・エクイティ・スワップ)および金銭出資)および定款の一部変更、株式併合および単元株式数の定めの廃止ならびに親会社および主要株主である筆頭株主の異動についてのお知らせ」を発表した。
https://jpn.pioneer/ja/corp/news/press/2018/pdf/1207-2.pdf

 以下はその概要。


< 2019/1/25の臨時株主総会での決議内容 >
1.発行可能株式数の増加のための定款一部変更(8億株⇒15億株)

2.第三者割当による募集株式交換の発行(DES):250億円(@50円×5億株)

3.発行可能株式数の増加のための定款一部変更(15億株⇒30億株)

4.第三者割当による募集株式交換の発行(金銭出資):520億円(@50円×10.4億株)

5.株式併合:450百万株→1株

6.単元株式数の定めの廃止


< スケジュール予定 >
2019/1/25 臨時株主総会による承認決議(基準日:12/7)

   3/1 第三者割当の完了(DES/金銭出資)
      ⇒Wolfcrestが80.3%保有(親会社かつ筆頭株主)

   3/27 東証上場廃止

   3/31 株式併合の効力発生
      ⇒Wolfcrestが100%保有(完全親会社)

+約2ヶ月後 裁判所の許可を得て、既存株主に金銭を交付(株式併合に伴う端株処理代金)
      ⇒約250億円(@66.1円×3,781,611株)


<感想>
 昭和を代表するメーカーのパイオニアが、ベアリング・プライベート・エクイティ・アジアの傘下となる。
 財務的にも非常に安定していたが、戦略の方向性を見誤ると、上場廃止になり得るという他山の石としたい。

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by tsuruichi1024 | 2018-12-13 08:00 | 上場会社 | Comments(0)


【 アルパイン:アルプス電気との経営統合 】


2018/12/5、アルプス電気(6770)とアルパイン(6816)との持株会社体制への移行を伴う経営統合(株式交換)に関する、アルパインの臨時株主総会の承認可決について、プレスリリースされた。
https://www.alps.com/pdf/ir/disclosure/20181205_info.pdf

以下は、そこに至る経緯等の概要。


1.スケジュール
2017/7/27 経営統合を行うことを両社で決定。株式交換契約を締結。株式交換比率 アルパイン1株:アルプス電気0.68株

2018/2/26 第三者委員会から、業績上方修正(18/1/30付)に伴う、意見内容に変更はない旨の答申書を取得

18/9/4 アルプス電気に対して特別配当※(100円/株)の協議を申し入れ

18/9/14 特別配当※実施により株式交換比率の見直しを行わないについてアルプス電気から同意を得る

※特別配当(剰余金の配当):100円/株
基準日:10/15
配当総額:6,895百万円
配当原資:利益剰余金
理由:少数株主から寄せられた意見や直近の両社の市場株価の動向等を踏まえ、少数株主に対して有利な条件で経営統合を行う余地を模索する趣旨

18/9/26 山田コンサルティンググループから株式交換比率に係る算定書及びフェアネス・オピニオンを取得

18/12/5 アルパインの臨時株主総会開催
第1号議案 19/1/1効力発生日の株式交換比率の承認(完全親会社:アルプス電気、完全子会社:アルパイン)・・・賛成比率73.3%
第2号議案 第1号議案の承認可決を条件とした剰余金の処分:100円/株・・・賛成比率75.4%
第3号議案 第1号議案が否決されることを条件とした剰余金の処分:300円/株・・・第1号議案が可決されたため決議されず


2.株価終値
18/12/10 アルプス電気 2,428円(×0.68=1,651円)、アルパイン 1,660円


<感想>
本件は、特別配当を付して、アルパインの臨時株主総会の特別決議で承認された、アルプス電気によるアルパインの株式交換⇒経営統合事例。
少数株主である投資家との対話の大切さを改めて感じた案件であると言える。
(ご参考)
『アルパイン、統合を勝ち取った株主との「対話」 』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38675770X01C18A2000000/

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by tsuruichi1024 | 2018-12-11 08:00 | 株主提案 | Comments(0)


【 ソフトバンク:IPOプライシング等 】


2018/11/30、ソフトバンクのIPOに絡む有価証券訂正届出書が提出された。以下はその概要。

< 仮条件:レンジなしの1本値 >
ブックビルディング方式による仮条件は、引受証券会社から通常レンジでの価格帯で提示されるが、本件は1,500円の1本値のみの提示
https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ka/karijouken.html

一方、2018/12/3、日経電子版に、『ソフトバンク上場、異例の値決め 「配当利回り5%」死守』なる記事が掲載されていた。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38460990T01C18A2000000/

以下はその「異例の値決め」部分の概要。


1.仮条件:1,500円の1本値(上記の内容)
配当利回り:5%ありき
75円(*1)÷1,500円(*2)=5%
*1:目論見書から予想される年間配当金(配当性向85%)
*2:仮条件


2.引受手数料率:販売先/手法で格差
対面:2.5%
ネット証券:1.75%
機関投資家:1.5%
⇒ 年末間際のメガ・ディールは資本市場の実験場的側面も有している
(普通社債では、個人向けと機関投資家向けの引受手数料で格差を付けるのは一般的)


3.売出し概要
(1)総売出株式数:1,603,693,700株
国内売出し1,427,287,400株
海外売出し176,406,300株

(2)オーバーアロットメント:160,369,400株
国内売出しの需要状況等を勘案し、野村證券がソフトバンクグループジャパンから160,369,400株を上限として借り入れる株式の日本国内における売出し

(3)合計:約1,764百万株×1,500円≒2兆6,460億円

(4)スケジュール
ブックビルディング:〜2018/12/7
売出価格決定日:2018/12/10


<感想>
本件は、国内最大規模のソフトバンクの新たな手法を取り入れたIPO。

思い返せば、普通社債でも、平成7年に国内市場で社債管理会社不設置社債(財務代理人方式)を初めて発行したのもソフトバンクだった。

12/4に、総務省が端末安売りでソフトバンクを行政指導する中でのIPOが、このまま予定通り、進むのか。来週以降の株価推移を含めた、午後の動きに注目して行きたい。

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by tsuruichi1024 | 2018-12-06 08:00 | IPO | Comments(0)